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更新日:2025/07/29 Tue 00:34:29
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主が「おまえの名は何か」とお尋ねになると、それは答えた。
我が名はレギオン。
我々は大勢であるが故に───
ガメラと
ギャオスの戦いから数年後、隕石と共に地球に飛来した宇宙生物。
後述するように大型種「マザーレギオン」と小型種「ソルジャーレギオン」の二つの種からなる、珪素化合物で形成されている節足動物型生命体(
珪素生物)で、炭素化合物から成る地球上の生物とは根本的に異なる。
札幌でガメラを攻撃する夥しい数のソルジャーレギオンを見た花谷一等陸尉によって、上述の聖書の一節に登場する悪霊の名を「大勢、多数、軍勢」の意味を込めて命名された。
あまり知名度は高く無いが、公式では「宇宙大群獣」という別名が付けられている。
その造形や圧倒的な強さから、初登場から四半世紀が経つ今なお根強い人気を持つ人気怪獣。
【レギオン各種】
◆マザーレギオン
全高:140m(最大成長時)
全長:160m
体重:600t(最大成長時)
飛行速度:マッハ1(亜生体時)
地中進行速度:50km/h
作中では「巨大レギオン」或いは単に「レギオン」と呼称されている。
作中で草体と名付けられた巨大植物「レギオンプラント」と共生関係にあり、これを中心として小型種「ソルジャーレギオン」による真社会性の群れを形成する。
外甲殻は白銀に輝く未知の絶縁物質で構成されている。
これは各種電磁波を反射する特性を持ち、戦車隊による攻撃は効果がなく、
F-1編隊による爆撃にも耐えるほど非常に強固である。
外殻周辺にパラボラ状に生えた「干渉波クロー」からは各種電磁波を放射し、ミサイルの誘導システムに対するジャミングや、ガメラのプラズマ火球を中和して無効化してしまうが、デリケートな器官なのか衝撃に対しては脆い。
巨大な槍のような前脚や鎌のような後ろ脚も強力な武器で、ガメラの肉体を簡単に抉るほど。
劇中ではあまり確認出来ないが、前腕は鋏のような形状をしている他、口には牙と嘴があり、これはバイラスやジグラをならったもの。
胸部の「レギオンチャンバー」からは1時間に100匹単位でソルジャーレギオンを生み出す。
最大の武器は頭部外殻の大角を左右に開いて展開し、胴体最上部の巨大な角との間でマイクロ波を収束して放つ「マイクロ波シェル」と呼ばれる高出力指向性高周波。
分かりやすく言うと青色の破壊光線であり、命中した物体は一瞬にして分子レベルで急激に加熱され、爆発現象を引き起こされる。
その破壊力たるや、ガメラの右肩と甲羅の一部を瞬時に蒸発させ、迎撃に当たった陸上自衛隊の戦車大隊を一撃で半壊させる程。
発射音は『仮面ライダーBLACK』OPでシャッターが開く音の流用。
怒ると目が「青」から「赤」に変わり、「レッドロッド」という超高熱ゆえに触れるだけであらゆる物を切断する「光の触手」を放つ。
特に先端の白熱部は超々高熱で、熱に強いガメラの体を甲羅ごといとも簡単に貫通した。
謂わばレギオンの「最後の武器」であり、あまりにも不意に放たれた攻撃は流石のガメラも一瞬怯み、その後はなすすべもなく打ちのめされてしまうほど。
◇ソルジャーレギオン
体長:3m
体重:300Kg
みんなのトラウマ。
マザーレギオンにより生み出される小型生物。働きアリのような役割を果たす存在であり群れで活動する。
黒い体に、1つの大きな目と4つの小さな目を持つ。胴体には羽が隠されており、長距離を高速飛行する事が可能。
作中では「小型レギオン」「羽レギオン」などと呼称された。
非常に攻撃的な形態・性格をしており、鋭利な爪を使って人間など簡単に惨殺してしまう。
巨大レギオンのマイクロ波シェルのような光線状攻撃は出来ないが、対象を群れで取り囲みマイクロ波で一斉加熱攻撃が可能。
