ガメラ2 レギオン襲来

登録日:2010/01/11(月) 16:55:45
更新日:2019/06/15 Sat 11:40:16
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G A M E R A 2


レ   消   日
ギ   滅    
オ   す    
ン   る   本
    の    
か   は   か


advent of legion



◇概要


『ガメラ2 レギオン襲来』は、1996年7月13日に東宝洋画系にて公開された日本の怪獣映画平成ガメラシリーズの第2作。
監督は前作と同じく金子修介。

前作で培った特撮技術を更に昇華させた傑作であり、1996年第17回日本SF大賞受賞作品、更に1997年第28回星雲賞映画演劇部門・メディア部門賞受賞。特に日本SF大賞は特撮映画として初の受賞作品であり、本作の科学的考察の高さを如実に示している。
日本テレビやNTT、サッポロビール、前作に続いて自衛隊の全面協力でリアリティ溢れる作風は健在。

今作からCGが本格的に導入され、飛び立つガメラやマザーレギオン、群がるソルジャーレギオンなどは全てCGで描写された。
軍事的な要素が満載で、主人公が自衛隊員、レギオン全体を「見えない軍隊」と称したり、核爆発を思わせるプラントの種子打ち上げなどは分かりやすいが、これは監督が本作をパニック映画、戦争映画にしたいと思ったから。
レギオンは聖書の悪霊から付けられた名前だが、オープニングで十字架が焼かれてガメラの「メ」になるなど聖書を意識している箇所もある。

主題歌はウルフルズの『そら』


◇あらすじ


ガメラとギャオスが戦ってから数年後。

太平洋から北海道周辺にかけて無数の流星が降り注ぎ、その内の一つが支笏湖の南西約1キロ、恵庭岳近くに落下した。
直ちに陸上自衛隊が出動し、大宮化学学校からも渡良瀬二等陸佐や花谷一等陸尉たちが調査に向かった。

しかし隕石本体は発見できず、更にまるで制動がかかったような痕跡が発見される。

同じころ、支笏湖方面に緑色のオーロラという異常現象が発生。
北海道青少年科学館学芸員の穂波と館長の野尻は支笏湖に調査に行くが謎のエンジントラブルで車が立ち往生してしまい、近くにいた渡良瀬たちに助けてもらう。
隕石消滅に対し、穂波は「隕石は自分で移動したのでは?」と指摘。

三日後、ビール工場からビール瓶だけが消滅する怪事件が起こる。
ビール工場の警備員の大迫は「蟹や虫に似た化け物」を目撃したと言う。

そして怪事件の痕跡は次第に支笏湖方面から札幌市に近づいていた……

地下鉄に巣食う謎の異生物群、ビルを突き破る超巨大な植物の発芽、都市一帯全てを巻き込む電波障害、爆発的な酸素の発生…
それらが一つに繋がった時、人類そしてガメラの新たなる敵達が姿を現した。



◇登場人物


●主要キャラ

  • 渡良瀬 佑介(演:永島敏行)
本作の主人公。大宮化学学校二等陸佐。隕石の落下現場に派遣され、そのまま事件の調査をすることに。
温厚な人柄だが、酸素を爆発的に増加させるレギオンに対して殲滅戦を提唱するなど熱い人物。
「タガが外れていようが腐っていようが、それを守るのが私たちの仕事です」

  • 穂波 碧(演:水野美紀)
本作のヒロイン。札幌市青少年科学館学芸員。偶然出会った渡良瀬と共にレギオンの調査をする。
学芸員とは思えないほど生物学に詳しいが、多分館長の影響。
酒の隠し場所はゲド戦記の裏。
「渡良瀬さん、ご無事で……」

  • 花谷(演:石橋 保)
大宮科学学校ニ等陸尉。イケメン。物事を神話等に例える癖があり、聖書の一節からレギオンの命名を行った。渡良瀬とは軽口を叩きあう仲。
「酒の神バッカスは、中身を飲まずしてガラスの科学分解をなさったようです」

  • 帯津(演:吹越 満)
NTT北海道のエンジニアで穂波の知り合い。成り行きで渡良瀬達に協力する。
大人しめな性格だが、彼の機転がガメラを救った。
「『何か分かる』って……何……?」

  • 草薙 浅黄(演:藤谷文子)
前作でガメラと心を通わせた女子高生。友達とスキーに行った先で今回の事件に巻き込まれる。
ガメラと交信できなくなっているが心は通じ合っており、後半のキーパーソンとして活躍した。
「ガメラはレギオンを許さないから……!」

  • 大迫 力(演:螢 雪次朗)
前作は長崎県警の刑事。ギャオスでやる気を失い、酪農家に憧れて北海道へ。
しかし、思いのほか酪農家はキツく結局ビール工場の警備員に……
とことん不運なオッサン。
「おいには分からん……わぁあぁぁぁっ!!!!!」

  • 野尻明雄(演:川津祐介)
札幌市青少年科学館所長。緑色のオーロラの発生原因を考察したり日本書紀の記述を覚えていたりとやけに知識が優れてる。英語にも強いが、パソコンには弱かった。
「『私たちがガメラについて知っている二、三の事柄……』 あれっ!? ん!? おっ! おい!!??」

●自衛隊の皆さん

今作の主役といっても過言ではない、日本を守る人々。
彼らが居なければガメラは勝てなかった。

  • 坂東(演:辻 萬長)
防衛拠点・戦闘指揮所師団長。的確な判断で各所に指示を送る。当初はガメラに対し援護を拒むが、レギオンを止めようとするガメラに対して、遂に援護を決断した。
「火力をレギオンの頭部に集中し、ガメラを援護せよ!」

