死神

登録日:2018/04/28 Sat 07:35:17
更新日:2025/03/31 Mon 19:44:13
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「わしは何千何万という人を、まるで動かぬ手を引っ張るようにあの世に運んでおる」
「人々は泣き叫び、あるいは嘆き、悲しむ」
「それは人間にとってあまりにも分からない世界だからな」

水木しげる作『怪奇死人帳』より


死神とは、「」という概念を擬人化・神格化した存在である。
いわゆる「冥府の神」とは共通する部分もありつつ、「死神」というと微妙にニュアンスが異なる。

概要

人間にとって最も抗いがたい概念である「死」を神格化した
その役割は、死が近づいた人間の前に現れ、その魂を冥府あるいは死後の世界に連れていくこと。
必然的に、「悪神」「邪神」の類とも言えるが、決して人類に悪意を持っているわけではなく、
単に「人類の運命を管理しているだけ」という存在と解釈されることも多い。
「神に反逆した悪魔」ではなく、「そもそもこういう存在」であるため、位階の高い神として扱われることもある。

タロットカードにおける「死神」は、正位置では死や終わりを表すマイナスのカード、逆位置では再生や誕生を表すプラスのカードになる。
ちなみに、逆位置がプラスの意味合いになるのは「死神」の他は「悪魔」と「」だけ。
(なお「死神」・「悪魔」とともにタロットで三凶カード扱いされる塔のカードは正位置も逆位置もマイナスの意味合いである。)

「死神」と「死の神」

日本語で「死神」というと、多くの場合「死の執行者」を指すことが多い。
ハデスオーディン閻魔なども死にかかわる神として有名だが、彼らは「冥府の神」つまりは死後の世界の管理者」としての性格が強い。
彼らは直接死を与える存在ではなく死んだ後の人々を統括する神であり、そんな彼らは「死神」とはあまり呼ばれない。
「死神」とは現世の人間たちに直接死を与える存在、つまりは死という現象を神格化した存在だと言える。
ギリシャ神話でいえば、「冥府の神」ハデスと「死の神」タナトスは別の神である。

なので、彼らの業は実際の死と同じように酷薄で無慈悲に、無作為に唐突に降りかかる。
そして本来の死がそうであるように、あわれな魂を光一筋とて差さぬ奈落の底また底にまで連れ去っていくのである。
そのためか同じ死を与える存在であっても、選ばれた英雄の魂のみを栄光あるの世界に連れていくヴァルキュリアが死神と呼ばれることはまず無い。*1

容姿

西洋の死神は、ボロボロのローブを着てを持つ骸骨という不気味な外見で描かれることが多い。

骸骨は古来より当然のように死を象徴する存在だった。
中世欧州ではしばしば「死の舞踏(ダンス・マカブル)」と呼ばれる、踊り狂う骸骨たちが疫病などのイメージとして用いられてきた。

ではなぜ鎌なのか、ということには諸説あるが、
「単に『魂を刈り取る』というイメージ」
「元々は鎌を持った農耕神だったが、『農業=季節と密接な関わりがある=時間=死』と変遷した」
などと言われている。
例えばギリシャ神話クロノスは父親であるウラノスを討ち取った鎌剣(ハルペー)を手にしている。
そしてクロノスと同一視されるようになった、ローマの主神で農耕神であるサトゥルヌスもまた鎌(こちらは農耕用の大鎌だが)を持っていた。
またこのクロノスをモデルにしたという説もあるヨーロッパの死を告げる時の妖精「時の翁」(fathertime)もまた大鎌を持つ姿で描写される。
これらが死神のヴィジュアルに何らかの影響をもたらしたと見る向きもある。
ちなみに現在のアメリカ英語では、「reaper(リーパー、刈り入れるひと)」「harvester(ハーベスター、収穫するひと)」はそのまま「死神」の意味で通じる。

日本では元々閻魔大王などが死の象徴として扱われていたが、直接「命を刈りに来る」死神という存在はなかったようだ。
例えば、悪人の死体を奪い取りに来る妖怪である「火車」などがいるが、これはあくまで「死体を奪う」だけで、死を告げに来るわけではない(そもそも、「死体を」奪いに来るのだから既にその対象は死んでいる)。
江戸期にはそのものずばり「死神」という憑物もあって、「死者の出た場所に遺された念が、近づいた人を同じ死に誘う」「人に憑りついて心中に誘う」とされていた。
西洋の伝説などが伝わって来る内に、次第に「死の象徴としての死神」も認知されるようになったようだ。
特に幕末から明治にかけての落語『死神』からは、典型的な西洋の死神像が日本にも伝わっていることが窺える。

