シェンガオレン

登録日:2009/10/21(水) 00:05:23
更新日:2025/02/02 Sun 00:54:06
所要時間:約 40 分で読めます




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迫り来る仙高人
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*1



モンスターハンター』シリーズに登場するモンスターの一種。

◆もくじ



◆概要



*2
分類:十脚目 (不明) ガオレン科
種族:甲殻種
別名:砦蟹


現在確認されている甲殻種の中でも最大とされるモンスター。

非常に長い寿命を持ち、脱皮を繰り返して成長していく。その体躯は一般的な大型モンスターとは最早比較にならない程巨大であり、これまでに確認された種の全高は30mを優に超える*3との記録が残っている。
霧の中から地響きを立てながら現れた巨大な影が、大昔にはまるで巨人の侵攻のように見えた事から由来し、異国の言葉で仙高人(シェンガオレン)と呼ばれる。

規格外の大きさを誇る本種だが、甲殻種特有の頑強な外骨格と鋏を有している。
しかしその外殻は悠久の歳月を経た結果、甲殻種どころか並いるモンスターの強度を遥かに凌ぎ、金属以上の硬度を持つに至っている。

ただ腹部だけは他の甲殻種と同様に柔らかいらしく、それを保護するために固い「ヤド」を背負っている。
巨大な体躯に求められるヤドのサイズも当然ながらかなり大きく、これまでの発見事例ではラオシャンロンの頭骨をヤドとして背負っていたという報告が多い。

理由は分かっていないが、本種はラオシャンロンのヤドを前に向けて、後ろ向きに歩行する事もある。
発見当時、遠巻きに見たその姿が不気味な異形の龍のように見えたことから、ギルドでは一時期、新種の巨龍として扱われていた事もあった。


これほどの巨体を有していながら、生息域、食性、その他生態のほとんどが解明していない謎の多い存在。
一定の周期に入ると突如として街の近辺に出没し、そこまで来てようやくその姿が確認される場合がほとんど。
凄まじい質量を持つが故に、本種が移動しただけで近辺には地震に匹敵する大災害が発生し、本種の進行方向に入ったものは全てが薙ぎ倒されるように破壊されていく。

一見すると人間の主要地を破壊して回っているかのように見える本種であるが、単に縄張りと決めたルートを周期的に徘徊しているだけ。何も意図的に人を襲いに来ているわけではない。
自身の徘徊を阻止しようとハンターが行動していても特に気に留める様子は無く、たまに執拗な攻撃に対して嫌がるそぶりを見せる程度で、自分から人間に危害を加えようとすることはまず無い。
これは他の甲殻種にも見られる習性であり、彼らは基本的に外敵と判断しない限りは、人間に大した興味を示さないことが多い。


しかし、人間を狙って攻撃した例が皆無というだけで、気質はむしろ非常に縄張り意識の強いモンスター。
本種は進行ルート上に見慣れないものを発見すると、縄張り内の障害物と判断し率先して破壊しに来る習性がある。

その巨体に相応しく縄張りやそれに関連した行動も広大な規模であると見られており、本種が極めて長命であることも相まって、人が縄張りとも気づかず生活圏を作り、一定周期後に再び訪れた本種に破壊されてしまう…と言う大惨事が発生してしまう。
ギルドは本種の移動による被害を最小限に抑えるべく、過去の出没記録をもとに迎撃用の砦などを建設し襲来に備えている。

障害物に対しては主に巨大な鋏による攻撃を行うが、鋏は大きさもさることながら金属をも紙のように刺し貫くほどに鋭利。
その鋏の一振りは撃退を目指すハンターにとって、まさに絶望的と言えるほどの破壊力を有しており、いかに強固に建設された城壁であろうと容易く切り崩され、ものの数分で陥落してしまう。

また、本種は時折立ち止まり、ヤドから超巨大な液体弾を発射することがある。
この液体は本種の何に由来するものなのかは不明だが、ある種の酸を含んでいるらしく、触れたものを溶解する性質がある模様。
その溶解性は凄まじく強力で、ある報告によると城塞を守る弓兵達がこの液体弾の直撃に巻き込まれ、一瞬で全員まとめて蒸発したという事例が残っている。
加えて恐ろしいのはその飛距離であり、砦から200〜300mも離れた位置から攻撃されたという報告もあるほど。
この事から、本種はその気になれば遥か遠方から障害物を排除する能力をも有していることが分かる。


これらの攻撃は前述したようにあくまで障害物を排除するための行動であり、意図的に人間を狙ったものでは無いものの、その破壊規模の大きさ故に巻き込まれ、命を落としてしまうハンターも少なくない。
あらゆるものを粉砕する圧倒的な破壊力、そして本物の城塞を想起させるような威圧感から、ギルドからは砦蟹と呼称されている。

甲殻種でありながら、その存在は古龍級の危険度を持つモンスターとして扱われ、街の近辺で存在が露呈した際はラオシャンロンと並び、特級の厳戒態勢が敷かれる。


◆テーマ曲



「老山龍!?」


シェンガオレン侵攻時の戦闘曲。
壮大なイントロから入り、鳴り響く鐘の音、重厚な打楽器、パイプオルガンが織り交ぜられたこれでもかと言うぐらい威圧的かつ緊張感の溢れた曲。

特徴的な曲調や曲名からピンときた人も多いかもしれないが、後述する「大敵への挑戦」を、ラオシャンロン侵攻時の戦闘曲「動く霊峰」風にアレンジしたものである。特にイントロの部分が顕著。

登場ムービーにおいてこの曲は、シェンガオレンがラオシャンロンの頭骨ヤドを前に向け、後ろ向きに侵攻してくるシーンと共に開幕する。
この曲名は「ラオシャンロンかと思ったら全く別の未知の存在だった」とハンターが驚愕する様を表現して名付けられたものなのだろう。
ちなみに登場ムービーの題名もこの名前である。
決してギャグのつもりで名付けたわけでは無いハズ

「動く霊峰」も同じく威圧感満載の曲ではあるが、あちらはハンターを鼓舞するような勇ましいフレーズがあるのに対し、こちらは終始絶望感が漂っており、どちらかと言うとかなり追い詰められた危機的状況な雰囲気の曲調となっている。

