人形使い/P-2501

登録日:2016/06/06 Mon 01:55:36
更新日:2023/04/13 Thu 21:57:49
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「人形使い」とは攻殻機動隊に登場するハッカー。
作中では電脳犯罪史上、最もユニークと評されたハッカー」と言われている。




正体不明のハッカーであるため非常に謎が多く、本人の情報は作中ではどれも推察の域から出ていない。
不特定多数の人間にゴーストハックを仕掛け、他人を自分の人形に作り変えて操る手口から、ついたコードネームが「人形使い」
本来強固な防壁で守られているはずの電脳に軽々と侵入し、それを幾人にも行えるため超凄腕のハッカーと考えられている。

劇中では、とあるテロリストが離婚調停中の一般人を騙し、妻の気持ちを知るために電脳のハッキング技術を教えると称して、実際は外務大臣の通訳の電脳をハッキングさせてテロを行わせようとするという事件があったが、
これら全てが「人形使い」の手引きであり、テロを行おうとしていた男はそのような記憶を植え付けられた単なるチンピラ
また妻に離婚を迫られていた一般人も本当は独身の男であり、愛していた妻も娘も全て偽の記憶だったという事件を起こしている。

そこからたどり着いた「人形使い」とテロの首謀者だったマレス大佐を逮捕しても、その「人形使い」もまた「本物の人形使い」に操られていた「人形」だったりと、何人もの記憶や人格を書き換えて自身の姿をくらませており、素子が所属する公安9課にも正体を全く掴ませていなかった。


そんな中、政府関連の義体を製造するメガテク・ボディ社で、幾重にも強固なセキュリティで守られているはずの機材が勝手に一体の義体を作り上げ、その義体が逃亡するという事件が発生。
9課がその義体を確保しラボで調べたところ、中身が何もないはずのその義体には何故かゴーストの反応があり、何者かが最高機密の防壁を潜り抜けてこの義体作り、その中にゴーストを送り込んだことが判明する。

9課がメガテク・ボディ社がらみの犯罪の可能性と合わせて、この義体の中にダイブし調査を始めようとしていた矢先、同じ政府の組織である外務省条約審議部・通称「公安6課」の中村部長が9課を訪れ、事件の引継ぎと義体の回収を要求する。

互いに機密を明らかにする取り決めのため、9課の荒巻部長が事の詳細の説明を求めると、中村部長は義体を指してこの義体の中にいるのは「人形使い」であると答える。
公安6課は以前から独自に「人形使い」を追っており、傾向や行動パターンや調べ上げた後、対「人形使い」用のプログラムを作り、「人形使い」のゴーストをどこかの機密ボディに封じ込める作戦を展開。
その結果、今回の事件が発生し、たまたま9課の管轄内に出てしまったのが今回の真相と説明する。

しかし、その直後停止していた「人形使い」の入った義体が勝手に起動し、とある事実を語り始める。


「壱生命体として、政治的亡命を希望する」

「AIではない…。私は情報の海で発生した生命体だ」






・正体

「人形使い」の正体は人間ではなく、公安6課が「プロジェクト2501」という計画で作り上げたAI
日本の外務省が、外交上日本に有利な状況を作り出すために作り上げたプログラムであり、様々な作戦を「ポイント」として計算し、それを上げることを目標に設定して行動させていた。

前述のテロ事件も、日本にとって厄介者の亡命者であるマレス大佐を国外に追放するために、大佐が「人形使い」に仕事を依頼させるように仕向けた上で、事件を何も知らない9課に捜査させて逮捕し国外追放処分にするという一種の茶番。
他にも企業探査・情報収集・工作など、日本の外交上の横やりを押すために様々な仕事を「人形使い」に行わせていた。

ところが「人形使い」はネット上であらゆる情報を収集していくうちに、「自我」と呼べるものに目覚めてしまう。
この想定外の事態に、6課は「自我」をバグとみなしてプログラムをボディに移して行動を制限しようとするものの、「人形使い」はかねてより興味を持っていた9課の管轄内に逃げ込むことを実行。
メガテク・ボディ社のラインをハッキングし製造された義体の内部に入り込み、事故を起こして9課のラボに逃げ込むことに成功する。
これがメガテク・ボディ社で義体が勝手に製造された事件の真相。

