登録日:2016/03/08 Tue 19:30:00
更新日:2025/06/30 Mon 14:32:19
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仙石東北ラインとは、
東北本線と
仙石線を直通して
宮城県内の
仙台駅から石巻駅を結ぶ、
JR東日本の運行系統の愛称である。
ラインカラーは、直通先の東北本線と仙石線の両方を組み合わせた2色
■■。
専用の線路は連絡線を除いて存在せず、他の路線の線路を借りて運行されている。
目次
概要
東北本線と仙石線を結ぶ計画は、実は国鉄民営化直後の1991年頃から存在していた。
しかし、東北本線は交流電化に対し、仙石線は歴史的経緯から東北地方唯一の直流電化の路線である。
しかもデッドセクションなどの設備や連絡線の設置費用を出せるほど当時のJRに余裕はなく、計画は凍結状態となっていた。
しかし、
東日本大震災の発生により事態は大きく動きだした。
震災による両路線の被害を受け復旧作業が進む中、凍結状態であったこの計画が再び注目され始めた。
また、既に民営化から四半世紀以上が経過し、財務状態に余裕が出来て且つ技術の進歩でハイブリッド気動車も出来ていたのが大きかった。
そして、塩釜~松島間が両路線が接近する地点の中で最もスムーズに乗り入れられる事から選ばれ、2015年5月30日に開業した。
なお、これに伴い仙石線の快速列車(あおば通駅発着)は廃止されている。
2016年2月5日、一部の列車が
石巻線女川駅まで直通運転を行うことが発表され、同年8月6日より1日1本のみながら運行されている。
そして2025年に開業10周年を迎えた。
使用車両
直通用に新造された専用のハイブリッド気動車。項目冒頭の写真もこれ。
内外装の構造は先に登場したE129系に類似しており、違いはパンタグラフの有無と塗装ぐらい。
基本的に2両編成を2本繋げた4両編成で運行される。
2016年鉄道友の会ローレル賞受賞。
運行形態
全線が特別快速と快速で運行され、各駅停車(普通列車)は存在しない。
ダイヤはおおむね1時間1本の運転となっているが、大半が快速であり、特別快速は1日1往復のみ。
仙台~石巻間を52分で結ぶ最速列車。
仙台駅では東北本線と同じ乗り場から発着する。
朝の下り列車1本と上り列車1本の1往復のみと、運転本数は少ない。
ほとんどの時間帯で1時間に1本運転される。
赤の快速と緑の快速の2種類があるが、仙石線内での停車駅は同じ。
特別快速同様、仙台駅では東北本線と同じ乗り場から発着。
また、石巻発上り最初の快速と仙台発下り最終列車(どちらも赤の快速)は
石巻線女川駅まで直通し、石巻駅では石巻線ホームから発着する。
ただし、石巻線内では各駅停車。
停車駅
●…停車
◇…一部列車のみ停車
┃…通過
正 式 路 線 |
駅名 |
緑 快 速 |
赤 快 速 |
特 別 快 速 |
接続路線 |
東 北 本 線 |
仙台 |
● |
● |
● |
JR東日本: 東北新幹線、東北本線(福島方面)、仙石線、仙山線 |
仙台市地下鉄: 南北線 |
東仙台 |
● |
┃ |
┃ |
|
岩切 |
● |
┃ |
┃ |
JR東日本: 東北本線(利府線) |
陸前山王 |
● |
┃ |
┃ |
|
国府多賀城 |
● |
┃ |
┃ |
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塩釜 |
● |
● |
● |
JR東日本: 東北本線(小牛田・一ノ関方面) |
(仙石線・東北本線接続線) |
┃ |
┃ |
┃ |
(松島駅手前の連絡線を通る) |
仙 石 線 |
高城町 |
● |
● |
● |
JR東日本: 仙石線(松島海岸・多賀城方面) |
野蒜 |
● |
┃ |
┃ |
|
陸前小野 |
● |
┃ |
┃ |
|
矢本 |
● |
● |
● |
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東矢本 |
● |
┃ |
┃ |
|
陸前赤井 |
● |
● |
┃ |
|
石巻あゆみ野 |
◇ |
◇ |
┃ |
|
蛇田 |
● |
● |
┃ |
|
陸前山下 |
● |
● |
┃ |
|
石巻 |
● |
● |
● |
JR東日本: 石巻線 |
1往復の赤快速のみ、石巻線 女川駅まで直通 |
主な駅
2016年3月に新しい駅舎となった。
仙石線の苦竹駅は南に徒歩15分程の位置にある。
東北本線・利府支線乗り換え。
駅名の表す通り多賀城の最寄駅。けど市街地は仙石線の多賀城駅が最寄駅なので注意が必要。
松島・小牛田方面との実質的な分岐駅。
塩竈市の中心街はここより仙石線の本塩釜駅の方が近い。
ここから松島駅手前までは東北本線を走り、途中の連絡線を通って仙石線に入る。
路線上の
東北本線との分岐駅だが、
直通列車は手前の連絡線を通るため、全列車が通過扱い。
日本三大景勝地・松島へは仙石線の松島海岸駅が最寄りなので、観光的にもあまり利用されない。
高城町駅とは1kmほど離れている。
仙石線 松島海岸・本塩釜・多賀城方面乗り換え。
松島町の中心街に位置する。
隣の東名駅と共に内陸部へ移転した駅。
移転前は旧・鳴瀬町(現・東松島市)の中心地にあり、奥松島の観光拠点でもあった。
なお、旧駅舎については震災復興伝承館として公開されている。
震災の津波によって駅舎こそ流失しなかったものの、ダメージが大きく新駅舎に建て替えられた。
東松島市の中心駅。
近くにある航空自衛隊松島基地では毎年航空祭が開かれている。
この駅も新駅舎に建て替えられた。
偶然にも震災当日に新駅舎となったため、びくともせず被災を免れた運のいい駅。
ここから石巻港駅に分岐する貨物線がある。
貨物列車は仙台方面ではなく石巻線経由で乗り入れてくるため、石巻方面からしか入線できない。
石巻線乗り換え。
宮城県第2の都市で石巻港は日本の重要港湾、石巻漁港は塩竈漁港、気仙沼漁港に並ぶ特定第3種漁港に指定されている。
駅周辺に
ロボコンと
仮面ライダー1号の像が設置されている。
かつては私鉄だったためか、石巻線とは別の駅舎となっていた。1990年に石巻線側の駅舎に統合されて現在に至る。
震災による津波で一時駅舎は水没したものの、ダメージが少なかったおかげで現在も使われている。
追記・修正は特別快速に乗りながらお願いします。
- 元々はボタン押さないとドアが開かなかった 今はコロナ対策で換気の為に停車中はドアを全開にするようになった そのため「停車の際にはすべてのドアが開きますのでご注意ください」というシュールなアナウンスが流れるようになった -- 名無しさん (2020-10-15 00:41:55)
最終更新:2025年06月30日 14:32