回収された死骸を解剖した結果、筋肉に相当する器官は存在せず、体内の高圧酸素でのガス圧によって関節を動かすことが判明している。
レギオンは土やガラス製品を化学分解することでシリコンを摂取。その過程で酸素が発生し、これが草体の成長や種子の打ち上げを助けていると推察された。
個体間の交信に固有の電磁波を用いていることもあって、レギオンの体組織の電子顕微鏡写真は半導体に酷似しており、その肉体を維持するためにシリコンを餌にしている。
そのため、他の電磁波を放つものに対しては『群れの会話を阻害する敵』として積極的に襲い掛かる習性がある。
特定のパターンの電磁波はソルジャーレギオンにとって強力なフェロモンの様な効果を発揮し、探知すると巨大レギオンの命令すら無視して、自らの死も厭わずに電磁波の発生源に群がってしまう。
劇中ではこの性質を利用して、ソルジャーレギオンの誘導に成功している。
一方で人間の可視領域(光)に対する反応は鈍く、電磁波を発する物を持っていたり直接危害を加えたりしない限り、襲ってくることはない。
ソルジャーレギオンに襲撃された地下鉄の乗員乗客の生死を分けたのは、
電波を発する電子機器を持っているか否かであった。
少なくとも、間近までソルジャーレギオンに接近された大泉洋は犠牲になった可能性が非常に高い……。
携帯電話の普及がそこまで進んではいなかった当時だからこそであり、普及が進んだ現代ならば全滅していた可能性も。
ソルジャーレギオンがゲスト出演した『
巨影都市』ではそんな彼らが現代に現れた場合の恐ろしさが体感できる。
◆レギオンプラント(レギオンフラワー)
全高:100m
全幅:60m
重量:3000t
レギオンが繁殖のために共生する、全高100mにも及ぶ巨大な植物状の生物。
人類からは『草体』と名付けられた。
巨体に見合わずその成長速度は驚異的。
外気温が低温だと多少緩慢になるようだが、真冬の札幌でも発芽した翌日には開花し、その日の夜には種子発射シーケンスを開始している。
札幌より温暖な仙台では発芽と同時に開花し、その日の昼には種子発射の大爆発を起こしている。
もし作中の舞台が沖縄や盛夏の時期だったら、どうなっていたか考えるのも恐ろしい…。
草体は成長の為に「大量の酸素」を必要とし、レギオンは土を分解して自身の栄養源として「ケイ素(シリコン)」を摂取。
その分解過程で発生した酸素で草体を育てるという共生関係にある。草体の活性時には高濃度の酸素と電磁波の乱れが混ざり合い、緑色のオーロラが確認される。
繁殖のために「大量の酸素が必要なレギオン」に対し「高濃度酸素の環境下は地球生物の大部分にとっては毒」であるため、渡良瀬二佐も「共存の可能性は皆無」として殲滅戦を推奨した。
宇宙植物である草体のデザインは、宇宙生物らしさを出しながらも一目で植物だと理解できるものでなければならなかったため、むしろレギオンよりもデザインに苦労したとか。
超全集に掲載されている初期ラフには「巣」のイメージなども掲載されている。
因みに草体は、金子監督が
マンモスフラワーを登場させようとしていた『
ウルトラQ』の映画化企画が中止にされたことに対するリベンジ。
【劇中の活躍】
□レギオン襲来 〜 札幌襲撃
支笏湖の南西約1km、恵庭岳近くに落下した隕石に乗って地球に飛来。
地表へ至る瞬間に制動をかけることで着地の衝撃を緩和し、無事地球へ降り立つことに成功。
人家もない山間部へ落下したこともあり、人類に存在を一切気取られぬまま地下へと潜伏。
地殻からシリコンを摂取して成長しつつ、繁殖地を探して電磁波の過密な札幌市街地へ向かい南下を開始する。
一方、人類側もレギオンの活動に伴う様々な痕跡や怪現象に直面し、落下したのがただの隕石でないことを察し始める。
さらにレギオンが移動の途上で地下に敷設されたNTTの光ファイバーケーブルを食い荒らしたこともあり、各地域からの被害報告の時間差から得体の知れない"何か"が移動している事実が浮上する。
