シジフォス(聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話)

登録日:2016/12/11 Sun 16:49:10
更新日:2024/04/13 Sat 21:55:17
所要時間:約 13 分で読めます




シジフォスとは「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」の登場人物である。

:野島裕史

■プロフィール
年齢:29歳
誕生日:12月3日
血液型:O型
身長:189cm
体重:85kg

■人物
LCにおける射手座の黄金聖闘士。外見は後世のアイオロスに似ているが、頭にベッドバンド(サッカー選手がよくしているヘアバンドの一種)を巻いている。
獅子座の前任者・イリアスとは異母兄弟で現役獅子座のレグルスの叔父であり師匠。牡牛座のハスガード双子座のアスプロスは聖闘士候補生時代からの同期で戦友。
性格は真面目で実直だが正義感や責任感が強く、必要以上に思い詰める部分がある。これは幼い頃から英雄と呼ばれたイリアスの弟という立場故にプレッシャーを感じたり、蔭口をたたかれる事もあったのも少なからず影響している。
一方でアテナ(サーシャ)に対する忠誠心は黄金聖闘士の中でも最も厚い。

名前の由来はギリシャ神話のテッサリア王・アイオロスの息子・シーシュポス(シジフォスは略称)。
「徒労」を意味する「シーシュポスの岩」の語源でもある。


■技

●ケイロンズライトインパルス
燃え盛る炎すら一瞬でかき消し、巨大な船も吹き飛ばす程の黄金の風。アイアコス曰く「風圧ではなく拳圧」。
突風の様に放つ他に竜巻の様に吹き荒れるように放つ事もできる、というか外伝では完全に風扱いされている。

●ケイロンズスィエラ
ケイロンズライトインパルスの未完成形。こちらは拳で起こす風圧というよりは翼で起こす風圧に近い。

●小宇宙の矢(正式名称不明)
弓を使って撃つ小宇宙の矢。一瞬で数十発も放てる。聖衣の備品である弓が無くても手で弓を模る事で撃つ事もできる。持ち運び大変だもんね

●エイトセンシズ(阿頼耶識)
アイアコス戦で到達した小宇宙の真髄。原作では冥界への戦闘手段だったが、今作では能力自体が格段にアップする様な描写になっており、一撃でアイアコスを戦意喪失に追い込み、ファラオを瞬殺する威力。


■作中での活躍

・忠義の矢
ハスガードが輝火撃退後、教皇の間で初登場。結界を張り続けるサーシャと戦闘で負傷したハスガードを気遣っていた。民間に生まれたサーシャを聖域に連れてきた事もここで語られている。
突然のアローン襲来にハスガードと共に駆けつけるが、目前で動きを封じられる。聖域全域にも及ぶ冥王の圧力の中、黄金聖闘士の中で唯一立ち上がり、アローンに向けて矢を放つが、跳ね返されて負傷する。
これが原因で傷つけられた魂が夢界に幽閉され、しばらく昏睡状態に陥る。

・あの日から・・・
シジフォス救出の任務を請け負ったエルシドがテンマと共にオネイロスと戦う中、サーシャはテンマがモルペウスを倒した事で邪魔の入らなくなった夢界でシジフォスの魂を開放する為に動く。
シジフォスは5年前、聖戦の為に民間に生まれたサーシャを聖域へと迎え入れた。神々の思惑と計略が渦巻く今回の聖戦でその思惑に介入した事で自分が聖戦の引き金となったと自責の念に陥ったシジフォスは射手座の聖衣に自身を射抜かせる。
冥王の攻撃で傷を負った魂に増幅した自責の念が流れ込み、シジフォスの身体を射手座の冥衣が覆っていく。


・・・申し訳ありませんアテナ様・・・・・・・・・・・・
天馬星座(ペガサス)・・・・・・
・・・アローン・・・・・・
同胞・・・地上の人々よ・・・!!!


射手座の冥衣を纏い、自責の念に暴走するシジフォスを見たサーシャは説得のためにシジフォスの心の闇がこもった矢を受ける。

それでも慈愛の言葉を向けるサーシャを見てシジフォスは自決を図るが、それはサーシャによって止められる。
シジフォスの行動によって既に動き始めていた双子神や魔星から守られたというサーシャの言葉を受けたシジフォスの心から闇は抜け、元の黄金聖衣を纏った姿へと戻り、改めて絶対の忠誠を心に誓うのだった。

