アクションデュエル(遊戯王ARC-V)

登録日:2016/02/15 (月) 21:48:03
更新日:2024/07/10 Wed 21:18:50
所要時間:約 6 分で読めます





戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!
モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!
フィールド内を駆け巡る!
見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション…

デュエル!


概要

アクションデュエルとは、『遊戯王ARC-V』に登場するデュエルの形式のひとつ。
本項では同デュエルで使用される専用の「アクションカード」についても記述する。

遊矢達の住む舞網市で普及している質量を持つ「立体幻影(ソリッド・ビジョン)でモンスターを実体化させ行うデュエル。
実体化したモンスターに乗り、フィールド内に散らばったアクションカードを集めながらデュエルする。

開始の際には上の口上を毎回毎回キャラ達が謳いあげる。ぶっちゃけ長い。
しかし、普段は冷徹なキャラなのにこのシーンだけはっちゃける理事長とか、背中合わせの柚子と遊矢の夫婦っぷり等で一部から人気。
いつかは赤馬社長も…!?などと視聴者から期待されていたが、黒咲は華麗にスルーしている。(相手が相手というのもあるが)

モンスターやフィールドに実際に乗ることができるが、攻撃や高低差も実体化している。
デュエリストにはまさにデュエルマッスルが必要となり、EDでも体力づくりに励む姿が。

ジュニア向けのアクションフィールドは特別柔らかくなっている。でも跳ね過ぎて逆に危ない気がしないでもない。
ライディングデュエル同様に常時フィールド魔法が張られているが、あれとは違い基本的に後述のアクションカードのためのもの。

シンクロ次元ではライディングデュエル用のフィールド魔法が既に存在していたが、
フレンドシップカップ開催後はこのフィールド魔法をアクションフィールド化させた「クロスオーバー・アクセル」が新たに導入されている。

アクションフィールドが常時発動されるデュエル方式ではあるが、デュエル中に新たなフィールド魔法を展開する事は可能である。
マスタールール3でのフィールド魔法のようにプレイヤーが任意で発動したフィールド魔法はアクションフィールドと干渉する事は無く共存する形となる。
これはアクションフィールドがデュエルしているプレイヤー以外の地点で展開される『第3のフィールド魔法』であるからだと思われる。

しかし、このルールが確定したのは第93話からとかなりの時間を要した上で判明している。
これは本場のスタンダードにおいてフィールド魔法使用者が少ないだけなのかもしれない。(ごく稀にデッキに忍ばせていた人物はいたが)

また、『クイズ・フロンティア』など、一部のアクションフィールドに限っては派手な舞台変更が行われるアクションカードが仕込まれており、拾ったプレイヤーによって発動できる模様。

なお、演出の違うアクションデュエル専用のフィールド魔法以外にも、
アクションカード関連の効果が記述された既存のフィールド魔法も存在するが、それら特有の処理がどうなるのかは不明。
ちなみに、永続魔法などにおけるカードの演出でアクションフィールド全体の景色を変える事も可能である。

アクションカード

アクションデュエル中、フィールドにバラ撒かれている・隠されているカード。裏面は通常のカードとは異なる「A」をあしらったデザインであり、手札に加えていれば一目でわかる。
デュエル中に拾うことでタイミングを問わず使用できる。
基本的にアクションフィールドによって「手札には1枚しか加えられない」という制約があるが、手札に加える回数自体は制限されていない。

効果のみが記載されたカードもあれば、フィールドのテーマに沿った演出が加えられるものもある。
例えば「ブロードウェイ」フィールドでの《イリュージョン・ダンス》は、
フィールド上のモンスター全てを守備表示にするものだが、更にモンスターが踊ると言う演出もされている。
デュエルを1分以上中断すると反則負けとするルールがあり、これがアクションカードを拾う際の時間制限となる。

また、アクションカード入手の妨害への反則や制限はとくになく、
志島北斗はモンスター効果で乗り物にしたモンスターを手札に戻して転落させたり、
勝鬨や梁山泊塾はこの性質を生かして(悪用して)リアルファイトに持ち込んでおり、危険行為へのハードルは低い。
北斗の行為はゲーム盤面的には戻す意味があまりない状況のため本来ならただのアド損のプレイングなのだが、アクションデュエルとしてはアクションカードの阻止に繋がる有効なプレイングとなっている。

