F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE

登録日:2012/10/28 Sun 12:39:43
更新日:2025/04/06 Sun 10:47:44
所要時間:約 5 分で読めます






キャプテン・ファルコン

ドクター・スチュワート

彼らがF-ZEROパイロットとして名を馳せたのは

四半世紀も前のこと・・・



『F-ZERO FOR GBA』とは、任天堂から発売されたGBA用のレースゲームである。
F-ZEROシリーズ全体では三作目にあたり、GBA版F-ZEROの一作目としてGBAと同時に発売された。


概要


冒頭の通り、キャプテン・ファルコンが登場しない唯一のF-ZERO(似ている人はいるが別人)である。
マシンや惑星、パイロットが一新された他、BGMも本作独自のものとなっている。
反面、ルールはスーパーファミコン版のものを採用しており、本作がGBA版F-ZEROの中で最高難易度を誇る要因にもなっている。


ルール緒元

【グランプリクラス】
  • ポーン
  • ナイト
  • ビショップ
  • クイーン

クイーンは上3シリーズをエキスパートでクリアすると出現。


【難易度】
  • ビギナー
  • スタンダード
  • エキスパート
  • マスター


【グランプリルール】
  • 5戦から成るシリーズを最初に決めたマシンで戦い抜く。各サーキットは必ず5周走る

  • 各周回には規定順位が設定されており、それを下回る順位で周回を終えた場合そこでリタイア。また20位になった時点で即リタイア

  • ブーストは一周する毎に1回分ストックされる。最大3つまでストック可能

  • スペアマシンがある限りそのサーキットからリトライが可能


ゲームモード

  • グランプリ
CPUライバル車との対戦モード。10位まではプレイヤーも使用可能なマシンが敵車として走行しているが、それ以下になると普段は邪魔者のモブマシンが順位争いに介入してくる。
隠しマシンや隠し要素出現に必須なモードだが、マスタークラスの入賞争いは苛烈を極める。

  • トレーニング
廃人モード。いわゆるタイムアタックだが、CPUとの一騎討ちも可能。

対戦モード。マシンやコースは誰かが出現させていれば全員使用可能。

  • 1カートリッジVS
通信ケーブルとGBAがあれば1カートリッジでも対戦可能。コースとマシンは固定。
全てのマシンが同性能のため結構白熱する。

  • チャンピオンシップ
廃人モード。専用コースでのタイムアタック。
このコースで公式タイムアタック大会も行われた。



登場マシン

マシンスペックの内、最高速度は「通常/ブースト」、ターン性能は「パフォーマンス(旋回速度)/バランス(滑りにくさ)」で表記。
  • ホットバイオレット
最高速度:422km/h/579km/h ブースト時間:6秒 ボディ強度:69/100 ターン性能:B/C
パイロット:ミーガン

本作の看板的マシンで、現代のスポーツカーを彷彿とさせるデザインを持つ。
パイロットもマシンも謎だらけ…なのだが、平均やや下程度の最高速度と
良好な加速とターン性能を持っており、バランスがよく扱いやすい性能になっている。
…のだが、惰性力が極めて低く、ダッシュパネルなどで速度が付いてもろくに維持できない。
ジャンプ力も高くないので速さを突き詰めるにはめちゃくちゃ遅く、マスタークラス攻略は困難を極める。
なおこれは彼女に限った話ではないが説明書の解説が妙に辛辣である。
ちなみにカタログスペック上は通常最高速度422km/hだが、実際には424km/h出る。

  • ファイアーボール
最高速度:440km/h/565km/h ブースト時間:6.5秒 ボディ強度:82/100 ターン性能:C/B
パイロット:ミッキー・マーカス

