シュヴァリエ・デオン(Fate)

登録日:2017/02/05 (日) 01:17:04
更新日:2024/03/14 Thu 22:19:58
所要時間:約 15 分で読めます




私はシュヴァリエ・デオン。

フランス王家と君とを守る白百合の騎士!



シュヴァリエ・デオンは、『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント
クラスはセイバー。レアリティは☆4(SR)。


ILLUST:森山大輔
CV.斎藤千和


身長:157cm
体重:45kg
出典:史実
地域:フランス
属性:中立・中庸
性別:?
体重は自己申告ではなく、外見からの予想。


◆ステータス

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A B B C A C


◆スキル

○クラス別スキル

対魔力:C
魔術詠唱がニ節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:B
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
Bランクでは魔獣・聖獣ランク以外を乗りこなすことが出来る。

○保有スキル

心眼(真):C
修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
他国でスパイとして活動し続けた経験から、デオンはこのスキルを有する。可愛いだけでは無いのだ、とは本人の弁明。
ゲーム的には自身に回避状態を付与(1ターン)&防御力アップ(3ターン)。

自己暗示:A
自らを対象とした強力な暗示。固有スキル。
精神に働きかける魔術・スキル・宝具の効果に対して高い防御効果を持つ。
時には男、時には女。肉体すら変化させて……
ゲーム的には自身の弱体状態を解除&弱体耐性を大アップ(3ターン)。

麗しの風貌:C
固有スキル。服装と相まって、性別を特定し難い美しさを(姿形ではなく)雰囲気で有している。
男性にも女性にも交渉時の判定にプラス修正。また、特定の性別を対処とした効果を無視する。
ゲーム的には自身にターゲット集中効果(3ターン)&HP大回復。


宝具

百合の花散る剣の舞踏(フルール・ド・リス)
ランク:C 種別:対人宝具

見る者の心を奪う美しい剣舞。
多くの人々を惑わせながらも自らの目的を遂行したデオンの生き様が宝具に昇華されたモノ。
フランス王権を象徴する百合の花びらが周囲に撒き散らされる中、鮮やかに剣を振るって舞うことで対象を幻惑し、
筋力・体力・敏捷のパラメーターを低下させ、その隙に必殺の剣撃を叩き込む。 精神攻撃+物理攻撃のコンビネーション。
物理ダメージは宝具発動時の一度きりだが幻惑状態はしばらく持続する。
魔力消費も少なく、すこぶる使い勝手の良い宝具だが『FGO』では使用されない。


百合の花咲く豪華絢爛(フルール・ド・リス)
ランク:C 種別:対軍宝具

我が誇りにかけて
王家の百合永遠なれ。『百合の花咲く豪華絢爛(フルール・ド・リス)』!

見る者の心を奪うデオンのもう1つの宝具。
多くの人々を惑わせながらも自らの目的を遂行し続けたデオンの生き様が、宝具へと昇華されたものの強化版。
フランス王権を象徴する大輪の百合が浮かび、敵陣を一斉に幻惑し、筋力・体力・敏捷のパラメーターをしばらく低下させる。
更に幸運判定に成功しなければ、1ターンの間行動不能となる。ダメージ効果はない。
ゲーム中の性能は敵全体に確率で魅了状態を付与(1ターン) &攻撃力をダウン&防御力をダウン(両方とも2ターン)。



出典

18世紀~19世紀のフランスに実在した人物。シュヴァリエ・デオンの「シュヴァリエ」とは騎士を意味する単語で正確には名前ではなく、
本名はシャルル・ジュヌヴィエーヴ・ルイ・オーギュスト・アンドレ・ティモテ・デオン・ド・ボーモン
かの名作『ベルサイユのばら』の主人公オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェのモデルになった人物。

性別不明の人物として知られており、生涯の前半を男性として、後半を女性として生きたとされている。
自伝では「元は女性であったが、父親が財産を相続する関係で自分を男として育てた」と記しているが、死後遺体を調べた際には身体的には男性であったという結果が出ている。
+ 余談:で、結局のところどっちだったの?
件の自伝は正確には「知人による代筆」という形式を取っており、記述の正確性に関しては疑問視されている点も多い。
一方で死後の解剖に際しても、骨格などには女性的な身体的特徴が見られたとする資料もある。

この錯綜ぶりからもデオンの性別に関する議論の白熱がうかがえるが、これらの矛盾に対する仮説として、先天的に男女両方の性質を持って生まれる、所謂「半陰陽」だったのではないかとする説がある。
存命時から噂されていた事もあって正確性には疑問が残るが、男性と断じられたにもかかわらず女性的な特徴も指摘された遺体の謎を解消しうる説である事は確かか。

……まあ、要するにぶっちゃけどっちだったかは今でもよく分かんないし、何なら「どっちでも無かった」可能性すらあるのである。
性自認とかジェンダーとかも含めて考え出すとキリが無いしネ!