シェンガオレンが登場する作品が限られているためマイナーながら、人気の高い曲である。




「大敵への挑戦/シェンガオレン」


「砦」におけるシェンガオレン最終決戦時の戦闘曲にして、MH2のメインテーマ。
低いパイプオルガンが中心だった「老山龍!?」と異なり、高めの弦楽器と小気味のいいテンポの打楽器が織りなす明るい曲調が特徴的。
先ほどまでの絶望的な曲調から一点、こちらの勇気を奮い立たせてくれるような熱く勇ましい曲となっている。

超巨大な甲殻種…という未知の存在的な不気味さの要素が強いシェンガオレンとの最終決戦に流れる曲にしてはかなり王道と言えるメロディであり、特に古参ハンターを中心に「モンハン屈指の名曲」として非常に高い人気を誇る。

公式によると正確にはシェンガオレンのテーマ曲ではなく、あくまでMH2という作品としてのテーマ曲であり、
ラオシャンロンやジエン・モーランのような超大型モンスターの最終決戦時と同じく、「演出」として流しているだけとのこと。

後にこの曲はクシャルダオラ専用曲、「嵐に舞う黒い影」のMHWorldバージョンに2フレーズだけアレンジとして組み込まれている。
クシャルダオラがMH2の看板モンスターであるが故の演出なのだろう。

が、公式のサウンドトラックには「大敵への挑戦/シェンガオレン」としっかりと表記されていることもあり、今でもプレイヤー間ではシェンガオレンのテーマ曲として浸透しているのは否めない。
そのためか、この曲を表現する際は「神曲」ならぬ「蟹曲」と称されることが多く、「世界一カッコいい蟹のテーマ」などと呼ばれたことも。

ちなみに曲の性質上、「街」では聴くことができない。


◆登場作品


【MH2】



初代MHのラオシャンロンに続く、第2の超大型モンスターとして初登場となった。
登場するフィールドは「砦」および「(戦闘)街」。

当時のシェンガオレンはなんとオンラインでの配信限定で戦闘可能なモンスター。
MH2のオンラインクエストはHRによって受注できる範囲が今以上に限定されており、その中でもシェンガオレンのクエストはHR31以上(現在の上位クラス)になって初めて受注可能。
初登場のタイミングもHR31に上がるための『公式狩猟試験』の最終関門という鳴物入りの扱いだった。*4

しかし今は亡きこの『公式狩猟試験』なるものが物凄く大変。
詳細は省くが、連続で大量のクエストをクリアする必要があるのでかなりハードルが高く、一般プレイヤーですら廃人レベルのやり込みを強制されたため、敬遠されがちに。

加えて、シェンガオレンのクエストは定期的に配信される形になるのだが、
当時、運営はシェンガオレンのクエストを誤って2回連続で配信してしまい、何を間違えたのかそれ以降シェンガオレンの配信をぱったり止めてしまうという極端すぎる対応をする事件が発生した。

戦うまでの七面倒臭さやこういったトラブルも重なり、当時のシェンガオレンは頻繁に存在をアピールしてくるラオシャンロンと比べて正直非常に影の薄い存在として扱われてしまっていた。
せっかく初登場したというのにいきなり散々な扱いである。


さてそんなこんななシェンガオレン。
超大型モンスターはラオシャンロンで履修済みとは言え、初めて姿を拝んだハンターは流石に圧倒されたことだろう。

当時のシェンガオレンには固有のモンスターアイコンが無く、「?」と表記されていた。
事前に姿などの全貌が掴めなかった事に加え、クエスト名や依頼文でも一貫して「謎の巨大龍」、「怪しげな龍」と書かれていたことから、「新種の古龍なのでは」などと予想していたハンター達の目の前に現れたのは、なんとまさかのでっかいカニ。

否が応でも目に映るのはそのサイズ。
姿勢を低くしている状態でも脅威の20m越え。完全に直立している状態なら30mを優に超えると言うトンデモないデカさ。
気が動転して巨人と見間違えた大昔の人の気持ちが分かろうと言うもんである。


ラオシャンロンと同じ「防衛クエスト」専用モンスターで、こちらの攻撃も意に介さず拠点の破壊を優先する。
しかしラオシャンロンと骨格から全く違うだけあって、攻略するにはだいぶ勝手が異なる。

止むに止まれぬ事情があって侵攻している説があるラオシャンロンと違い、
シェンガオレンは縄張り意識の強さから率先して(障害物を)破壊しに来ている設定で、いくらか攻撃的な性格の様子。
そのためかハンターに対しては基本的に無視を決め込んでいるが、明らかに建造物など何もない箇所で攻撃行動を取ることがしばしばある。
流石にハンターが鬱陶しいので追い払おうとしているのかもしれない。

基本は他の甲殻種のように、脚を折りたたんだ腹這いの状態で前進する。吊り橋や拠点へ近づく時は脚を伸ばし直立した状態で進むこともある。
腹這い状態なら胴体が狙いやすいが、それでも片手剣や双剣と言ったリーチの短い武器種は辛く、直立状態ともなればガンナーですら発射角度の都合から胴体への攻撃は困難。剣士は最早脚の先端ぽっちぐらいしか攻撃できない。
比較的有効部位が狙いやすいラオシャンロンと違い、こちらは狙える部位が限られる。

何せデカいので歩くたびに脚元で震動が発生する。ガンナーはともかく剣士はスキルで対処しない事にはいちいち足止めを喰らうハメになる。
脚を動かす順番は決まっているので、覚えていればスキル無しでも一応対処できないこともない。

注意すべき行動は酸弾」。
ラオシャンロンのヤドの口を開け、体内から超巨大な酸の塊を発射することがある。
恐ろしいのはその飛距離。超長距離を範囲に収めると言う設定通り、なんとエリアを跨いで攻撃してくるのが特徴。
メインシリーズを見てもこれだけの規模の攻撃をしてくるのは未だにシェンガオレンのみである。

「砦」に登場してきた時限定で、エリア2,3,4で計3回発射するのだが、この時酸弾は拠点目掛けて発射されており、あろうことか拠点にしっかりダメージを与えてくる。
この攻撃もちゃんと阻止しないと、拠点フィールドのエリア5に入った時点からいきなりダメージを負った状態で防衛スタートになってしまう。

侵攻能力の高さもまた脅威。
攻撃から次の攻撃へと移行する動作が比較的スムーズで、放っておくとものの数分の間に砦が陥落する。
狙える部位が限られていると言うのも阻止のし辛さに拍車をかけており、何も考えず適当に武器を振り回してるだけでは意外と阻止できない。

