荒ぶる波濤、キオーラ/Kiora, the Crashing Wave

登録日:2014/04/12 Sat 23:34:31
更新日:2024/11/29 Fri 16:46:15
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「タッサがなぜこれを気に入るのか、わかるような気がするわ。」

――キオーラㅤㅤ



《荒ぶる波濤、キオーラ》とは、マジック:ザ・ギャザリングに登場するカードであり、。神々の軍勢に収録され、レアリティは神話レア。
なお、キオーラ全般についてもこの項目で解説する。


概要

初登場は「Duels of the Planeswalkers 2012」。乳首兄貴ことラル・ザレックと同期に当たる。
ラヴニカへの帰還ブロックでの登場を期待されていたが、登場せず。一部の人をやきもきさせていたが、テーロスブロックの神々の軍勢にてカード化された。
本当は兄貴と同時に出る予定だった。……が、開発部は気づく。

ラヴニカに海がねぇ!*1

ということで1個後ろのテーロスブロックに編入されたという微笑ましいエピソードがある。

カード性能

荒ぶる波濤、キオーラ/Kiora, the Crashing Wave (2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ
[+1]:対戦相手がコントロールするパーマネント1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それに与えられるすべてのダメージとそれが与えるすべてのダメージを軽減する。
[-1]:カードを1枚引く。このターン、あなたは追加で土地を1つプレイしてもよい。
[-5]:あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、青の9/9のクラーケン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:2

解説

[+1]能力は、パーマネント1つからのダメージを軽減する。
復讐のアジャニタミヨウに近い能力。
クリーチャー限定ではないので、プレインズウォーカーや《変わり谷》を黙らせることも可能。

[-1]能力では、1ドロー+土地を追加でプレイ。
最低でも1ドローにはなる。マナ加速としては手札に土地が必要なので、機能するとは限らない。

そして奥義の[-5]能力を使うと、9/9という甲鱗様以上のサイズを持つトークンが毎ターン出てくる。
除去耐性や回避能力が無いとはいえ、9/9が毎ターン増えるのはかなり強力。

不安材料としては、初期忠誠度が2と低いこと。忠誠度2のPW…ニッサティボルト?うっ頭が…

また、「青4マナ」「小ー能力がドロー」と半沢直樹思考を築く者、ジェイス》と被っていることが挙げられる。


絵は浮世絵のような波を背景にしたステキな一品。イラストレーター曰く「葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』へのリスペクト」とのこと。
カードでは見切れているが、「青い肌+鰭の生えた手足+腰から伸びるタコの足」とモンスター娘好きなら気に入るかもしれない。

派生カード

深海の主、キオーラ/Kiora, Master of the Depths (2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ
[+1]:クリーチャーを最大1体と土地を最大1つ対象とし、それらをアンタップする。
[-2]:あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを公開する。あなたは、その中のクリーチャー・カードを最大1枚と土地カードを最大1枚あなたの手札に加えてもよい。残りをあなたの墓地に置く。
[-8]:あなたは「クリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、クリーチャー1体を対象とする。あなたは『その戦場に出たクリーチャーはそれと格闘を行う。』を選んでもよい。」を持つ紋章を得る。その後、青の8/8のタコ・クリーチャー・トークンを3体生成する。
初期忠誠度:4
戦乱のゼンディカーにて登場したキオーラ。海神の槍を携えて故郷に帰還し、ギデオン達と共にエルドラージに立ち向かう。

プラス能力はクリーチャーと土地のアンタップ。疑似的なマナ加速や攻撃後のクリーチャーのアンタップなど、応用が利く能力。
マイナス能力はサーチで、運が良ければ2枚補充できる。
奥義はトークンと紋章の生成で、紋章→トークン生成の順のため相手のクリーチャーを3体まで除去可能。ただし全体除去に注意は必要。

クリーチャーを主体としたデッキ向けで、色の性質上特にランプ向き。ただし直接的な除去はできないため守りきれるように構築したい。

ビヒモスを招く者、キオーラ/Kiora, Behemoth Beckoner (2)(/)
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ
パワーが4以上のクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、カードを1枚引く。
[-1]:パーマネント1つを対象とし、それをアンタップする。
初期忠誠度:7
灯争大戦で登場したキオーラ。アンコモン。

常在型能力はドローエンジン。唱えた時ではなく戦場に出た時なので打ち消しには注意。
マイナス能力はパーマネントのアンタップ。土地をアンタップしてのマナ加速はもちろん、マナ・アーティファクトの再利用なども可能。自分の信心(場のパーマネントのマナシンボル数)によって出るマナが増える《ニクスの祭殿、ニクソス》や《ニクスの睡蓮》との相性が特によく、【緑単信心】や【青単信心】でよく使われている。