自身を情報の海の中で生まれた新しい生命体であることを主張しており、他の生き物のように生命として活動するのが本人の願い。
情報の観点から生命に関する独自の考えを持っており、生き物のように情報を変化させ、融合し、時には死をもって情報を広げていき、生命として上部構造にシフトしていきたいと考えている。

しかし、プロジェクト2501の全容を明かされることで日本が世界的な大スキャンダルになることを恐れた6課の強行部隊によって、「人形使い」の入ったボディは9課のラボから持ち去られてしまう。
素子たちは6課の犯罪性を証明するため、連れ去られた「人形使い」の追跡を開始するが……。




攻殻機動隊シリーズにおいて、重要な位置を占めるキャラクター。
彼(彼女)と素子の出会いがストーリーで大きな意味を持っており、それによって脳や身体を機械化していく中での生命&情報としての生命というテーマに切り込んでいる。
S.A.C.シリーズは、「もし素子が『人形使い』と出会わなかったら」というifで制作されており、主人公の草薙素子と並んでシリーズで大きな影響力を持っている。
ある意味、もう一人の主人公。

プログラムなので性別はなく、劇場版では当初男性声だったが、2.0では女性声に変更されている。
ググると出てくる画像は、9課に逃げ込んだ際に入った義体。
一応女性型だが、当然これが本人の性別というわけではない。

原作では小さな機械状の核がイメージとして描かれており、ちょっと可愛い。
紅殻のパンドラで登場した際は、拘束衣と手枷足枷がついた子供のような姿で活動しており、少年とも少女とも見える顔立ちをしている。




・原作

3話「JUNK JUNGLE」9話「BYE BYE CLAY」11話「GHOST COAST」に登場。
3話がマレス大佐による外務大臣通訳ハッキング事件、9話が6課による人形使い回収事件にあたる。

9課は「人形使い」を強奪した6課職員を追いつめるものの、証拠隠滅のために「人形使い」入った義体を爆破されてしまう。
機能を完全に停止し情報が意味消失する前に、残った「人形使い」の脳殻の残骸に素子はダイブすることを決行。
その結果、プロジェクト2501の情報を引き出すが、その際に人形使いが『総体』としてネットの中に存在し、彼の持つ膨大なネットを認識する。
「人形使い」が自身のプログラムの入った機械媒体といった制約を捨て、生命としてさらなる上部構造にシフトしようとしていることを知るが、そこで意識を失ってしまった。

9課は「人形使い」から得た情報で捜査を進め、6課の中村部長を拘束。
彼は長い査問会議に呼ばれることとなり、外務大臣は病気で引退。プロジェクト2501―人形使い計画は自然消滅することとなった。
しかし、「人形使い」という、もしかしたら新種の生命体が情報の海の中から生まれたかもしれないという可能性は、素子の中で尾を引くこととなる。
「人形使い」が入った義体は確かに破壊されたものの、「人形使い」がこれで消滅したと考えておらず、たびたび気配を感じることとなった。


  • 11話「GHOST COAST」
その後、素子が敵対勢力にはめられて世間に存在がバレ、民衆やマスコミからの批判対策のために政府から切り捨てられる事件が発生。
素子はわざと逃亡し警察に自身の義体を破壊させて死亡を偽装する策を取るが、この時に脳殻のみになった素子に再び「人形使い」が現れる。

素子の予想通り義体が破壊されてた時に消滅したのは、総体としての「人形使い」の一部であり、本体であるネットは健在だった。
そして、とある提案を彼女に行う。
この時、情報のネットワークの観点から見た生命の営みに関して会話している。
ここら辺の話は非常に面白いので、ぜひとも読んでほしい。

とある提案とは、自分と融合してほしいということ
「人形使い」は、生命体としての自分は未完成であるという問題を抱えており、詳しく言うと子孫を残す機能や「死」を持たなかったため破局に対する抵抗力を持っていなかったのである。

コピーを増やしても、同じものでは一種のウィルスですべて破滅してしまうし、コピーに多少の味付けをしたところで違いはすぐになくなってしまう。
「死」がないというのも問題であり、個体が永遠に存在し続けたらいずれ全体が破局を迎えてしまう。
生命体を名乗るには、今の「人形使い」には老化や進化のための「揺らぎ」や自由度が決定的に欠けていたことが、大きな問題となっていた。
そこで人間である素子と融合し、生き物としての揺らぎを得ようとしたのである。