隕石落下三日後に小型レギオンの群れがアサヒビール工場に侵入、一万ダース分のビール瓶ガラスを化学分解して捕食。
「酒の神バッカスは、中身を飲まずしてガラスの科学分解をなさったようです」
この際、当直の警備員が工場の非常灯に照らされた蟹や蟲のような姿をした悍ましい生物の影を目撃している。
落下五日後には
札幌市営地下鉄南北線内に「小型レギオン」が侵入。
真駒内行きの始発列車を襲撃して乗員乗客を虐殺。救出に来た
機動隊にも襲い掛かり返り討ちにしてしまう。
直後に植え付けていた「草体」がすすきのの百貨店を突き破って出現し、翌日には巨大な花を開花させた。
この異常事態の終息のため、北海道知事の要請により
自衛隊が出動。地下鉄構内に生存者がいるのを発見し、救出する。
その後、自衛隊はレギオン及び草体の殲滅を決定。レギオンの巣くう地下鉄構内と草体の爆破準備を開始した。
ところが爆破直前になって草体が種子発射のために活性化し、周囲に大量の純酸素を噴出し始める。
もし爆破して純酸素に引火すれば周囲へ誘爆する危険があるため爆破の是非が議論されるが、放置しても状況の好転が見込まれないことから、自衛隊は草体の活性化停止を目論んで地下鉄構内のみの爆破を決定。
爆破は実行され、目論見通り草体の活性化を止めることに成功した。
レギオンの活動に伴い発生していた強烈な電磁波による電波障害も取り除かれたが、復旧した自衛隊の無線機には雑音交じりの緊急通信が舞い込んでいた。
「三陸沖から飛翔したガメラは札幌方面に向かって飛行中!繰り返す!ガメラは札幌方面に向かって飛行中!」
地下鉄爆破直後、なんと三陸沖からガメラが札幌市へと飛来。
草体付近へ着陸したガメラは、周囲に充満した純酸素の大部分を口から吸いこむという力業で誘爆の危険を排除。
体内に取り込んだ純酸素をエネルギーに変換して威力を増した「ハイ・プラズマ火球」で草体を焼き払う。
さらに草体を力尽くで引き倒し、ダメ押しとばかりに二回目の火球攻撃を浴びせ、完全に爆砕した。
……草体を破壊したガメラの前に地下から小型レギオンの群れが出現。ガメラの全身にまとわりつき、苛烈な攻撃を加え始めた。
「……主が、お前の名は何かとお尋ねになると、それは答えた」
まるでガメラが食われているような悍ましい光景に妖しくも神秘的なBGM「我が名はレギオン」が流れる中、渡良瀬と花谷はガメラが倒れるのを呆然と眺める。
しかし、一部の小型レギオンが近くにあった変圧器の発する電磁波に惹かれて離れてしまい、その隙をついたガメラは強行飛翔を敢行。
回転飛行で体中についた小型レギオンを振り落としながら札幌を飛び去り、そのまま石狩湾へと消えた。
直後、地下から「巨大レギオン」が出現し本州に向けて飛翔する。
津軽海峡でスクランブルしてきた空自の
F-15J戦闘機による
ミサイル攻撃を受けて撃墜されるも、巨大な羽だけを海上に残して行方を眩まし、人知れず本州上陸を果たす。
□仙台の激闘、そして……
今度は
宮城県仙台近郊の
パチンコ屋に小型レギオンが飛来。パチンコ屋の看板に群がって感電死する事件が発生する。
翌日には仙台中心部に「草体」が発芽。避難命令が出され、仙台周辺の市民の避難活動が開始される。
自衛隊による草体の破壊作戦も開始されるが、札幌より温暖なせいで草体の成長が予想よりも早く開花。撤退を余儀なくされてしまう。
爆発のタイムリミットが迫る中、松島湾からガメラが飛翔。再び草体を撃破するべく仙台中心部へと向かう。
しかし、それを察知した巨大レギオンは、避難民の集まっていた霞目飛行場の上空にガメラが差し掛かったあたりで地中から急襲。
巨大な鎌足を振り上げ、飛行中のガメラを撃墜する。
「レギオンはガメラを足止めし、発射までの時間を稼ぐつもりです。これ以上ここに部隊が留まることは危険です」
「……花が咲いた時点で、我々の負けだったんですよ」
巨大レギオンは種子発射シーケンスが完了するまで草体を護るべく、ガメラに襲い掛かる。
