DPS(ゲーム用語)

登録日:2018/04/07 Sat 15:30:06
更新日:2024/05/18 Sat 23:10:31
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目次


概要


「DPS」とは、「Damage Per Second」の略で、直訳すると「秒間火力」、つまり「1秒間に与えられるダメージ」を指すゲーム用語である。
DPSが100であれば「1秒間に100ダメージを与えられる」という意味になる。

主にアクションゲームやFPS/TPSで使われる。
注意して欲しいのは
  • ダメージであって攻撃力ではない
  • 1秒間のレートに換算した平均値
  • 継続的な火力
であるということ。
殆どのゲームでは様々な要因でダメージが変化するため、何を攻撃する場合のDPSかをはっきりさせておかないと話が噛み合わなくなる。


使われ方


基本的には概要の通りだが、そこから転じて「ダメージ効率そのもの」を指す総称として使われるケースもある。
ファイナルファンタジーXIV』や『World of Warcraft』の例もあり、単純に火力職のことを「DPS」と呼んだり、優秀な秒間火力を叩き出す職業を「DPS職」と呼ぶ事も。
そのため「DPSはDPSの仕事しろ」とか「DPSを出せるDPS」などといった使われ方もある。

本来は単位であるために「DPSが高い」「DPSに優れる」といった使い方は誤用だが、これはDPSに限った話ではない。
例えば「km/hが早い」という使い方をする人はまずいないが、一方で音ゲー界隈では「BPMが早い」といった使い方をする。


他に、類語としてDPM(Damage Per Minute)、DPT(Damage Per Turn)がある。
それぞれ分間火力、ターン毎の火力を指す。これらは主にゲームシステムによって使い分けられる。
これらも指定単位以外の意味で使われる事もなくはないが、DPSほど広義に用いられる事は稀。

和訳された類語としては、DPSが時間の火力を指す事に対し、一発当たりの火力を指す「単発火力」や、継続力を考えない火力を指す「瞬間火力」などがある。
DPSと最も意味合いが近いのは「時間火力」だろう。精密に秒に限定した使い方であれば「秒間火力」となる。*1

余談になるが、これと似た感覚で「時間帯火力」と呼ぶのは完全に間違いである。
時間帯とはタイムゾーン・時刻における指標であり、諸君らの部屋にあるであろう時計の盤面の帯である。
つまりこちらは「昼と夜で火力が変わる」といったような事を示すための用語になる。


DPSの具体例と注意点


例えば、次の攻撃ABCのDPSはいずれも100である。

  • 1秒間に10回10ダメージを与える攻撃A
  • 2秒間に1回200ダメージを与える攻撃B
  • 1秒間に3回10ダメージ、2回35ダメージを与える攻撃C

いずれも内訳は異なるが、これがDPSの基本的な考え方である。
だが見ての通り、DPSはあくまで机上の平均値なのでどれが強く優れているかまでは判別できない事はお分かりいただけるだろう。
この例の場合、DPSが全て同じでもHPが200の敵を倒すスピードは攻撃Bが最も速く、逆にHPが10の敵を10体倒す場合は攻撃Bが最も遅くなる。
また実践では攻撃が外れるなどの理由で計算通りのDPSにならない事もあるなど、単純なDPSの比較ではどれが最善かは分からないのである。

ではこのDPS、指標にならないのか?といえばそんな事はない。
当たり前だが「DPSが高い=与えられるダメージ量が多い」である。
「やられる前にやる」というのは大抵のゲームで有用な戦法の一つであり、(ゲームシステムにもよるが)基準が明確であれば攻撃力を計る有力な指標に成り得るという事だ。
従って、 基本的に DPSを重視して職業、武器、戦法を選ぶのは間違いではないし、
「DPSの高い戦法=有効打」というのは一つの真理である。


効率としてのDPS


DPSはしばしば効率の根拠として持ち出される事がある。
特にオンラインゲームでは「効率よくプレイしなければならない」という考え方を多くのプレイヤーが共有している。
これにより「個人DPSよりもパーティーDPS」という考え方も加わり、さらに複雑になる。

例えば、「4人パーティーで1人がバフを行う」とした場合、1人分攻撃の手数が少なくなるのを他の3人へのバフ効果によって上回れるか、というケースも発生しうる。
バフ係のDPSはゼロだが、他3人の火力がそれを上回るほど上がっているなら総合的なDPSに優れている事になる。
パーティーのいずれかが倒れたならば当然DPSは下がる。
繰り返すが、「DPS最重視」というのはあくまで机上論であり、有用性までは保証しない。
例えば、「10秒間に20ダメージを3回与えるチャンスがある戦法A(DPS=6)」と「10秒間に50ダメージを1回与えるチャンスがある戦法B(DPS=5)」を比べよう。
DPSはAの方が上であるが、Aは10秒間に理想的に3回攻撃しなければならないのに対し、Bは10秒間で一度攻撃チャンスを掴めればそれでOKなのである。


