SCP-373-JP

登録日:2017/04/03 (月) 13:36:02
更新日:2024/01/19 Fri 16:43:11
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-373-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。
項目名は『モノづくり集団』。
JPのコードが示す通り、日本支部生まれのオブジェクトである。
オブジェクトクラスは「Keter」。

日本支部で開かれた「173-JPコンテスト」の出展作品の一つである。

概要

コイツが何かと言うと、社会性を持った大型機械実体の集団である。
外見はアリに似ているが、体長は小さいもので3m、大きいものでは5mを超えるとんでもないデカブツどもである。
材質やシステムに特異性はなく、行動を制御しているのは一般的なコンピュータであった。そのため、知性の有無は不明だが、行動の大半はプログラムされたものだと思われる。

現在のところ、このアリ達には大別して3つのタイプが存在し、それぞれがコロニーにおいて役割を分担している。
コロニーへの侵入など、敵対とみられる行動がない限り生物には無関心だが、敵対行動をとると攻撃してくる。

ちなみに種類はこんな感じ。

  • ソルジャー
防衛担当。コロニーへの侵入者を感知した場合にのみ出現。常に3機一組で行動し、明らかな戦術ドクトリンに沿って戦闘を行う。武装は12.7mm機銃が2門、155mm榴弾砲1門、ビーム砲1門。
戦闘試験によれば、自衛隊90式戦車1両と、ソルジャー3機がだいたい互角の戦力となっている。

  • ワーカー
建築担当。コロニーの外部に現れて資材をかき集め、持ち帰ってコロニーを増改築する。テリトリーの中で見つからなければ範囲を広げて探し、あるケースでは市街地に現れて駐車場の自動車を持ち帰ったこともある。
このケースでは自動車のエンジンとバッテリーは新しいアリに組み込まれ、フレームその他はコロニーの材料にされている。
さらにこの行動により、地上と地下に大規模なコロニーを形成する。コロニーは一般的な建造物に似た外見と機能を持っているが、規格はSCP-373-JP用に最適化されている。また、内部調査により電力供給施設が存在することが判明している。

  • シッター
生産担当。新しいアリを生産したり、ソルジャーやワーカーのメンテナンスを担当する。
精密工作機器を内蔵しているようだが、コロニーの外に出て来ないため詳しいことはわかっていない。

財団がこの連中をいかにして発見・収容したのかは不明だが、現在この連中のコロニーは武装エリア-8133の内部の収容区画に存在している。問題なのはワーカーの存在で、資材が十分に得られないと市街地に出てしまうため、定期的に30tの資材と、5tまでの追加資材の投入がプロトコルとして義務付けられている。
収容違反の発生時に対応が出来ない場合、全職員を避難させ、武装エリアごと抹消することになっている。そして収容違反に繋がるオブジェクトの建築が確認されれば、専門の機動部隊あ-3「大蟻喰」が対処する*1


収容以降もコロニーは常に増築され続けている。
基本的には居住区画の拡張だが、たまに軍事施設がつくられることがある。「大蟻喰」のターゲットはずばりこの軍事施設で、現在までに、

  • ソルジャー用のトーチカ
  • 電波傍受施設
  • 地対空ミサイルサイト
  • サイロらしき何か
  • 認識災害を引き起こす蟻のブロンズ像

を破壊している。特にブロンズ像は、視認すると「自分は蟻だ」と確信する認識災害を引き起こす。
この像自体がSCPオブジェクトに指定されたが、収容が困難だったことから破壊に踏み切られた。
また懸念事項として、この連中の技術レベルは恐ろしいスピードで進化しており、2014年7月の時点で人類と拮抗している。


さて、コロニーの内部はどうなっているのか?
人間は入れないため、外に出てきたワーカーにカメラを取り付けての調査が何度か行われている。
いずれも途中でソルジャーに発見されてワーカーごと破壊されているのだが、得られた情報はいくらかあった。
その中で、当初Euclidだっただろうオブジェクトクラスが、Keterに分類される決め手となる調査結果が報告されている。

その中ではコロニー内部でのソルジャーのメンテや新しいアリの生産の他、最奥部に位置する巨大なアリ型の実体と、文字の記された隔壁が確認された。
この巨大なアリ、恐らくは生物のアリのコロニーにも存在するコロニーの主、つまりは「女王アリ」に該当する、SCP-373-JPの親玉と考えられている。
そして、隔壁に記された文字の存在から、SCP-373-JPは人為的に生み出された後放棄され、結果こんな有様になっていることが推定された。これにより、O5評議会はオブジェクトクラスをKeterに引き上げることを決定。
強硬探査プロトコル「蟻地獄」を制定し、実行の準備を進めている。



以上がこのオブジェクトに関する全てである。
それにしても、こんな傍迷惑なものをどこの誰が作って放り出したのか?
実は、調査で得られた映像記録の中にしっかり答えがあった。

隔壁に記されていた文字は日本語で、曰く、





東弊重工&日本生類創研 共同開発室





お 前 ら か ぁ ぁ ぁ ぁ い ! ?


日本の要注意団体の中でも、タチの悪さなら「博士」や如月工務店とタメを張るだろう日生研が、悪い意味での変態企業である東弊重工と手を組んで作り上げ、手に負えなくなって放り出したのがこれらしい。

恐らく、東弊重工が作り上げた建築用重機に、日生研が手を貸してアリの生態を組み込んだのがSCP-373-JPなのだろうが、勝手に動き出したアリどもは「女王」を頂点とするコロニーを作り上げて人間を排斥、結果として放棄されたこれを財団が発見した……という感じだろう。



あいつらだめだはやくなんとかしないと。



CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-373-JP - モノづくり集団
by shinjimao
http://ja.scp-wiki.net/scp-373-jp

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最終更新:2024年01月19日 16:43

*1 本部・支部を問わず、財団機動部隊のコードネームはハイセンスなものが多い。探してみてはいかがだろうか。