稲葉浩志

登録日:2009/09/05 Sat 02:14:48
更新日:2025/10/12 Sun 00:38:06NEW!
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やっぱりナマ
ナマじゃなきゃイヤだ!
ナマじゃなきゃやりたくない!



稲葉浩志(いなばこうし)
本名は いなばひろし

◆概要

岡山県津山市出身。
1964年9月23日生まれ。
ロックユニットB'zのボーカル、作詞を担当している"只者"。稲葉は自身の事を、アーティストでもミュージシャンでもなく「B'zのシンガーである」と語っている。
デビューから35周年を超え還暦を迎えた今に至るまで、凄まじくエネルギッシュでパワフルな歌唱を披露し続ける途轍もない御仁。顎のほくろがチャームポイント。

大学受験の全国模試では数学3位。横浜国立大学教育学部に入学し、小学校と高等学校(数学)の教員免許を取得した。
なお、中学校教員免許(数学)は、教育実習で長髪を切るのを拒否した為、取っていない。
因みに、本来なら東大に行こうとしていたらしいが、高校時代にバンドにはまって成績が落ちたので、横浜にしたとか。

日本音楽界の中でも屈指の歌唱力の持ち主で、最低音はLowF#、最高音はシャウトなども含めるとB5(hihiB)まで達する。TK(凛として時雨)は「真空管をまとったモンスターみたいな声」と評した。
加えて基礎の身体能力も凄まじく、ステージ上を走り回ったり跳び跳ねたりしながら歌うにもかかわらず、二時間以上のライブを通して殆ど乱れない。
ライブの終盤でも実に三十秒以上のロングトーンを披露することもある。マイクを使わなくとも会場全体に声が響き渡る程の声量がある。
にもかかわらず肺活量は本人曰く「平均より少し上くらい*1」、更にMr.Childrenの桜井和寿との対談では喘息持ちであることも明かしている。……それであのパフォーマンスなのだからマジで化け物である。
その声を生み出す秘密はトレーナーから「声帯のニューハーフ」と称された声帯の構造。
左右二本ある声帯の長さが異なり、片方は一般的な成人男性の長さ、もう片方は成人女性の長さなんだとか。
太い高音を苦も無く伸びやかに繰り出せる理由の一つがここにあるらしい。

無論才能にかまけているわけでもなく声を維持するためのケアやトレーニングも徹底しており、相方TAKが言い切る程にストイック
夏でも極力冷房をかけず、スタジオでは常に加湿器を焚く。歌い終わると、医療用吸入器で喉をケアする。
食事にも気を使い、胃腸を冷やさないために夏でも温かい鍋を食べ、ツアー期間中はビールを飲まない。
また、喉に優しいと言われる暖かいハーブティーを愛飲している。
このあたりの様子は2008年にNHKで放映されたドキュメンタリー番組「B'z メガヒットの秘密~20年目のB'z」に詳しい他、近年では円盤付属のドキュメンタリー映像でも一片が公開されている。

一方その人物像はかなり謙虚かつ天然気味。
MCでは基本的に敬語でなかなかゆるふわ、お茶目な事を語り、後輩に対しても丁寧、謙遜した態度を崩さない。
その様はミスチルのJENこと鈴木英哉とGLAYTERUが「「さん」付けは距離を感じるから呼び捨てにしてくれ」と頼んだほど*2
……しかしそれでも「君」付けで呼んでいるそうである。なんとも謙虚。
かつて週刊誌に私生活中の犬の散歩の光景をすっぱ抜かれた際は、それ自体ではなく飼い犬の品種を間違われた事に怒っていた。
Mステに幾度となく出演しているが緊張するのが常で、タモさんとのトークもしどろもどろ気味。
このようなステージでの姿とのギャップもまた、稲葉浩志というミュージシャンの魅力と言えよう。

とにかくイケメン

自身の公式サイト「en-zine」内には「en-zine対談」という企画があり、前述の桜井和寿の他、個人でも親交のある福山雅治、説明不要のトップテニスプレイヤー錦織圭選手、かつて追っかけをしていたLOUDNESSの二井原実といった錚々たる人物達と濃いトークを繰り広げている。
YouTubeでも無料公開されているので興味のある方は是非視聴してみてほしい。……というかこんなすごいやり取り無料で見せてもらっていいんですか?