MMOやハクスラ等で顕著なのが、極端にDPSの効率を重視する考え方だろう。
侮蔑語として「効率厨」という単語もあるが、これ自体に意味の齟齬が生まれやすいためここでは扱わない。
問題なのは、防御力を上げるバフなどはDPSを上げる観点では役に立たないが、だからと言ってパーティーに貢献していないわけではないという事だ。計算上のDPSは低くとも、味方を回復することで攻撃の機会を増やすことができる場合もあるし、攻撃担当がやられてしまうのを未然に防ぐ事もできる。
DPSを効率として扱うと、下手をすればリスポンまで含めた訳の分からない(共通の単位としての意味すら失った)プレイヤー個人の主観単位になってしまうので、そこには注意してもらいたい。


大事なことは、 ゲームというのはあくまで娯楽であり、楽しんだものが勝ち ということである。
「DPSを重視し、効率よく勝てる手段を模索する」のも楽しみ方。
「DPSなんて気にしない、自分の気に入った戦い方をできればいい」というのも楽しみ方。
自分のやり方を押しつける のはNGだろう。


ARMORED COREシリーズでの例

シリーズのN系ではマガジン仕様が導入されており、ライフル等で「常に連射できる従来タイプ」「一定弾ごとにリロードを挟むマガジンタイプ」がある。
マガジンタイプは弾倉尽きるまでは高い時間火力を誇るが、直後に長い待ち時間を挟むため、DPSはほとんど変わらない
つまりAC同士が立ちっぱなしノーガードの撃ち合いを続けたならダメージ量は変わらないという事。

では何が違うのかといえば、いわばマガジンタイプは火力の前借りであり、リロード中は障害物裏に身を隠すなどで効率を高める事ができる点。
こう書くと緩急をつけられる分マガジンタイプの方がメリットが多いように思えるが、戦場では常に安全地帯が確保できる訳ではないため、いざという時に弾が撃てずもどかしい思いをする事も多い。
DPSが同じでも戦術・戦略に大きな違いが生まれるのである。


DPM


「DPM」(Damage Per Minute)は、1分間のレートに換算した平均値である。
単純に、DPS=1秒間のレートを60倍すれば算出できる。

DPSと比べると使用される機会の少ない単位であるが、勿論これが指標に使われるゲームもある。
代表的なのは『World of Tanks』だろう。
このゲームでは攻撃間隔(砲弾の装填)が長く、例外を除けば2秒でも「短い」扱いなので、秒間のDPSでは時間火力を表すのに適さないのである。


DPT


DPT(Damage Per Turn)は1ターン当たりの火力である。
RPGでは、そこまで瞬間火力を重視しなくてもじっくりキャラクターを育てて挑めばクリアはできるバランスになっているので、さほど一般的ではない考え方。
だが、タイムアタックなどをやろうと思うと途端に重要な概念になる。
ドラクエVで「エスターク最短撃破」などに血道を上げた人も少なくないのではないだろうか。そう言う場合にはDPTを可能な限り上げる必要がある。

攻撃力アップと攻撃速度アップ。DPSの観点から見るとどちらのバフが有効になってくるのだろうか?
ゲームによってこの辺は色々だが、ここでは簡略化して考えてみよう。
「攻撃力100、攻撃速度10秒に1回」のプレイヤーが「防御力50」の敵を10秒間攻撃したとする。
この際、「攻撃力2倍」「攻撃速度2倍」の2種類をそれぞれかけるとどうなるのだろうか?
なお、ダメージ計算式はシンプルに「攻撃力-防御力」とする。

  • そのまま…(100-50)×1=50ダメージ
  • 攻撃力2倍…(200-50)×1=150ダメージ
  • 攻撃速度2倍…(100-50)×2=100ダメージ

このぐらいだと、攻撃力2倍が最も有効であることがわかる。
では、プレイヤーのスペックはそのままに、相手を「防御力10」にするとどうなるだろうか?

