王宮シリーズ(遊戯王OCG)

登録日:2011/03/25(金) 03:05:11
更新日:2024/07/11 Thu 21:24:58
所要時間:約 3 分で読めます





概要

王宮シリーズとは、遊戯王OCGに存在する罠カードシリーズの一種。
カウンター罠と通常罠が一枚ずつで、残りは永続罠カードである。
絶大な支配力を持つ王宮がその権力を振るうがごとく、互いのフィールドに影響したり、ルールに介入する効果を持っているのが特徴。1枚使われただけでも無視できない影響が出るものが多い。
一部を除いて強力なカードが多く、《王宮の勅命》は禁止カード後にエラッタによる制限カードを経て再度禁止カード・《王宮の弾圧》は禁止カードである。

イラストは暴君による圧政、弾圧が描かれており、遊戯王OCG初期のオリジナルカードである《押収》や検閲等の、中世ヨーロッパのような国での、民への横暴な行為全般もこれに含まれていると思われる。

流れ的に、恐らく《大革命》によって、《王宮の陥落》に至ってったものと思われる。
革命を起こす際には、《王宮のお触れ》は出ていなかったのだろう。
王様のほうも《大革命返し》するも、さらに民衆は《倍返し》ときて、さらには兵たちも《手のひら返し》……カオスである。

後に、宮廷を舞台としたカードが登場。
また、最近は裸の王様が支配する国が舞台のカードが多く、《切り込み隊長》や《戦士ラーズ》は苦労してる様だ。



王宮シリーズのカード

王宮のお触れ

永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、このカード以外のフィールドの全ての罠カードの効果は無効化される。

「今後一切の罠を禁止するお触れである!皆の者よく目を通すように」
自分以外の罠カードの効果を無効にする永続罠。
最初期から罠カードメタ筆頭として活躍してきたカード。
一般的なビートダウンデッキで採用する場合、攻勢に出るには都合がいいが劣勢に回ると巻き返しが難しくなることから使いどころが肝心だった。

このカードを積極的に活用するデッキとしては【お触れホルス】が有名。《ホルスの黒炎竜 LV8》で相手の魔法を封じ、《王宮のお触れ》で互いの罠カードを無効化することでフィールドを支配することができた。モンスターによる除去が強力になっていく第5期終盤まではしばしば見られたデッキタイプである。

その後は自分の罠カードも阻害したり《サイクロン》のような除去で簡単に妨害されるリスクもある為、《トラップ・スタン》のような、限定的かつ確実な妨害が優先されている。

第9期あたりになると妨害は《灰流うらら》や《増殖するG》のような手札誘発のモンスターで行うようになり、罠カード自体の採用率が激減。サイドデッキですらもなかなか採用されなくなっている。

王宮の勅命

永続罠(禁止カード)
このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の魔法カードの効果を無効にする。
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に700ライフポイントを払う。
または、700ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。

※エラッタ前の内容

「ワシの名の下に、今後魔法を用いた者は如何なる理由でも全員捕らえるのじゃ!」
お触れの魔法カード版。
遊戯王OCGにおいて、セットしてターンを跨ぐ必要がある罠に比べ、魔法は手札からそのまま発動できる即効性ゆえに魔法カードは罠とは比べ物にならない程重要とされる。デッキを回す起点だったり、一発逆転の要素等のデュエルにおける根幹を成すカードが多い。

それをこのカード一枚ですべて無効化できるのは余りにも強力すぎた。結果制限カード送りにされた末に無事刑務所送り禁止カード化した。
コストのないお触れと異なり維持コストとして700ライフが必要なのだが、あえてコスト払わなければ自分のスタンバイフェイズという都合のいいタイミングで自壊できるのも大問題だった。

相手ターンで相手の魔法を無力化した後、自分はスタンバイフェイズにこれを破壊し、続くメインフェイズでは魔法使い放題という有様。

これが現役の頃はハンデス三種の神器や《強欲な壺》が制限、《天使の施し》が準制限であり、
先攻1ターン目で相手は手札補強しながらこちらの手札を破壊、返しのターンではこちらの壺や施しが相手の勅命によって無効化、相手のターンがまた来ると自壊させて当然のようにまた魔法を使うというインチキ状態であった。
そもそも効果の強さに反して維持コストが安すぎるというのは禁句。

永続罠(制限カード)→(禁止カード)
このカードのコントローラーはお互いのスタンバイフェイズ毎に700LPを払う。
700LP払えない場合このカードを破壊する。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての魔法カードの効果は無効化される。

そして12年10ヶ月後に禁止解除と共に↑のようにエラッタされ釈放。
ライフコストが強制になり自壊不可能、かつお互いのターンにライフを強制で払うことになった。
魔法封じ能力は健在だが任意の解除ができないため、とりあえず撃ったはいいがこっちも魔法が使えなくて膠着→ライフコストで崖っぷち……なんてことも。

…のはずだったが、モンスターカードの代わりに永続魔法・罠カードをリリースできる真竜モンスターが登場したことで任意のタイミングでアドバンス召喚の素材としてリリースするという形で自発的にパージできるようになり早くもデメリットが形骸化。第二の《王宮の弾圧》のような挙動を見せ始めている。

そして大方の予想通り2022年4月からまたもや禁止カード行きが決定。
遊戯王OCG界隈では前代未聞の一度禁止になりエラッタされて禁止解除された後、再び禁止カード送りになる快挙(?)を達成した。エラッタってなんだっけ

勅命とは、国王や天皇といった時の最高権力者が直々に下す号令のこと。
なのにOCGではお触れによって無効にされてしまう
絶対王政の国家なら極めて拘束力の強い命令となるが、一度訂正してもダメな勅命とは果たしてどんな内容だったのやら…。