親交の深いアーティストは前述の福山雅治以外にも、キムタクこと木村拓哉、宇多田ヒカル等。

◆略歴

1988年に長年の相方となるギタリストの松本孝弘と共にB'zとしてデビュー。

1991年に発表したシングル「太陽のKomachi Angel」で初のシングルチャート1位を獲得。
これ以降発売した作品はシングル、アルバム問わず全て初登場1位を獲得しており、現在進行形で連続初登場首位獲得数の日本記録を更新している。

1997年にアルバム「マグマ」でソロデビュー。
以降、ソロ名義で発表したシングル、アルバム、DVDの全てでチャート1位を獲得している。

◆歌詞

シングル曲だけを追っていると気づきにくいかもしれないが、意外にも「ダメ男」、それも「女性関係で問題を抱えている男」について歌っている楽曲が目立つ。
そのダメさ具合も、そういう境遇を変えようともがいている「純情ACTION」、振り回される内容の「CAT」「ハルカ」、どうにでもなれと言わんばかりに諦めている「DEEP KISS」「Purple Pink Orange」と実に様々。中にはそういう男に愛想を尽かした女性の目線で語られる「アクアブルー」や不甲斐無い男を焚き付ける同性の友人が主人公の「HURRY UP!」なんて変化球もある。

とはいえ全体の傾向としてそれらが極端に多いわけではなく、
  • 「恋心」「ハピネス」のような純愛
  • 「Out Of Control」「銀の翼で翔べ」で見られる社会風刺
  • ultra soul」「GOLD」といった応援歌
  • 人生訓的な内容の「BLACK AND WHITE」「デッドエンド」
  • 努力、あるいは戦い続けることの大切さ、素晴らしさを説く「Raging River」「パーフェクトライフ」「光芒」
  • 抱いた決意を朗々と歌い上げる「声明」「F・E・A・R」
等々、作詞の幅は広い。
「Wonderful Opportunity」「RUN」「Brotherhood」「C'mon」に励まされたファンも多いことだろう。いずれにせよ「自分の人生の責任を背負えるのは自分しかいない」という事を手を変え品を変え歌っている点が特徴的。

ソロではとにかく「人間の誰しもが持つ陰鬱な部分」にフォーカスを当てた重い/暗いテーマが目立つか。「冷血」や「Tamayura」「透明人間」「あの命この命」は特に顕著である。

ちなみに最も作詞に行き詰ったのはOFF THE LOCKの時期であると語っている。

◆INABA / SALAS

ソロ活動の一環で親交の深いギタリストスティーヴィ-・サラス*3と組むユニット。2017年から不定期に活動している。
サラス曰くコンセプトの1つに「踊れるロック」があるそうで、実際ボーカル、ギターの2人組というB'zとの共通項を持ちながらも、まるで方向性の違うファンクなサウンドが特徴的。
歌詞も意味よりも音感を重要視することが多いとの事。
ちなみにサラスは歌詞の意味は(日本語だから)分からないらしい。「AISHI-AISARE」がラブソングと知った時は「オーソドックスなロック歌詞だと思ってたから驚いた」と語っている。

◆勝新太郎エピソード

とある飲食店で勝が食事をしているところに稲葉がやってくる。

勝「ウホッいい男」

勝「や ら な い か」(俳優を)

しかし稲葉がB'zのボーカルであると知ると暇さえあればライブに足を運んでいた。
とあるライブでは兄の形見のテンガロンハットを渡している。
そのコンサートのタイトルはBUZZ(バズ)。
その後、稲葉と勝が出会った店での勝好物の茶漬けに「バズ茶漬け」という名前が付く。
命名者はもちろん勝新太郎。

