登録日:2016/01/21 Thu 20:29:36
更新日:2025/02/21 Fri 23:31:38
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『バイオハザード』シリーズの正統なる外伝であり、
週刊少年チャンピオンで連載された漫画。
著者は芹沢直樹氏。全5巻。
最終巻には「事件から数カ月後の中国」を描いた
“special epilogue”も収録されている。
基本的に舞台である学園で起きたバイオテロや
BSAAの活躍がメインであるが、校内における閉鎖的環境やスクールカースト等、学園モノならではのドロドロした人間関係も描かれている。
【ストーリー】
アジア最大の名門校・マルハワ学園。
陸の孤島であるその学園で、一人の女子生徒が謎のゾンビ化を引き起こしたという。
調査に訪れたBSAAアドバイザーのダグ教授と、その助手である甥のリッキーは、次第に拡大するその惨劇に巻き込まれていく。
惨劇の裏で不気味に微笑む黒いローブの女…。
そしてダグ教授の足取りを追うクリスらBSAAメンバー…。
偶然に絡み合った糸は必然の悪夢を紡ぎ、『バイオハザード』に新たなる血塗られた歴史を刻む。
【登場人物】
本作の主人公。20歳。「しびれるねぇ」が決め台詞。
ベネット大学理工学部2年生の青年でただの一般人。
ラクーンシティの一部の一般市民のような超人さもなく、レクチャーを受けるまでは拳銃の扱いすら覚束ず、配管が入り乱れた通路で不用意に発砲してしまい、跳弾に見舞われるシーンもあった。
強いて言えば悪運の強さは一般人離れしている。
正義感が強く、明るく快活で誰に対しても物怖じなく接する人懐こさを持つ。
単位不足で留年になりかけており、単位獲得を条件に叔父のダグ・ライトの助手としてマルハワ学園へ向かう事になったのだが、そこでバイオテロに巻き込まれる羽目になる。
リッキーの叔父であるベネット大学理工学部教授。44歳。
細菌学が専門でウィルスや生物兵器の知識を持っており、バイオハザードシリーズで起きた
ラクーン事件やバイオテロにも詳しい。
教鞭を執る傍ら、BSAA極東支部とアドバイザーとして関係を持っている。
北米支部と共にショッピングモールで起きたバイオハザードの調査を行った事があり、その縁でクリスとの面識もある。
その際に彼がバイオテロと戦い続ける事を「
宿命か、或いは呪いか」と考察した。
バイオザードシリーズでおなじみの主人公。
この時点でオリジナル・イレブンの特権を放棄しており、BSAA北米支部の隊長としてバイオテロの一掃に力を入れている。
クリスのパートナーであるBSAA北米支部の隊員。
『6』に先駆けて本作に登場。
本作で初登場したBSAA極東支部の女性隊員。
某ガンダムヒロインを思わせる髪型と褐色肌が特徴。
ラクーン事件で当時ラクーンシティに出張中だった両親を失った過去を持ち、その経験からバイオテロを憎むようになり、BSAAに入隊した。
当初は科学部に所属していたが、数年後にB.O.W.を効率よく駆除したいという考えから実戦職へと転属、負け続けながらも持ち前のハングリー精神と実戦訓練で経験を積みスキルを磨いた結果、BSAAの一角を担うに相応しい実力者に成長した。
現在は極東支部にエージェントとして所属しており、初登場時は単独で大量のB.O.W.とやり合う程の戦闘力を披露していた。
因みにかなりボリューミーな食事を摂るピアーズですらドン引く大食漢であるらしく、特に麺類には目がないようで初めて食べるちゃんぽんに明らかにテンションが上がっていた。
マルハワ学園の理事長。32歳。
修道服が特徴の女性で本名はグラシア・デレニカス。かつてはダグの恋人であった。
学園の運営に関しては異常なまでに力を入れており、学園を守るためなら隠蔽や犯罪まがいの行為も辞さない。
ある意味被害者と言えなくもないが、実質全ての元凶。