中国では、冥府に所属する役人のような死神がおり、寿命が尽きた人間から魂を抜いていく。
しかし道教の世界観における彼らは、別に絶対的な死の執行者ではなく、陽の気が強すぎる人間に接近できなかったり、道術を磨いた仙人・道士に撃退されたりするほか、たまに霊魂に逃げられたり、別人を捕まえたりすることもある。やりようによって対処はできる、ということだ。
『隋唐演義』では猛将・秦叔宝と尉遅恭が、その陽の気で太宗李世民への死神の接近を阻んだり*2、『西遊記』では仙術を学んだ孫悟空が、寿命が尽きたと召し取りに来た死神を撲殺して返り討ちにし、逆に閻魔大王を制圧して閻魔帳から一族の名前を消してしまったりという話がある。

その他バンシーデュラハンのように様々な容姿の「死を告げる存在」もいる。

フィクションでの死神

なぜか上からの指示には逆らえない小役人的ポジションで出てくることが多い。
あと、『週刊少年ジャンプ』では妙に死神をテーマにした作品が多い……気がする。

連れて行く対象が生者か死者か(もしくは健康な人か死にゆく人か)、対象を選ぶ自由があるか否かでポジションや印象が変わることが多い。

対象が健康な人かつ自由に選ぶケースは敵キャラかダークヒーローに多い。
敵キャラとして出てきた場合は、大抵は強敵。アンデッド属性が付いているかは作品による。

  • 『死神』(落語)
他者の寿命を知る方法を死神から教わった男が主人公。
「命のロウソク」という典型的な造形はこの辺りから広まったものと思われる。
……もっとも、「この話の素案はグリム童話『死神の名付け親』では?」と言われており、『命のロウソク』の初出は確実にグリム童話の方である。

  • 『サラリーマン死神』
水木しげるの連作短編。魂回収のノルマを果たせない死神が魂を獲るために悪戦苦闘する。
ここに出てくる「骸骨顔の死神」は水木作品の常連で、『河童の三平』では主役の命を貰うためしつこく付きまとうなど活躍(暗躍?)している。

  • 『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズ
頻繁に登場。
原作ではねずみ男の兄と偽って彼を味方に引き込み、また魔女鬼太郎の母親に化けさせて鬼太郎親子に接近、策を巡らせ彼らをあの世送りにして妖怪世界を支配しようとしたが、返り討ちに遭った。
アニメ第2作では『サラリーマン死神』をストーリーに取り込み、ノルマ未達のために死神世界を追放された「42号」が様々な妖怪と結託して鬼太郎ファミリーと対立。ちなみに「青子」という名前の妻と「骨太」という名前の息子がいる。
アニメ第3作第4作では、原作に近くなったが差異もあり、前者ではねずみ男の兄ではなく父を騙った。後者では結託する相手がヒ一族の巫女となり、ねずみ男を通じて目玉おやじ、砂かけばばあ、子泣きじじいを騙して魂を奪おうとしたが、鬼太郎によって倒される。
アニメ第5作では「99号」という死神が登場。妖怪横丁で妻の青子と息子の骨太と共に暮らしている。大往生の老婆の家族に情が移ってしまう、事故で死ぬはずの親子を助けてしまうなど死神にあるまじきお人(?)好しだが、それが災いしてか勤務成績は悪く、上司にしょっちゅう叱責されている。
また、同シリーズではハワイからやってきたマヒマヒ*3という悪徳死神も登場。人間を騙して魂を回収し、そのまま逃げようとする。
アニメ第6作では、隠れ里に送られた子供達の魂を収穫しようとした。隠れ里を庇護していた人面樹をも斬りつけるが、鬼太郎に敗北。

他にもしばしば登場しており、水木作品の常連的なキャラクターとなっている。
ただし、水木しげる作品に登場する死神すべてがこのしゃれこうべ型とは限らず、毛むくじゃらの獣のような死神や、厳めしい長面の老人の者もいる。
項目冒頭のセリフを発したのは後者の厳めしい顔つきの老人で、死後の世界を説く彼のセリフは一つ一つが重い。

骨の馬に乗り長槍を持ったガイコツ男。水木しげる作品のようにノルマを課されたサラリーマンで、ゴンのとうちゃんを連れて行こうとするも毎度のように阻止される。彼の登場時には専用のテーマソングが流れる。

