疾飛丸

登録日:2015/03/10(火) 22:52:38
更新日:2025/05/31 Sat 23:41:48
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イッスン「…って アニヲタどもの言葉で 書いてあるぜェ」



疾飛丸(はやとびまる)は、大神(ゲーム)に登場するキャラクター。
見た目はそのまんま御札である。だが宙に浮いており、れっきとした妖魔である。
上部には鬼ヶ島の紋章らしき一つ目が描かれ、下部には「陏身保命」と書かれている。
妖魔なので、会話もできる。生き物らしいパーツなんてほとんどなく、浮いているだけの御札にしか見えないのに。

旦那ァ …ヤメテ下セェヨ
御札ナンテ 素ッ気ネェ 呼ビ方ハ!

アッシ ニハ 疾飛丸 ッテ 名前ガ
アルンデスゼ!

うぜえ

鬼ヶ島をくり貫いて作られたキュウビの城の門番を任せられており、侵入者を拒む拷問迷路の前に立ちはだかる。
前述の通り江戸言葉のような口調も特徴的で、見た目と軽口の内容も相まってどこか鼻持ちならない印象がぬぐえない。

一目散のアマ公こと主人公アマテラスが侵入したとき、疾飛丸は門番としての役目を実行するのだが・・・
その内容は『早駆け』。つまりかけっこ勝負である。
スタートのスイッチを踏むと通路奥の扉が開き、疾飛丸より先に扉にたどり着けたらアマ公の勝ち、という単純なルール。
拷問迷路の名の通り、通路はでこぼこ、針山の穴、歯車などの障害物だらけなので簡単には進めない。
疾飛丸に先を越されると扉が閉まり、やりなおし。場所によっては床が落ちる、壁に挟まれるといったペナルティを受けてしまう。

ちなみにこの拷問迷路、どうやら鬼ヶ島のみんなが楽しむアスレチックも兼ねてるようで、天邪鬼たちが一斉に疾飛丸と競争する命がけの遊戯が人気らしい。

…サァ アッシ モ ッテ 名前ガ
コレ以上 無駄口ヲ 叩ク ツモリハ ネェ

後ハ 熱イ勝負デ 語リ合イヤショウヤ!

うぜえ

クリアしても次々と新しいレースが待ち受け、そのたびに疾飛丸は軽口を叩く。

アンタ 針デ串刺シ トカ
大丈夫ナ方 デスカイ?

足ヲ 滑ラセタラ
針ノ筵ニ 真ッ逆サマ ノ 針海ノ間!

ナァンテ… 平気デスカイ?

う ぜ え

旦那ァ…
チョイト 息ガ 上ガッチャ イヤセンカ?

無理シテ 命ヲ 落トシチャ
何ニモ ナリヤセンゼ!

う  ぜ  え


そんな調子がしばらく続くわけだが、仕掛けに臆さず攻略していくアマ公一行。
相棒イッスンも調子づいてきたのか、「のろま過ぎて アクビが出らァ!」と軽口には軽口で応答。
妙な関係を維持しながら鬼ヶ島の城を攻略していくアマ公たち。
それをなかなか阻止できない疾飛丸も、「一目散ノアマ公ッテ名前ハ伊達ジャネェヤ!」と讃えるようになり、口調も熱くなっていく。

疾飛丸ノ 名ニ 懸ケテ… コレ以上
アッシ モ 負ケルワケニハ イカネェ!



だが疾飛丸は、全ての拷問迷路を突破されてしまう。
気が付けば城主キュウビの根城も間近、おふざけ無しで番人の仕事を果たさなければならない局面である。
それでも疾飛丸は、アマ公一行との早駆けをやめようとしなかった。

その理由は、衝撃の告白。

勝負を続けているうちに、早駆けに命を駆けるアマ公の姿が好きになり、それをもっと見続けていきたいと思ったから。

ヘッヘ …コンナ事 言ッチャ
門番失格 デスカネェ?

