紅の戦艦

登録日:2017/05/01 (月) 10:06:46
更新日:2019/06/22 Sat 19:41:28
所要時間:約 5 分で読めます





我 レ 大 和 帰 還 セ リ。







「紅の戦艦」とは、『別冊漫画ゴラク』及び『週刊漫画ゴラク』で連載されていた漫画作品である。
著者は関達也。全2巻。





【概要】

太平洋戦争において海底に没したはずの戦艦大和に酷似した船が現代日本に突如として現れ、
それに翻弄される海上自衛隊員の姿を描いたサスペンス漫画。
戦艦対イージス艦というミリタリー好きなら一度は考えるシチュエーションに領土問題などの時事ネタを盛り込んだ意欲作であり、
大ゴマを多用した軍艦の描写は非常に迫力があり読む者を引き付ける。

一方で清々しいまでに現実的な考証を投げ捨てた荒唐無稽なストーリーは間違いなく歴史に残る問題作。
特に登場人物の描写は誰もが大真面目に行動しているだけにそれが一周回って変な笑いが込み上げてくる程。

2巻に至っては作者が開き直ったのかやりたい放題であり、わかる人はページを捲る度に腹筋を攻撃されるので電車の中で読む際は注意が必要。
意味深なまま提示されて投げっぱなしになった謎も多く、読む人によって賛否が分かれる怪作である事はまちがいない。





【あらすじ】
尖閣諸島近海に突如出現した巨大不審船。その姿は東シナ海の海底300メートルで3330名の英霊とともに眠るはずの戦艦大和と瓜二つであった。
尖閣諸島の一つを破壊したそれは“大和"を名乗り、日本領海内にて航行を開始する。
謎の行動を繰り返す“自称大和"に翻弄される日本政府と海上自衛隊。
果たしてその正体は? そしてその目的は?
今、史上最強戦艦と守護神・イージス艦との衝撃のバトルが始まる!


【登場人物】
登場人物のほとんどは実在の人物(主にプロレスラー)をモデルにしている。


  • 武藤艦長
この漫画の実質的な主人公。
イージス艦あなごの艦長でありミスター自衛官と呼ばれるほどの日本ラブ。
先入観を持たず常に冷静な判断を下す自衛官の鑑のような男だが、同時にリアクションがいちいち大仰で隙あらばとあるポーズを決めたがる悪癖がある。
紅の戦艦の不可解な行動に振り回されつつも徐々に感化されていき、中盤では自衛官として大きな選択を迫られることとなる。
2巻では密命を帯びて艦を降り単独行動していたが後に仲間を合流。紅の戦艦を守るためにキャプテン・ホーガンと大立ち回りを演じる。
モデルは闘魂三銃士の1人、武藤敬司。


  • 橋本艦長
イージス艦とりがらの艦長。
武藤と共に紅の戦艦撃沈の任を受けるが予定だったが、
家族の住む静岡に紅の戦艦が向かったために部下と共に独断で艦を動かし、紅の戦艦を沈めようとする。
2巻では艦を降りた武藤に代わってあなごの艦長に就任。再び出現した紅の戦艦2番艦と遭遇し、蝶野と共に対応に追われることとなる。
モデルは闘魂三銃士の1人、橋本真也。


  • 蝶野艦長
イージス艦あんこうの艦長。
武藤、橋本と共に紅の戦艦撃沈の任を受けるが、命令を待たずして独断で動いた橋本を止めるために武藤と協力する。
乱暴な口調と大ゴマで青筋を立てる姿はインパクト抜群で如何にも血の気が多い様相だが、
橋本の意を汲みつつも苦渋の決断で彼を止めようとするなど公人として高潔な面も持ち合わせている。
モデルは闘魂三銃士の1人、蝶野正洋