こう言った諸々の要素から、ラオシャンロンと同じ感覚で挑んだハンターほど痛い目を見やすい。
現にシェンガオレンが実装された当初、ハンター達の間で次々と砦を破壊されると言う阿鼻叫喚の失敗報告が多数噴き上がったほどだった。

しかし、そこは侵攻型モンスターの宿命。
冷静になって動作を見て攻略手順さえ見極められれば、ただ体力があるだけのデカい的としてしか見られなくなってしまうのはいずれ辿り着く所。
ラオシャンロンにも言える事だが、動きがかなり単調でテクニックもそこまでいらないので、例によって作業ゲーと言われがちである。

逆を言うとそれでも攻略できないと言う人は根本的に火力が足りていない、もしくは立ち回りを致命的に間違えていると言うことでもある。
何回やってもクリアできない場合は一度武器やスキルを見直してみると良いだろう。


剣士なら基本は脚を狙いつつ、ダウンを誘って弱点を殴りに行く…と言うのがセオリー。
脚を怯ませるごとに拠点攻撃を阻止できるし、大ダウンさせれば大幅な時間稼ぎにもなる。
歩行やダウンに巻き込まれて蹴られたり、潰されないよう注意。歩くたびに発生する震動を保護するスキルがあれば快適に立ち回れる。特に機動力に劣りスーパーアーマーを持たないランサー及びガンサー諸兄は必須と言える。

ガンナーなら貫通弾・貫通矢はマスト。
やることはヤド内部にある弱点をひたすら撃つ。これだけ。ただし割と判定がシビアなためしっかり狙うこと。目安はラオシャンロンの顎の付け根あたり。
直立状態は胴体がめちゃくちゃ高い位置まで上がってしまうのでとてもじゃないが狙えない。この場合は脚に向けて属性弾や物理火力が高い弾を撃つと良い。
体力が鬼のように高いので弾の調合分は忘れずに。



実装当時、とてつもない防衛難易度と恐れられたシェンガオレンだったが、どちらかと言えばフィールドの方に問題があった側面もある。

と言うのも、シェンガオレンと同時に初お披露目となったフィールド「街」には、主戦場となるエリアがたったの2つ、そのうち防衛クエストの舞台となるエリアは1つしか無い。
つまり、「砦」であればエリア2から5まで順にずんずん侵攻していく超大型モンスターに対処する所を、「街」ではその手順が丸々無くなり、いきなり万全の状態のシェンガオレン相手に最終局面をやらされるハメになってしまう。

このため、侵攻を阻止するには全体的にスピーディかつ的確な動きが必要になり、慣れないハンターたちから失敗報告が相次いだ。
とは言え、これは恐らく開発陣がマルチ向けのモンスターとして舞台を設定しているため。
現にある程度の人数がいれば多少雑な動きをしていても失敗することは少ない。重要なのはやはり火力である。
しかしのちの作品では…(後述)

ちなみにラオシャンロンには「街」が舞台になるクエストが無い。
そのため尚更トラウマに印象に残りやすいのか、歴代防衛クエストで最も厄介だったモンスターは?と聞かれるとシェンガオレンの名を挙げる古参ハンターも少なくない。


あくまで甲殻種であって古龍種ではないが、あんまりにもデカいためか罠は無効。毒・麻痺・睡眠などの状態異常も当然無効。閃光玉も無論効かないし気絶もしない。
弱点属性は甲殻種らしく火か雷が有効…ではあるが、実は一番有効なのは
龍属性は一般的に甲殻種には効果が薄い、むしろ無効化することを考えるとかなり意外である。
古龍種であるラオシャンロンの頭骨が影響を及ぼしている…のかもしれない。ハンターだって何故か装備次第で極端に属性に弱くなったりするしな!


一応怒り状態の概念があり、見た目に変化は無いが、攻撃力が1.5倍、全体防御率・俊敏性は1.2倍に上昇する。
攻撃力上昇はどうでも良いとして、目に見えて上がる移動速度は中々厄介。防御率も高くなるので尚のこと侵攻を阻止し辛くなる。
一方で、瀕死になると怒り状態になりにくくなる。ここぞとばかりにラストスパートをかけよう。


ラオシャンロンと同様に「砦」の侵攻中では、あるタイミングでシェンガオレンに飛び乗ることができる。乗った先では剥ぎ取りと「対巨龍爆弾」の設置が可能。
乗りが可能になるタイミングは、エリア2の橋の上、もしくはエリア4の高台の上で、シェンガオレンが酸弾発射の準備をしている最中。
そして飛び乗れる場所はラオシャンロンの頭骨の口の中、つまりシェンガオレンの腹部。

飛び乗るタイミングは酸弾発射前、発射後のどちらでも良いが、いずれも猶予時間がシビア。
一応「高速剥ぎ取り」スキルが無くても最低1回は剥ぎ取れるが、採取できる素材は微妙。「対巨龍爆弾」も武器に十分な火力があればわざわざ使用する必要性も薄れるため、無理をして狙う必要はあまり無いかもしれない。
とは言え、せっかくのギミックなんだから効率を度外視して楽しむのも一興である。

ただし酸弾発射前に飛び込んだ場合、銃口に突っ込みに行くようなもんであるためゼロ距離で酸弾が直撃して蒸発するハメになる点には注意。仲間に回復してもらおう。

なお、剥ぎ取れる素材は「古龍骨」の他、なんと老山龍の鱗や甲殻も手に入る。完全に風化してるように見えるが、一応残ってはいるのだろう。

余談だが、この飛び乗れる判定はシェンガオレンの死後も継続している模様。
シェンガオレンは討伐されると頭からぶっ倒れ、背中のヤドの口が全開になるのだが、位置が良ければそのまま飛び込み、普通に剥ぎ取りもできてしまう。
拠点付近で倒した時などは結構乗りやすい。余裕があれば試してみよう。


前述した通り、シェンガオレンは配信限定のモンスター。
オンラインサービスが終了した現在、MH2ではシェンガオレンとはもう戦えなくなってしまっている。


【MHP2/MHP2G】



今まで配信限定という扱いだったが、今作ではオフラインでいつでも戦える存在になった。

下位の村クエストにも登場。MH2の時のように、村上位に上がるための最後の壁(緊急クエスト)に大抜擢されている。
もちろん『公式狩猟試験』と違い、一度クリアしてもクエストが消滅することは無い。


