マイティ(ボンバーマンジェッターズ)

登録日:2019/3/30 Sat 5:40:00
更新日:2025/02/05 Wed 12:40:21
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大丈夫だよ シロボン



マイティとはボンバーマンジェッターズの登場人物の1人。CV:高橋広樹


◆概要

シロボンの兄であり、ジェッターズのリーダーを務めた、人呼んで”伝説のボンバーマン”。
17歳にしてその極めて優れた実力と人格から人々から慕われ、尊敬を集めていた。

伝説のボンバーマンの通り名は伊達ではなく戦闘力は折り紙つき。回想まで含め劇中でもトップクラスなのは間違いないほどで、諸々の描写と事情を考えると実質トップと言っても過言ではない。
主な技は「サニティボム」、「ファイヤーボム」。
もちろん他のボムも一通りは使えるようで、アイスボムなどはシロボンとマイティで威力に大きな差があるなどそのどれもが強力である。

人物としては誰よりも強く、優しく、真面目な男。
精神面も立派だったようで、相棒であるバーディ曰く「ジェッターズのリーダーであるという自覚からどんな時も弱音を吐かなかった*1」という。
まさしく完全無欠のヒーローといった感じで、弟のシロボンにとっても優しくて強い憧れのお兄ちゃんであった。
……ただし彼を良く知る人達から見れば、少しだけマイペースで天然な所もあったようだ。「ミスティ、泥棒と盗賊ってどう違うの?」

そんな彼がヒゲヒゲ団との戦いで行方不明になってしまった所からシロボンの物語は始まる。
終盤までは過去の回想での登場がメインとなるが、間違いなくボンバーマンジェッターズを通して最大のキーパーソンである。



◆劇中での活躍

第1話「憧れのボンバーマン」で登場。
ジェッターズとして宇宙にひとつしかないコスモダイヤを護衛するためボンバー星に来ていた。
しかしヒゲヒゲ団にシロボンを人質にとられコスモダイヤを要求された際に、ムジョーが威嚇のつもりで持ちこんだ熱線砲が暴走したことで攻撃を受けてしまいバーディ共々負傷。
シロボンと再会の約束をしてボンバー星を去って行った。
その後は負傷したバーディの身を案じたのか怪我を隠して任務を続行し、最終的にヒゲヒゲ団のアジトに乗り込みその破壊に成功するもマイティはそのまま行方不明になってしまった。

以降は過去の回想やシロボンの思い出の中でちょくちょく登場するのみとなっている。かつての彼の言葉はシロボンを助け、たまにシロボンを追い詰めたりもする。


















「俺がマイティを殺した」

◆謎のボンバーマン"マックス"

バグラーに雇われた凄腕の宇宙盗賊。
性格は冷徹な一匹狼と言った所で、同じヒゲヒゲ団のムジョーに協力するどころか囮に使うほど。
マックスが現れてからジェッターズ(とムジョー)は出し抜かれる事が多くなり、前期のライバルキャラにして宿敵といったボンバーマン。
利き腕こそ逆だがボムの投げ方がマイティそっくりであり、シロボンとマイティしか知らないはずの"風船ボム"を使用した事でシロボンに記憶を失ったマイティではないかと疑われる。*2
またバーディもマックスのボムを見た際にマイティとの関係を疑っており、任務を抜け出しては独自で調査を進めていた。

そしてバーディは情報屋ナイトリーやヒゲヒゲ団のムジョーなどの協力を得て"マイティはあの日アジトを破壊したが脱出できず爆発に巻き込まれ死んでしまった"という真相に辿り着く。
またマックスからも「俺がマイティを殺した」との発言が飛び出し、こうして1話から行方不明だったマイティは既に死んでいる事が判明する。*3
兄が死んだという事実はシロボンに大きな傷を残す事となった。

その後はマイティの仇であるマックスとジェッターズの決戦の末にマックスが敗れ『ボンバーマンジェッターズ』の前半は終わる。
謎のゴミ捨て場に捨てられるマックスと思わしき物体という意味深な引きと共に。






