フランス王家に忠誠を誓う人物であり、騎士・外交官・スパイといった様々な顔を持っている。
また、フェンシングの達人であったことでも知られる。セイバーで召喚されたのもこの逸話からか。

ルイ十五世が設立したスパイ機関「スクレ・ドゥ・ロワ」の一員としてロシアを始めとする列強諸国を相手に裏で立ち回り、活躍をした。
帰国後は七年戦争の後期には竜騎兵連隊長として戦い抜き、シュヴァリエの称号を得ることになる。

その後ロンドンにおいて特命全権大使に任じられたデオンは、自身が所有する葡萄園で醸造したワインをウッド国務次官など英国貴族に贈り関係を深めつつ、情報収集を行った。
しかし新任の大使が派遣されると、デオンはその大使に毒を盛られそうになったとルイ十五世に報告し、自身の外交的地位の保全に乗り出す。
ルイ十五世はこれを承諾し、デオンに年金として年1万2千リーヴルを与えた。そして再びスパイに復帰したデオンだったが、ロンドンに政治亡命している状態であった。

ルイ十五世が死去した後に、フランスへの帰国交渉を始める。新国王ルイ十六世はデオンが今後女性として生きることを条件に帰国を承諾。
以後、デオンは完全に女性として生きることになる。

その後再びロンドンへと戻ったデオンだったが、フランス革命の影響で財産を没収され、年金を受け取れなくなってしまったため、
得意のフェンシングで見世物としての決闘を行い、怪我をして引退するまで生活費を稼いでいたという。

1810年にロンドンにて永眠。82歳という、当時ではかなりの長寿であった。

彼(?)を主題とした作品としては沖方丁のシュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜が有名。
藤田和日郎の中編黒博物館 ゴースト アンド レディでは主人公の宿敵として幽霊となった彼が登場するため、こちらで知った諸兄もいるかもしれない。


キャラクター

見た目は男装をした可憐な少女のような外見をしている、セイバークラスのサーヴァント。一人称は「私」、または「僕」。
少女にしか見えないがFateシリーズでは恒例となった女体化というわけではなく、けれどもアストルフォのように男の娘というわけでもない、
性別不定という特徴を持った英霊である。所謂「性別:デオン」といった感じで、ファンからも「デオンくんちゃん」などと呼ばれる。

一応史実的には(生物学上は)男性であったとされ、FGOにおいても本人は男性として振る舞っているようだが、
スキル「自己暗示」により性別を変えることが出来るため、実際の性別というのはあまり意味のないことなのかもしれない。
このどちらにもなれるという能力から、バレンタインイベントではちゃんとチョコをくれ、後のホワイトデーピックアップガチャにもちゃっかり登場している。


性格は生真面目で礼儀正しく基本的に常識人。フランス王家と共にマスターにも強い忠誠を誓っており、態度も初めから友好的である。
好きなものを聞いた際にも「君の事は好きだ。本当さ」とストレートに好意を告げてくるなど、結構大胆でもある。
とは言え流石にフランスに対して敵対行動をするような人間がマスターであったらその限りではないと思うが。

作中では登場の際は大体マリーと一緒であり、他にもサンソンアマデウスといったフランス組と行動を共にすることが多い。
真面目な性格なのでツッコミ役に回ることになるのだが、敬愛するマリーに対しては基本的にイエスマンとなるのでストッパーにはなっていない。

また少女のようか華奢な外見であり、かつ神代出身とか魔力放出で筋力を補っているとかそういった設定がないにもかかわらず、
ステータスが筋力:Aと高ランクであることが一時話題になっていた。どこぞの見せ筋はD止まりだというのに…
この高いランクについて公式では特に言及がなく、ファンの間では「自己暗示」のスキルにより筋力のリミッターを外せるのでは?と推測されているが詳細は不明。
(マテリアルを読む限りはステータスを決める段階とイラスト発注が噛み合わなかったのが真相な模様)


活躍

FGO本編では第一章「邪竜百年戦争 オルレアン」において登場。
本来ならばデオンがフランスを相手に剣を向けることはあり得ないのだが、ジャンヌ・オルタに召喚された際に「狂化」が付与されてしまい、
滅ぼしたいし滅ぼされたいという破壊衝動と破滅願望が入り混じった感情で主人公の前に立ち塞がる。
最後は自分を倒して呪いを解いてくれたことに感謝をし、忠誠を誓ったフランス王家であるマリーに剣を向けたことを謝罪しつつ消滅した。

イベントでは「月の女神はお団子の夢を見るか?」にてマリーのお供としてサンソンと一緒に登場。
落ちていた団子をトン単位で馬車に積み込むマリーに対して、食べきれないだろうと思いつつ基本彼女に対してはイエスマンなので、指示に従っている。

「ほぼ週間 サンタオルタさん」では、カルデアが誇る二大黒幕の一人である歩く詐欺マシーンに古い家財を売り払うはずがフランス王家の宝までも売り払ってしまい、
売値の十倍の値段で買い戻させられるという失態を演じてしまっている。
この失態を見たマリーには「デオンは本当に名うてのスパイでしたの?もしかして可愛いから敵に見逃されていただけではないかしら?」と揶揄されて泣きそうになったとか。