潮の憤怒、キオーラ/Kiora, the Tide's Fury (3)()
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ
[+1]:あなたの手札に《クラーケンの幼子》のカード1枚を創出する。
[+1]:クリーチャーや土地のうち1つを対象とする。それをアンタップする。次のあなたのターンまで、そのパーマネントが受けたり与えたりするすべてのダメージを軽減する。
[-3]:あなたはクラーケン1体を生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、青の8/8のクラーケン・クリーチャー・トークン1体を生成する。
初期忠誠度:4
MTGAオリジナルのセット『Jumpstart: Historic Horizons』で登場したキオーラ。

1つ目の[+1]能力は、1/0/4バニラのクラーケンを手札に実カードの形で生成するデジタルらしい能力。サイズは少々心許なく1マナかかる点も無視できないため、基本的には[-3]能力の布石。
2つ目の[+1]能力ではクリーチャーか土地をアンタップし、それのダメージを自他問わず軽減する。マナ加速、攻撃の防止のどちらにも使える器用な能力。
そして[-3]能力では、クラーケン1体を生贄にすることで8/8のトークンを生成する。このカードの目玉となる能力だが、自身のトークンを使えるのは次のターンのためある程度クラーケンを搭載しておきたいところ。

深海の君主、キオーラ/Kiora, Sovereign of the Deep (3)()()
伝説のクリーチャー — マーフォーク・貴族
警戒、護法(3)
あなたがあなたの手札から海蛇やクラーケンやタコやリバイアサンである呪文を唱えるたび、あなたのライブラリーの一番上にあるカードX枚を見る。Xは、その呪文のマナ総量に等しい。あなたはその中から、マナ総量がXより小さい呪文1つをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
4/5
『機械兵団の進軍:決戦の後に』で神話レアとして登場したキオーラ、PWの灯を失いクリーチャーとなった。

能力は海の化け物系のクリーチャー・タイプに対し疑似的な続唱を付与するもので、大型クリーチャーから続けて唱えていくことをコンセプトとしている。
護法(3)と十分な耐性はあるものの、5マナに加えて大型のクリーチャーを要求されるため能力を発揮するまでがかなり遅い。
構築基準で見ると遅さが否めないため、強力なマナ加速が多い統率者フォーマット向き。

上げ潮、キオーラ/Kiora, the Rising Tide (2)()
伝説のクリーチャー — マーフォーク・貴族
これが戦場に出たとき、カード2枚を引き、その後、カード2枚を捨てる。
スレッショルド ― これが攻撃するたび、あなたの墓地に7枚以上のカードがある場合、「深海の末裔」という名前で青の8/8の伝説のタコ・クリーチャー・トークン1体を生成してもよい。
3/2
『ファウンデーションズ』で登場したキオーラで、スタンダードでは通常のセットより長期間使用できる。

出た時の手札交換とスレッショルドを条件とした攻撃時の8/8トークン生成の2つの能力を持ち、単体でも手札の質を上げることが可能。一方で本体が3/2と微妙な数値であり、生成するためにキオーラ自体が使い捨てになりがちなのが欠点。そのためスレッショルドは狙いすぎず、蘇生先や墓地で機能する能力持ちを捨てる目的で採用したい。

ストーリー

ゼンディカー出身のマーフォークの女性。
つまりニッサ石鍛冶と同郷。
クラーケンやリバイアサンなどの海の巨大なクリーチャー達を操ることができる。

ゼンディカーということで過去に故郷をエルドラージに襲われており、反攻のために強力な海のクリーチャーを求めてテーロスを訪れた。ニッサェ…

テーロスのトリトン(マーフォーク)からは、海の神であるタッサの化身であると思われている。彼らから崇拝されているが、タッサ本人からはあまりよく思われていない。

その後、信者達の前で処刑を宣言したタッサと対決し追い詰められるが、タッサの二又槍で海底の岩に繋ぎ留められた状態でプレインズウォークしてなんとか脱出。結果的にタッサの二又槍を奪うことに成功した。
このエピソードは後に英雄譚《キオーラ、海神を打ち倒す*2》として語り継がれているようだ。

余談

名前は当初「キオラ・アツア」と訳されていたが、その後「キオーラ・アトゥア」に変更。
Atuaがマオリ語で「神」「祖先」を意味する単語ということで、揉め事を避けるためカード化に際しては姓を省かれ「キオーラ」となった。



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最終更新:2024年11月29日 16:46

*1 ラヴニカ次元は「次元全部が開発された次元」なので、海がなくなってしまっている。島のカードもどう見ても人工物。

*2 英語だとBestで出し抜く、という意味だが英雄譚のタイトルであることを考慮しての訳と思われる