少なくともバイオテロが起きるキッカケを作ってしまった。
資産家の娘で父の意向で他の兄弟と同様に海外留学へ出された後、父の没後まで彼と顔を合わせる事が出来ず、「自分は父親に愛されていないのではないか」と疑念を持っていたが、父の代理人からマルハワ学園理事長への就任要請を受けて就任。
当初は「自分に務まるかどうか」という不安を抱えていたものの、就任の式典で生徒や教職員達全員が自分に跪く様子を見て「マルハワ学園こそが父が自分に残した聖域」と認識し、その理念を歪に捻じ曲げていってしまった。
物語中ではダグに対し「学園内で発生しているゾンビ騒動を公にせず、秘密裏に調査・処理して欲しい」と無茶な要請を叩きつけ、
マルハワ学園のブランドと聖域の維持に固執するあまりゾンビ化したアリサを彼女が潜んでいた木造の旧校舎ごと焼却処分するなど手段を選ばない性格へ豹変しているが、それらは「学園を守りたい」という気持ちが暴走している事に起因していた。
しかし、それは「自分のための聖域」である学園の保守にしか向いておらず、生徒たちを一指導者として愛していた事は事実ではあろうが、結局の所は聖域を飾るオブジェ程度にしか認識していなかった節もある。
事実、真っ当な思考回路があったならば、「借金をして入学した貧乏人」である事を理由に1人の女生徒に対し男子生徒が複数で暴行を加えるというどこに出しても恥ずかしい立派な暴行・傷害事件であるナナンに対するイジメ行為を少なくとも放置することはなかった筈である。
しかし、契機となったのは物語の3ヶ月前に起きたビンディとナナンの脱走未遂事件であった。
その渦中でナナンが警備員と揉み合いになった末、偶発的に転落死してしまった事はその場に居合わせた事もあって己自身と自分が育んだ学園の異常性を始めて俯瞰。
それ以降、「ナナンは私が殺した」と罪悪感を抱いており、学園を守る事に固執するあまり数十件に及ぶ学園の不祥事を揉み消した事に対して後ろめたさを抱えていた。
元恋人のダグからの再三のBSAAへの通報要請にも耳を貸さず、彼が困惑する程に秘密裏に今回の騒動を処理することに拘ったのは、
「学園内でのバイオハザード」という異常事態が公になれば、芋づる式にマルハワ学園そのものの異常性やこれまで内々で処理した不祥事が全て明るみに出てしまい、
学園のブランドも何もかもが崩壊することは明らかであり、先述のナナン死亡事故で既に後に引けない場所まで追い込まれてしまったためだった。
学園祭でのバイオテロ収束後、ビンディに対して生徒会長の地位を剥奪した上で3ヶ月間の自室での停学及び謹慎処分を言い渡した事で、唯でさえ憎悪を募らせていたビンディにトドメを刺してしまい、
そうとは知らずダグとリッキーにナナンの死の真相を語ると同時に、ダグらの説得を受け入れて学園内のバイオハザードを公にする決意を固めるが既に手遅れであり、元ナナンの実験体C16の襲撃を受けてタヒルが死亡しリッキーを庇ったダグも重傷を負う。
事ここに至って漸く「既に学園内で処理できるレベルの事態ではない」と悟りBSAAに救助要請を送ろうとするが、自身にCウィルスを打ち込んでクリーチャー化したビンディによるパンデミックが発生。陸の孤島である学園は瞬く間に聖域から地獄へと叩き落とされる。
その最中にビンディと対峙して彼女を銃撃するが反撃され、学園と生徒たちを守れなかった事を悔やみながら死亡。
ダグとリッキーを学園の外に出すためにヘリを秘密裏に手配しており、ビンディの破壊工作から唯一逃れていた為クリス達の脱出に用いられた。
BSAAによる学園内の掃討後、同じく学園内で死亡したダグの墓の隣に埋葬された。
本作のヒロイン。
学園の生徒会長で黒髪と褐色肌が特徴の女子生徒。
エリート意識が強い生徒が多い学園の中で数少ない常識人である。
序盤で突然姿を消した親友のアリサを心配していた。
実はバイオテロを引き起こした張本人であり、本作における黒幕。
