黒い旋風(遊戯王OCG)

登録日:2014/05/17 Sat 12:38:50
更新日:2024/02/09 Fri 15:05:51
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黒い旋風とは遊戯王オフィシャルカードゲームのカードの1つ。
BFのサポートカードとして有名である。

長らく規制されていたが、現在は無制限カード。

黒い旋風
永続魔法
(1):自分フィールドに「BF」モンスターが召喚された時に発動できる。
そのモンスターより低い攻撃力を持つ「BF」モンスター1体をデッキから手札に加える。

【概要】

BF】を組む際、真っ先に名前の上がる永続魔法。

効果は至ってシンプルで、召喚されたBFに対応し、そのBF未満の攻撃力を持つBFをサーチできる。
永続なので割られない限り何度でも効果を使うことができ、延々アドを失わず殴り続けられる。
このシンプルな効果と下級~半上級のBFの高いポテンシャルを合わせ、絶え間ない攻撃を続けることが出来る。

また、ARC-Vや漫画版BFでの強化で格段にシンクロのパターンは増加しているため、
手元のBFに合わせて的確な後続をサーチできるこのカードはやはり重宝されている。

【展開例】

シュラを召喚し、ゲイルかカルートをサーチすることでシュラの戦闘をサポートするのが基本的なパターン。
リクルートしたBFは効果が無効になるものの、攻撃はできる。

  • レベル5シンクロ(ソハヤ、チャンバライダーなど)
レベル4BF→オロシ、ゲイルorデス→ハルマッタン

  • レベル6シンクロ(ノートゥングなど)
カルート→ゲイル、ゲイルorピナーカ→グラディウス、ブリザード→ハルマッタン、デス→ハルマッタン

  • レベル7シンクロ(ライキリ、チドリなど)
クリスorシュラorブラストorゼピュロス→ゲイル、デス→ハルマッタン

  • レベル8シンクロ(BFD、オーガ・ドラグーンなど)
シュラでデスをリクルート、ゲイルorデス→ハルマッタン

  • ランク4エクシーズ(カステル、キービートルなど)
シュラ→ブラスト、クリス→ブラスト


その他、ブリザードを絡めた展開例はそちらを参照。


【環境での活躍】

このカードとシュラゲイルカルートとの相性は非常に良好であり、登場当初こそ半ばファンデッキでしか無かった【BF】を一気に準環境~環境レベルまで躍進させた。
自力で特殊召喚が出来る下級が(当時としては)多かったBFには鬼に金棒と呼べる相性を見せ、【旋風BF】を成立させた。

そして、この旋風BFと相性が良かったカードが王宮の弾圧であった。
特殊召喚を互いに抑制する弾圧とBFの相性は一見最悪なのだが、実は抜け道がありシュラのリクルート効果はダメージステップに発動するので弾圧の効果を発動できない。

これによって旋風でカルートを延々サーチし、シュラでビートダウンを仕掛けて行く戦法が実現。【旋風弾圧】として環境に喰い込んだ。

構築経費の安さやプレイングの単純さから、2009年の大会では高い成績を残す事になった。

しかし、やはり逆風からは逃れられず、2010年以降インフェルニティの隆盛辺りから徐々に環境から姿を消し、2011年春のBF関連カード大量規制において、遂に旋風はカルートと共に制限カードとなる。

その後、王宮の弾圧の禁止やサイクロンの制限緩和でかつての戦法が取りづらくなり、旋風軸のBFには徹底的に相性が悪い甲虫装機が隆盛したことからメタゲームからは完全に脱落した。

その後、甲虫装機共々環境格のデッキの大量規制、カルートやゴドバの緩和と言う追い風はあったものの、支援のデッキとのカードパワーの差は埋まらず、【旋風BF】は中堅デッキという立場で落ち着いている。
そして旋風は2013年9月に準制限まで復帰、2014年7月に制限解除となった。

この時期にもなると特殊召喚に対応しない点が仇となり、このスペックでありながら採用を外されてしまうのも珍しくなかったが、
第9期にはBF待望の召喚権を増やすシンクロの「BF-星影のノートゥング」が登場。
「召喚」のみに反応する旋風と完全に合致したスペックであり、以降レベル6シンクロから続けてBFをサーチして展開する流れが定番化している。

形は変わったものの【BF】において旋風は貴重なアドバンテージ原には変わらない。

【評価】

さて、比較的長い間制限にぶちこまれていたこのカード。
優秀なカードには違いないのだが、カードプールが充実する今となってはぶっちゃけこれより優秀なサーチカードは幾らでも存在する。
このカードの弱点として