一方のガメラも、飛行場には避難民を乗せたヘリが取り残されていたため、人間達の盾となる形で交戦を開始する。
避難民を乗せたヘリはガメラのおかげで全機無事に飛び立つ事が出来たが、巨大レギオンはガメラが距離を取った隙に必殺の「マイクロ波シェル」をガメラに浴びせる。
掠めただけでガメラの肩を抉る凶悪な光線攻撃を2発も喰らったガメラはダウン。
ガメラを完全に行動不能にしたと確信したレギオンは草体が爆発間近な事もあり、再び地中に姿を消す。
しかしガメラは再び立ち上がり、満身創痍の身体を引きずりながらも草体を引き倒すことに成功するが、今度は間に合わず大爆発が発生。
ガメラが爆発直前に草体に覆い被さり、その身をもって種子を受け止めたため種子発射自体は食い止められたものの、爆心地にいたガメラは炭化。
仙台市は壊滅し巨大なクレーターになってしまうのであった……。
□足利での最終決戦
その後、レギオンは次の営巣地として東京を目指すが、すでに二度も巣別れに失敗して後がない状況であるため、
今度は妨害する敵を総力をもって粉砕してから草体を植え付ける方針に転換。
栃木県足利市北部の赤雪山から巨大レギオンが出現し、
東京都へ向かい侵攻を開始した。
すでにレギオンの侵攻を予測して待ち構えていた自衛隊戦車大隊や航空隊の迎撃をものともせず、マイクロ波シェルで戦車部隊の50パーセントを一瞬で壊滅。
先陣として大量の小型レギオンを飛翔させ、そのまま第一次防衛線を突破する。
緒戦を征され完全に後手へ回ってしまった自衛隊が手をこまねく中、司令部の有線通信に驚くべき報告が舞い込む。
仙台市跡で浅黄と子どもたちの祈りによってなんとガメラが復活。そのまま飛翔を開始したというのだ。
騒然とする司令部だが、立て続けに予断を許さぬ戦況報告が舞い込む。
「第二次防衛ラインに小型レギオンの群れ、飛来。高射砲で応戦中!」
夥しい数を伴い東京へ一直線に飛行する小型レギオンの群れを、第二次防衛線に展開した陸自の
87式自走高射機関砲が迎え撃つ。
苛烈な弾幕は小型レギオンを次々と撃墜し、死骸の雨を住宅街へ降らせるが、レギオン側も編隊を散開させ関隙を広げることで弾幕のすり抜けを敢行。
群れの5体に1体は防衛線を突破し、最終防衛線へ向かってなおも飛翔を継続する。
やはり現状の急務は、自衛隊の妨害を物ともせず東京への侵攻を着実に続けるレギオンへの対処。
ガメラの動向は気掛かりだが、今の自衛隊に注意を割く余裕などありはしなかった。
次の一報が舞い込むまでは…。
仙台市跡から飛び立ったガメラはそのまま足利市へと直行。復活直後にもかかわらず、巨大レギオンを急襲したのである。
ガメラは着地の隙を突かれぬよう低空を高速飛行中に飛行形態を解除し、巨大レギオンの進行方向へ強行着陸。
地面をスライディングしながら初戦では撃てなかったプラズマ火球を3発も撃ち込むが、巨大レギオンは「干渉波クロー」からの電磁波で全ての火球を中和し、眼前で蒸発させてしまった。
先制攻撃は失敗したものの無事着陸に成功したガメラは、そのまま巨大レギオンとの戦闘を再開する。
札幌、仙台と続いて三度立ち塞がる厄介な敵を前に、巨大レギオンは先に飛翔させていた小型レギオンの群れを呼び戻し、加勢させようとする。
飛翔能力をもつ小型レギオンの群れをガメラに取り付かせれば、レギオンの勝利はもはや確実であった。
ところが、自衛隊の作戦にオブザーバーとして協力していたNTT職員の帯津が機転を利かし、近隣の名崎送信所から電波を発信。
電波管制下で発せられた強力な電波に誘引された小型レギオンの群れは、なんとガメラを目の前にしながら方向転換して電波発生源へ飛び去ってしまった。
この時の巨大レギオンのオオイッΣ(゚Д゚;)と言わんばかりの挙動が地味に笑える。
こうして孤軍奮闘を余儀なくされた巨大レギオンであったが、侵攻を阻止しようと立ちはだかるガメラをその巨体とパワーで圧倒。
ついには巨体でガメラを圧し潰すように拘束し、マイクロ波シェルのゼロ距離発射で一気に決着を図ろうとする。
