火葬場の町

登録日:2018/06/21 (木) 23:30:55
更新日:2023/12/30 Sat 14:14:35
所要時間:約 4 分で読めます








概要

『火葬場の町』とは『四八(仮)』のシナリオの一つ。岐阜県のシナリオでありプレイするのに契力が20必要。


本シナリオの原案とイラストをホラー漫画家の伊藤潤二先生が手掛けている。
プロの漫画家である伊藤先生が原案なだけあって、基本的な謎はシナリオ内であらかた説明しきっているし、起承転結がある。
原案もいいがそれをテキストにしたシナリオライターの文章もホラー感を引き立てており、
原案の良さを生かしているなど、本ゲームの中でも特に力が入っているシナリオである。

なお本作は基本実写ゲームなので登場人物を演じた役者はいるのだが、それが誰かは不明である。
各シナリオの始まりには伊藤潤二による登場人物を描いたイラストが見られる。
見事に人物の特徴を捉えているので必見。
しおりちゃんは可愛すぎて、殆ど“いつもの伊藤潤二の漫画の美少女”だけど。

この『火葬場の町』のメインシナリオは二つあり、それは『江見シナリオ』『影野シナリオ』と呼ばれている。
最序盤に「煙突が気になる」「誰かを見た」という選択肢があり、前者は江見、後者は影野ルートへといく。
このうち『江見シナリオ』から『煙の世界』『猫屋敷』という本筋から離れた、しかし絡んでいる別シナリオへと分岐する。

メインの『江見シナリオ』『影野シナリオ』とサブの『煙の世界』『猫屋敷』は絡んでいるため、
メインの一つ特に影野シナリオを見ればおおよそ世界観の謎は分かるが全部は分からない。
全てを見る事で裏側の事情を察する事が出来る。



あらすじ

ある時、岐阜県山間のA町で崖崩れが発生し公民館が押し潰された。
この日偶然式典のために町民が公民館に集まっていたため、50人ちょっとが生き埋めで死亡するという大惨事になった。

この事故で叔父を亡くした主人公の滝園信也は友人の浩司と火葬の順番待ちをしていると、ある事に気付く。
それは何人も焼いているというのに火葬場の煙突から煙が出てこないという事。
そしてよく考えたら生まれてこのかた一度も煙が出ているのを目撃した事がないということだった。
近年は煙が出ない火葬場も増えてきているが、この火葬場は古く、煙が出ないタイプというのはあり得ない。だとすれば……?

煙突が気になった信也はふと周りを見ていると、裏山から煙が出ているのを目撃した。
観察しているとどうやら火葬場が稼働すると煙がでてくるようだった。するとあの煙は火葬場の煙ということになる。

翌日信也と浩司は件の場所に行くと廃墟があり、そこから煙が出てくるのを見た。何故ここから……?
そう思った時、悪臭のはずの煙を吸い恍惚な表情をした女性を目撃した――


登場人物

  • 滝園信也
メインシナリオの主人公。
全県に登場する主人公たちの中でも特に主人公力が高い。
東京の小日向修も主人公力は高いが向こうがトラブルメーカー的な主人公なのに、こちらは友達思いの良い奴タイプ。
叔父が死んだばかりだというのに、失踪した友達の浩司を心配して探し回る。
友達のために行動する良い奴だが、頭を割られて殺されたり、生きたまま焼かれ殺されたりと良い死に方はしない。
滋賀県小学校教師である田丸直樹とは遠い親戚で、茨城県の西条しおりとは「はとこ」に該当する。

  • 井川浩司
『煙の世界』の主人公で信也の友達。父親が事故で死んでしまった。
玲子の彼氏ではあるが、最近ゆかりにお熱なあまり玲子に対する態度が素っ気ない。
基本彼が失踪する事が事件の始まり。

浩司の彼女。富江というを飼っている。そのため伊藤潤二と意気投合した。
浩司のことを心配しているが、富江と浩司どちらが心配かと言えば富江をとる。
学校であった怖い話」からのゲストキャラ。

  • 江見ゆかり
学校のアイドル的存在。信也も浩司も彼女が気になって仕方がない。
声フェチで臭いフェチ。
彼女が遺体を焼いて出た煙を吸っているのを目撃したばかりに……。

  • 影野稔
影のあるイケメンで低音ボイスの持ち主。しかし滅多に喋らない。
夜中に墓地を歩いているとか墓荒らしをしているとか、悪い噂が絶えず、変な臭いもしていることからいじめにあっている。

  • 影野清吉
稔の父。

  • 伊藤潤二
最近引っ越してきた有名なホラー漫画家。死神でネジを食べている。
自宅で変な煙に気付いてしまったばかりに……。
伊藤潤二先生本人が演じている。

  • 塚山東太
別のクラスだが、影野をいじめていたグループのリーダー。
どのルートでも、なんかいつの間にか死んでいる。

用語

  • 火葬場
町はずれにある火葬場。戦前からあるため古い。
一説には火葬場にされる前は陸軍の秘密の軍事施設で怪しい実験をしていたとか……。
A町は度々災厄で人が多数死ぬために時折フル稼働することがある。
1960年代の災厄で多数の死人が出た時の連日のフル稼働で町が煙臭くなり、
地下水道を利用して煙が郊外に出ていくようにされた。そのため煙突はあっても煙が出てくることはない。
劇中では何故か地下から流れた煙が廃墟、もしくは伊藤潤二の家に繋がって湧き出ている等不自然な事が起きている。
この事は町内でも老人たちしか知らず、何故か老人たちはこの火葬場で焼かれる事を嫌がっているが……?
また幽霊が見える西条しおりは火葬場で焼かれたにしては恨みを持っている幽霊ばかりだという。


  • 影野一族
A町一帯を支配していた豪族の末裔。
戦後の時代改革の波にのまれてすっかり没落している。何故か人気がない墓地周辺に住んでいる。




追記・修正は煙を吸ってからお願いします。

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最終更新:2023年12月30日 14:14