登録日:2014/10/06 Mon 17:18:46
更新日:2024/10/02 Wed 15:49:22
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山形新幹線(やまがたしんかんせん)は、
福島~
新庄間を結ぶ
JR東日本のミニ新幹線路線である。
なお、
東京~福島間で
東北新幹線との直通運転を行っている関係上、一般的には東京~新庄間も山形新幹線と呼ばれるが、
本項では福島~新庄間について解説する。
概要
新幹線と名前は付いているが、路線自体は全線が
奥羽本線内を走行しており、法律上は新幹線ではなく在来線特急の扱いとなる。
しかしフル規格区間に乗り入れる関係上、山形新幹線が走行する区間は1435mmの標準軌となっており、新庄以北の奥羽本線の列車は乗り入れが不可能となっている。
また、当該区間は「山形線」の愛称が付けられている。
最高速度は在来線区間では130km/h、新幹線区間では275km/hまたは300km/hで走行する。
列車愛称
新幹線開業までは福島~秋田間(一部上野発着)を結ぶ特急列車の愛称だった。
基本的な運行区間は東京~山形・新庄だが、山形~新庄間で下りに一本区間列車が存在する。
かつては自由席が2両設置されていたが、2022年のダイヤ改正以降は全車指定席で運転されている(山形新幹線内のみで乗車する場合は特定特急券で空席を利用可能)。
なお、後述の新塗装化と共に地元産の米に因んだ「つや姫」に列車名を改称するよう県が要望していたが、JRは勿論県民からも反対があり却下されている。
2014年から運行開始となった「観光列車」。
何気に「足湯」まであるなど結構豪華。
因みに福島駅では在来線ホームから発車する。
足湯の関係で新幹線区間での運転は無理かと思われていたが、2017年2月に東北新幹線上野駅始発の臨時列車が初めて運転された。
長らく山形線の観光列車として活躍したが、2022年3月をもって運行を終了した。
車両
現役車両
E3系置き換えのため2024年3月から営業運転開始。
E6系をベースとしているがノーズはやや短い。
東北新幹線区間ではE5系との併結で300km/hでの運行が実施されている。
モバイルコンセントは全席に設置された。
老朽化した400系の置き換えとして2008年から登場。
基本設計は1000番台と変わらないが、フルアクティブサスペンションを搭載して乗り心地が向上した。
また、自由席のシートピッチも拡大されている。
こちらは窓側の座席にモバイルコンセントが付いている。
過去の車両
山形新幹線開業時に導入された車両。
登場当時はメタリックグレーの濃淡という他の新幹線では例を見ない斬新なカラーリングが評判を呼んだ。
E3系1000番台登場に際し塗装が同系に準じたものに改められている。
E3系2000番台導入に伴い置き換えが開始され、2010年4月18日に運転された「さよなら400系 つばさ18号」最後に、全車両が引退した。
現在は先頭車1両が鉄道博物館に保存されている。
新庄延伸開業時の1999年に3編成導入。
その後、
秋田新幹線用の0番台を改造した2編成が登場した。
塗装は登場時はシルバーとグレーをベースにしたものだったが、2014年から
山形県の県花である紅花をイメージした白と紫をベースにしたものに順次変更されていった。
E8系の導入に伴い2024年3月改正で引退。
「とれいゆつばさ」で使用。秋田新幹線用の0番台からの改造車。
観光列車のため原則福島~新庄間のみの限定運用であった。
2022年3月の「とれいゆつばさ」運行終了に伴い引退。
駅一覧
同区間を走行する山形線との乗り換えは、終点の新庄以外は省略。
東北新幹線・
東北本線、阿武隈急行線、福島交通飯坂線乗り換え。
福島県第一の都市で起点駅だが、郡山に負けてる印象があるのは気のせいか…?
山形新幹線は3階の東北新幹線ホーム、
普通列車は1階の在来線ホームから発着する。
上り列車の併合を行う際に、連結相手となる「やまびこ」が下り本線を支障することがチョークポイントとなっている。
これを解消するため、米沢方から東北新幹線上りホームに直接連絡できる連絡線の建設が進んでいる。
先述のように、かつては「つばさ」には自由席車が2両設置されていた。
しかしこれはミニ新幹線規格ということもあって決して多いとは言えず、立ち客が出ることも珍しくなかった。
対して福島駅で連結される「やまびこ」の自由席車は5両。しかも仙台方面から東京へ向かう乗客の多くは所要時間の短い「はやぶさ」や「はやて」を利用するため、やまびこの座席は大抵余裕があるという状況だった。
となると何が起こるのか。……そう、
つばさの自由席に座れなかった乗客がやまびこの自由席へと乗り換えるのである。
もちろん一旦ホームに降りる必要があるのだが、それぞれの自由席車間の距離は約150m。
しかも停車時間は特別長いわけでもないため、悠長に歩いて向かっては間に合わない恐れもある。必然的に早足、なんなら走って向かう人もいる。
これが世に言う「福島ダッシュ」であり、一種の名物であった。
なお、山形→東京について語られることが多いが、東京→山形でも福島ダッシュは発生した。
この場合は「どうせ自由席なら少しでも座っていたい」ということで、福島まではやまびこの自由席に座り、そこからつばさに乗り換えるのである。
そしてつばさの乗車率がとんでもないことになる。
2022年のダイヤ改正でつばさが全車指定席となったが、特定特急券の関係で福島~新庄間では指定席券なしでも空席に座ることが出来るため、福島ダッシュそのものは残っていると思われる。
米坂線乗り換え。
米沢市の代表駅で、上杉神社、米沢城、上杉博物館といった上杉家関係の観光地の最寄駅。
米沢牛が有名で、それに伴う駅弁が数多くある。
何気にAEDが完備されている。
山形産ぶどうを使った高畠
ワインの地元でワイナリーがある。
ただし普通列車停車駅を含め、米沢から2駅、赤湯から1駅と同線他区間に比べると駅間が短いためか、定期列車の停車本数は唯一他駅の約半分程度となる。
山形鉄道フラワー長井線乗り換え。
南陽市の中心で赤湯温泉の入口駅でもある。
上山城をモチーフにした駅舎は東北の駅百選に選定された。
仙山線・
左沢線乗り換え。
山形県第一の都市であり県庁所在地の山形市の代表駅。ただ、中心街から離れた位置にある。
ここから羽前千歳駅までは狭軌と標準軌の単線並列となり、北山形駅で左沢線、羽前千歳駅で仙山線とそれぞれ分岐する。
天童市の代表駅。将棋の駒と温泉で有名な町だが、最近は山形市のベッドタウン化しつつある。
因みに江戸時代は現存する織田氏の中で一番直系に当たる天童藩織田家が治めていた。
東根市の中心街にある。東根温泉へは隣の東根駅が近い。
因みに2009年に校名を巡って物議を醸した東根市立大森小学校も近い。
村山市の代表駅だが、長い間地名の「楯岡」駅となっていた。
現在の駅名は山形新幹線延伸時になったもの。
NHK朝ドラ「おしん」の舞台になった銀山温泉(尾花沢市)へはこちらからバスで40分ほど。
奥羽本線(大曲・秋田方面)・
陸羽東線・
陸羽西線乗り換え。終点駅。
最上地方の中心都市である新庄市の代表駅で、東西南北に繋がる交通の要衝でもある。
ここで線路の軌間が変わるため、運行系統も分断される。
追記・修正はかつて福島ダッシュで無事に自由席に乗車できた人がお願いします。
最終更新:2024年10月02日 15:49