リッキーの前ではアリサの事を自分の親友のように語っていたが、実は彼女を憎悪していた。
元々グラシアの異常性や学園の隠蔽体質に否定的であり、唯一グラシアを心酔することなく学生生活を送っていたが、物語が開始する以前にアリサ達からイジメを受けていたナナンの悲惨な状態を目の当たりにしたことで本格的に学園に対して嫌悪感を抱くようになった。
エスカレートするイジメに耐えかねてケンカ両成敗という形でアリサ達と乱闘騒ぎを起こし、学園の実態を外の世界へと伝えようと学園を脱走したが、警備員の妨害で失敗に終わり、その過程でナナンが事故死してしまった。
ほどなく学園に連れ戻されたビンディに待っていたのは、ナナンの死を何事もなかったように「転校した」として隠蔽する学園の冷酷な対応であった。
その後、彼女に目を付けたフードの女の入れ知恵で復讐を決意し、彼女から受け取ったC16のサンプル(のちのCウィルス)をナナンの遺体に投与してクリーチャーとして蘇生させた。
そして本編の学園祭にて、手始めに自分達をいじめた生徒達をナナンに襲わせていたのだが、当初はバイオテロを起こすつもりはなく、あくまでグラシアに今までの罪を認めさせる事が目的であった。
ビンディが非道な手段を行使してきたのも、歪んだ学園を変えられると信じていたからこそであったが、その先にあったのは、過ちを悔いるどころか大勢の生徒の前で全ての罪をビンディに擦り付けるグラシアの理不尽な仕打ちだけであった。
完全に絶望した彼女はもはや何をやっても無駄だと悟り、ナナンの死もあって「ナナンを死に追いやった学園全てを壊す」という異常なまでの憎しみを持つまでに至ってしまう。
全ての人間を逃がさないようにするため、あらかじめ全ての脱出手段を潰して生徒や職員を完全に学園に閉じ込め、ナナンをけしかけて大勢の生徒をゾンビ化させて学園中をパニックに追い込んだ。
そして、自身にもサンプルを投与してクリーチャーへと変貌する事に…。
学園の生徒である日系の少女。ある意味本作一番の被害者。
3ヵ月前から行方不明になっている。
ベネット大学の学食でシェフを務めている父親が何ヶ月も手紙の返事が帰って来ない事を不審に思い、ダグの行方を追って大学を訪れていたクリス達が彼の足跡を追いマルハワ学園に行くと知り、彼らに「ナナンを探して欲しい」と依頼した。
実家は世界的に有名なレストランであったが、マルハワ学園に入学する前に倒産していた。
父親が借金をする事で何とか入学できたのだが、それからほどなくそれをネタにクラスメイトのアリサから壮絶なイジメを受ける事となった。
しかしただ成されるがままであったでのはなく、武芸に長けていたらしくいじめてきていたアリサ達に対し、瓦割りの要領で机の天板を殴り砕いて逆に脅してみせる強気な一面もあった。
当初は唯一味方になってくれたビンディと共にイジメに立ち向かっていたが、多勢に無勢で次第に追い詰められ、更には数人がかりで暴力を振るわれて負傷させられ、心身共に追い詰められてしまう。
学園側に助けを求めたが、自身の聖域である学園のブランド維持しか目を向けていなかったグラシアからは相手にされず、多くの生徒は見て見ぬふりという孤立の状態であった。
とうとう限界に達してビンディと2人で学園を脱走したところ、追ってきた警備員に捕まり、その際に警備員と揉み合いになったはずみで崖から転落。
そのまま崖下の岩壁に頭を強打して命を落とした。この現場はグラシアも目撃しており、彼女にグラシア自身と彼女が育んでしまったマルハワ学園の異常性を認識させる事となった。
事実、グラシアは学園内の情報を統制してでも事故死のことは徹底的に隠蔽する一方、ナナンが頭を打ち付けた岩壁には墓標の如く凄惨な血痕が残されている。
その後、読んで字の如く死人に鞭を打つかのごとく彼女の死を隠蔽されて表向きは転校した事にされ、転落死した事すら彼女の親族にも隠蔽されていたが、フードの女と結託したビンディの手で密かにC16のサンプルを投与された事によりクリーチャーとして蘇生した。