『ジャンプ』の死神の歴史の元祖。
「死神=役人」みたいなイメージを広めたのはこの作品かもしれない。

死神の落としたノートを巡る話……だが、ぶっちゃけ本作における死神はリュークをはじめ脇役
「死神のルール」のため、あまり現世に干渉できないのもあるが。
「デスノート」を用いて人間を寿命より先に死なせることで、その差分が自身の寿命にプラスされるという性質を持っている。
だが、別段死神としての仕事や使命などをより上位の存在から与えられているわけではなく、飲食などの行動も生命維持には不要*4
そのため、本作における死神は自ら積極的に動くことは稀で、ただ「死にたくない」故に漫然と人間から寿命をもらって日がな一日博打などで暇を潰すという、怠惰な種族である。
むしろ下手に人間を殺して寿命を稼ごうとすると「何必死になってんの?」と馬鹿にされるらしい。
とはいえその性格は様々で、所有者を命懸けで守ろうとする慈悲深い者も、ひたすら人間の運命を弄び快楽に浸る残忍な者もいる。

239話『死神の巻』に登場。
黒ローブを着て鎌を持ったメガネっ娘の姿をしているが、ぬ~べ~に死期を知らせただけでフェードアウトしてしまったやや残念な死神。

人間界で死んだ魂が辿り着く、作中における所謂「あの世」である「尸魂界」(ソウルソサエティ)の住人が就く職業の一つ。
詳しくは個別項目へ。

「死神派遣協会」なる組織から派遣される、神と人の中立の存在。
協会は「回収課」「管理課」などの課に分かれており、現実の公務員のような組織体形となっている模様。
上層部から配布される「魂の回収リスト」に基づき、死亡予定者を審査してその魂を刈り取るのが仕事。

審査の際は対象の記憶を読み取る「走馬灯劇場(シネマティックレコード)」という能力を用い、対象がどんな人生を送ったかを確認する。大半の人間はこの時死期を迎えるが、ごくまれにその審査対象がこの世にとってまだ有効で生かしておくべきだと判断されれば魂を取らないこともある
所有する死神の鎌(デスサイズ)は許可さえ下りればカスタマイズが許されており鎌と言いながらもチェーンソーや高枝切りバサミ、果ては芝刈り機型まで存在する
その正体は、自殺した人間。また全員が近視で眼鏡をかけており、目が黄緑色に光るという共通点がある。

ラノベ版『死神くん』。

さまざまなタイトルで中ボスとして出てくる死神。シリーズ通して強敵。
ファンの間では「様」付けで呼ばれることがあるほど。

基本コンビで活動している。コンビの名前がどれも変?それは上司の趣味だ!
姿は人間に近いが、背中には飛行用の白い羽があり(ただし半人前は生えていないためレプリカを着ける)、変身能力や短時間の実体化能力を持つ。
主要キャラの所属する小児科の死神は比較的明るい者が多く、子供を相手にするために動物の耳としっぽが生えており、動物のマスコットに変身することができる。
実はこの世界の死神も『黒執事』同様自殺者の成れの果てで、半人前の死神が生前の記憶を取り戻すと幽霊になりこの世を彷徨うことになる。
そして、ヒロインの前に現れた死神の正体は……。

  • 死神(『女神転生』シリーズ)
真・女神転生デビルサマナー~悪魔召喚士~』から種族の一つとして登場。
DARK-NEWTRAL属性に位置し、同傾向の悪魔たちの中でも格が高い。
神話において「死」の事象にまつわる神々が属しており、
  • 自殺者の魂の導き手「イシュタム」
  • 非常に賢明とされるヴードゥー教の死神「ゲーデ」
  • 巨大な姿で現れるローマの死の神「オルクス」
  • カナンの死と乾季の神「モト」
など、命を奪うものだけでなく、導き手・仲介者・季節事象の擬人化をルーツに持つものなど、バリエーションは決して一辺倒ではない。
『デビルサマナーシリーズ』ではDARK悪魔ではあるが、全員が悪魔合体の結果か、隠しダンジョンという極めて限られた場所でしか出現しないなど、LIGHT悪魔に近い扱いを受けていた。
他には死神の姿で現れるペストの擬人化・悪霊「マカーブル」や、万人に等しく凶事と死を撒き散らすものだが、死神とは違う立ち位置の「魔人」に属する黙示録の四騎士たちもバリエーションに加えられるかもしれない。

単なるゆうれいの上位種。ぶっちゃけ雑魚で、名前負けしている。
それでも『ドラゴンクエストビルダーズ2』では、夜遅くまで探索に手間取るビルダーを狩ったり、家畜の命を狩りに来てしまったりするペナルティキャラとして登場する。
意図して倒す気が無いなら、夜になったら大人しく寝よう。クリア後であれば、出現そのものを抑制することもできる。