勝の体調が悪化して入院していると稲葉は初のソロアルバムを勝に送った。
勝はそのアルバム「マグマ」を死ぬまで繰り返し聞いていたそうだ。
勝から貰ったテンガロンハットは今でも稲葉の個人スタジオに飾られている。
アルバム「SURVIVE」収録の「Shower」は、勝を偲んだ楽曲であると言われている。

◆小ネタとか

  • 趣味はバイクやサーフィン。キムタクとはサーフィンがきっかけで知り合ったんだとか。

  • 英語が堪能で、サポートドラマーであるシェーン・ガラースなどの外国人と英語で会話する。全英歌詞の曲も10曲以上作ってたりする。
    PV制作でディレクターが外国人であった場合でも、通訳無しで会話している。

  • 昔は歌いながらやたら腰をクネクネ振っていたがそれを振り返り「まるで何かにとりつかれたような…」と人事のように語っている。

  • 歌うと若返る特殊技能持ちで、波紋使いの一人ではないかなどと言われることも。

  • 歌っている時の圧倒的存在感とは裏腹に、いざ街中に繰り出すと全く目立たない。渋谷のスクランブル交差点で自撮りをしていても目立たない*4
    自身がかかわる各種イベントにお忍びで参加しても周りのファンに気づかれることは滅多になく、そこで撮られた写真が公式SNSに掲げられたのを見て「居たの!?」「来てたの!?」と驚かれるのはある種の恒例行事。誰が呼んだか「ステルス稲葉」

  • B'zのアルバム『Brotherhood』のジャケットでの稲葉は合成ではなく実際に建物の屋上の鉄骨によじ登り撮影している。飛行中ヘリにぶら下がり手を伸ばす松本は合成。

稲葉「なんでこれ(松本の合成画像)が合成で俺が合成じゃないんだw」

スタッフ「これ合成じゃないの!?」

稲葉「うん。こんな凄い合成できるなら俺も合成でよかったじゃんw」

松本「じゃあもうこれは俺も含めて全部本当にやった事にしよう!w」

一同「www」


◆迷(名)言


シャウトは快感、でもたまにコケる。

これ、ニモじゃねぇの?(小さな魚の唐揚げを見て)

俺の衣装、いつの間にかみんな袖がなくなって…

これから何が起こるかは、やり続けなければわからない。
やめちゃった人にはもう何もわからないと思う。

◆ソロ作品

※表記は公式サイトに準拠

シングル

  • 遠くまで
  • KI
  • Wonderland
  • Okay

アルバム

  • マグマ
  • 志庵
  • Peace Of Mind
  • Hadou
  • Singing Bird
  • 只者

映像作品

  • LIVE 2004〜en〜
  • Inaba Koshi LIVE 2010〜enⅡ〜
  • Inaba Koshi LIVE 2014〜en-ball〜
  • Inaba Koshi LIVE 2016〜enⅢ〜
  • Inaba Koshi LIVE 2024〜enⅣ〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp 1〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp 2〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp 3〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp 4〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp 5〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp 6〜
  • Koshi Inaba LIVE 2024 ~en-Zepp~ COMPLETE CUBE*5

INABA / SALAS名義の作品

  • CHUBBY GROOVE
  • Maximum Huavo
  • ATOMIC CHIWUAWUA







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最終更新:2025年10月12日 00:38

*1 この発言をした当時は51歳。つまり大体4000ccから4500cc辺りと推測される。

*2 厳密にはTERUは呼び捨てか「ちゃん付け」で呼んでほしいと頼んだそうだ

*3 以前からソロ楽曲のレコーディングにも携わっている

*4 一応サングラスや帽子等で申し訳程度の変装はしている

*5 上記Zepp1~6を一纏めにしドキュメンタリー映像を追加した完全受注生産限定アイテム