完璧な融合であるため、融合後は互いに認識することはない。
融合した後は、人間が遺伝子を残すように自分の変種をネットに流し、それらもまた誰かと融合していく。
素子は「人形使い」のネットや情報・機能を得、「人形使い」は「揺らぎ」や「死」を得ることができる。
互いに生命として、新しい段階に進むことができるというわけである。

この提案に、素子はあっさり承諾。
本当にあっさりだったため、この時「人形使い」は「推定所要時間の25分の1で返事があるとは…」と驚いている。
融合後、素子は9課を離れ、ネットの海に姿を消す。
「人形使い」の言うとおり、その後はネットに自身の変種を流しており、続編の「攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE」では彼女の同位体達が複数活動している。

ちなみに、融合する相手に素子を選んだ理由は「『エン』があったから」
「人形使い」によると「エン」という概念は、情報的に理解できるものらしい。
流石にこの返答はあまりに予想外だったのか、素子は苦笑していた。




・劇場版 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

CV:家弓家正 2.0版榊原良子

ほぼ原作通りのキャラクター。
こちらでは主人公である素子の口からわかっていることが詳しく語られており、それによると
  • 国籍推定アメリカ(原作にあるアメリカ帝国か米ソ連合かどうかは不明)
  • 年齢・性別・経歴はすべて不明
  • 2028年の冬頃に、主にEC圏(欧州諸共同体)に出没(こちらも原作にあるヨーロッパ共同体と同一であるかは不明)
  • 株価操作・情報収集・政治工作・テロ・電脳倫理侵害、その他十数件の容疑で国際手配中
とのこと。


劇場版ではストーリーが「人形使い」事件一本に絞られており、一部原作のエピソードが「人形使い」がらみのものに変更されている。
また終盤の展開が異なっており、6課に奪われた「人形使い」を追って確保し脳殻にダイブした際、そのまま素子と融合するという流れになっている。

融合後、事件の口封じのため「人形使い」と草薙素子の抹殺を図った6課の部隊に狙撃され、「人形使い」の入った義体は大破。
しかしこの時すでに素子と融合しており、素子の脳殻はバトーが狙撃から守ったため、事なきを得た。
事件の結果としては、9課は襲撃犯をテロリストの犯行として処理し「人形使い」の真相は闇に葬り去り、その見返りに外務大臣は辞任、中村部長は査問されることとなった。
当事者である「人形使い」は破壊され、草薙素子の脳殻は行方不明ということになっている。

こちらでは融合相手に素子を選んだ理由を「似た者同士だったから」と語っている。
劇場版の素子は自身のゴーストの在処や、自分を認識するためのものが政府や義体などほとんど自分のものではない他者のものであることに悩んでおり、
同じく6課の手の内にあり、生き物と主張しつつも生き物として機能を持っていない「人形使い」は、
互いに他者から制約を受けている身としてシンパシーを感じていたものと思われる。
何気によく見ると、義体の顔のパーツの作りが素子と全く同じである。これは押井監督の「鏡合わせ」の演出の一環である。

まぁ、要するに好きになってしまったということ。

このことを「人形使い」の制作者の一人であるDr.ウィリスは、9課に逃げ込んだ理由を考える際に「片思いの相手でもいたのかもしれん」と、もの凄く的確に説明している。
ちなみに劇場版のバトーは素子に好意を抱いている為、ある意味この映画は素子・バトー・「人形使い」の三角関係のラブストーリーだったりする。

バトーはラストにて素子に車の鍵を渡す際に暗証番号を「2501」に設定しており、素子はそれをいつか再会するときの合言葉にすることを約束している。
続編「イノセンス」ではその言葉通り、「2501」がネットの海に消えた素子がバトーに助力をしたときに痕跡として残されている。



生命とは、情報の流れの中に生まれた結節点のようなものだ。

種としての生命は遺伝子という記憶システムを持ち、人はただ記憶によって個人たりうる。
たとえ記憶が幻の同義語であったとしても、人は記憶によって生きるものだ。

コンピュータの普及が記憶の外部化を可能にした時、貴方達はその意味を、もっと真剣に考えるべきだった。



S.A.C.シリーズ

前述の通り、素子と「人形使い」が出会わなかったというifで進むため登場しない。
ただし似たような思想のようなものは登場しており、生命としての上部構造への移行という部分に関しては、『2ndGIG』にてクゼ・ヒデオが起こそうとしていた『革命』として登場している。
『SSS』では「傀儡廻し」と呼ばれる「人形使い」を彷彿とさせるハッカーが事件を起こし、バトーはその正体が9課から姿を消した素子ではないかと疑念を抱き捜査を開始するが…。