だいたい二番手にいる赤いマシン。別に出力が3倍だったりはしない。
耐久性が高く、通常時の速度も優秀だが、代わりに低速域及びブーストの加速が少々鈍く、
デフォルトマシンの中ではコーナリング性能が低めというちょっとクセのあるマシン。
バランス性能はBとなっているが、実際にはクレイジーホース並みによく滑るのでブラストターンは必須。
とはいえターン性能はカタログスペックでもこれと同等かそれ以下のマシンが大半なので、
コーナリング時の癖に慣れればデフォルトマシンの中では高い戦闘力を発揮する。
ブースト中はちゃっかり惰性力も非常に高くなっているものの、
ダートの減速に対してブースト加速力がかなりギリギリなので、ダートに突っ込むならきちんと加速した状態で。

  • ジェービークリスタル
最高速度:418km/h/560km/h ブースト時間:9.5秒 ボディ強度:63/100 ターン性能:C/A
パイロット:ジェーン・B・クリスティー

往年の名車「スバル360」の面影を持つデフォルトマシン。
通常最高速度を犠牲にブースト持続が長く、バランス性能も高いので扱いやすく安定感のあるマシン。
…の筈なのだが、ブーストを起動すると何故か加速性能が妙に鈍り、あろうことかダートの減速に負ける。

ブースト中でもダートで失速する

という、本作どころかGBAのF-ZERO作品を通じて他に例のない致命的すぎる欠点を抱えている。
そんな訳で折角のブースト時間を活かしにくいのに、追い討ちをかけるように惰性、ジャンプ力の低さが足を引っ張る。どうしてこうなった。
とりあえずはスバル360に謝るべきである。

  • クレイジーホース
最高速度:428km/h/585km/h ブースト時間:5.3秒 ボディ強度:50/100 ターン性能:A/D
パイロット:ナイチ“ザ・スウィープマン”

デフォルトマシンの最後の一台。サイドから見ると疾走する馬に見えなくもない。
全車中最も耐久性が低く安定性も悪いが、コーナリング、ブースト速度、ジャンプ力に優れる優秀なマシン。
グラフからはそうは見えないが、実は加速性能も全車中最も早い。
紙耐久とグリップのなさをカバーできるテクニックが無いと門前払いされるが、それさえ何とかなれば
加速も旋回も優秀でショートカットも得意な高性能さでグランプリのマスタークラスでも十分通用する名車。
惰性力はあまりないので、速度が落ちないうちに高い旋回性能を存分に発揮して走り抜けるべし。

  • ダーティジョーカー
最高速度:436km/h/591km/h ブースト時間:3秒 ボディ強度:75/100 ターン性能:C/A
パイロット:サイバー卿

ここから下は隠しマシンとなる。
クイーン以外の3シリーズをスタンダードクラスでクリアすると出現するマシンで、初期のガソリン車の両脇にブースターを付けたような独特なデザインを持つ。
特筆すべきは惰性力の高さで、ブースト自体は極端に短いもののそこから通常速度に戻るまでがとにかく長い。
速度性能も平均以上であり、初心者でも楽に出現させられるためお世話になったプレイヤーも多いだろう。
隠れた難点として、アクセルオフの減速が激しくブラストターンの減速が大きいことと、
ブースト中にダッシュパネルに乗るとあのホットバイオレット以上に惰性力がなくなる点が挙げられる。
バランス性能がAの割には少々滑るが、それでもファルコンMk-Ⅱ並みの安定感はあるので
速さを追求するなら最小限のブラストターンを意識し、ダッシュパネルと同時のブーストは厳禁だ。

  • ザ・スティングレイ
最高速度:460km/h/525km/h ブースト時間:12秒 ボディ強度:85/100 ターン性能:C/C
パイロット:アレックス

エイのようなボディと縦に並んだエンジンが特徴のマシンで、クイーン以外の3シリーズをエキスパートでクリアすると出現。
通常時の最高速、ジャンプ力、ブースト持続が凄まじく、三強の一角と言われた。
ブースト速度は極めて遅いが、ブースト中は優れた惰性力を発揮するので加速ギミックとの併用も無駄にならない。
バランス性能はC評価だが実際にはクレイジーホース並に滑るのでブラストターンが使えないと厳しいが、
これ一台でグランプリの完全制覇が容易に可能で、タイムアタックでも猛威を振るう。耐久力が高めなのも嬉しい。
高速域の加速がやや鈍いのでブースト無しでトップスピードに乗せるまでには若干時間がかかるが、
この特性の副産物としてロケットスタートの許容タイミングが異様に広く、カウント1回目と2回目の中間~3回目ジャストまでならどこでアクセルONしても成功する。