破壊女神サイヴァの遺体の骨から生まれた三柱神の長兄。
SFCではテンプレ的死神、ミンサガでは武装した骸骨系のケンタウロスといった感じ。
性格は外見に反して穏健で、無益な殺生は好まずアンデッドが地上で幅を利かせないように見張る側。
大昔ではマルディアスの光の神々と戦っていたこともあったが、のちに無益な戦いに辟易し和解した。
自分の虚栄心や憎悪のままに動く弟のサルーインのことは快く思っておらず、サルーインが過去にソウルドレインで地上の魂を乱獲するという愚挙に出たときはそれに怒って人間たちに封印方法を教えている。
それ以降は冥府の管理や生命の循環を切り盛りする仕事を実直に遂行するなど、光の神にして自分の兄弟ともいえるエロールと友好関係を築いている。そのため、収穫祭の感謝対象など市井一般の人にも信仰される神となっている。

  • 死神(『風来のシレン』)
壁抜け+倍速+二連撃で数多くの風来人を屠って来たトラウマメーカー。
こちら側が変身すれば上記の能力をすべて使えるので、緊急回避形態としての顔もある。

ショップの番人をしている「店の番人」、宝箱から突然出現する「宝の番人」、
そして一フロアで規定数ターンを経過するか泥棒行為をすると出現する「命の番人」の3種が登場。
いずれもプレイヤーにとってのトラウマメーカーだが、熟練したチョコボなら吸血属性のツメや「いのちの実」などで絶好のカモにしてしまえる。

市役所の使いなので「し」の使い。違うそうじゃない
大鎌を持ち宙に浮く少女であり、魔物同士のトラブルの仲裁を仕事にしている。なお非正規雇用
8方向一度に攻撃する範囲攻撃を持つが、耐久が低いのが弱点。
主人公の評判を高めた状態で、彼女の好感度をMAXにすることで仲間になる。

フィクション界一多忙な死神として有名。プレイヤーからは過労死しないか心配されている。
ざんねん!! わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

独自のシステムで人気を博し、2020年に最新ゲーム機にまさかの移植を果たしたモンスター育成ゲームに登場する。
モンスターファーム2』から初登場し、ピエロのような仮面、凶悪な素顔、実態のあいまいなマント状のいでたち、不気味な笑い声、そして巨大な鎌……と、いかにもな符号が盛り込まれている。
成長適性通りに育てるととても伸びやすい「命中」「かしこさ」に対し、「回避」「丈夫さ」が低くなりがちなので、「KOされる前にKOする」戦いを得意とするモンスターに育ちやすい。
潜在能力は高いが、ブリーダーに対して素直には従いにくい・寿命が短く育成期間が取りづらいといったハンデも強いため、本当に強くするなら経験や資産の貯えが不可欠。
また、デビュー作では上位グレードのライバル選手としても登場し、トップクラスの命中と優れた技性能で、回避型で横着をしてきたブリーダーのモンスターを数多く葬ってきたことでも有名。
防御面は弱いので適当に技を振ったらうまく当たって倒せることも多いが、わかっていても開幕先制攻撃をされるので……詳しくはこの項目も参照。
PS2版以降では、ピエロ風のメイクは薄れて背中に大きなコウモリの翼を生やし、「悪魔」の面を強めたデザインになっている。

黒い不定形の身体に髑髏の仮面をつけた姿で、デスサイズを武器とする。
死神武器職人専門学校の創始者でもあり、校長を務めている。
鬼神を封印し抑えつけるために身体と魂をデスシティーに固定しており、外に出ることができない。
昔は恐ろしい仮面をつけており言動も物騒だったが、子供に泣かれたために今の軽いノリになった。
その実力は本物で、絶対的な神のように扱われることも多いが、本人は「そんなことはない」と否定している。

閻魔四季映姫・ヤマザナドゥの部下にあたる。
三途の川の渡し守として死者の魂を冥界へ連れていくのが役割だが、非常にマイペースでサボり魔。
彼女への渡し賃の額によって三途の川の距離が決まり、支払えなかったりけちったりした者は船から放り出されてしまう。
ちなみに伝承では「冥府の川とその渡し守」というのは割とよく出てくるが、小町本人は渡し守専任で死者を迎えに行くことはせず、寿命を超えて生きようとする仙人の命を奪う役目も別の死神が行っている。

『死んだ私は…』シリーズに登場。
外見は黒装束を纏った骸骨で、東京では特別区ごとに担当死神が居るという。
この作品の他のエピソードに出てくる人外キャラ同様、怖さや強さといったものは感じられず、亡者に振り回されまくっている始末。それでいいのか。
ちなみに死神業を引退して別の職に就いても構わないらしい。

「あの世」に存在する職業および種族。
「霊を輪廻の輪に乗せ転生を促す、地縛霊は成仏させたうえで促す」実動タイプの死神と「あの世で人間の寿命や死神の仕事の管理といったお役所仕事を行う」という「記死神(しるしがみ)」が存在する。
他に「生きている人間を輪廻の輪に乗せてノルマを稼ぐ」存在である「堕魔死神(だましがみ)」という悪徳死神もいる。
仕事は黒猫の獣人、半獣人風の種族・黒猫族のサポートを受け、鎌だけではなく時には「死神道具」なる便利グッズも用いる。