この命尽きるまで・・・
いえ!この命尽きても 必ずや貴女を守り続けましょう


・復活の射手座
テンマ、エルシドの奮闘とサーシャの説得で無事目覚めたシジフォスは地上で暴れる夢神を討つべくサーシャの力を注いだ矢を放ち、それをエルシドに分割させる事で夢神討伐に力を貸す。

夢神の敗北によって結界が解かれたハーデス城へと攻め込む為に聖闘士達の指揮を執る。
しかし、ハクレイの結界解除失敗とハーデスが拠点を空のロストキャンバスに移した事で撤退を余儀なくされる。なお、セージ、ハクレイが双子神相手に相討った為、教皇・教皇代理に代わり聖闘士のトップの立場に就く事になった。

デジェルとカルディアがブルーグラードを発った後、ロストキャンバスへの移動手段として神話の方舟探索任務をレグルスに命じる。その後はカノン島の修業を終えて聖域に帰還したテンマにサーシャの護衛を任せた。
出撃前の準備中、シオンが自らの血で聖衣を修復し、聖衣に慕われる姿にレグルスとは別の若き才能を見る。


・第八の感覚
一方、ジャミールでは冥界三巨頭・ガルーダのアイアコスが軍を率いて襲撃しており、危機に陥っていた青銅聖闘士を助けに参戦する。
自身はアイアコスの船を止め、青銅聖闘士達が命懸けで方舟を起動させた後はアイアコスと壮絶な空中戦を繰り広げる。アイアコスとの戦いでは部下すら平気で犠牲にして戦う非道を非難し、アイアコスの操る炎を黄金の風でかき消し敵も味方も助ける器の大きさを見せつける。


続く船同士での空中戦でも冥闘士達のアイアコスの非道さに対する疑心から、力を出し切れない冥王軍側の船に優勢に立つが、直後にアイアコスが「ガルーダフラップ」で両軍の船を丸ごと叩き落とした為、両軍の兵士に多大な被害が出る。
空中戦から地上での1対1に移行した後はアイアコスの「ギャラクティカデスブリング」や「ガルーダフラップ」を喰らって劣勢に立たされ、更にデスブリングの能力で小宇宙も封じられるが、守るものの為に立ち上がる。

俺はただ楯でありたかった
未来ある彼らを 彼らの生きる未来を 地上を守る
そして誰より想うアテナ様を守る楯!
そのためならば俺は何だってしよう! この五体が砕けても!

シジフォスはセブンセンシズすら封じるデスブリングを破るべく、自らの視覚を潰して己の感覚を研ぎ澄ませる。

俺が視覚を絶ったのは己の感覚を研ぎ澄ませるため!
この極限の状態で六感を越え七感の先に行くため!!
そこにある 超越した感覚・・・!!

小宇宙の真髄!!!


エイトセンシズに到達したシジフォスはデスブリングを完全に打ち破り、一撃のもとにアイアコスを撃破する。アイアコスは敗北する寸前、シジフォスと自分との力の根源の差に気付き、満足したような顔で負けを認めた。


・真の忠義
アイアコスとの死闘を終えたシジフォスは耶人とテンマに介抱されるが、テンマは直後、地上に降り立ったハーデスの小宇宙を感じ取り、ペガサスの意志の元に向かうと言い、それを聞いて送り出す。

テンマ、サーシャ、ハーデスが一悶着を終えた後は方舟でロストキャンバスへと向かう。
そこでロストキャンバスの門番として立ちはだかったのは天獣星スフィンクスのファラオ。ファラオは自身の技・バランスオブカースで聖闘士達の心臓を抉り出し、ロストキャンバスの壁画の天秤に捧げる。
そして傾いた心臓は燃え尽き、持ち主の聖闘士も灰となって消えた。「天秤に心臓を捧げ、真の忠義を見せねばロストキャンバスの門は開かぬ」といい、聖闘士の忠誠は偽りだと挑発するファラオに対し、サーシャやテンマが生贄に名乗りを上げるのを制止し、自身の心臓を捧げる。天秤自体がファラオの小宇宙で操作されている(つまりイカサマ)為、本来なら釣り合わないはずのバランスオブカースすら真の忠誠心とアイアコスを一撃で下した八感による拳でファラオを完全撃破する。
しかし、ファラオの最後のあがきで開きかけた門は途中で止まる。門を通る為にはもはや破壊する以外方法はないが、それにはビッグバンにも匹敵する衝撃が必要だと言ってファラオは息絶える。言わなきゃいい物を

立ち往生する聖闘士達にシオンはビッグバンを起こすのは可能だと言う。しかし、それには3人の黄金聖闘士が必要であり、自身とレグルスだけとなった今、打つ手なしと思われたが
なお、デフテロスは不在で童虎は戦死扱いされていた為、数えられていない