…が、この緊急クエストがとんでもない地獄を引き起こした。


戦いの舞台は「街」。
…この時点で何か嫌な予感がした人も多いかもしれないが、その予想は的中。

前はオンライン限定だったのでマルチで対処が可能だった鬼畜フィールドでの戦闘を、今回はソロで強制させられるハメになったのである。
更に言うとこのタイミングで揃えられる武器のほとんどは火力に余裕があるとは言い難く、どれだけ強化していても高が知れている。

MH2の頃から高難度扱いだったこのクエストに貧弱な装備で、尚且つたった一人で挑まなければならない。せめて舞台がMH2と同じ「砦」だったらまだマシだったものを…
「緊急事態発生!」と言う割にどんだけ悠長な募集をかけてるんだギルドは…


というワケで、MH2でシェンガオレンを知っていたハンターも、初めて会ったハンターも、全員半泣きで単身シェンガオレンに挑むことになった。

とは言え、流石にある程度シェンガオレンの動きが読めてきた頃合いには攻略チャートも組まれ、現在では失敗することも減っている。
体力にも低下補正がかかっているのでどう足掻いても無理、というほど理不尽なレベルではない。
しかし、それでもよっぽど上手くいかない限り討伐は諦めた方がいいとまで言われているほど。

シェンガオレン自身もラオシャンロンより攻撃のスパンが短く、チャート通りに帆を進めても行動を阻止できない場面が多い。
さっきまで順調に進めていたのに立て続けに攻撃されて失敗した…なんて事は茶飯事。
ぶっちゃけ運要素も強い。

どうしても無理だと言う場合は集会所で上位以上の装備を整えてから挑むのもアリ。
いくらアホみたいな体力をもつとは言え、一応村下位相当の体力と怯み値に設定されているので、火力さえあれば簡単に阻止することが可能なハズである。

ちなみに、集会所下位で戦える方のフィールドは「砦」。
体力は集会所ということで補正がかけられ、よりタフになっているハズなのだが同じくソロで挑んだとしても村クエストよりも遥かに簡単である。
やっぱり一番厄介なのは「街」の構造なんじゃ…


散々影が薄いと言われ続けてきた反動なのか、MHP2/MHP2Gのシェンガオレンはもうこれでもかと言うぐらい存在をアピールしてくる。
村では上述した緊急クエストに加え上位にもクエストがある他、集会所でも下位・上位・G級とめちゃくちゃ満遍なく登場する。
ラオシャンロンより登場回数が多いくらいである。

厳密に言うとラオシャンロンの登場回数は亜種を含めるとシェンガオレンとトントンになるのだが…
それにしたって毎回襲撃されるハメになるドンドルマが悲惨である。


「防衛クエスト」専属のモンスターということもあり、MHP2に登場する個体はMH2時代からモーションに大きな変更が無い。

一方で、MHP2Gではよっぽど村緊急クエストが鬼畜だったためか微妙に変更が加えられており、拠点に攻撃する直前にしばらく待機するようなモーションが追加され、阻止までに猶予が産まれるようになった。
また、ステータスも調整されており、怒り状態時の全体防御率は0.8倍に弱体化されている。移動速度は速いままだが、むしろチャンスと捉えることもできるだろう。


本シリーズで十分に存在感をアピールしてきたシェンガオレンだったが、MHP2Gを最後に登場しなくなってしまった。
「防衛クエスト」自体はモンスターやフィールド、仕様を変えて各作品に登場しているものの、未だにシェンガオレンにお声がかかっていない。
登場しまくったせいで個体数が減ったんじゃなかろうか

とは言え、開発陣的には思い入れがあるモンスターなのか、のちのシリーズでは本体は出てこないものの、微妙に存在感を出すような形で登場(?)していたりする。


【MH4/MH4G】



本種が登場したわけではないものの、「竜人問屋」というシステムにて素材のみ登場した。

特定のモンスター素材と交換することで、登場できなかったモンスターの素材を入手することができるのだが、
シェンガオレンの場合はなんと激昂したラージャンの素材が交換対象となる。

手に入れた素材からはシェンガオレンの上位防具、金剛/不動シリーズが作製可能になる。武器は作れない。
「武器の方が優秀だったのに…」とか言ってはいけない


ただ素材だけ持ってればすぐ交換できるわけではなく、HRを80にした上で竜人問屋指定のクエストをクリアしないと流通ルートが開拓できない。

そのクエストの内容は激昂したラージャン2頭の同時狩猟。
戦いの舞台は闘技場のような逃げ場のない場所ではないものの、そもそも同じモンスターなだけあって頻繁に合流する上、ラージャン自身がこやし玉での退散ができない厄介な性質を持っていたこともあり、多くのハンターが悲鳴を上げた。

まぁ集会所★7 の上位クエストなため、G級が解禁されたMH4GではG級装備に身を固めてからゴリ押しするのも手である。
「そこまで来たらシェンガオレン防具なんてもういらない…」とか言ってはいけない

考えてみれば当然ではあるが、ここまでした上であの超攻撃的生物の、しかもその特殊個体の素材でやっと取引可能になるあたり、本種の危険度の高さが窺える。

ちなみに素材交換ができるのは上位素材のみで、MH4Gで新たにG級素材が手に入ることは無い。
一方で、ラオシャンロンのG級素材は普通に手に入る。
裏切り者め…


MH4Gではかつてのフィールド「戦闘街」が復活。
シェンガオレンの復活にも淡い期待を抱いたファンもいたが、残念ながら不参戦となった。


【MHX/MHXX】



本シリーズでも登場したわけではないが、実はカメオ出演とでも言える形で存在が確認できる。

場所は初登場である新フィールド「古代林」。
その森の最奥部たるエリア10には、なんとシェンガオレンの脱皮殻(抜け殻)が存在する。
抜け殻は全体にホコリカビや菌糸のようなものが被っており、相当昔のものであることが分かる。
エリアの雰囲気も相まって、なんだか某蟲の抜け殻っぽさも感じる

過去作品で彼を知っているハンターはもとより、初めて見たというハンターもさぞ驚いたことだろう。
これだけ分かりやすい形で未参戦モンスターが登場するのは中々珍しい。
ちなみにあくまで背景としての演出であり、クシャルダオラのように抜け殻から何か採取できるということはない。