五胡十六国時代の志怪小説集『捜神記』の一節。
徐隗に死期を告げる二人組が登場し、甥の徐泰に免じて同名の別人を連れて行った。
なお、『捜神記』には他に鬼(この場合は「霊魂」の意味か)が迎えに来て容姿が似た人を身代わりにする話も収録されている。いずれも容姿は人間と変わらない様子。
余談だが平安時代の『日本霊異記』にも閻魔の使者が別人を連れて行く話があり、『水木しげるの日本霊異記』では上記のサラリーマン死神がキャスティングされている。

本作では死神は死亡フラグを司る設定になっている。容姿は人間と変わらず。
死神No.269は優しすぎるせいで魂を回収するどころか助けてしまうので、死亡フラグを回収できるように作られたプログラム、モブ男を相手に練習の日々に明け暮れている。

擬人化されたクマが登場するばかりか、無生物さえもごく当たり前に人語を話すなどファンタジー要素もありつつ、親の離婚やその死など、児童文学としてはかなり重い内容も描いている本シリーズにも登場。
表記は「死に神」で、何にでも変身できる能力を持つ。
後に、その力でピーナッツになった状態のままパパ(主人公であるママの元夫)に食べられるが、彼の体内に入ってからはその心臓に何度も「シニガミ」というサインを記し、ついには死に追いやった。

  • 死神(『光神話 パルテナの鏡』)
主人公ピットに立ちふさがる冥府軍に所属する敵である。普段は死者の魂を回収し冥府に送り届けている。
ゆっくりと徘徊しているが、ピットを見つけると特徴的な声で騒ぎながら子死神を呼び出し攻撃してくる他、作品によっては鎌による攻撃も行う。
新・光神話パルテナの鏡』においては、巨大化し視線がビームの如き威力を持つ「ビッグ死神」がボスとして登場。魂をつまみ食いして強くなった死神達の長老的存在らしい。

  • グレッグ(『Conker's Bad Fur Day』)
死を与えたり寿命を管理するのではなく、本作の世界観では生と死の境を管理する役割になっている。
普通、生物は死ぬと冥界に送られるのだが、一部の生物は何度か生き返ることができる特例があるという。
主人公のコンカーもその1人であり、それすなわちアクションゲームにおける1UPシステムを世界観に取り込むために必要なキャラクターである。
姿かたちは西洋の伝承に準拠しているが、やけに可愛らしい声かつ、伝承のそれとはかけ離れたコンカーと同等の低等身であるため、
威厳もへったくれもないことからコンカーからも本当に死神なのか疑ってかかられていたが、
「あんた死神という生き物をその目で実際に見た事があるのか? 知りもしないのに理想像をオレにぶつけるんじゃない」といった内容の鋭い指摘で返すなど、死神という存在がもしも実在していたらを仮定したかのようなユーモアを交えた会話が特徴的。
ちなみに雇われらしく、安月給でこき使われているため愚痴をこぼすなど時折妙に俗っぽく、死神という仕事を除けば本当にただの鎌とローブを装備しただけのスケルトン。
何度も生き返るコンカーのような特例に関しては、仕事が面倒だからという理由で特に当たりが強く、ましてや生死がハッキリしないアンデッドは大嫌い。
死神という存在から超常的要素を取り払ったらどうなるかを表現した一例と言えるだろう。

  • 死神(『ドカポン』シリーズ)
作中における恐怖の連れ去り人。
初期の頃からエネミーとして登場したり、あるいはシリーズ通してカウントダウン後に即死するステータス異常を表現するシンボルとしても出てきているが、最大の出番は『ドカポン!怒りの鉄剣』以降の、死亡時のお迎えだろう。
本シリーズでは原則的に、敵を倒せば金品をもらえて、それはプレイヤー相手でも同じであるため奪い合いが勃発しやすく、逆に言うと負ければ金品を奪われるということである。
この時、天使がお迎えとして来た場合はペナルティもそこまで重すぎることは少ないのだが、
死神がお迎えに来ると所持金や所持品をまとめて没収されたり、貴重な装備やその他資産をゴッソリ奪われたりと重大なペナルティになることが多い。
RPG+ボードゲームというジャンルであることから、移動がうまくいくかどうかは戦術を左右するため場合によってはペナルティ覚悟でわざと死んで拠点に戻るいわゆるデスルーラも一つの手ではあったのだが、そこに死神という特大のリスクがついて回るようになったことで安易に死ぬわけにはいかなくなったのである。