アクションカードには使用者になんらかのアドバンテージを与える「アクションマジック」
逆に使用者になんらかの不利益をもたらす「アクショントラップ」カードとの2種類が存在する。

アクションマジックは手札に加えた段階で、互いのターンに制限される事無く発動できる。
逆にテキストには任意効果のように書かれているもののアクショントラップは基本的に強制発動されるようだ。
その為に任意に発動したりコストに使えるのは実質的にアクションマジックのみである。
トラップは不明だが、少なくともマジックは使用者の墓地に送られる模様。

マイナス効果のアクショントラップや入手するまで効果不明の不確実さから、
ピンチになるまでフィールドを駆け巡る事に消極的なデュエリストも少なくない。

また、発動したアクションフィールドによって拾えるものに傾向があり、構造の把握と合わせて慣れがそのまま有利に直結しやすいので、ぶっちゃけ使ったもの勝ちな所がある。
漫画版に至っては、どうやらどのカードがどこに配置されるかまである程度決まっている様子。それはもうピーピングのレベルでは。

視聴者からの反応は、当初「拾う度にデュエルが中断されてテンポが悪い」という意見を主に酷評が多かった。

7話にて普通のスタンディングデュエルが行われたが、この回のデュエルは評価が高く、
「アクションデュエルいらなくね?」「このままフェードアウトしてしまえ」という意見が増加する一方、
いっそ常に走り(動き)ながらデュエルすればテンポは落ちないと期待をかける視聴者も。
ちなみに、テンポの問題は回を追うごとに改善されている。(きちんとデュエルを続行しつつアクションカードを回収するなど)

この手の話題はそもそも「アクションカードそのものがご都合すぎる」などと水掛け論になりがちである。
とは言え、これは前作までの「ドローカードで大量ドロー」「フィールドにあるカードを拾う」という動作に変えたとも言える。
あくまで現実の決闘同様にドローで戦うべきという意見もあれば、あまりにも非現実的なチートドロー連発よりは有利な効果が多い故に拾う方がまだ(現実的と言う意味で)いいという意見も。

絶対にOCG化できないようなドローカード*1と、現実では再現できないアクションカード。
どちらがいいかは人によりけり。

もっとも、ネオ・ニュー沢渡さんの登場辺りからアクションデュエルにおいても評価の高いデュエル回が出始めたので、
アクションデュエルという概念自体が一概に良い・悪いと言うわけでもないようだ。あくまで内容が全てである。

異次元突入後に出てきた問題としては、以下のような点がある。
  • 有用な効果があるのが分かっているはずなのに、多くの場合はスタンダード次元の人間しか使わない。相手は使わないまでも奪い取ろうともせず棒立ち。(モンスターでの邪魔はたまにする)
    これについて零児は「スタンダードの武器」と称しており、つまりアクションデュエルとはスタンダード次元側に有利な環境にするものと言える。別次元の者も問題なく使用可能な筈ではあるが、知識面での差は確実にある。
    もっとも他次元ではそれぞれ特有の特殊召喚が一般決闘者にまで周知徹底されている一方、スタンダードでは本編開始時では特殊召喚がようやく普及し始めた頃であり、更にスタンダード特有の特殊召喚に至っては本編開始時になってようやく判明(開発)されたという状況である。
    そのためこれは危機的状況を打破するために零児が努力した結果であり、賛否両論ではあるが説得力のある背景はある。

  • フィールド魔法「クロスオーバー」しか使わないため、使用するアクションカードが「回避*2」「奇跡*3」ばかりとワンパターン。
    しかもほとんどの場合、その状況に即したカードをタイミングよく拾っている。(ダイレクトアタックを受けるタイミングで「奇跡」を拾ってしまったりもしない)

  • 事前に走り回って手札に加えておけばいいのに、何故か敗北もしくは切り札破壊の状況になってから慌ててカードを拾いに行く(ライディングデュエル時は例外)。ピンチの時でなくてもアクションカードの効果は有益なので使わない理由がないのに、ピンチの時になると連打し始めるため、よりご都合的な要素が目立つ。

  • 序盤ではアクションカードを取りに行くリスクの要素であるアクショントラップの存在があったのだが、後半は殆ど出てこなくなったためにその場しのぎやワンパターンな展開という印象がより強くなってしまった。