本編最終話で学園の異常性が明るみとなり、学園外にバイオハザードの発生や閉鎖環境が生んだスクールカーストをはじめとした異常な環境、グラシアが隠蔽した数十件に及ぶ不祥事が表沙汰となった際、彼女の死亡が漸く父親に伝えられた模様。
描写的にグラシアは父親に対し「ナナンは変わらず在学中」という状況を伝えていたため、父親は理不尽な死を遂げた娘の高額な学費を支払わされていた可能性も高く、そうだとすれば余りにも親子揃って救いがない。
学園の副生徒会長である女子生徒。
社交的で真面目な性格であり、よそ者であるリッキーに対しても差別することなく歓迎していた。
序盤では彼に絡んできた不良の生徒を咎めて追い払ったり、積極的に好意を寄せたりと友好的であったが、のちにゾンビ化してリッキーに襲いかかった。その後、グラシア達の手で焼却処分された。
初登場時こそ良心的な人物のように振舞っていたが、その本性はお嬢様育ちの悪いところだけを凝縮したような最低の悪女で、貧しいながらもマルハワ学園に入学したナナンが気に入らないからという、実にくだらない理由で、壮絶なイジメを行なった。
そのイジメは2年以上にも及び、多くの生徒と共にナナンとビンディを虐げた挙句、ナナンが命を落とす切っ掛けを作ってしまった。
ナナンが死亡した後はグラシアの手で転校として隠蔽されたため、ナナンの死を知ることなくのうのうと生活していたが、序盤でリッキーと出会った後にクリーチャーと化したナナンを連れたビンディに襲撃され、ウィルスに感染させられた末にゾンビにされ人間としての生涯に幕を閉じた。
…皮肉にもかつて自分達がイジメてきた相手に復讐される形となって。
物語の中で、結果として2人の少女の人生を狂わせるだけでなく、自らの人生も狂ってしまった、因果応報の末路といえよう。
主幹教諭。
年齢は不明だが、人道支援に訪れていた若き日のグラシアにタヒルと共に出会った頃はまだ10代と見られるため、少なくともグラシアよりは年下の可能性がある。
眼鏡をかけたオールバックの男性であり、サーベルの達人である。
沈着冷静な性格であるが、学園内にゾンビが現れた際にはサーベルでゾンビに立ち向かうほどの勇敢さを見せていた。
その一方では、グラシアを崇拝レベルで心酔しており、少しでも彼女を侮辱する者に対しては怒りを露わにしてサーベルを向ける一面がある。
本質的にはグラシアと同じく人格に問題がある人物と言える。
地下制御施設で立ち入り捜査をしていたところ、突然停電が起こり、その隙に襲いかかってきたゾンビに噛まれて死亡。
その後、ゾンビと化したが、最期は親友のタヒルの手で倒された。
特別高等警備員。
レイとは親友同士であり、彼と同じくグラシアを心酔している。
学園でバイオテロが起きた際には、強硬的な手段で学園を守ろうとするグラシアに懐疑心を抱いて憂いたり、自分達に協力してきたリッキー達に武器を渡して銃の使い方を指導する等、学園の中では一応の穏健派かと思われたが、実際はレイや生徒と同様に強い独善に染まっており、完全にグラシアの忠実な手下になり果てている。
その一面は行動にも現れており、目的の障害となる者は容赦なく切り捨て、中盤では事態を収める為にビンディを全ての元凶に仕立て上げる事をグラシアに提案する等、冷酷な面も窺える。
最期はその行動が仇となって、ダグ共々致命傷を負わされ、自らは命を落とす羽目になる。
中国人の男子生徒。
臆病な性格でメタボな体型が特徴。
バイオテロが起きた際には幼馴染のクワンと共に逃げようとするも、最期は別の場所にいたゾンビに殺害された。
中国人の女子生徒。
タイミンの幼馴染であるが、彼とは逆に強気で男勝りな性格。
金属バットを武器にタイミンと共に学園を逃げ回っていた。
タイミンが死亡した後はリッキーに助けられてグラシアのいる場所へと向かうのだが、最期はそこにいたビンディに外へと放り投げられたところをゾンビに襲われて死亡した。