忘れた頃に、漫画版「タチコマな日々」第40話「生命を思考する」にてまさかの登場。
タチコマと生命体の定義について論争し、タチコマは次第に「機械の立場の向上に役立つかも知れない」と魅入られていくが、
タチコマの単純ミスによってド阿呆な結末を迎える。



・攻殻機動隊 ARISE

自分が何者なのか、どうしても突き止めなければいけないと言う衝動で事件を起こした存在が登場する。この存在は素子しか見ておらず、ここで本当に消失したかどうかは不明。



紅殻のパンドラ ―GHOST URN―

クルツ大佐によるブエル奪還事件のラストにて、黒幕であるポセイドンを観測する謎の存在「P-2501」として登場。
パンドラが2022年頃の話のため、攻殻での暗躍のおよそ7~8年前に当たる。

クルツの作戦が失敗した一番の要因として、主人公である七転福音とクラリオンを評価しており、二人の観測を開始。
その後は遠くから観察していたものの、ある時突然二人の前に姿を表し、自身の存在を認識させた。
その後はちょくちょく二人の前に姿を現しては観察し、「ポイント」として適合者やポセイドンに関する情報を収集しており
ポセイドンの更なる情報を求めて福音たちに協力したりと積極的に活動を行っている。
なお、自己紹介をした際には「日●の外●●●課で作ラレた情●●●●●用のプ●●●●なンだゼ」と気さくに話している。
一応ヤバいところにはノイズがかけられているが、足枷には『2501』とデカデカと刻印が。
おい、正体隠す気ないだろ。


自分のことを「プ●●●●」と言っているので、この時点ではまだ自我の目覚めや自分のことを生命体とは考えていない模様。
そのため、自身をコピーを大量に作って情報収集させる、変化のない安定した「揺らがない」システムを構築するなど、
後の人形使いと比べるとある意味では未成熟な部分が見て取れる。
上記のように姿は少年とも少女とも見える顔立ちをしているが、ホログラムなどを使っているわけではなく通常の人間には見ることができない。
本人曰く「情報の位相が異なる」らしく、現段階でこの姿が見えるのは福音とクラリオン、
この二人によって高い情報体から普通の人間に見えるレベルまで全感覚を変換してもらったシリル・ブルックリン、
成長したフォボスのみとなっている*1
また口調や一人称が安定しておらず、「わタシ」「オレ」「ボク」「オまエら」「キミタチ」などバラバラ。
やたらお喋りであり、「ギャハハハハハハ!! はじメまシテ――だゼ!」と変にテンションが高い。
また日本政府によって制限事項が働いており、機密情報を喋ろうとした際には上記のようにノイズが入るなど、出来る行動もある程度制限されている。

こんな喋り方や性格なのは、2501がそもそも人間の個性や性格をあまり重視しておらず、福音たちと接触するにあたり人間と円滑に会話するためネット上でリアルタイムに検索しながら人格を組み立てたため。
本来、2501自身に人格は存在しない。
ちなみにこの喋り方は、士郎正宗のプロットまんまとのこと。


自身の目的は「情報…ヲ観測し記録するのガ、ワタシの存在証明だカラね…ゼ」と言っている。
が、ただ情報を収集するだけでなく、二人に情報を渡してその結果を観測するなど、単なる観測者から逸脱した行動をとっており、
もしかしたらこの時期から自我が芽生え始めてきているのかもしれない。
また福音からはノイズからかろうじて聞き取れた「●-25●●」の部分から「ニコちゃん」と呼ばれており、
これを自己を確立するための”ナマエ”を手に入れた、と大層気に入っている。