シオンの言葉に応えるかのように、視覚も心臓も失い、ボロボロの身体でまだシジフォスは立ち上がった。

それを見てサーシャは黄金聖闘士3人による三位一体の禁術・アテナエクスクラメーションの使用を許可する。そして、シオン、レグルスと共に放った衝撃で遂にロスキャンバスの門は開かれた。

薄れゆく意識の中でシジフォスはサーシャをアテナとして聖域に迎え入れた日の事を思い返していた。
10歳という幼さに貧民街の少女という立場から一転して戦女神(アテナ)として邪悪な者達と戦う宿命を課せられながらも、涙の混じった笑顔で地上の人々の為にと受け入れたサーシャを守りたいと思った時の事を


守りたいと思った 巨大な神としての運命から この少女の願いごと

聖闘士とは違う気持ちで・・・


凄まじい光と共にロストキャンバスの門は瓦礫と化し、シジフォスは遂に射手座の聖衣を残してこの世を去った。


・死後
レグルスvsラダマンティスでレグルスの走馬灯の中に登場する。なお、この時にイリアスとの兄弟関係が初めて明かされる。


聖戦の最後で完全復活したハーデスに対し、他の黄金聖闘士と共に魂の姿でシオンと童虎に助成、「天馬星座(ペガサス)の切り開いた道とシオン、童虎の作る大いなる未来のために」にその力を発揮した。


■外伝におけるシジフォス

・第2章 蠍座(スコーピオン)
カルディアがサーシャをアテナと知らずに聖域から連れ出した事でお目付け役として出動を教皇に要請していた。
しかし、セージにサーシャの件はカルディアに任せた方が賢明かもしれんと言われた為、心配しながらも待機していた。
カルディアがサーシャを(アテナとして覚醒させたとは知らずに)連れて帰還した際には複雑そうな顔をしながら気遣いと労いの言葉を言った。

・第5章 山羊座(カプリコーン)
最終話の最後のコマに登場。また、外伝の時系列の少し前に共に夢神の調査に当たっていた事がエルシドの口から語られている。

・第7章 獅子座(レオ)
初任務に出た教え子のレグルスを心配しており、更には任務先が強大な力を持った神に所縁のある地と知って教皇に出動の要請を申し出る。
しかし、またもセージに言い包められて心配しながら帰りを待つ事になる。どっかで見たようなやりとりである

・第9章 牡牛座(タウラス)
ギガス復活の予兆に対し、現在の聖域の戦力での対抗は難しいと険しい顔つきをしていた。
また、ギガス復活の予兆とそれを阻止する任務に当たったハスガードの心配をしていたがこいついっつも心配してんな、挑発的な物言いをしていたアスプロスにはハスガードは必ずやり遂げると言い返した。

・第10章 射手座(サジタリアス)
聖域の英雄である兄・獅子座のイリアスに憧れ、自らも黄金聖闘士となった射手座のシジフォス
しかし次第にその 憧れ が彼を追いつめていく
そんな中、神託は闇に堕ちた未来の自分を映し・・・!?
聖域最強のに憧れた少年は、
聖域最強のとしての未来を歩みだす――

彼が主役を務める外伝。時系列は本編から17~16年前。本編のハスガードの台詞で語られたシジフォス、ハスガード、アスプロスの年長組や兄・イリアスとの関係にも焦点を当てている。

17年前まだ聖闘士候補生時代に、シジフォス、ハスガード、アスプロスは3人共同の任務に当たっていたが、その任務先の村がケンタウロスの集団に襲われる事態が発生する。住民の救助と聖域の命令、どちらを優先するかでアスプロスと揉めた結果、シジフォスは英雄と呼ばれるイリアスの弟という立場から先走った行動に出てしまい、結果的に自身とハスガードの命を危険に晒してしまった。この件に関してはアスプロスとイリアスには浅はかな行動と咎められてしまう。
その後は右往左往しながらもイリアスの教えの元に修行を重ね、1年の月日が流れる。この時に後に重要な言葉となる「自然のままで」という矜持を受けている。傍から聞いててもよくわからん言葉だが
遂に訪れた聖衣継承の試合で魚座のルゴニス相手に死に物狂いで一矢報い、黄金聖闘士へと就任する。しかし、試合中もルゴニスに聖闘士になるにあたって迷いや焦りを指摘されており、それを自ら問い試す為にイリアスはシジフォスに任務と試練として「デルフォイの神託」を課す。