マルハワ学園に在籍している学生達。
その多くが世界中から入学してきた名家の子息、令嬢である。いわゆるセレブ。
よそ者であるリッキーを歓迎してアプローチする女子生徒もいれば、逆にリッキーを差別してカツアゲしてくる不良もいるが、基本的には友好的で礼儀正しい感じである。
表面上は高貴と思われたが、その実態はアリサと同様のとんでもないロクデナシの集まりであった。
多くの者が横暴かつ排他的で裕福な家柄に鼻をかけており、よそ者や貧乏人を徹底的というよりも常識レベルで見下している。
実際、仮にも客人であるリッキーに対して一部の生徒が「俗世界の人間は品がない」と吐き捨てていた。
過去にアリサが主犯格としてナナンに対するイジメを働いた際には、貧乏人に対する偏見からアリサに便乗してイジメに加担していた。
その中には男子もいたが、ナナン1人を相手に数人がかりでフルボッコして重傷を負わせる体たらくであった。
一方では、絶対君主制に近い教育によって生徒のほとんどがグラシアを信奉し、彼女に付き従っている。
グラシアこそが絶対であり、グラシアの指示を何の疑問も抱かずに実行に移す、簡単に言うならば「盲目的な狂信者」である。
グラシアも自分を慕う生徒達の罪や神経を咎めず、ビンディの訴えに耳も貸さずに放置していた。
しかし、その為に生徒の横暴はますます増長し、問題行動もエスカレートしていった。
ハッキリ言って、クリーチャーとは別のベクトルでタチの悪い存在と言える。
結果としてこの盲信さがビンディーにとって恨みの対象となり事件に全く関係のない1年生や2年生をも巻き込まれて行く。
本編後半でビンディが起こしたバイオテロによって一部の生徒がゾンビ化したのを皮切りに多くの生徒が次々とウィルスに感染していくと同時に、クリーチャー化したビンディによって虐殺されていく。
また、一緒に逃げていた友人を身代わりにして自分だけ助かろうとするなどその薄汚い本性を露わにしながらゾンビの餌になる者や、絶望した果てに自ら命を絶ってしまう者が相次ぐ中、最後まで生き残っていた生徒達は、聖堂に引きこもって、泣きながら神に祈って救いを求めるという、虫がよすぎる現実逃避な行動に走っていた。
当然、ここまで慢心やエゴに塗れた人間達に、神が救い手など差し伸べる筈もなく、代わりに彼らに差し向けられたのはクリーチャー化したビンディによる断罪の凶爪であった…
こうして、最期は1人も生き残ることなくゾンビまたは醜く傷ついた死体へと成り果てた末、BSAAの部隊によって処分されるという因果応報な末路を辿った。
ちなみにこの時点で生前の生徒達の本性を知らなかったクリスは「犠牲者のほとんどは罪のない子供たち」と憐れんでいた。
アリサもそうであるが、ビンディーの同級生がナナンの家庭事情を理由にイジメなんてしなければバイオテロは起こらずに済んだ。
バイオテロの裏に暗躍する謎の女。作中ではフードに隠されていて顔ははっきり描写されていない。
ビンディをそそのかし、C-ウィルスのサンプルを渡して学園内におけるバイオハザードを引き起こさせていた真の黒幕。
事件後、C16の肉片を研究所に持ち帰り、新たなバイオテロの準備を始めた事などから、その正体はカーラ・ラダメスである事がうかがえる。
※以下、物語の核心、さらなるネタバレにご注意ください。
ナナンのなれの果てであるクリーチャー。
C-ウィルスのサンプルを投与されてサナギ化したのち、全身が肉腫で覆われたグロテスクな外見へと変貌した。面影はわずかに残った右半分の頭部のみ。
当然ながら彼女の意思はとうに無く、ビンディの命令のままに動くただの怪物だが、ビンディは生前の様に接するという狂気的な扱いをしていた。
その姿はのちの6に登場したレポティッツァに似ているが、姿形が不定形で数本の触手が生えている。