王宮の号令

永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、全てのリバース効果モンスターの発動及び効果は無効化される。

「我らの目標はリバースモンスターだ。決してリバースする隙を許すな!」
リバース効果モンスター封殺する永続罠。
テキスト上は一旦発動してからカウンター罠のように発動と効果を無効にするように見えるが、実際は「リバース効果モンスターの効果は発動できず、その効果は無効になる」という効果である。近い時期に登場した《人造人間-サイコ・ショッカー》も類似したテキストになっていた。

デュエルリンクスでは以下のテキストに訂正され、分かりやすくなっている。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
リバースモンスターの効果は発動できず、効果は無効化される

ちなみに リバース効果モンスターが持つリバース時以外に発動する効果*1も無効化できる

登場以来他の王宮シリーズに比べてあまり目立たなかった。
第5期辺りから即効性に欠けるリバース効果モンスター自体の採用が減っていたあまり採用されない。
第9期に入ると【シャドール】の流行でメタカードとして注目されるが、実際は《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》の方が使われていた模様。


王宮の弾圧

永続罠(禁止カード)
800ライフポイントを払う事で、モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果を無効にし破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

「特殊召喚を使うとは貴様ら敵のスパイだな?ええい、口応えするな!」
800ライフコストを払うことで、相手モンスターの特殊召喚を無効にする。
永続罠である為、ライフコストを払えれば何度でも使える。
ただし、相手にも使わせてしまうデメリットも存在し、一部の特殊召喚は無効化できない穴もある。*1

が、大半のデッキのギミックであるEXデッキからの特殊召喚や特殊召喚モンスターをこれ一枚で封じられるのは凄まじい性能であった。加えて、永続罠カードゆえに使用者が好きなタイミングで表にできるというのが問題であった。

ほぼ自分は影響を受けずに特殊召喚できるデッキはもちろん、普通のデッキですら自分の特殊召喚を一通り終えた後に発動して相手だけ封殺する、まさしく弾圧めいたメタもクソもない悪用法が確立。そのため禁止カードに。

その後も《虚無空間》や《サモンリミッター》なども自分が一通り展開してから相手だけ縛るという使い方をされて規制を受けている。

王宮の陥落

カウンター罠
相手が永続罠カードを発動した時に発動する事ができる。
そのカードの発動と効果を無効にし破壊する。

「わ、わかった。今までのお触れはもう好きにしろ。だから命だけは助けてくれええぇ……」

永続罠限定無効のカウンター罠。
上記の王宮シリーズをノーコストで全て無効にできる……といえば聞こえはいいが効果の範囲が局所的すぎて使いどころは少ない。
永続罠の対策ならばそもそも《サイクロン》や《砂塵の大竜巻》で割れば済む。
罠カード全般の対策ならば素直に《盗賊の七つ道具》《トラップ・スタン》を使おう。

これが登場したTHE LOST MILLENNIUMでは永続魔法の発動と効果を無効にする《魔力終了宣告》が収録されており、そちらには王宮の王の姿が描かれている。

イラストは《大革命》の後なのだろうが、革命を許すほどに疲弊した国に、明るい未来はあるのだろうか?


王宮の重税

通常罠
相手のスタンバイフェイズ時に発動できる。
相手の手札をランダムに1枚確認する。
確認したカードまたは同名カードが次の自分のエンドフェイズ終了時までに召喚または発動されなかった場合、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
召喚または発動された場合、自分は1000ポイントダメージを受ける。

「使えないなら早くライフを払わんか!…なに、使った?そ、そうか、すまなかったな…」
限定的なピーピングとバーン効果を持った通常罠カード。
かなり使いづらい。
今までの、「あるジャンル全てを無効にする効果」から一転、この中途半端な効果は、政権の失敗からか王宮が弱体化し、その穴埋めを民からの重税で補おうとしている事からきているのかも知れない。


王宮の鉄壁

永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いにカードを除外できない。

「我が国の防備は万全です。異次元からのネズミ一匹通れないでしょう」

全てのカードはゲームから除外できなくなる。
邪帝ガイウス》などの効果は不発となり、《強欲で貪欲な壺》のような除外をコストにするカードは発動できなくなる。
除外に対する究極のメタであり、現在でもサイドデッキでの採用率も高い。

マクロコスモス》のようにイレギュラーな処理が頻発するため、使う時にはルールを一通り調べておこう。

また、除外されないことを利用した再利用コンボを引き起こせる。
例えば《ボルト・ヘッジホッグ》を延々と自己蘇生し続けることができる。

イラストは、まだ力のあった頃の王宮の絵だろう。


王宮の牢獄

永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーは墓地のモンスターを特殊召喚できない。

「蘇生できるだと?フン、ならば棺ごと牢にぶち込んでくれるわ」
墓地のモンスターを特殊召喚出来なくなる。
ほとんどのデッキは墓地を利用することが多く、拘束力は低くない。
蘇生カードにチェーン発動することで無駄打ちさせることもできるが、最初から発動していないと止めれないものもある。また一回無効にするだけなら《ヒーローズルール2》などの方が確実。
しかし類似カードに比べ、発動させておけば自己再生する効果モンスターも止められる。《スターダスト・ドラゴン》などにも有効。





王宮の冥殿
このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、全ての追記・修正を無効にする。

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最終更新:2024年07月11日 21:24

*1 ダメージステップには発動できないため、リクルーターや《BF-蒼炎のシュラ》、《冥府の使者ゴーズ》などの特殊召喚は無効化できない