その後もマリーが出てくる度に、たいてい他の変態2人とともにフランス三馬鹿の一角としてヴィヴ・ラ・フランスしている。


余談

デオンの幕間の物語「白百合の名の下に」がFGO初期では鬼畜とも言える高難易度を誇ったことで話題になっていた。
具体的に言えばボスとして登場するロベスピエール・ゴースト。
戦闘グラフィックもモブゴーストエネミーの使い回しな彼であるが、なんとHPが92万という、設定ミスとしか思えない意味不明なものとなっているのだ。
FGO初期は今より遥かにサーヴァントの育成がし辛い環境であり、高レベルのサーヴァントを一人も持っていないマスターなどざらに居たこと
加えてアサシンに相性有利なキャスターたちも、殴り合いにおいては厳しい性能だったため*1、純粋に92万というHPを削りきることが出来ず全滅するマスターが多発した。

そのため当時は各所でロベスピエール討伐方法の記事や動画が投稿され、多くのマスターたちが腕試しとして彼の討伐に挑んでいたのだ。
無論育成環境が整いサーヴァントも育ってきた今のプレイヤーならば容易に倒せる存在になってしまっただろうが、
それでも恐らく何も知らずに挑んだ新規のプレイヤー層を今でも地獄の底に叩き落としていることだろう…。
ちなみに即死攻撃は通るので、運が良ければあっさり倒すことが可能。


ゲーム中での性能

宝具・スキルともに完全に防御寄りの性質であることからセイバークラスの盾役といった役割を持つ。
自身に回避状態と防御力上昇効果を付与する「心眼(真)」は耐久よりのデオンにとってはありがたいスキルであり、
デバフに対しても、元々持つ「対魔力」スキルと弱体状態解除+弱体耐性上昇効果を付与する「自己暗示」のおかげで強い耐性を有する。

そして、「麗しの風貌」のスキルは自身にターゲット集中効果とHP回復をかける効果だが、これと「心眼(真)」と「自己暗示」を一緒に使えば、
回避・防御アップの効果で相手の攻撃を流せ、デバフにも強い耐性を持つ、まさしく最優の盾となる。
HP回復効果も地味に優秀で、デオンの高い耐久力と継戦能力を支えてくれる。


また、デオンの特徴として「特定の性別を対象としたスキルや宝具などの効果を受けない」というものがある。
それ故に「異性」を対象とした魅了などのデバフにかからないというメリットが有る一方で、
味方のバフに関しても性別を対象としたものは効果が得られないというデメリットも有るので、運用の際は覚えておきたい。
同じ特徴を持つものとしてアストルフォとエルキドゥがあげられる。
……ただ唯一例外として黒髭のスキル「紳士的な愛」の追加効果である、「女性のHP回復」はちゃっかり適用されるようになっている。流石黒髭。


弱点としてはスキルが全て防御寄りなので攻撃面はやや心もとない点と、宝具の性能があまり良くない点があげられる。
敵全体に魅了&攻防ダウンのデバフを撒く宝具だが、肝心の魅了の付与率があまり高くなく、
攻防ダウンの方も継続が2ターンと短く宝具レベル1では攻防ダウンの効果も雀の涙レベルなので正直優秀な宝具とは言い難い性能である。
またデオンの真価は第三スキルの「麗しの風貌」を覚えてはじめて発揮されるので、育成が難しい初心者には使い難いサーヴァントと言えるかもしれない。チュートリアル召喚で出てくるけど

とは言え育て上げればこの上なく優秀な盾役として活躍が出来るので、今後増えてくるであろう難易度が高いクエストに備えて、
マシュと共にパーティーを守ってくれる盾役として、幸運にもデオンを持っているマスター諸兄は育ててみてはどうだろうか。



人間関係

忠誠を誓うフランス王家の人間であり、イベントなどでも殆ど一緒にいる。
生前からの顔見知りでもあり、女性として生きることになっても相変わらず好んで軍服を着ていたデオンに対し、
ドレスもなく可哀想だと思い自分が贔屓にしているデザインのドレスを送っている。

同じフランス国民。彼もフランス王家に忠誠を誓った人間ではあるが、同時にマリーをギロチンにかけた張本人でもあるので、
愛憎入り混じった感情を抱き、苦手としている。

マリーと縁が深い人物。間違いなく音楽の天才であり、偉人なのだがそれ以上に変態なのでやっぱり苦手としており、『アマデウス仮面』として現れた彼を容赦なく罵倒していた。
ただ向こうからは同類の倒錯者だと思われ、シンパシーを感じられている。

クリスマスイベントで邂逅。彼女の方は同じ男装仲間としてデオンのことを大層気に入ったようで、
「後で連絡先を教えろ」と言われた程だが、デオンの方は男装ではなく自分は男であると否定している。



いつでも私は君と行くよ。さあ、追記と修正をしよう!

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最終更新:2024年03月14日 22:19

*1 オマケに1章が相性不利のワイバーン祭りでありキャスターの育成を後回しにする人もいた。今でこそ最上位の評価をされている孔明も当時は外れ鯖の代表格だった