  • しにがみ(すれちがい伝説Ⅱ)
モンスターの一人として登場。
バトル開始時に呪いの雲を出して、やってきた勇者を一定確率で撤退させる能力を持つ。呪いの雲は晴れのくすり(ゲームコイン2枚)を使うことで消すことができる。
しにがみはよろい系列の敵と同じでダメージを1軽減するが、剣だけでなく魔法のダメージも軽減する効果がある。白魔法が弱点に指定されており、使用すると通常の赤、青の魔法攻撃×1.5倍分のダメージを与えることができる。
まふうじの雲で魔法を使用不可にしてくるしにがみ隊長
呪いの雲に加えて回復の魔法で他モンスターを回復させるしにがみ大臣
呪いの雲に加えて復活の魔法で他モンスターを蘇生してくる上、防御力も2になったしにがみ将軍。といった亜種も存在する。


通り名としての「死神」

死神の「死をもたらす者」「死について回る者」という印象から、フィクション・ノンフィクション問わず人の死に深く関わる者の通称として用いられる事がある。
性質上、歴戦の軍人・闇の深い医者といった人物に多い通称である。
現実でもこの人とかこの艦あたりが有名だろう。

余程ファンタジーに振っているのでなければ日常もので死神の通称を持つ者は皆無である。
その手の作品で一キャラが呼ばれる場合も「死神」より「疫病神」などの別の言い方の方が多い。

軍人の場合は概ね「恐ろしく強い者」か「戦場から一人だけで生還する者」の2パターンに大別される。
いずれにせよ、大抵は畏怖もしくは忌避の意味で呼ばれるため、素直な賞賛として死神と呼ばれる者は少ない。

推理小説など必然的に死人が多数登場する作品では、殺人事件に頻繁に出くわすため主人公が作品内外問わず死神呼ばわりされることが多々ある。
警察が主役の作品と違い、推理小説の場合は事件に巻き込まれる展開がほとんどのためである。

また現実でも、臓器移植目的で事故死した人の遺体を回収に現れる医師も死神と呼ばれる事があるという。

途中からリガ・ミリティアに合流したシュラク隊の追加メンバー。
リガ・ミリティアに参加したのは元々所属していた連邦軍のバグレ隊が全滅したためで、それ以前に所属していた部隊も全て全滅しているために「死神」と呼ばれていた。

主役である5機のガンダムの一つ、ガンダムデスサイズのパイロット。
戦争孤児で、「奇跡は見た事が無いが、死体は沢山見てきたから」という理由で神はいなくとも死神はいると考えており、自身を保護してくれていたマックスウェル教会が連合とゲリラの戦闘に巻き込まれて焼き払われた事件などから、自ら「死神」を名乗り始めた。
搭乗するガンダムデスサイズも、黒を基調としたカラーリングやビームサイズ(鎌)、ハイパージャマーによる闇討ちを基本とした戦法などから、敵対するOZの兵士たちからはまさしく通り名の如く恐れられ、「ガンダムを見た者は生きて帰ってこない」というジンクスまで生まれた
なお、乗機であるガンダムデスサイズのネーミングは「death」(死)と「scythe」(鎌)から来ており、元々死神由来で名付けられたという。

モビルスーツのパイロット。
所属部隊が全滅し彼一人だけが生き残るというジンクスを持ち、それ故に「死神」と呼ばれ周囲から疎まれている。
本人も非常に気にしているが、後に主人公らの活躍により克服する。

ISAFの圧倒的不利を覆した恐るべきパイロット。
当初はISAF空軍のパイロットの一人に過ぎなかったが、次第に敵のエース部隊である「黄色中隊」の隊員さえ撃墜する程の腕を身に付け、いつしか敵国から「死神」とまで称されるようになった。
なお、メビウス1は部隊章に因む「リボン付き」というもう一つの通称も持っているが、劇中で「リボン付きの死神」と呼ばれたことは一度も無く、これはあくまでプレイヤーからの通称である。

  • リーパー(『エースコンバット インフィニティ』)
多分にメビウス1のオマージュを含むキャンペーンモードの主人公。
ボロボロの外套を纏い、手に大鎌を持った骸骨というオーソドックスなタイプの死神のパーソナルマークと「リーパー(死神)」のタックネームを持つ。
数々の作戦で多大な戦果を挙げていく内に敵軍から恐れられ、友軍の地上部隊からは「死神の足元は安全地帯だ」と多大な信頼を寄せられるようになる。
後に所属部隊の隊長に就任すると共に、同僚のパイロットによってパーソナルマークに「エースパイロットの証」となる無限大のマークが描き加えられ、赤い∞マークを頭に付けた死神、即ち「リボン付きの死神」となった。
敵からではなく、友軍から信頼の意味を込めて「死神」と呼ばれる珍しい人物である。