今でこそ「抜け殻」と伝わっているが、その情報が開示されたのはMHX開発者インタビューから。
あまりにインパクトが大きかったためか、それまでファンの間ではシェンガオレンの死骸だと思われていた。今になってもコレは死骸だと紹介してるところもあったり。
実はこのwikiでも結構長いこと「死骸」と書かれていた

事実を知ってから見てみると、確かにシェンガオレンにしてはサイズが小さいし、近づいてよく見ると微妙に半透明なのが分かる。
しかし謎なのがラオシャンロンの頭骨まで一緒に脱ぎ捨てられている点である。
実際のヤドカリは脱皮してもよっぽどのことがない限り、自身のヤドごとその場に捨てるようなことはまずしない。

シェンガオレンほどの巨体に見合うヤドなんて恐らくそうそう見つからないし、ましてラオシャンロンの頭骨などその辺に転がってるような代物じゃないと思うが…
このシェンガオレンは新しいヤドを見つけることができたのだろうか。


MHXXでもシェンガオレンが復活することはなかったが、同作ではなんとラオシャンロンが堂々の完全復活を成し遂げてしまった。
裏切り者め…

ラオシャンロンが復活したということは防衛クエストのシステムもしっかり組み上がっていたということでもあり、なんとなく復活できそうだっただけに実に惜しい。
抜け殻で我慢しろと言いたいのか


モンハンシリーズは今作以降、MHWorld、MHRiseと変遷していくが、シェンガオレンは現在になっても音沙汰無し。
ラオシャンロンもMHXX以降は再登場の兆しが無いが、いつかシェンガオレンにも声がかかる時が来るのだろうか…


◆攻撃方法



※拠点に与えるダメージは一律10%。

  • 歩行
    • ゆっくりと一歩ずつ前進する。
      • 単なる歩行。しかしその巨大さ故に一歩踏み出すだけで周辺に震動を起こす。ガンナーはともかく剣士は耐震スキルがないと相当面倒。
      • 歩行中の脚に当たるとぶっ飛ばされる。ダメージもそれなりに痛い。まぁあんだけの巨体を支える脚に蹴られたらそらそうである。
        恐らくシェンガオレン戦で最も喰らう機会のある攻撃と言っても過言ではない。
      • 脚を動かす順番は一定であり、右前→左後→左前→右後→…の順に動かす。脚元にいてよく分からない人は踏み出した脚の後に3回足音が鳴ったら離れる、というのを意識するといい。

  • 鋏叩きつけ
    • 片方の鋏を持ち上げ、地面に叩きつける。
      • 「砦」の個体限定の行動。
        腹這い状態で拠点へ向かう道中、突然その場で繰り出してくるのが特徴。
      • ハンターの方を狙ってくるわけでもないのでまず当たりはしないだろうが、喰らうととんでもなく痛い。
      • バリケードも何も無い場所でも繰り出してくるため、どういう意図があるのか不明。もしかしたら脚元のハンターへの威嚇のつもりなのかもしれない。

  • 踏み鳴らし
    • その場で脚を高く上げ、地面を踏み続ける。
      • 「砦」の個体限定の行動。
        「鋏叩きつけ」と同様、拠点へ向かう道中、腹這い状態時に突然繰り出してくるのが特徴。震動あり。
      • 恐らく脚元のハンターを追い払おうとしている行動。いきなり繰り出してくるので脚を狙っている剣士は特に危険。震動もあるのでこの行動中は無理に近寄らない方が無難。
      • 地味な点だが鋏も地面に何度も突き刺している。こっちにも一応判定がある。

  • 鋏振り下ろし
    • 両鋏を振りかぶり、バリケードや拠点に向かって勢いよく振り下ろす。
      • バリケード(「砦」のみ)・拠点を破壊する際の行動。
        腹這い状態と直立状態で2種類モーションがある。拠点ならともかくバリケード程度なら一撃で粉砕する威力。
      • 前を向きながら拠点に接近していればこの攻撃を繰り出す。攻撃するまでの準備動作が比較的早い(特に腹這い状態時)ので、前の行動から繋げられると矢継ぎ早に攻撃される。運が悪いと何回も繰り返されてあっという間に耐久値を下げられてしまう。
      • ハンターに向かって振り下ろしてくることは無いが、拠点の上に立っていた場合は巻き込まれないよう注意。威力も猛烈に高く、ガンナーなら即死もあり得る。
        また、直立状態で思いっきり振り下ろされた鋏はシェンガオレンの股下にまで届く。真下付近にいる剣士はうっかり事故に注意。
      • MHP2Gでは拠点を攻撃する直前に待機モーションが追加され、阻止できる猶予が長くなった。ちょっと待機されるだけでかなり違うもんである。

  • 酸弾
    • 身を屈め、ラオシャンロンのヤドを斜め上に向けた後、ヤドの口内から超巨大な酸弾を発射する。
      • 主に拠点を破壊する際の行動。「エリアを跨いで攻撃判定が飛んでくる」というモンハン史上初の個性をもつトンデモ攻撃。
      • 繰り出す際は方向転換し、後ろ向きに歩き始めるため分かりやすい。発射するまでに少しタメる動作もあるので、比較的阻止しやすい方。
        腹這い状態と直立状態で2種類モーションがあるが、拠点に攻撃する際は必ず後者で行う。
      • シェンガオレンの攻撃の中でもトップクラスの攻撃力を誇り、もし巻き込まれた場合は剣士でも即死しかねない威力。
        エリアを跨いで飛んできた時は着弾地点が一瞬光るが、弾速があまりにも早いので結局喰らってしまう可能性が高い。特に「街」での戦闘の際は着弾予定位置を覚えておくようにしよう。
      • 「砦」の個体は、拠点までの道中であるエリア2・3・4から拠点に向けて発射してくる。
        発射を許すと当然のように拠点の耐久値を削られるため、しっかり阻止しないとエリア5到達時には拠点耐久値が減った状態で迎え撃つことになる。
      • 発射された酸弾はちゃんと拠点に向けて降ってくる。シェンガオレンが来るまで拠点の上でふざけていたハンターが突然爆死するという珍事件が発生するのはこのため。
      • エリア1でも石垣に向けて発射してくるが、これはどちらかというと演出に近く、近寄らなければ当たらない。
        エリア2ではエリアに入ってきた直後にも道へ向かって発射する。来るのが待ち遠しいからとエリア端で固まってるとえらい目に遭う。
      • 「街」の個体も拠点に近寄るまでの間に発射してくるが、こちらは拠点へのダメージは無い。
        発射された酸弾はエリア1と2に降ってくる。バリスタや大砲の弾の採取中に爆撃されないように。
      • ちなみに、喰らった時に全身が燃え上がったようなエフェクトがつくが、無属性攻撃であるため火耐性を上げても効果は無い。