  • シルバーサンダー
最高速度:464km/h/589km/h ブースト時間:3.7秒 ボディ強度:90/100 ターン性能:D/B
パイロット:ブリッツ・ワーグナー

クイーンシリーズをエキスパートでクリアすると出現。
最高速度が非常に高いがブースト時間は短い重量級のマシン。特性は後述のジェットバーミリオンに近いものがある。
加速、ジャンプ力、ターン性能は悲惨なことになっているが、一度最高速まで上げてしまえば安定性と相まって高い戦闘力を見せる上級者向けのマシン。
加速の遅さも低速域の異様な貧弱さが印象的だが、ある程度速度が乗ってくれば他のマシンとは大差を感じさせない。
バランス性能は恐らく実際にはC相当だが、ターン性能が低いのでいっそドリフトターンに活用してやろう。
衝突されても弾き飛ばされにくく、地味ながらダートで最も減速しないマシンでもある。
惜しむらくは惰性が高くないこと。ファイアーボールやザ・スティングレイと同等であり次点と呼べる水準なのだが、ブーストが短すぎて惰性アップにはあまり期待できない。

  • ファルコンMk-Ⅱ
最高速度:448km/h/573km/h ブースト時間:7.2秒 ボディ強度:66/100 ターン性能:C/B
パイロット:ケント・アケチ

前作のブルーファルコンをややマッシブにしたようなマシン。
1シリーズでもマスタークラスをクリアすると出現する。
耐久性と惰性以外のトータル性能はどれも高水準で、非常に安定した走行が可能。ショートカットも問題なく行える。
タイムアタックでは主にショートカットを利用するテクニカルコースで活躍。
ちなみにブースト中は一転して優秀な惰性力を発揮し、ブーストによる惰性力アップが最も顕著なマシンでもある。
恐らく全車中唯一となる「本物のバランス性能B」であり、隠しマシンらしからぬ優秀なコーナリング性能の持ち主。

  • ファイティングコメット
最高速度:412km/h/593km/h ブースト時間:9秒 ボディ強度:56/100 ターン性能:D/B
パイロット:クミコ“ザ・ブレット”

平たいボディに巨大な単発エンジンを載せるという、独特のフォルムを持つマシン。
全シリーズをマスタークラスでクリアするという難しい出現条件にもかかわらず、通常の最高速は全マシン最低。
が、このマシンは加速プレートやブーストを使用した時に本領を発揮する。
非常に優秀な惰性で高速域を維持しやすく、ブースト速度と持続、果てはジャンプ性能もトップクラス。
多少曲がりにくいが、後述のドリフトターンで解決できる。グランプリはもちろん、タイムアタックでも三強を争うマシン。
バランス性能がBとなっているが実際はA相当で、ジェービークリスタル並に滑りにくい。
ブラストターンが少なく済む一方、ドリフトターンの難易度は高くなっているのでそこは注意。

  • ジェットバーミリオン
最高速度:456km/h/602km/h ブースト時間:4.2秒 ボディ強度:100/100 ターン性能:E/B
パイロット:ヤズーJr.