  • 大野(演:渡辺裕之)
防衛拠点・戦闘指揮所第三部長。前作からの続投。坂東の指示で飛行支援を要請した。
ガメラ援護の命令を受けた時の表情に注目してみよう。
「了解!」

  • 笹井(演:沖田浩之)
第11師団化学防護小隊・小隊長。落下した隕石の回収作業を得て渡良瀬に協力した。
「草体に花が咲きました」

  • 都築(演:小林昭二)
航空自衛隊・第3空団武器小隊の専任空曹。
たった1シーンのみの所謂モブ役。だが、圧倒的なインパクトと心に染みる言葉を残してくれた。
「昔、子供のわしらは火の中を逃げまわった……怖くて怖くて、今でも夢に見る。今度は絶対に守ろうや

  • 滝沢(演:高杉俊介)
戦車大隊・砲班長。レギオンとの闘いに向かう部下との会話は必見。
「怖いか?」
「…はい」
「いざとなったら、逃げればいい」
「…?」
なお演者はリアルに自衛隊OBだったりする。

●その他

  • NTT名崎送信所の職員(演:ラサール石井)
最終防衛ラインから一番近い送信所で夜勤勤務していた所、帯津から無茶振りされて散々な目に合う。
亀有のハチャメチャ警察官ではない。
「バカヤロー! こんなの命がいくつあっても足りねえよ!」



◇怪獣


地球の守護獣。前作よりもスマートにいかつくなった。場面毎に目玉を変えているため、表情の機微が豊か。
今回は飛行時に手をヒレ状にする高機動形態を習得している。
休眠期間を経て大幅にパワーアップしているものの、圧倒的なレギオンの繁殖サイクルの前には連戦連敗、一度は仮死状態にまで追い込まれる。
しかし、何度倒れても立ち上がりレギオンを止めようとするその姿は、自衛隊の心を動かすに至った。

隕石に乗って宇宙から来たシリコン装甲の巨大甲殻類。突起だらけの禍々しくも完成された姿は未だに評価が高い。
ガメラを圧倒する巨体を持ち、高出力マイクロ波ビームで周囲を薙ぎ払い、鋭い腕にガメラを軽々と引き倒す怪力を有する。
更にソルジャーレギオンを生産・操作する能力で小回りも完備。
外骨格はとてつもなく堅く、マイクロ波のバリアを張ってミサイルの軌道を狂わせ、ガメラ必殺のプラズマ火球すら中和・無効化してしまう。
多数の武器と鉄壁の守りの要塞のような印象を受ける、ガメラシリーズでも最強クラス、平成三部作では間違いなくガメラ最強の大怪獣。

  • ソルジャーレギオン
マザーから産み出される人ぐらいの大きさのレギオン。
初登場時にかなりの人に地下鉄に対するトラウマを植え付けた。
所謂働きアリなのだが、圧倒的な数で包囲・攻撃してガメラすら倒す数の暴力で人類を恐怖に陥れる。
高速で飛行することもできるので隙がない。

  • 草体
レギオンと共生している生命体。ホウセンカのように種を飛ばすが規模が桁違い。
一発の発射で半径数キロを完全に吹き飛ばし、クレーターにする。
しかも、成長時に酸素を大量に放出し大気の酸素濃度すら変えてしまうため、放って置けば地球の生態系を破滅させる超危険生物。



◇余談


DVDのパケなどでは「assault of the legion」表記になっている。

本作公開から3か月後にスタートした『水曜どうでしょう』の出演者が登場している。
鈴井貴之が札幌市職員役で、鈴井が営む芸能事務所「CREATIVE OFFICE CUE」所属の大泉洋が地下鉄乗客役・安田顕が隕石落下の急報を伝える自衛隊員役でそれぞれ出演している。

ただし大泉は、鈴井のミスによってエンドロールに名前がない。また地下鉄の乗客の為殺害された可能性も高い。

「水曜どうでしょう」の予告はこの作品の予告映像のオマージュである。一度は見てほしい*1


また「内閣官房長官」役で徳間書店&大映トップの徳間康快が、日テレとのタイアップで『ズームイン!!朝!』司会者等が出演し、エキストラクレジットには石川英郎の名も記されている。


実は当初2作目の制作で、対戦怪獣として候補に挙がっていたのは初めてガメラと戦ったバルゴンや包丁頭こと「大悪獣・ギロン」だった。


撮影には陸上自衛隊が全面協力し、劇中の扱いも大変良いという、阪神・淡路大震災直後とはいえ、当時としては珍しい映画だった。
しかし一部の政治勢力はこれがお気に召さなかったらしく、新聞などで本作へのネガティブキャンペーンや批判的な感想も掲載された…とされるが、このようなガメラ2の政治関連のネタはデマも多い
本作の監督である金子氏は「ある政治機関誌がガメラ2の批判を展開した」という話が出た際には、自身のTwitterでそれを強く否定している。
更にガメラ2を批判したとされる新聞紙からは、本作へのネガティブな読者投稿意見に対する金子氏自身の反論意見を投稿した結果、それを掲載して貰えた上に図書券まで貰えたと新聞紙に好意的な姿勢を見せている。
2019年には「金子氏が政治団体に確認書に署名しろと要求されたが無視した」という話題が出回った際には、金子氏はTwitterにてそれはデマだとしている。
このように、ガメラ2に関しては政治的な攻撃意図を含んだデマが定期的に飛び出すため、鵜呑みにしないように気を付けることが大切である。







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正   る   記
    の    
か   は   か



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