レポティッツァと同様に肉腫から人間をゾンビ化させるガスを噴射して、多くの生徒や職員、そしてダグをゾンビに変えた。
リッキー達の活躍で肉体を真っ二つにされる程のダメージを負うが、しぶとく生き延びてヘリで脱出しようとするリッキー達に襲いかかり、咄嗟にピアーズを庇ったメラを死に追いやった。
最期はピアーズが放った機銃掃射で肉体を細切れにされて死亡。
その後、現場に現れたフードの女の手によって残った肉片をサンプルとして回収された。
フードの女から受け取ったC-ウィルスのサンプルを自らに投与してクリーチャー化したビンディ。
驚異的な再生力を持ち、当初は自我を失うことなく人間の姿を完全に保っていたが、戦闘のダメージで肉体が変異、顔の一部に複眼が現れ、右腕が巨大な爪に変化する等、その特徴はのちの6に登場したジュアヴォに酷似している。
学園でパンデミックを起こした後、グラシアの元へと向かい、彼女と対峙した。
ちなみにこの時点でグラシアはようやく過ちを認めて全ての真実を公表する決意を固めていたが、時既に遅くグラシアを容赦なく殺害した。
全ての復讐対象を始末した後も多くの生存者に襲いかかり、駆けつけたメラと戦闘状態になり、彼女を追い詰めたが、次第に形勢が逆転して再生力が追いつかずにサナギ化してしまう。
そして、サナギから孵化した際には巨大な蜘蛛のような醜悪な姿に変貌し、最早人間だった面影は甲殻に引っ掛かってるだけの顔の皮膚のみであり、完全に自我を失ってしまった。
最期はリッキーやクリス達の猛攻で倒され、哀れな生涯に幕を下ろした。
その後、ナナンの死に際に幻影として彼女の目の前に全裸姿で現れ、そして…
ナナン……
もういいわ……もう十分だから……
ずっと一緒だから……
【結末】
マルハワ学園を壊滅に追い込んだバイオテロは「不可解な事故」として全世界に衝撃をもって伝えられた。
リッキー達が目の当たりにした真実は、関わった人間が全員死亡した事で証明する方法が無く、裏で糸を引いていたフードの女の正体も結局わからずじまいという事でBSAA内のみの極秘事項になってしまった。
だが、事件の真相を調べていた一部のマスコミの手によってマルハワ学園が隠蔽し続けていた事件の数々が明らかになり、その異常性が全世界に暴かれる事になった。
皮肉にもビンディの思惑通りの結果となり、やがて事件は謎に覆われたままこう呼ばれるようになった…
学園で唯一の生存者となったリッキーは事件の影響で大学を去り、行方不明となった。
一方、クリスとピアーズも多数の死者を出したマルハワ学園のバイオテロに心を痛め、その戦いで命を落としたメラの死が大きな悲しみとして2人の心に刻み込まれた。
追記・修正をお願いします。
- 数あるバイオ作品の中では2に次ぐ後味の悪い結末なのかな?(他はあまりよく知らないので) -- 名無しさん (2016-01-21 20:53:13)
- ベネット大学で吹いた思い出 -- 名無しさん (2016-01-21 21:05:15)
- そして新キャラはリッキー以外誰もいなくなったっていう。ほとんど生き残らなかったからゲームにキャラを出せないな -- 名無しさん (2016-01-21 21:16:59)
- ↑いや、逆じゃない?ゲームに出演する予定がなかったからほぼ全滅エンドなんだろう。……リッキーはそのうち出てきそうな気もするが、正直善悪のどっち側として出てくるか予想がつかない -- 名無しさん (2016-01-21 22:23:30)
- 出てくるとしても新聞記者としてファイルに名前が出るぐらいじゃないかな -- 名無しさん (2016-01-22 01:34:06)
- 単行本追加ラストシーンのリッキー、あの場所にいたら危ないんじゃね? -- 名無しさん (2016-01-22 18:31:51)
- フードの女だけど、結局誰だったん? -- 名無しさん (2016-01-22 19:08:05)