  • 押し潰し
    • 全体重をかけて真下のハンターを押し潰す。
      • 厳密には攻撃ではなく「怯みモーション」。
        要するに「ダウン」だが、コレだけの質量が降ってくるんだから十分脅威である。俗に、小ダウンと大ダウンの2種類ある。
      • 小ダウンは腹這い状態時に耐久値が0になると起こる。
        ガンナーならともかく、剣士は喰らう機会が多い。ダメージは軽微だが、せっかくの追撃チャンスなので出来れば対処したいところ。
      • 大ダウンは直立状態時に、特に脚の部位破壊達成時に起こる。小ダウンと異なり相当威力が高く、半端な体力では普通に圧死しかねない。
        その代わり、ダウン時間がかなり長く絶好の攻撃チャンスになる。発生条件は限定されているので予測して回避に備えよう。


◆破壊可能部位



    • 三段階で破壊達成。
      一段階目は脚の先端が赤色に鈍く光る
      二段階目は茹で上がったカニのように真っ赤に光り輝く
      そして三段階目になると、元の色に戻る
      • 破壊の手順がかなり特殊で、特に三段階目に至るには少し工夫が必要。
        「4本の脚全てが二段階目の状態」「直立状態時」「どの脚でも良いのでどれか1本の耐久値を0にする」と、全ての脚の色が元に戻り、破壊達成となる。
      • 達成すると大ダウンし、かなり長い間隙を晒し続ける。この間に弱点を集中攻撃してやろう。ただしダウンに巻き込まれて乙になってるようでは本末転倒なので慎重に。
      • 剣士は特に苦労せずとも破壊できるが、ガンナーは的が細い事もあってなかなか難しい。狙うなら貫通弾よりも火力重視の属性弾等を使いたい。
      • 部位破壊報酬では「爪」が手に入る。剥ぎ取りでは手に入らない素材のため出来れば欲しいところ。何故脚の破壊で爪の素材が…?
      • ちなみに、色が元に戻った後はまた何度でも部位破壊の行程を進めることが可能だが、何回繰り返しても一回分の報酬しか出ない。

  • ヤド
    • 二段階で破壊達成。
      一段階目は左目と顎の辺りが砕ける。
      二段階目は角が折れ、右半面が大きく抉れ、中の腹部が丸見えになる。
      • かなり硬く耐久値の高い部位だが、中の腹部と判定が連動しているらしく、ガンナーなら腹部に向けて貫通弾・矢を放っていると必然的に破壊できる。
      • 逆に剣士は厳しい。タイミングは限られるが、ダウン中に胴体とヤドの隙間から見える腹部を狙えば一応達成は不可能ではない。
      • 部位破壊報酬ではなんと老山龍の素材が手に入ってしまう。とは言え流石におまけ程度といった感じだが。
        G級ならさらに「砦蟹の天殻」も手に入る可能性がある。可能なら是非狙いたい。


◆弱点属性・部位



  • 弱点属性
      • 意外にも龍に一番弱い。特に腹部へは70%と抜群の効果を発揮する。ラオシャンロンのヤドが影響しているのだろうか。
      • とは言え、基本的に怯みやダウンを奪って行動を阻止するのがメインになってくるので、火力が高ければどの属性武器だろうとあまり問題にならない。

  • 弱点部位
    • 斬撃と射撃は腹部のみ。打撃なら腹部>胴体。
      • 剣士は打撃武器との相性が特に良い。攻撃しやすい胴体が弱点判定になのも美味しいところ。
        とは言え斬撃武器も、胴体とヤドの隙間へ攻撃できれば大弱点の腹部に攻撃が通る。積極的にダウンを取ろう。
      • ガンナーは貫通弾・矢をひたすらヤドに撃ち込んでるだけで楽に腹部に攻撃が入る。特にヤド破壊後の露出した腹部にLV3通常弾を撃つと、ヤド内部で弾が跳弾しまくり凄いことになる。
        ぶっちゃけた話、シェンガオレン戦で一番最適解なのはガンナーなのが正直なところである。


◆武器



シェンガオレンの青銅色の甲殻を丸ごと切り出したかのような武器群。
通称ガオレン武器』。

色合いは地味だが、古代の宗教文化財や貨幣をモチーフとした独特のデザインであり、無骨ながら見た目の人気は高い。
説明文によると古の文献を元に形を作ったとのこと。


属性は無し。
だが「甲殻は金属の硬度を超える」という設定を反映してか、極めて高火力かつ優秀な斬れ味を兼ね備えた性能を有している。
更に武器でありながらザザミ武器のように防御力がプラスされる効果がある。しかもその防御力の高さたるや、ザザミどころかグラビド武器を悠に凌ぐガチガチぶり。

ヘビィボウガンの性能もかなり優秀。
酸弾散弾と状態異常弾は対応できず、通常弾以外の装填数も特別多いと言うわけではないのだが、シンプルにひたすら高火力。
ヘビィボウガンとしては珍しくそれほど癖もなく、リロードは遅いものの反動は極小と扱いやすい。
一方で、対応できる属性弾は滅龍弾のみと特殊だが、そもそも物理火力で押し潰せるような性能に、当時では珍しい滅龍弾も撃てる機能が付いていると考えればあまりマイナス点にもならない。
なお、こちらも当然の如くガンナーには嬉しい防御力プラスのおまけ付き。

本当にとにかく優秀でコレといった非の打ち所がなく、無属性ではあるがそれが逆に汎用性の高さを後押ししている。
特に大連続狩猟などでは何も考えずに背負っても大活躍してくれるだろう。
街を滅ぼしかねない特級危険生物を討伐した甲斐があるというもんである。


