学校裏サイト

登録日:2015/03/26 Thu 10:58:52
更新日:2024/05/20 Mon 17:39:43
所要時間:約 4 分で読めます




概要

学校裏サイトとは、特定の学校に関する情報を交換のための掲示板サイト。
『裏』サイトなだけあって、大体は在校生などが学校に非公式で作った物である。

2000年代に、いじめを始めとする問題行為の温床になっているとして社会問題となった。
ドラマ等の題材にもなり、3年B組金八先生の第8シリーズのメインテーマになっている。


解説

学校裏サイトという物がいつの頃に誕生したのかという明確な時期は分かってはいない。

一説によると、2000年代初期には既に学校裏サイトの存在は出来上がっていたとも言われる。
ニュース番組などで取り上げられて注目され始めたのは、大体2000年代前半の頃。
そして、2007年9月に神戸市須磨区の滝川高校いじめ自殺事件に裏サイトが誹謗中傷の場として使われていたことが大きく知れ渡る。
この事件を機に、一気に社会問題化した。

一応言っておくが、学校裏サイトの全てが悪という訳では無い。

大抵の裏サイトの設立経緯というのは、同じ学校に通う生徒同士で学校の情報交換や交流を目的に設立される*1
最初から悪意の塊では無く、全ての学校裏サイトと呼ばれるもので誹謗中傷が行われているわけでは無いのだ。
多少の煽りや罵倒はあれど、何だかんだで情報交換の場として機能している掲示板もあるといえばある。

ただし、ネット掲示板特有の匿名性や閉鎖性は問題を引き起こす。

最初は純粋な情報交換の場でも、やがて特定の教諭や生徒に関する噂や誹謗、中傷、デマ、非行(の示唆)などの書き込みが増えていくことが多い。
勝手に生徒や教員の個人情報やプライベートの写真が勝手に挙げられたという報告もある。

基本的に学校裏サイトは未成年の溜まり場となる。
未成年であることで、ネットリテラシーなどが欠けているためこのような事態が起きるのかもしれない。
それに、卒業生や教員、保護者が絡むこともあるが、学校とは無関係の人物が裏サイトにたどり着くことは滅多にない。
このように、学校の関係者ばかりが利用する、閉鎖的なサイトになる面が誹謗中傷を加速させていると言われている。
……なので、たまに特定の外部集団に目を付けられた際には簡単に崩壊することもあるのだが。

また、裏サイトを名乗るだけあって簡単には見つかりにくい仕様となっている。

当時は携帯電話向けの掲示板サービスなどを利用して設置されることが多かった。
パソコンからのアクセスを拒否するよう設定していることもある。
他にも、学校名を当て字にして検索できないようにしたりという対策が行われている。
さらにガードが固い場所では、パスワード認証で部外者が閲覧できないようにしている。

余談だが、学校裏サイトとされる物の中には2ちゃんねるやYahoo!掲示板などに建てられる学校のスレッドも数えられていることが多い。
2008年の文科省の報告はこれらのスレッドも裏サイト扱いしており、この報告によると裏サイトの合計数は38260サイト。
2chなどのスレッドを除いた裏サイトの数は4733サイトらしい。だいぶ減ったな。いやこれでも多いんだけど。

ただし、2chなどのスレッドは部外者でも見れるようになっており、
学校裏サイトの特徴である『部外者は入れない』という特徴に当てはまっているとは言い難い。

ちなみに学校だけでは無く『会社裏サイト』なんて物もあるらしい。
求人情報の口コミなども近い性質があるといえる。


学校や大人の介入

学校裏サイトが社会問題化していくにつれ、保護者や学校関係者も対策に腰を上げることになる。

とは言え、そうすんなり対策が出来るものでもない。
そもそも、多くの教諭や保護者は裏サイトの存在を明確に認識しているわけでもなかった。
場合によっては、教員が裏サイトの存在を知っていても、存在を黙認している場合もあるという。

存在を知っているうえで対策を行おうとしても、当時は携帯電話パソコンの操作に疎い人も多かった。
今でこそ、多くの人はパソコン操作も出来るだろうし、携帯やスマホの扱いもこなれた物だろう。
とは言え、2000年代初期は今とは違い、インターネット自体が今より普及していなかったのだ。
それに、裏サイトは検索避けするものだから、ネット初心者の保護者や学校関係者が見つけられなかったりする。

また、学校裏サイトへの削除要請を出した人間が誹謗中傷の的になるというケースも確認されている。
そんなことで、学校関係者も裏サイトでの誹謗中傷対策には頭を悩まされていた。


現在

2010年代以降でも、学校裏サイトは数多くネットにある。

しかし、以前ほど裏サイトという単語をニュースで見ることは少なくなった気がする人もいるのではないだろうか。
じゃあ、誹謗中傷の問題は減ってんじゃないのと思う人もいるだろうが、それは少し違う。

学校の非公式なコミュニティの形態が変化し始めたのだ。

ここ最近で爆発的な普及をした、スマートフォンの無料通話アプリ『LINE』。
学校のコミュニティは、このLINEなどに舞台を移していると最近の文部科学省は語る。

特に、LINEのグループ機能などは部外者が立ち入ることは不可能に近い。
そうなると、ここで誹謗中傷が行われていても咎めることが困難なのだ。
そのため、現在ではLINEでの学生同士のトラブルが増加している。

他にもTwitterなどの非公開アカウントやSkypeやDiscord、果てにはオンラインゲームのチャット等、
あらゆるコミュニケーションツールがこうした問題を孕んでいる。

なお、 LINEにしろTwitterにしろ掲示板にしろ、ログは保存されており、いざ問題が起きた時には情報が渡されたりする
学校裏サイトの話題としてはあまり関係がないことだが完全匿名ではないことには注意。
もっとも完全匿名だとしても、何をしても良いというわけではないのだが。


追記・修正は学校裏サイトを見てからお願いします。

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最終更新:2024年05月20日 17:39

*1 当時は現在ほどSNSが活発ではなかった。