黄金聖闘士としての初任務に「デルフォイの神託」を任されたシジフォスだが、聖衣継承に関してはハスガードとアスプロス以外の候補生からイリアスの七光りと囁かれる部分もあり、まだ悩みを抱えたまま任務に当たる。
神託を司る「巫女(ビューティア)」達の森では、神託という名の試練としてシジフォスの心を惑わすような様々な幻影が襲い掛かるが、シジフォスは自分自身と対等に接してくれる仲間を信じ、幻影を打ち破る。しかし、それは序の口に過ぎず、森の奥には「冥衣を纏ったシジフォスがアテナに弓を引く」という神託が示されていた。

困惑するシジフォスに巫女(ビューティア)・アルケスはシジフォスの未来を語り、いずれなる未来の自分と向き合う様に言う。信じがたき未来に悪戦苦闘するシジフォスだが、どんなに絶望的な未来が待っていても今死ぬわけにはいかないと反撃に出る。そして、交戦の中でイリアスの教えが頭を過ぎり、「自然のまま」見据えた未来の為、そしてそれでもなお闇に堕ちた時には自身の命をもって同胞に報いる事を覚悟に未来の自分と向き合い、撃ち破る。
自分自身の未来と向き合ったシジフォス。その様子を見ていたイリアスは兄弟として問いかける「雑音の無い大地の果てへ往く為に聖域を離れないかと」

イリアスは聖域の中では雑音に惑わされ、感覚や力を研ぎ澄まされない、雑音の無い大地の果てでこそ磨かれると言う。
シジフォスも聖域の中で悩みや迷いを抱えていたが、神託を経て仲間と共に歩む道を選ぶ。


人の世界にいればお前もまた己を見失う
兄としてそんなお前を見るのは忍びない
私の手で大地に還そう お前が人の世界(サンクチュアリ)を選ぶと言うならば

牙を剥いたイリアスの力は凄まじく、黄金聖衣すら切り裂く「獅子の大鎌(ライトニングクラウン)」、大地や森は震えデルフォイに眠る怪物(ピュトン)すら目覚めかねない勢いでシジフォスを追い詰める。
約束は自由を奪い、強さへの道を断つと言うイリアスにシジフォスはやっと自分と兄の求める強さと自分の求める強さは違うという事に気付き、イリアスとは違う道で強さを求める事を決断、その覚悟としてイリアスに向かってケイロンズライトインパルスを放つ。
しかし、ケイロンズライトインパルスの中を何事も無いかのように歩き、シジフォスに自分の心を動かす程の更なる強さを求めて、第八の感覚・エイトセンシズを見せつける。
森そのものと同化して襲い掛かるその圧倒的な小宇宙にズタズタにされるシジフォスだが、自身の出せる全ての小宇宙を出し切り、遂にイリアスに拳を届かせた。
イリアスはその一撃に満足し、聖域に思い残す事は無いとシジフォスに別れを告げる。天命の迫った自身は近い内にこの世を去り、自身の感覚と力を持った別の形で聖域に戻ると言い・・・

様々な試練を乗り越えたシジフォスはアルケスから神託の書を受け取り、いつか兄が別の形になって自分達の守る聖域に戻ってくるまで待つと約束を交わして聖域へと帰還する。
託された神託の書にはイタリアの小さな町の地図(今生のアテナ誕生の地)が描かれていたが、その意味は分からぬまま10年が過ぎた。

そしてある日、射手座の聖衣が共鳴音を発した、獅子座の聖衣の呼ぶ声に応えて
それを受けたシジフォスは喜びの表情でその声の場所へと向かう・・・


・第12章 双子座(ジェミニ)
デジェルの報告からアスプロスの凶行とデフテロスの存在を知り、戸惑いの表情を見せていた。

Other dream
単行本の外伝12巻に収録された話。
アスプロスの造反劇の直後に聖域の墓地で初めてデフテロスと顔を合わせる。
デフテロスから教皇辞退の件を問われた際にはやがて自分が闇に堕ち、それを償い、未来の為の才を守る為に辞退したと語った。


  • 余談
本編では聖闘士の模範生のように描かれ、多くの聖闘士から尊敬・評価されている彼だが、ネットでは何かとロリコン扱いされる事がある。
理由は上記にもある散り際の台詞であり、幾らでも歪曲して捉える事が出来る言葉な上にサーシャが幼い頃からお目付け役をしていた事、回想当時のサーシャ(10歳)とシジフォス(24歳)の年齢差もあいまって広まってしまった。
決して公式でそういう設定では無いので、所構わずロリコン扱いは控えるべき


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最終更新:2024年04月13日 21:55