  • 塚本砲雷長
イージス艦あなごの砲雷長であり武藤の実質的な副官。
初登場時は紅の戦艦への攻撃を武藤に唆すなど血気盛んな面を見せていたが、人命を尊重する武藤のことは尊敬しているのか、
彼が海に投げ出された際は職務を放棄してまで救出に出ることを志願した。
2巻では副長に出世し橋本の補佐を務めている。
モデルは恐らくプロレスラーの塚本拓海。


  • キャプテン・ホーガン
2巻に登場。
米国海軍駆逐艦マクマホン級1番艦の艦長。
紅の戦艦2番艦への集団自衛権の行使により橋本、蝶野と共に紅の戦艦排除の任に就く。
武藤に負けず劣らずのリアクション担当。
駆逐艦の性能と世界の警察である米国としての自負から紅の戦艦を撃沈せんと躍起になるが、
何度も煮え湯を飲まされる形で逃げられてしまいプライドをズタズタにされ、やがては命令を無視して暴走を開始。
終盤では紅の戦艦を守るために艦に乗り込んできた武藤と壮絶なレスリングを展開する。
モデルはプロレスラーのハルク・ホーガン。


  • 中井防衛大臣
防衛大臣。当初は紅の戦艦出現と伊部総理の突飛な行動に振り回されていたが、以後は米国や内閣と渡り合って紅の戦艦対策のイニシアチブを取る。
2巻では副総理大臣に任命されており、武藤にある密命を命じている。
モデルは恐らく俳優の中井貴一

  • 伊倍晋造
内閣総理大臣。紅の戦艦出現に対して病床の身を押して魚釣島に上陸し大和魂を魅せつける。
モデルは安倍信三総理大臣。


  • 稲川淳一教授
九十大学教授。怪談話の語り口調で講義を進めるためか生徒から人気は低い。
紅の戦艦の行動からある仮説を打ち立てる。
モデルはタレントの稲川淳二。


  • 馬場内閣総理大臣
  • 木村官房長官
  • 天龍防衛大臣
2巻に登場。
モデルはそれぞれ、プロレスラーのジャイアント馬場、ラッシャー木村、天龍源一郎。
天龍はあの特徴的な話し方を再現するためか他と比べて吹き出しのフォントが少し崩れているという謎のこだわりよう。


  • 越中船長
海上保安庁の巡視船の船長だってぇ!
出番は少ないけどインパクト抜群だってぇっ!
モデルはプロレスラーの越中詩郎だってぇっ!


【用語解説】

  • 紅の戦艦
突如として東シナ海に現れた謎の戦艦。
尖閣諸島の一角を破壊し、「我レ大和帰還セリ」の電文のみを発信した後は一切の交信も受け付けず、
日本の領海内で謎の行動を繰り広げる。
船体の形状や外部から確認できる兵装の種類は太平洋戦争で沈んだ戦艦大和と全く同じであるが、中身はまったくの別物の化け物戦艦。
動力に原子力を使われていると見られ、確認できただけでも速力は大和を上回る時速40ノット。
煙突部分には各種ミサイルを搭載しており、46cm砲と思われていた主砲も実は51cm砲であったことが後に判明する。
また通信やミサイルの誘導に干渉する妨害電波や幽霊のように突然、目の前に姿を現す高いステルス性を有している。
自衛隊が乗り込んだ際、乗組員の姿を見つけることはできなかったが、船内には大勢の人間が生活していた痕跡が残されていた。
一連の騒動の後、武藤達によって「紅の戦艦」という艦名を与えられる。
作中では同型艦が2隻登場する。


  • イージス艦あなご
  • イージス艦とりがら
  • イージス艦あんこう
武藤達が乗船する駆逐艦。モデルは恐らく護衛艦あたご、あしがら、みょうこう。


  • マクマホン級駆逐艦
ホーガンが乗船する米国海軍の駆逐艦。船体のモデルは恐らくズムウォルト級ミサイル駆逐艦。
名前の由来はアメリカのプロレス団体CEOのビンス・マクマホン。





追記・修正は大和ブレーンバスターを決めながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/