  • そのまま…(100-10)×1=90ダメージ
  • 攻撃力2倍…(200-10)×1=190ダメージ
  • 攻撃速度2倍…(100-10)×2=180ダメージ

相手の防御力が下がると、攻撃速度アップの効果が高まることがわかる。
では、逆に相手を「防御力100」にした場合。

  • そのまま…(100-100)×1=0ダメージ
  • 攻撃力2倍…(200-100)×1=100ダメージ
  • 攻撃速度2倍…(100-100)×2=0ダメージ

この場合、攻撃速度アップには何の意味もないことがわかる。

ゲームによってシステムもバランスも様々なので、一概にこう、とは言えないが、基本的には「硬い相手ほど攻撃力アップが有効に機能する」というのは覚えておいて損はないかもしれない。
バランス取りの観点もあって、攻撃力アップの方が効果が制限されたり、コストが高くなっていることも多いので、使い分けを意識するとより有利になるはずだ。

別のケースとして、行動の演出やエフェクトの長さが問題となるケースがある。

例えば、「剣を振るだけの通常攻撃」と「キャラのセリフやカットイン、爆発エフェクトなどの演出で派手さを彩る必殺技」があるとする。
ダメージは普通に必殺技のほうが大きく、例えばDPTで言えば3倍くらいの開きがあるとしよう。

だがしかし、必殺技は演出が長いために1ターンにかかる時間が30秒く掛かり、一方で通常攻撃は簡素な演出のために5秒でターンを回せるとしたらどうだろうか?
この場合、演出の長い必殺技を見ている間に、通常攻撃で4ターン5ターンと廻すことができれば、たとえDPTが低くてもDPSでは上回ることになる。

これが表面化しやすいのはソーシャルゲームに代表される「同じクエストを何度も繰り返しクリアする」、いわゆる周回作業である。
同じクエストを何度もプレイする都合上、DPSを高めることはクエスト1回あたりにかかる時間を短縮することに繋がり、ひいては必要回数周回する所要時間の短縮、あるいは一定時間無いに周回できる回数の増加につながる。
素材や資金を一気に稼いだり、あるいは日課的にプレイしているゲームをササッと処理したいプレイヤーにとっては重要な要素となる。


また、ソシャゲにおけるレイドボスは「シングルプレイのボスクエストを各プレイヤーがそれぞれクリアし、全プレイヤーの合計クリア数が規定数を超えるとボス撃破となる」タイプと、MMOのように「マルチプレイのボスクエストに複数のプレイヤーが同時に参加し、1体のボスを協力して撃破する」タイプに大別されやすい。

この場合、前者は上述のクエスト周回と構造的には等しいが、加えてクエスト報酬が美味しい場合は「レイドボスが倒される=美味しいクエストに挑めなくなる」ということでもあり、プレイヤー同士の協力というよりクエスト挑戦回数の奪い合いのような状況になることもある。
有名な例としては『FGO』の冠位時間神殿ソロモン等が挙げられる。

後者の例として、レイド報酬にMVP報酬が設けられている場合、DPSが高いほうが総ダメージを稼ぎやすく、MVPを奪いやすくなるといったメリットがある。
極端な場合、クエスト参加に必要なリソース(スタミナやバトルポイントなどが多い)や全滅時復活アイテムなどを乱用してでも突撃→全滅→再挑戦を繰り返すことでトータルダメージを稼ぎMVPをかっさらう、という戦術が用いられることもある。


グランブルーファンタジーでは、運営初期において「復活&HP・奥義ゲージ全快アイテムのエリクシールを毎ターン使用し、毎ターン全員で奥義を打ち続ける」という方法でDPSを稼ぐ戦術が横行した結果、「1ターンに奥義を使用した人数に応じてプレイヤーが操作出来ない待機時間が発生する」、俗に奥義硬直と呼ばれるシステムが実装されるに至った。
また本作の定期ギルドイベント『決戦!星の古戦場』は、期間限定クエストをクリアすることで貢献度を稼ぎ、チーム同士の合計貢献度対決や、個人の累計貢献度ランキングを行う。
上位者(といってもランキングからして10万人以上のプレイヤーがこの領域にいるのだが)においては、使うスキルを切り詰める、奥義ではなく通常攻撃で倒す、果ては「キャラや召喚石のスキンを演出が短いものに変更する」などを駆使して、クエストクリア時間を秒単位で切り詰めて周回数を稼ぐのが通例となっている。
果ては、2024年初頭のエンドコンテンツ『ダーク・ラプチャー・ゼロ』では、ボスが発動する強制全滅技のトリガーとなるゲージが、ボスの特殊行動で進行するだけでなくクエストの経過時間によっても進行するため、MMOなどで用いられる原義的な意味のDPSチェックが行われることとなった。このため、本クエスト挑戦時には※通信環境が良い場所で挑戦することを推奨します」という注意書きが表示される。


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最終更新:2024年05月18日 23:10

*1 時間火力の時間とは時間そのものと1時間のどちらの意味も内包するため。日本語ってややこしい