ブラック・ジャックとは基本対立しているが、時には協力する事もある医者。
かつて軍医を勤めていた時の経験から安楽死を是とする信念を抱くに至り、こっそりと安楽死を請け負う事から「死神の化身」の異名を持つ。
「何としてでも患者を救おうとするブラック・ジャックに対して、患者を安楽死させる医者」という点ばかり強調されがちだが、 やたらめったら患者を死なせて回っている訳ではない。
キリコにとって安楽死とは最終手段であって、「患者に生きたいという意思が無い」「もはや手の施しようが無い」のでなければ、医者として患者の命を救うために手を尽くすこともまた信条としているのだ。

「黒い死神」の異名を持ち、自らも「孤独と絶望の神」を自称する決闘者(デュエリスト)で、切札勝舞のライバル。
闇文明、特にデーモン・コマンド中心のデッキ使用する。
他人を寄せ付けない雰囲気を放っており、冷酷非情な決闘(デュエル)により相手の心をへし折ってしまう。
ただし、言動こそ物騒なものの無闇な殺生を好むような悪人ではなく、時には勝舞の助太刀に入ることすらある。

幼い頃から孤独に生きてきた彼は1人の男と仲間たちと出会い、デュエルの楽しさを知る。
だが、ある日突然その男はザキラに仲間を売り渡し、黒城を除いて全滅。
信じていた存在に裏切られた黒城は深い絶望と憎悪を抱き、死神として孤独に生きることを選んだ。
その男はデュエルによって殺害しているが、悲劇の黒幕であるザキラへの復讐も誓っている。

推理ものの性質上仕方ないが、 偶然に殺人事件に高確率で居合わせる ことから読者から死神呼ばわりされている。
当初は小五郎をそう呼んでいたが、後に小五郎が居なくても(しかも明らかに彼以上の頻度で)事件現場にいることが多いコナンに対して、「死神は君の方だった様だな」などと、遂には目暮警部にまでそう思われるようになってしまった。
見た目は子供なのにそんなことを思われるほどの印象とは……。
コナン達の他にも、登場回数は少ないが毎回勤め先で事件が発生する家政婦もいる。
また「死神」繋がりでは『死神陣内殺人事件』というアニメオリジナルエピソードもある。

マルノウチ・スゴイタカイビルにおけるニンジャ同士の抗争に家族ともども巻き込まれ一度死に瀕するも、ナラク・ニンジャのニンジャソウルが憑依する事によってニンジャスレイヤーとなって復活した、ネオサイタマの死神。
復活後は妻子を殺めた悪しきニンジャに復讐すべく、地獄の戦士となって数多のニンジャ達にイクサを挑んでいく。
作中でカラテモンスターだの冥府魔道カラテ戦士だのと度々物騒な二つ名で呼ばれるが、それは伊達ではなく、実際強い。鬼のように強い。ニンジャだけど。
「アイエエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」のフレーズでお馴染みのニンジャ・リアリティ・ショックを、フジキドに遭遇したニンジャの方が引き起こすと考えるとその凄まじさが分かるだろう。
また、個性豊かな登場の仕方を披露しており、蕎麦屋から蕎麦をすすりながら現れたり、敵ニンジャが乗り込んだタクシーの運転手をしていたり、川上からどんぶらこと流れてきたりとバリエーションは豊富。あと、やきうもめちゃくちゃ強い。

江戸の一大殺し屋組織「寅の会」の監視役を務める男。
外道仕置や「寅の会」を通さない仕置など、組織の掟を破った仕置人に対する粛清や警告をするのが役目。
仕置の際は顔を遮光器で覆い、紐付きの銛で始末する。
その強さや掟に忠実な厳しさ、人間らしさのない無表情で訥々とした語り口はその名の通り「死神」。

同名のシリーズに登場する主人公。
自身を「死神」であると語り、「世界の危機」に対応して現れ、その元凶となる「世界の敵」を殺すために行動するという。
自動的な存在であり、殺す理由はひとえに「世界の存続に必要だから」で、それ以上の理由は存在しない。
ただし、冷徹な性格かというとそうではなく、達観した面こそ多々見受けられるが、時には感情的になったり、イタズラじみた所作を行うことも多かったりする。
武器は極細、および超硬質のワイヤーで、これを自在に操ることで敵対する存在をバラバラに寸断する。

作中において世界最高と称される殺し屋
誰も顔を知らず、誰も名前を知らず、しかしその腕前だけは誰もが世界一と認める謎多き存在。
世界中の腕っこきが集まっても殺せない殺せんせーを暗殺すべく、密かに行動を開始するが……?