某反乱軍の主力戦闘機のコックピットをでかくしたようなマシン。
出現条件は9種類のマシンで全シリーズのマスタークラスクリア、もしくはチャンピオンシップサーキットをひたすら走りまくること。
ぶっちゃけ前者は相当運も絡むので、やるなら後者がおすすめ。
一時期公式サイトでこのマシンを出現させるパスワード「バーミリオンコード」が配布されていた(現在は終了)。
とことん上級者向けのマシンで、飛ばない・曲がらない・加速しないという具合に初心者救済要素は全てオミットされている。
同じ重量級であるシルバーサンダーとは逆に出足だけは早いがすぐに加速が鈍くなり、最高速度到達は更に長くかかる。ついでにダートでも普通に減速する。
しかし惰性・通常時とブースト時の最高速は一級品で、あちらの上位互換めいた走行性能を誇る。
さらにスリップゾーンでも滑らないほどブラストターンが強力で、ついでにスライド速度も最速。
チャンピオンシップサーキットを走るために生まれたかのようなマシンで、公式タイムアタックアタック大会の優勝マシンとなった。
ショートカットを利用しないコースでは非常に速く、三強の一角。
例によってバランス性能Bは噓で、実際にはブラストターンを控えるとD相当に滑る。
しかしこのマシンの前ではそんなことはドリフトターンを容易にするメリットでしか無いはずだ。


【テクニック】
  • ブラストターン
アクセルをOFF・ONと再入力することで横滑りを抑えながらターンができる。マシンを安定させる時にも使われる。

  • ロケットスタート
シグナル点灯時にアクセルを踏んでおき、スタートで一気に加速するテクニック。加速の悪いマシンはロケットスタートを決めてもある程度減速してから再び加速する。

  • スライドターン
ターン中に同じ方向のLRボタンを入力することで鋭くターンができる。

  • ドリフトターン
ターン中に最初は逆方向にLRボタンを入力してマシンを滑らせ、その後すぐにスライドターンに切り替えるターン方法。
スライドターンに切り替えるまではブラストターンを控えるとより効果的。



【ステージ】
宇宙開発が停滞期に陥っているというバックストーリーに合わせてか、栄枯盛衰を感じさせる設定の惑星が多い。

  • ビアンカシティー
もともとは500人足らずの村だったが、40年前のチタン鉱脈発見によりミュートシティから全覇権を奪う程に成長した都市。

  • スタークファーム
有害物質の発見で放棄された農村地帯。世捨て人が集まる。

  • ラピュタンコロニー
空中都市計画が一応の成功を収めた惑星。しかし宇宙開発の本格化後は夢の跡。
「見ろ、マシンがゴミのようだ!」

  • クラウドカーペット
空が雲に覆われた惑星。雲の下の人々は巨大な集光タワーを通じて光を得ている。背景にはバビロン山が見えている。
設定に違わず、コースアウトしたマシンは雲の下に真っ逆さまで残骸も見えない。

  • イースト・テン・サイド
企業の区画整備で工場が押し込められた区画の一つ。環境汚染も集約されて一年中曇っている。

  • ビーコンポート
宇宙ゴミと化したビーコンの修理工場がある惑星。影が薄い。

  • シノバズ
革命で国を追われた貴族が根付いた沼だらけの惑星。きな臭い噂が絶えないようで、BGMも不気味。チャンピオンシップサーキットを有する

  • エンシェントマーレイ
広大な海を持つ惑星。天体望遠鏡が出来たばかりの頃、「月や火星にも海があるのでは」と思った昔の研究者達に敬意を表して、「古代の海」と名付けられた。背景・BGMともに美しいが、一瞬のミスが大幅なロスを生む。

  • クレーターランド
資源の採掘が盛んな惑星。巨大隕石の大絶滅から回復しておらず、石油だけが残った。
スピード狂にはたまらないサーキットが特徴。

  • ファイアーフィールド
グランプリでは前作から唯一引き継がれた惑星。最終ステージらしく過酷なレースを強いられる。

  • サイレンス
1カートリッジ対戦専用。本作の時代ではF-ZERO体験スポットと化している。
スペックの都合かBGMなしの、正真正銘「サイレンス」となっている。



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最終更新:2025年04月06日 10:47