  • 永続魔法なのでサイクロンのチェーンで効果を止められる
  • カテゴリの名前を持たない上、サーチする方法がない(もともとBF魔法罠サーチは無いが)
  • このカードの判定方法は「召喚されたBFの効果解決時のフィールド上での攻撃力」に決定されるので召喚反応を踏んだりして場から離れるとサーチできない
  • 同じBFでもほぼ通常召喚しない墓地BFとかだとそもそも効果が起動しない
  • 場の攻撃力で判定するのでBF召喚時に収縮等を撃たれるとサーチ対象が居なくなる可能性がある(逆に攻撃力を上げるカードを使うとサーチ範囲が広がる)

と、登場当時はともかくインフレしまくっていた時期を含めて長い間制限とするにはわりと疑問点が残るカードではあった。
しかしこのカード「複数枚存在する場合、それぞれ同時にチェーンを組み発動できる」と言う裁定がある。
つまりこの時期らしい同名カードを複数同時に使えるカードなのである。

つまりどういうことかというと、

1、旋風Aと旋風Bを張った状態でシュラ(攻撃力1800)を召喚。

2、旋風AとBの効果が同時に発動。好きな順でチェーンを組む。

3、Aの効果でブラスト(攻撃力1700)、Bの効果でゲイル(攻撃力1300)をサーチ。

4、シュラがいるのでブラスト、ゲイルをそのまま特殊召喚。

5、総攻撃力1800+1700+1300=4800で総攻撃。(しかもゲイルで攻撃力半減が可能)

6、メインフェイズ2に入り、戦闘破壊されないアーマード・ウィングをシンクロ。

ということができる。

この時、2枚の旋風の効果で3000分の打点が増え、場には攻撃力2500のシンクロモンスターが残っている。

次のターンに旋風が残っていればBF1体の召喚で再び2枚ものサーチが可能。
それを何度も続けられては手を付けられなくなるだろう。

要するに単独のスペックのせいで制限カードにされたゲイルとはまるで異なり、複数枚同時解禁の危険度が高いせいで中々許されなかったカードと言えるだろう。この辺は停戦協定にわりと通じるモノがある。

しかし、サーチができない点は痛い。
というか、3枚積みだろうと工夫しなければデュエル中に1枚も引けないことはザラであるため、2枚以上引けたら相当なラッキーである。
かつて環境を席巻していたテーマの緩和ということでKONAMIが慎重になっていたというのが真相だろう。

実際、剣闘獣のベストロウリィも09年3月1日に制限指定されてから準制限への緩和が13年9月1日、制限解除は14年2月1日と長い期間を要している。同じくカテゴリ内で重要な位置を占める六武の門も11年3月1日に制限入り、15年10月1日に準制限に緩和、16年10月1日に制限解除と、規制されていた時期が長い。


そして2018年のデュエリストパックにてついに黒い旋風に対してのサポートカードが初登場。
BF-毒風のシムーン
効果モンスター
星6/闇属性/鳥獣族/攻1600/守2000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札からこのカード以外の「BF」モンスター1体を除外して発動できる。
デッキから「黒い旋風」1枚を自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。その後、手札のこのカードをリリースなしで召喚するか、墓地へ送る。
この効果で置いた「黒い旋風」はエンドフェイズに墓地へ送られ、
自分は1000ダメージを受ける。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

1ターン限定ではあるものの黒い旋風を場に出し、すぐに自身を召喚してサーチできる。
召喚権は消費しないため、サーチしたBFをまた召喚してもう一度サーチも出来る。
1ターンに何度も効果が使える黒い旋風の利点を発揮できる良サポート。エンドフェイズのダメージは稼ぐアドに比べたらそのまま受けても問題ない程度の数値。
デッキから置くなので灰流うららで防がれない点も安定度が高いと言える。
ブラックフェザー・ドラゴンのカウンターを貯めるのに使うのもいいだろう。

【その他媒体において】

OCGオリジナルカードであり、アニメクロウが使ったことはない。
一方ゲームでは優遇されており、クロウがボイス付きでしゃべってくれる。

DTやタッグフォースのボイスは必聴、浅沼氏の熱の入ったカード解説を聞ける。
このあたりはガン等のボイスをしゃべってくれる小野氏みたいな感じか。

…まあライディングデュエルの無いゲームではこれらのカードは必須カードなので、むしろしゃべってくれないと寂しい気はするし妥当なファンサービスと言えるだろう。




追記・修正は黒い旋風を初手で握ってからお願いいたします

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最終更新:2024年02月09日 15:05