…しかし強いて欠点を挙げるとすれば2つある。

まず1つは素材元がシェンガオレンであるということ。
何を言っとるんだと思うかもしれないが、シェンガオレン自身、超大型モンスターなだけあって尋常でない体力を有しており、一回のクエストにかかる時間が非常に長い。
更にいうと「防衛クエスト」の性質もまた厄介。せっかく時間をかけて体力を削ったのに拠点が破壊されて失敗しましたとなれば、精神的なダメージと疲労はとんでもないだろう。

要するに、身も蓋もなく言ってしまえば連戦するにはめっちゃくちゃ面倒くさい相手と言わざるを得ないのが本音である。
しかも甲殻種のくせに「天殻」という激レア素材までもっているため、出ない時は本当に出ない。
下手をすると必要以上に連戦するハメになる事も…


もう1つは圧倒的なバリエーション不足。
製作できるガオレン武器の種類は大剣、狩猟笛、ヘビィボウガン。
以上。たったの3種しかないのである。

他の大型モンスター武器と比較しても、この種類の少なさは後にも先にもこのガオレン武器が随一。
前述した苦労を乗り越えてまで製作できる数がこれだけとなれば落胆は必至である。もう少しなんとかならなかったものか…

ちなみに下位大剣の「ブロンズホオビー」および上位強化先の「ガオレンズホオビー」はMH2の頃には無く、MHP2で追加されたもの。一方でMHFでは初期から登場していた。
しかしながら、MHFではシーズン1.5(2007年冬)の頃にこの大剣を装備したハンターが多数いると、何故かエリア内のハンターの挙動がおかしくなり、終いには強制ログアウトされるユーザーも出るという、とんでもない不具合を抱えていたことがあった。
この時の不具合を抱えていたガオレン大剣を「魔剣ホオビー」と呼ぶことがあった…らしい。


…このため、ガオレン武器はその優秀さに反し、使用率はかなり低いというある意味で異色の武器だった。
たまたまこの3種をメインに使っていたハンターはかなり恵まれていたと言える。


のちのMH4では「竜人問屋」なるシステムが登場し、シェンガオレンの素材が手に入るようになった。
が、残念ながら製作できるのは防具だけ。とことん扱いに恵まれない武器である。
せめて逆ならよかったのに…


◆防具



防具名は金剛/不動シリーズ』。剣士用装備が『金剛』、ガンナー用装備が『不動』である。
それぞれ、上位装備なら名前の末尾に・覇、G級装備なら・真とつく。

武器と同じく、シェンガオレンの甲殻からそのまま製作されたことを思わせる青銅色をしているが、G級装備の『金剛/不動・真』は一転、茹でガニのようなダメージが蓄積されたシェンガオレンの脚のような朱色に様変わりする。

デザインもこれまた特徴的で、金剛シリーズは土偶、不動シリーズは銅鐸のような見た目をしており、なんと言うか神秘的で厳かな雰囲気を発している。
設定によると、金剛は「古の巨神」を、不動は「住古の神具」を模して製作されているとのこと。


さて肝心の性能は、
「耐震」、「根性」、「スローライフ」が共通で付き、金剛なら「ガード性能」、不動なら「反動軽減」が付く。
正に難攻不落の「砦」蟹を表現したかのようなどっしり構えたスキルである。

金剛は特にランスやガンランスとの相性が良く、不動はボウガンに非常に向いている。
特に一撃の威力が半端ないG級で即死の恐れが多いガンナーにとってはありがたい性能。
「耐震」がやや相手と状況に左右される点が微妙か。

一方で、金剛・不動共にシェンガオレンのすっトロさを表現したかのような「スローライフ」が付いてしまう。厄介なモーションが多いG級モンスター相手にこの回復速度の遅さは致命的。必ず消しておきたい。

総合して、特に悪い点は見当たらない性能ではあるのだが、正直に言うと微妙。
武器の性能がひたすら優秀だったのと比較すると防具の方はやや霞んで見えてしまう。
とは言え、素の防御力の高さは普通に魅力ではあるため、ランスや癖の強いボウガンを扱う際には候補に入れても良い。ここは好みの問題である。
ただシェンガオレンを倒すのがやっぱり面倒くさい


前述したようにMH4では上位防具が復活しているが、こちらは「スローライフ」「火耐性弱化」に入れ替わり、「根性」が「幸運」に入れ替わっている。
MHP2G以前よりも微妙なことになってしまった。
しかし何故ガオレン防具に幸運要素が…?
運要素で拠点が破壊される様を表現しているのかもしれない

でもこっちはシェンガオレンと連戦する必要が無いし…と思うかもしれないが、素材の交換対象がよりによって激昂したラージャンであるため、こっちもこっちでだいぶ面倒くさい。
結果として、あまり見向きもされない防具になってしまう事に…

このため、「こんな事なら武器が復活すれば良かったのに」という声も少なくない。
そしてMH4GではG級ラオシャンロン防具が引き続き登場する中、こっちは続投すらさせてもらえなかった。
復活できる機会が少ないんだからせめてもう少し優遇してくれても…


属性耐性はに弱いが、それ以外への耐性はプラス。意外にも比較的弱いはずの雷にもそれなりの耐性があり、その点は中々優秀。
火を操るモンスターは多いが、それ以外のモンスターに対しては普通に活躍できる耐性である。


◆余談



  • 名前の由来
    • 『仙高人』の中国語読み。たまに「シェンガレオン」と間違えられるが、正しくはガオレン。ガレオンは帆船の一種である。
      確かにそっちの響きもカッコいいけども
      • 英語および中国語ロケールでの名称もまんま『(Shen)(gao)(ren)』。
        不老不死で神通力を操る「仙人」と、「地位の高い偉大な人物」を意味する「高人」を複合したものと考えられる。
      • 名前の由来と言い、武具のデザインや説明から「神への供物」という文言もある辺り、シェンガオレンはある種の神として信奉されていた存在だったのかもしれない。実態はカニだけど

  • デザインのモチーフ
    • タカアシガニという説が有力。
      • 深海に住む言わずと知れた世界最大の節足動物。非常に細長い脚や鋏脚の形が実にそっくり。特にオスはサイズがかなりデカく、鋏脚を広げると3mを軽く超えたという記録もあったらしい。現実世界の生物も中々のバケモンである。
      • 系統的にかなり古い種らしく、自身を除いたタカアシガニ属は4種確認されているそうだが、その全てが既に絶滅している。何かと太古の印象が強いシェンガオレンと似た雰囲気を持っている。
      • ちなみに、サイズの割に身は少ない上、陸揚げして放置してると身が溶けて液状化してしまう性質がある。なので状態や調理人の腕次第で味もかなり変わり、両極端な感想が多いとか。
        気になるシェンガオレンのお味は…