- ↑ 6の黒幕 -- 名無しさん (2016-01-22 19:21:32)
- ダグ教授があっさりゾンビになったのは驚いた。生徒達は完全に自業自得だな。グラシアも多少同情するところはあるけど弁護はできない外道だ。こんな学園は消えてよかったよ -- 名無しさん (2016-01-22 20:07:55)
- 単行本だと変わるんだろうが、掲載版は兎に角絵が暗くて読み辛かった…絵自体は上手いのになあ -- 名無しさん (2016-01-22 20:22:24)
- フードの女が序盤に持ってる端末が6でフードの女が使ってたのと同じなんだっけ -- 名無しさん (2016-01-22 21:20:48)
- ここまで歪んだ学園の卒業生が一般社会に適合してるのか気になる。 -- 名無しさん (2016-01-23 02:30:12)
- 胸糞悪い生徒どもがクリス達に駆逐されたのはザマーって思った -- 名無しさん (2016-01-24 12:50:01)
- リッキーって確か後日談読み切りでバイオハザードの現場でカメラマンしてなかった? -- 名無しさん (2016-01-26 23:15:26)
- 「北海の妖獣」とドッチがマシなんだろうな? -- 名無しさん (2016-02-12 17:14:12)
- いろんな意味でバイオの世界は終わってると感じさせてくれる -- 名無しさん (2016-06-21 14:13:00)
- いや後付けの外伝小説とか漫画とかだけでゲーム本編は一部のテロ気質のバカが引き起こしてるだけだし 本来厭世作品ではない -- 名無しさん (2016-07-23 17:23:35)
- しかし何で『マルハワデザイア(マルハワの欲望)』なんだろうな。欲望が絡んだ事件って感じはしないが。『マルハワディザスター(マルハワの災害)』なら分かるんだが -- 名無しさん (2017-12-16 23:01:42)
- ↑ グラシアの「学園を続けたい」かビンディの「ナナンに生きていて欲しい」かね -- 名無しさん (2017-12-21 16:07:21)
- たまたま掃討を免れたゾンビがいるってホラーにありがちなオチが次回作でも使われてたな -- 名無しさん (2018-05-10 14:04:47)
- マルハワデザイアっていう珍妙な名前が記憶に残る -- 名無しさん (2020-10-04 02:27:48)
- ヤンとグエンは可哀想だと思ったけど、この2人も描写されてないだけで実はクズなのかもしれない -- 名無しさん (2020-12-01 20:09:56)
- 舞台作品の「BIOHAZARD THE STAGE」も学園が舞台でピアーズが登場してたけど、バイオテロの原因が「登場人物達の良かれと思った行動がことごとく裏目に出た結果起こった悲劇」という感じだった -- 名無しさん (2023-03-07 17:53:24)
- ちなみにここでフードの女(偽エイダ)に回収されたナナンの遺骸がシモンズの組織に渡ってレポティッツアが生み出された -- 名無しさん (2023-03-26 22:17:20)
- 2020/03/20 (金) 00:12:12、2020/06/06 (土) 10:23:46、2021/05/13 (木) 18:41:26、2021/07/09 (金) 01:34:25、2023/03/26 (日) 22:15:14、2023/11/05 (日) 01:23:20の計6コメントを作者に対する愚痴及びそれに反応・レッテル貼りをしているコメントとして「コメント整理に関する相談ページ」に報告しました。 -- 名無しさん (2024-10-13 21:13:23)
- ↑24時間以上経過しても反対意見がなかったため上記コメント郡を削除しました。 -- 名無しさん (2024-10-17 00:12:14)
最終更新:2025年02月21日 23:31