絶体絶命のガメラは、上から覆い被さる巨大レギオンに向けて飛翔用の脚部ジェットを全力噴射。
巨大レギオンの体を強引に撥ね退けて、発射寸前に拘束を脱する事に成功する。
早期決着には失敗したものの依然レギオン側が有利な状況には変わりはなく、巨大レギオンはガメラにとって非常に綱渡りな戦いを強いながら尚も侵攻を継続。
ゴリ押しで
群馬県境の第二次防衛線をも突破する。
この時の、レギオンの頭の下程度の大きさしかないガメラがレギオンを食い止める画の絶望感は異常といえる。
□ガメラ&自衛隊 VS レギオン
「……火力をレギオンの頭部に集中しガメラを援護しろ!」
レギオンの侵攻阻止という利害の一致した自衛隊が遂にガメラを援護する方針をとり、巨大レギオンはガメラとの戦闘中に対戦車ミサイルによる攻撃を受ける。
自身の左舷から迫る第一波攻撃に対し、巨大レギオンは干渉波クローからの強力な電磁波でミサイルの誘導システムを破壊し防御。
だが、左舷に意識を向けている隙を突かれ、間髪入れずに右舷から迫った第二波攻撃に対処できず被弾。
干渉波クローへの直撃弾を喰らったレギオンは、クローを大きく損傷。
すかさずガメラからプラズマ火球を撃ち込まれるが、破損したクローでは火球を蒸発させきることができず、直撃こそ避けるも弱体化は明確。
焦った巨大レギオンは必死のマイクロ波シェルで周囲を薙ぎ払うが、隙をついて接近したガメラにマイクロ波シェルの発射口である頭部外殻を力づくでもぎとられ、淡い光を放つ目から生気を失って轟音と共に頭から倒れ伏した。
決着かと思いきや、巨大レギオンは目を赤く光らせて再覚醒し、遂に怒り狂って「レッドロッド」を展開。
灼熱の触手を鞭のように扱い、ガメラを串刺しにするなど苛烈な攻撃で圧倒。自衛隊も援護に手間取ってしまう。
一方、名崎送信所に誘導された小型レギオンの群れは、電波の発生源であるアンテナへ群がっていたところに自衛隊攻撃ヘリ部隊のロケット弾攻撃を浴びせられ、完全に駆逐。
とうとう残ったレギオンは巨大レギオンのみとなってしまう。
最早ガメラもレギオンも満身創痍の状態であったが、それでもなおガメラを圧倒し戦闘を有利に進めるレギオンは、ついに埼玉県境の最終防衛線を突破。
が、小型レギオン殲滅により残す敵は眼前の1体のみである事を察したガメラは、地球の『マナ』を集積し、その膨大なエネルギーをプラズマエネルギーに変換して放つ究極の必殺奥義「
ウルティメイト・プラズマ」を使用。
その圧倒的な威力を真正面から受けた巨大レギオンは
断末魔の叫びとともに粉砕。完全に消滅するのであった。
だが、この攻撃はガメラにとってギリギリ最後の選択であった。
地球環境を維持する超自然エネルギー『マナ』を大量消費してしまったため、
G3におけるギャオス大量発生、さらには
邪神覚醒の引き金となってしまう。
つまりガメラにとって
レギオン>ギャオスの群れ+変異体だったことになる。
まあギャオスを放っておいても最終的には餌がなくなって耐久卵を残して絶滅するのに対し、レギオンは確実に地球を滅ぼしてしまうので当然といえば当然だが。
【コラボ作品】
なんと復活したG3ガメラ、異世界からやってきた装者と残存人類軍、そして敵の敵は味方理論で仲間になったギャオスの群れとイリスという連合軍相手に互角以上の闘いを繰り広げるという桁外れの強さを発揮。
登場人物からも「過去にガメラを苦戦させた最強の怪獣」というお墨付きを貰った。
劇中ではマザーレギオンをガメラと装者達が押さえている間に、植え付けられた草体をイリスが駆除、ソルジャーレギオンの群れをギャオス達が減らし、電磁波を纏った戦闘機で纏めて殲滅。
しかしマザーはガメラとイリスタッグでも倒せず、ガメラが命を犠牲にしてウルティメイトプラズマのチャージを開始するが、殆ど無傷だったのでバリアを展開。
『マナ』とシンフォニックゲインは似ている特性から、装者達の絶唱によってチャージは完了、更に学習したイリスの絶唱でバリアを剥がされ、究極の一撃の直撃をくらうのだった。