  • 分類
    • 甲殻種は十脚目に分類され、それぞれザザミ科ギザミ科、ガオレン科と分かれていくが、ザザミとギザミは所謂「カニ」である「短尾下目」に属している。
      • 一方、ガオレン科はルーツが追えていないのか十脚目からの分岐先は「不明」となっている。
        要するに、カニカニ言われているシェンガオレンであるが実はカニではない可能性があったりする。
      • カニと誤認されている生物は現実世界にもおり、みんな大好きタラバガニも「異尾下目」に属している「ヤドカリ」である。シェンガオレンももしかすると実はヤドカリの一種なのかもしれない。
        ザザミもギザミも絶対ヤドカリだろとか言ってはいけない

  • 生息地
    • 上述の通り、シェンガオレンは普段から何処で育ち、何処から現れるのかが全く不明。あれだけ巨大なのにもかかわらず発見される頃にはすでに街の近くまで来ていたという場合がほとんどらしい。
      • 先輩のラオシャンロンも長らく神出鬼没な存在だったが、MHXXにて普段は地中深くで眠っているという設定が公開された。
        一方こちらは復活の機会に恵まれないこともありいまだに分かっていることが少ない。
      • MHX系列で抜け殻が古代林で見つかっているところから考えると、森の奥地で過ごしている可能性もある。シェンガオレンはかなり長命らしいので過去と現在の環境はまるで違ったということもあるかもしれないが。
      • 派生作品になるが、中国版のモンハンであるMHOでは海から上陸してくる姿が描かれている。
        メインシリーズとは離れている作品なため、コレが公式見解なのかは不明。しかしデザインモチーフ的にはなんだかしっくりくる描写である。
      • 名前や武具の説明文から察するに、元は東洋から上陸してきたモンスターなのかもしれない。だとするとかなりの行動範囲をもつモンスターである。

  • シェンガオレンのヤド
    • シェンガオレンの背負っているラオシャンロンの頭骨だが、冷静に考えてみるとめちゃくちゃデカい。
      実際に戦えるラオシャンロンの頭と単純に比較して2.85倍以上の大きさであることが分かっている。
      • これは何もシェンガオレンに限った話ではなく、ザザミの背負っているモノブロスの頭骨、ギザミの背負っているグラビモスの頭骨も生前のものより明らかにデカい。
      • これについて、「甲殻種の体液は特殊で、ヤドを肥大化させる成分が含まれている」という説が一部で広まっているが、実はコレはガセ。
        「モンハン世界では、ゲーム中の個体より遥かに大きく成長した個体が普通に存在する」というのが正解である。
        実はこのwikiでも結構長いことこの謬説が書かれていた
      • ラオシャンロンの長い長い寿命からすれば、ハンター業の歴史などほんの一瞬と考えると、過去にそれだけ成長した個体がいたとしてもなんらおかしくはないだろう。

  • 酸弾
    • シェンガオレンの繰り出す酸弾を喰らってみると分かるが、火属性攻撃を喰らった時のように全身が燃え上がるようなエフェクトが出るのが特徴。
      • 硫酸や硝酸などの強酸は有機物と接触すると激しい反応熱により発火させることがあるが、つまりシェンガオレンのコレは硫酸・硝酸に匹敵するかそれ以上の強酸ということになる。
        そらこんな劇物を全身に浴びればひとたまりもないだろう。例によってハンターは五体満足だけれども
      • ヤドから液体を発射する甲殻種と言えば、ショウグンギザミが真っ先に思い浮かぶ。
        かの種もグラビモスの頭骨ヤドの口から物凄い勢いの水流を噴射してくるが、実はコレはショウグンギザミの排泄物、つまりオシッコであることが分かっている。汚い
      • シェンガオレンのものについては明確な説明が無いが、順当に考えればオシッコということになりそうである。
        しかし石造りの城壁をも溶解させる強酸性を含んだオシッコと考えると中々字面が強すぎる。
      • 一応、現実世界にも酸を作り出す生物がいるが、大体アリやゴミムシなどの昆虫類。毒ガニもいるにはいるが自分で毒を作り出す機構は無く、餌から蓄積されて結果的に毒を持っている。
      • シェンガオレンは長年体内に蓄積された酸性毒をオシッコとして排泄発射しているのかもしれない。まぁ単純にモンスターということで酸を生成できる特殊なカニなのかもしれないが。
        いずれにせよ喰らえば汚い汚くない以前に即死する威力なので些事である。

  • 鳴き声?
    • 鋏を振り下ろす時や酸弾を発射する時、鳴き声のような不気味な怪音が何処からか出されていた。
      その鳴き声というのもかなり怖く、何と言うかタタリ神の叫び声に似ている。
      • 状況的に考えてシェンガオレンのものとしか思えないのだが、構造的に鳴くことがない甲殻種からは想像もつかないくらい不気味。
      • この謎の鳴き声は初登場のMH2を最後に出されなくなっている。何だったんだ…

  • 足音
    • シェンガオレンが何か行動を起こすたび、ミシミシと関節が軋んでいると思しき音が響いているが、この音はキャベツを刻む音を加工したものなのだそう。
      だんだんシャキシャキと聴こえてくる








ハンターがいるのか うん!
そうかそうか
そうなれば話は違う
ここにいる4人のハンターが
すべて侵入者として
立ち上がってくる

爪振り下ろしもいい
スタンプだって
酸弾だっていいぞ
そこに追記修正など
つけるか

朝から排除だ
支給用大タル爆弾150ダメージも渋いな


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  • アンガルフ砦
  • 出番に恵まれない
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最終更新:2025年02月02日 00:54
添付ファイル

*1 画像出典:モンスターハンターポータブル2nd G、CAPCOM Co.,Ltd.、2008年3月27日リリース、monsterhunter.wikia.com

*2 画像出典:モンスターハンターポータブル2nd G、CAPCOM Co.,Ltd.

*3 ヤドを含めた全高。

*4 このため、MH2で下位のシェンガオレンと戦えるのは一度きり。