太平洋戦争で活躍した、大日本帝国海軍陽炎級駆逐艦8番艦。
大戦を通して複数の大きな作戦に参加しては戦果を挙げつつ終戦まで生き残り、大きな損傷を受けたり乗員に死者が出ることもほとんど無かったりしたことから「奇跡の駆逐艦」の異名を持つ。
海軍内では同じ幸運艦の時雨と共に「呉の雪風、佐世保の時雨」と人気だった武勲艦で、「運だけでなく日頃の訓練の賜物」と同僚たちに称えられたほど艦長や乗組員たちの実力も高かった。
しかも戦闘や護衛や輸送任務で100回以上出撃し、9割近くは雪風だけでなく同行した仲間も無傷
忙しく大海原を駆け回る中で偶然遭難船や遭難者を見つけて救助したことが何回もある、正しく幸運の女神………だったが、さすがに小さな駆逐艦一隻で日本全体を守り抜くことはできず、戦争に負けると日本海軍の船が悉く沈んだ中で雪風は無傷だったことから、 「結局雪風だけ幸運だった」から始まって「周りの運を吸い取った」との偏見に晒された挙句、「死神」のあだ名で呼ばれるようになってしまった。
遂には「雪風が無傷な反面、雪風以外の艦が損傷したり轟沈したりする事態が多発したため、友軍から死神と呼ばれ嫌われていた」という、実際の雪風とは正反対の作り話までされる始末に
この「一人だけ生き残るので仲間に嫌われた」と言う類の話は、普段アニメやゲームの本を書いている作家たちが2000年頃になって書いたものなので、十中八九これこれが元ネタだろう。
本人(艦)は死神と無縁な功績やエピソードばかりなのに、敗戦や後年の創作によって死神とみなされるようになってしまった稀有な例。

ちなみに敗戦後、復員輸送に従事していた雪風は、引揚者に「とても綺麗な船ですね。日本が負けたのに、この船は一体どこで戦っていたのですか?」と責められたことがあった。
雪風はその幸運故に「一緒に戦った仲間」云々どころか「戦ってすらいない」と誤解されたのだ。作り話の遥か上をいく悲惨な実話である……。

冬戦争で活躍したフィンランド陸軍の「歴史上最も多くの人間を射殺した」記録を持つ凄腕スナイパー。
300m以内なら確実にヘッドショットを決められる 等といった超人的腕前により、旧ソ連軍から「白い死神」と呼ばれ恐れられていた。
スナイパーとしての腕前が有名だがサブマシンガンでもかなりの使い手でもあり、公式記録で200人以上、一説には542人(=狙撃で射殺した人数)以上倒したとも言われる。
詳細は個別記事を参照。

文字通りただの黒いヘイホー。だが、その異名は「しにがみのヘイホー」
その理由は項目を参照。

カラースプラッシュやオリガミキングでもちょっとだけ出演している。

ステルスアクションゲーム「HITMAN」シリーズの主人公にして世界最高の暗殺者。
暗殺者として世界各地で多くの命を刈り取っているが、一般市民として振る舞う時は組織から与えられた「トバイアス・リーパー(死神)という偽名を使う…英語圏では怪しまれないのだろうか?*5
本人はその偽名を気にしている様子はなく、「敵対的企業買収のプロ」「リタイアメント産業に従事している」とキリングジョークをかましたりもする。
また彼が多くの人の死に関わっている事は一部の勘の鋭い者は何となく感じ取っているらしく、「他の誰よりも死を知っている気配がする」「ここはお前の場所ではない、死は歓迎されていない」などと言われたりする。

  • EF64形1000番台・EF81形(双頭連結器装備車)
JR東日本が保有する電気機関車の両形式には、電車との連結を可能とするため双頭連結器を装備した車両が存在する。
廃車となる電車は本形式と連結して解体先まで運ばれるため、いつからかファンの間で「死神」と呼ばれるようになった。
尤も、これらの形式は工場へ入出場する電車や気動車、新津の車両工場で落成した新車も牽引するため一概に死神とは言えないのだが。
本形式の代替として牽引用電車のE493系が2025年から運行を開始しており、今度はこの形式が死神と呼ばれる日が来るのだろうか。




追記・修正は死神に死を告げられる前にお願いします。

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最終更新:2025年03月31日 19:44

*1 ただ、元来はヴァルキュリアも死神としての性格が強かったらしい。

*2 以後彼らは「門神」として親しまれる。

*3 ハワイ語で魚の「シイラ」を指す。ちなみに現地では高級魚と見なされている。

*4 リンゴチョコレートバナナを嗜好品として食す者もいるが。

*5 実際、ニューヨークでのミッションで自ら「リーパー」と名乗っているが相手は全く怪しまなかった。