  • モンスターと一緒に走り回りカードを獲得するという要素が殆どなくなってしまい、基本的に自分の足で獲得しに行っている。

これらのこと…特に二つ目以降の件を考えると、概ねアクションカードに関する問題は、存在云々よりも描かれ方やデュエル構成に問題があると思われる。
デッキ外から使用制限も制約もなく無制限にアドバンテージを獲得できてしまうため、アニメ放映前に言われていた「その場に適したカードを都合よく拾ってきてしまう展開ばかりになりそう」という心配がその通りになってしまっている。
「遊矢のエースカードは回避」というネタが出来てしまう程度には、このような展開の乱用が目立った。

そういったこともあってか下記の漫画版では制約を設けて場当たり的にならないようにされている。
何事も設定をご都合主義に見えないようにどう煮詰め、どう描くかが重要という事が、アクションデュエルやライディングデュエルでは表れているといえるだろう。
ライディングデュエルは「スピードワールド」の効果を使うには1ターンに1度溜まっていくスピードカウンターを消費して効果を使うため使用回数に事実上の制限があり、
スピードデュエルは、いかなるスキルだろうがデュエル中1度しか使えないといった形でデッキ外の要素からアドバンテージを得る行為に制限がかかっている。

漫画版『ARC-V』でのルール

アニメ版と同様にアクションデュエルが展開されるが、アクションカードに関したルールが異なる。

主に3つの点が重要となる。
  • 一つ目はアクションフィールドで展開されるアクションカードは4枚のみという制限。
  • 二つ目はアクションカードを手札に加えられるタイミングはお互いのターンの開始時に1度のみ、1ターンでは実質一人しか引けない。
  • 三つ目は手札に加える制限枚数がない事、逆に2枚1組のアクションカードのように複数所持が必須なものもある。

アニメ以上にカードの取得が限られている為、作中ではアクションカードの取得が重要視されている。
相手に全て譲ってしまうと最大4枚のアドバンテージ差がついてしまう。
その為、横取りしたりダイレクトに妨害したりなどの事態が発生する場合も。
スピードデュエル形式の場合は相手より速く走らないとカードを取られ放題になるためレース要素も重要になる。
前述の通りアクションカードの設置場所が決まっているため、自分が性質を熟知したフィールドに設定しておくと有利になる。

後に作中で使ったアクションカードがOCG化された。

《アクションマジック-フルターン》
速攻魔法
(1):このターン、モンスター同士の戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは倍になる。
(2):このカードが墓地に存在する場合、
自分メインフェイズに手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。
このカードを自分の魔法&罠ゾーンにセットする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

《アクションマジック-ダブル・バンキング》
速攻魔法
(1):手札を1枚捨てて発動できる。
自分フィールドのモンスターは、このターン戦闘で相手モンスターを破壊した場合、
もう1度だけ続けて攻撃できる。
(2):このカードが墓地に存在する場合、
自分メインフェイズに手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。
このカードを自分の魔法&罠ゾーンにセットする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

どちらも墓地に存在する時に手札の魔法を捨てて再セットが出来るため使い回しが出来るようになった。
…が、発動ターンには再セット出来ない制限があり、自分のターンに使いたいカードだが速攻魔法なのでセットしたターンには使えず次の自分のターンまで待たなければならないと言うルール上の制約に縛られてしまう。
すぐ使いたいのであれば霞の谷のファルコンなどで一度手札に戻すなどの工夫が必要となる。

『最強デュエリスト遊矢!!』でのルール

概ねアニメと同じ。アクションカードの内容についてはオリジナルの物が多く、既存のOCGのカードからイラストを拝借したものもある。

この作品のモンスターは効果が無くバニラ状態であったが、
不評だったのか後半の舞網デュエルスクールトーナメントからは秘められしモンスター効果を使う事ができるアクションカード《ポテンシャル・エール》が登場し多用された。


追記・修正は、実際にアクションデュエルを行ったことのあるデュエリストにお願いします。

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最終更新:2024年07月10日 21:18

*1 『5D's』の「スピードワールド2」のドロー効果や「エンジェル・バトン」、『ZEXAL』の「エクシーズ・トレジャー」などが典型的だろう。

*2 相手モンスターの攻撃を無効にする

*3 自陣モンスターの戦闘破壊無効&ライフダメージ半減