【余談】
- シリコン即ち「ケイ素」を餌とするレギオンが、土の多い地域ではなくわざわざ電波の過密な地域を繁殖地にしたのは「敵地を占領し自分の陣地を広げることが目的では」と推察されていた。
つまり、占領した上で最終的に草体で吹っ飛ばすことで周囲の敵対勢力ごと壊滅させながら繁殖するという中々にえげつない生存戦略である。
また、地球への飛来は偶然のものと考えられていたが、『ガメラ3』では「地球、特に日本周辺のマナの減少が何かしら影響していた可能性」が語られていた。
- ガメラの身体に群がるシーンで使用されたソルジャーレギオンのプロップ(撮影用小道具)は撮影終了後、限定1000体で一般販売された。実際の撮影で使われた小道具が販売されるという機会は映像業界全体でも非常に珍しい例である。
また、プロップには個体差があり、火薬のススが付着したもの、翅レギオン状態のものや、ガメラの返り血が付着したものがあったのだとか。
- 当初、大映社内のアイデア募集にて平成ガメラシリーズ2作目の敵怪獣候補にはギロンやバルゴンが挙がっていたが没になり、自由な発想ができるよう新たな宇宙怪獣に決まった。
バルゴンは『ガメラ2』と『3』の中間を描いた近藤和久のコミックにて登場。
ギャオスと同じ遺伝子操作による人造生命体であり、ジャイガー、ジグラ、そしてあのイリスも同系統の怪獣とされている。
- 宇宙怪獣や特徴的な頭部から登場が没になったギロンとは共通点も多く、ファンからはモデルにして魔改造とも云われていたが、監督の金子修介氏によれば、『ガメラ2』の対戦怪獣としてギロンの名前が挙がったのは事実ではあるものの、特技監督の樋口真嗣氏を交えてアイデアを出し合い、脚本を担当した伊藤和典氏が設定考証をした結果生まれたのがレギオンであり、ギロンがレギオンのモデルというわけではないと証言している。
また伊藤氏も、宇宙怪獣の着想はギロンの影響があった可能性は述べているものの、ギロンがレギオンのモデルであると明言してはいない。
実際のデザインには『宇宙大怪獣ギララ』のイメージが投影されており、全身のフォルムはシャコから、造形師のインタビューでは主なモチーフは南米カブトムシ特にヘラクレスオオカブト、他には蟹など。
- 監督の考えではレギオンの正体は機械文明の成れの果てで、ソルジャーレギオンに羽が生えたのはガメラに対抗する為に自己進化したためらしい。
- マザーレギオンの着ぐるみは着ぐるみの限界に挑戦したと言っても過言ではない程のモンスタースーツであり、全身をフル稼働させるには2人のスーツアクターが中に入って動かす(1人が頭部と前脚を担当し、もう1人が寝っ転がる形で後部の4本2対の後脚を担当する)。
実際に資料等で図解を見てもらえれば分かると思うが、あの体勢からレギオンの動きを撮影中ずっと維持したスーツアクターの凄さには改めて感服することだろう。
- ソルジャーレギオンはスーツが3着作られ、「ラン」「スー」「ミキ」と呼ばれていた。
- 特撮リボルテックでも発売された。色が茶色っぽく不満の声はあるものの、かなりの出来映えである。
後に特撮監督の樋口氏監修モデルが発売され、此方は白銀色で原典に忠実。
- 『ゴジラシリーズ』のスペースゴジラとは、「宇宙怪獣」「無機質の要素がある」「地下から物体を生やして地形を変える」「主役怪獣よりも強い」「人類との共同作戦でやっと勝利」「ラスボスが登場する一話前のエピソード」などの共通項が多い。
また上述した「多数の怪獣が巨大怪獣に群がる」という描写のほか「小型な形態が多数登場する」「小型な形態が人間を襲い、兵士とも戦う」「酸素が重要要素」などはデストロイアと共通する。
さらにシリコンを云々するあたりは、本作での脚本担当・伊藤和典がかつて担当した『ウルトラマンパワード』に登場するダダを連想させる。
地下鉄に
トラウマを持った方、追記・編集よろしくお願いします。
最終更新:2025年07月29日 00:34