イッスン「……」

ダカラネ 旦那

アッシ ハ ヤッパリ
勝負 ノ 世界ニ 生キテェ

ココマデ 来テ 勝負ヲ 止メルナンテ ―

ソンナ 温イ 事ァ
言イタカ ネェンデサ!

番人失格 ダロウガ 関係ネェ

旦那ァ
最後マデ イイ勝負 シヤショウヤ!


そしてついに、最後の早駆けが終わる。
もはや勝敗すら関係ない状態で、互いに健闘をたたえ、最後まで一緒に到達できたことを喜ぶ疾飛丸。敵ながらあっぱれとべた褒めするイッスン。
本来敵同士でありながら妙な絆が結ばれた3人であったが、ここ疾飛丸は、ふとつぶやく。

旦那ミテェナ 男前ニ
散リ様ヲ 見届ケテ モラエルナンテ ―

ヘッヘ…
妖怪冥利ニ 尽キルッテ モンダイ

疾飛丸は隠していたのだ。掟に背いた妖魔は消える運命にあり、門番としての役目を放り投げた疾飛丸も例外なく散って逝くことを。
最後まで隠し続けたのは、アマ公一行に余計な気遣いをさせたくなかったのが理由だろう。
それでも、こうもしてまで命駆けの勝負を挑み続けたのは・・・

コイツハ アッシ ガ 選ンダ
アッシ ノ 生キル道―

…誰ニモ ケチノ 付ケラレネェ
アッシ ダケノ 大事ナ 人生デサ

タトエ 妖魔ノ 使イッ走リ ニ
生マレヨウト…

散リ際 クレェ アッシ ノ 好キニ
サセテ モラワナキャ―


ココマデ 生キテ来タ 意味ガ ネェ!


与えられた任務を果たすだけの生き方しか選べず、果たせなかったら消えるだけの使い捨ての存在でしかなかった疾飛丸にとって、
敵ではあるが美しい早駆けを披露するアマテラスと心ゆくまで競争できたことは、最高の生き様に他ならなかったのだろう。

最期に疾飛丸は、別れ際の気の利いた花束を用意できないことを謝りつつ、一輪の花に姿を変え、散っていくのだった・・・。

ソレジャ 旦那…

オ元気デ…!

●余談
実は疾飛丸、大神制作終了間際の段階では存在すらしていなかったキャラだった。
鬼ヶ島の仕掛け自体はほぼ完成していたのだが、「ゆとりが無い」という理由で急遽ストイック緩和のテコ入れを要求されることになった。
(オロチの本拠地『十六夜の祠』なら「マヌケな天邪鬼(村人キャラ)が多数いる」「アマ公の面紗をプレイヤーが描いて作る」「料理長が鍋の中で溺れている」「食材探しを要求される」といったほんわか要素がてんこ盛りだが、鬼ヶ島にはそのような要素が無く、しかも「初っ端から強制エンカウントが2つ」「殺しにかかる仕掛けが多数」「BGMが終始陰鬱」「筆神様までアマ公を殺しにかかる」と癒しにほど遠い要素ばかりである。)
御札と競争する要素はこの時点で存在していたものの、セリフも名前もないとても味気ない存在でしかなかった。
そして締め切り間近の中新しいプログラムデータを仕込む余裕もあるはずない。
そこでディレクターの神谷英樹氏が「セリフ回しで勝負!」と、御札に『疾飛丸』の命を吹き込むアイデアを生み出した。
かくして鬼ヶ島のストイックさは緩和され、ホロ苦い感動をもたらすキャラとしてもチーム内で大好評を得た。
疾飛丸が誕生する前に御札をデザインした吉村健一郎氏は、
「凝ったデザインにすればよかったとも思いましたが、このそっけなさがいいのかも」
と語っている。

第一印象にうざさを見せつつも最期に強烈な熱さを見せつけた疾飛丸は、多くのプレイヤーに強烈なインパクトを与えた。
疾飛丸は正に千両役者と言えよう。





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最終更新:2025年05月31日 23:41