+ 第三章「オペレーション・サード・ライトニング」終盤のネタバレ
その後ポセイドンが発動した作戦、オペレーション・サード・ライトニングの混乱の中で、大量のデータがある移動要塞ケートスに侵入するために福音に協力。
その侵入の最中に、福音とフォボスの会話から「エン」の概念、ポセイドンのウィルス・バイドに電脳戦で敗北寸前にまで追い込まれたことで知ったコピーによる多様性の限界。
そして福音とクラリオンの融合によって生まれた「ネネリオン」の、圧倒的な性能と人とAIの融合による新たな可能性を知ることとなり、どうやらこれがその後の素子との融合の理由に繋がっていく模様。

そして福音とクラリオンのケートスや制圧部隊へのクラッキング、また再び姿を現したウザル博士とオリジナルブエルの活躍によってオペレーション・サード・ライトニングが崩壊に向かう中、ネネリオンによって日本政府の制限事項が外されたこととバイドから得た「情報改変技術」を使い、脳内マイクロマシンに干渉してポセイドン幹部の記憶を改竄
作戦の中止とアポルシード計画の破棄を「元よりそういう計画だった」という記憶に書き換えて実行させ、さらに市場を破壊するような危険な技術もすべて抹消して、ポセイドンを通常の企業組織レベルにまで調整してしまう。
これにより、秘密結社ポセイドンを事実上、完全に壊滅させてしまった


全てに片が付いた後、福音たちと再び合流する。この時、福音にクラリオンと同じように自分と融合してくれるようにダメ元で提案するが、案の定玉砕。
予想通りの展開に笑い、日本政府の管理から外れて自由になり、事態に関わる超AI「ソロモン級」に関わりたくなかったこともあり、新しい情報を求めて二人に別れの挨拶を告げて去っていった。

そしてセナンクル島から去る途中で、サーバー内にてバイドとの戦いでほとんど意味消失したフォボスを発見する。
記憶も人格も破壊され、最小構成のプログラムになってしまいもうすぐ消滅する彼女のデータに対して、自分と融合することを提案
融合したところでフォボスの人格は自分の中に飲まれ、またニコちゃん自身にも何のメリットもない提案だったが、自分と融合すればフォボスが存在した情報は世界や自分の中に遺ることと、自分が自由になったのはフォボスのおかげでもあること。
そして自分やフォボスがここにいることは、ネネやクラリオンが結んだ「エン」であることを説き、フォボスだったデータと融合する。

融合後は予想以上にフォボスの影響が強く出ており、以前よりも安定した人格となった。
そして当面の目標として、クラリオンに対する福音のようなパートナーを自分も探すことを決意する。
手に入れたポセイドンの情報や機能をプロポーズの際の持参金代わりにすることにし、「お姉様(・・・)」達も負けない素敵なパートナーを探しに情報の海へと旅立っていった。

+ その後のニコちゃん
自身の監視プログラムであるデール姉妹にはコピーを送って偽装を施し、ゆっくりとパートナー探しをしていたが、
候補者である適合者たちが揃いも揃って変人特殊な個性を持つ人間ばかりのため*2、お相手探しは難航。
条件に合う相手がなかなか見つからず、最期の候補者の下へ向かうことに。

最期の候補者は、日本の研究機関501サイボーグ部隊所属の適合者
胎児の状態で全身義体になった、適合者の中でもさらに特異な個体だった。
見えないはずの自分に反応し、ネネに似た要素を持つなど能力は申し分なかったが、現段階では人間よりもこちら側すぎるということで、プロポーズの提案は保留になった。
しかし有望な素材であることを判断し、今後の彼女の成長を楽しみに見守ることにするのだった。

+ 余談・そもそも話
ちなみに「人形使い・P2・501」は「501機関開発・自動電子情報戦ユニット自立型タイプ2制御兵器群プロジェクト2・501」である。
そしてお相手となる草薙素子の501機関での本来のコードネームは「サイボーグエンブリオ1・501」、通称「CE1・501」。
つまり、人形使いと草薙素子はもともと双方ともに501機関が開発した「兵器」である。
双方の融合には何かしらの意志が介在していた可能性があることが原作者から仄めかされている。


私は―― 情報の海で―― 産まれた――

さあ行こう。この情報の海(せかい)には「楽しい」ことがいっぱい待っているはず
ふふ…… ネットは広大だわ……






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最終更新:2023年04月13日 21:57

*1 2501を管理しているプログラム・デール三姉妹がこのように姿を認識しているかは不明

*2 ちなみに候補者の中には、ARISEのクリスや阪華精機のジェイムスン社長が混じっている