ガウレザル・ドラゴン

登録日:2014/05/28 Wed 20:53:10
更新日:2024/05/11 Sat 23:47:22
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余りに長く繰り返した砲撃も、龍から命を失わせる事はできなかった。





【初めに】

皆さんは、DM-10「聖拳編(エターナル・アームズ) 第1弾」と言ったら、どのカードを思い浮かべるだろうか。
このパックは、DMにおいてかなりの影響を及ぼすことになるカードを生み出した。多くの人がこのパックで思い浮かべるカードは




このように、一見すると「聖拳編(エターナル・アームズ) 第1弾」は、殆ど外れなしの優良パックに見える。
実際にDM-10は、今なお環境で戦える良質なカードが多い。


しかしである。
華やかなカードが輝きを放つ一方、必ず影というものは存在する。
このDM-10は、優良パックに見える一方で、多くの購入者を泣かせたことでも有名なパックである。

そのDM-10の影を象徴するカード、それは《ガウレザル・ドラゴン》というドラゴンである…

【説明】

ガウレザル・ドラゴン VR 火文明 (9)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 11000
W・ブレイカー


終わり。
残念すぎるスペックである。

まず性能の方から見てみよう。持っている能力はW・ブレイカーだけ。いわば準バニラと呼ばれる奴である。
基本セットのSRじゃねぇんだからさ…

当時のコスト論から言っても、9コストならばパワー12000~14000のT・ブレイカーとなるはずでパワー11000は明らかに釣り合っていない。
最低でもパワー1000は損している計算となっている。
1コスト上にパワー15000のT・ブレイカーのグラディアン・レッド・ドラゴンがいることも向かい風。
というかベリーレアなんだし当時のコスト論に則っても9コストパワー12000スピードアタッカーのT・ブレイカーぐらいで丁度良いものだが……

さらに基本セットの高レアの準バニラのカードにすらスペックが劣っており、下位互換の塊のような存在である。
このカードの上位互換には以下のようなカードが存在する。


ネオ・ボルシャック・ドラゴン P 火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 11000+
パワーアタッカー+4000
T・ブレイカー

凶闘の魔人ギリエル SR 闇文明 (8)
クリーチャー:デーモン・コマンド 11000
W・ブレイカー

流星の精霊ミーア SR 光文明 (8)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 11500
W・ブレイカー


聖拳編より後に登場したネオ・ボルシャック・ドラゴンなどに関しては、仕方のない一面はあるだろう。
しかし、このカードよりレアリティが高く文明が違うとはいえ、基本セットの準バニラにすらスペックが劣るってどういうことなの…

ちなみに上記で紹介した三枚のカードは、現在ほとんど使用されていない。
《流星の精霊ミーア》は《超竜サンバースト・NEX》を倒せるという特徴があるが。

このことからガウレザルの現在の状況は察してほしい。
というか、登場当時から既に使われてはいなかったが…



ちなみにレアリティはコモンやアンコモンそしてレアなどではない、悪夢のベリーレアである。
DM-10のベリーレアカードは、以下のようなカードがある。

◾《雷珠の求道者ラ・バルザ
◾《光器リュドミーラ
◾《キング・オクアノス
◾《災厄秘宝ゲジラ
◾《冥府の覇者ガジラビュート
◾《天動の化身
◾《覚醒のタンザナイト
◾《無双竜機ボルバルザーク
◾《霊光の化身

…ボルバルザークは説明不要だろう。DMの環境のトップに居座り続けてきたカードである。
《災厄秘宝ゲジラ》《冥府の覇者ガジラビュート》《覚醒のタンザナイト》などは現在もお呼びがかかることがある。

ガウレザルに並ぶ酷いスペックを持つベリーレアは《キング・オクアノス》と《雷珠の求道者ラ・バルザ》辺りであろう。
この二枚は、ガウレザルと同じく、DM-10の影を象徴する酷いスペックのカードである。

ここから見るに、DM-10のベリーレアは各カードごとに落差があったのは否定できないだろう。
だが、その中でも最低レベルの性能を持つガウレザルって一体…

ボルバルザーク狙いで、DM-10を箱買いした人も数多くいたであろう。
そんな時に、このカードや《キング・オクアノス》《雷珠の求道者ラ・バルザ》などが当たってしまった人は泣いてもいいかもしれない。


そしてこのカードの一番酷い面がある。
それは、初心者用のスターターデッキであるDMS-03 「聖拳編(エターナル・アームズ)スターターセット」の目玉として収録されたことだろう。

ちなみにもう一つの目玉カードは《キング・オクアノス》。こちらも大概酷いスペックのカードである。
まぁ、DM-10の中では初心者にも理解しやすい高レアカードではあることから、この二枚が選ばれたのだろう。
とは言え、DMを初めてプレイする初心者に推奨する切り札のカードが、これで果たして良いのだろうか。


ただこのスターターからDMを始めた人の中では、ガウレザルに思い入れのある人は存在するはずである。多分。
一応擁護しておくと当時の火単色アーマード・ドラゴンはサポートが多い事を危惧されたのかやたら使いにくいクリーチャーが多く、*1ガウレザルだけが酷いスペックというわけではない。


このように酷い性能のカードだが、次にこのカードの数少ない評価点を上げてみよう。

まずフレーバーテキストだけを見れば、かなり高いレベルに入る。
背景ストーリーでの、このクリーチャーの強さを分かりやすくシンプルに説明しているといっても過言ではない。
…ならフレーバーのような強さを持つパワーに設定しとけよ。


またイラストが非常に良い。
HACCAN氏の大変レベルの高いイラストは見ていて飽きない。


一応ガウレザルにもこのような利点がある。
そのため観賞用に一枚ぐらい持っておけば、損はしない…かもしれない。



余りに長く繰り返した全消しも、アニヲタWikiから追記・修正を失わせることは出来なかった。

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最終更新:2024年05月11日 23:47

*1 中には超竜バジュラボルメテウス・ホワイト・ドラゴン等強力なカードもあったが彼らが環境に名を残すのはもう少し後の時代である。