「僕は…マイティ…?」








◆記憶喪失のアンドロイド"ゼロ"

マイティと因縁のあるミスティに拾われた謎のボンバーマン。
記憶喪失で自分の名前も分からなかったが、パーツの製造番号に0と付いてたのでミスティにゼロと命名された。
見た目はマックスと瓜二つ。顔の右半分が機械に置き換わっているがほぼマックスで、実際にシロボン達にも記憶を失ったマックスだと思われていた。

その正体はマイティを元にメカードが作った人造ボンバーマン"MA-0"。
元がマイティなのでボンバーマンにしか投げられないボムを投げる事が出来る。ボムを投げる時の利き腕もマイティと同じ。
このボムを投げる機能を作るためにメカードはマイティを解析しボンバーマンの秘密を手に入れたのだが、マイティの意識が目覚めてしまいメカードに襲い掛かったために廃棄された。
このMA-0を元に作られたのがMA-10(MA-X)なので、マックスのボムにマイティの面影が残っていたのだった。

ゼロの性格だがマックスと同じく冷酷…なんて事はなく、どこか抜けた所のある好青年であり、早い話がマイティそのまんまである。
一応マイティの事は隠し記憶喪失のままであると嘘を付いているのだが、シロボンにマイティの悪口を言われてムキになって反論してしまったり食べ物を食べられないのに美味しいお店を聞かれてオススメをいっぱい出してしまうなど詰めがものすごーく甘い。
しかし責任感が人一倍強いのは変わらず、マックスを自分の手で倒すべき相手として認識し動き始める。
























「マイティはワシらを恨んでおったか?」
「…それは、死んだ人にしか分からない事です」

「これが僕の最期だ。だけどシロボン、君にとっては始まりなんだ」
「泣くなシロボン、まだマイティとの約束は終わっていない!」

◆あの日の真実と伝説のボンバーマンの最期

マイティがヒゲヒゲ団のアジトで行方不明になったあの日。
まだ感情を持っていなかったMA-0はメカードの命令でマイティを襲撃し、致命傷を与えてマイティの戦闘データをコピーする。
しかし、MA-0はマイティの戦闘データだけでなくマイティの記憶と人格もコピーしてしまい、真のMA-0として起動した時にマイティとしてメカードに襲い掛かり、その後メカードに廃棄されて紆余曲折の果てに自らの記憶を取り戻してしまった。つまりマイティであると同時にマイティを殺した張本人でもある。

本人の記憶と人格を持つロボットは本人たりえるのか」というのはここで扱うには大きすぎる話だが、少なくともゼロにとっては違うようで、あくまで自分はマイティではないという姿勢を取っていた。
ただ頭で分かっていても割り切れるかは別のようで、シロボンやミスティの前ではちょくちょくマイティの面が出てしまっていたし、この結論自体がどこまでもマイティっぽいという…。

物語の終盤、ゼロはメカードのアジトでマックスをあと一歩の所まで追い詰めるも、シャウトを人質に取られた隙を突かれる形で相討ちになり、マックスは破壊したものの最後の抵抗で体を乗っ取られてしまう。
シロボンは1話のマイティの教えを思い出し見事にマックスの心だけを倒す事に成功するも、同時にゼロの中の大切な何かも死んでしまった。*4
自らの死が近づいてることを悟ったゼロは"僕の最期"としてある映像を映し出す。
ゼロがデータをコピーしてからマイティが死ぬまでの数分間、ゼロにも分からない最期のマイティの姿だった。*5
そして伝説のボンバーマンの最期を記録した映像が終わる時、ゼロもまたその機能を停止した。

こうしてマイティの記憶と人格を持つアンドロイドも全て機能を停止し、マイティという存在は今度こそこの世から消えてしまったのだった。



◆"伝説のボンバーマン"マイティ


おばあさん、七つ目のボムスターは無いんですね

真のボンバーマンになるには優しさが必要なんですね。シロボンに教えられました
…僕は、あんなに優しくなれない

伝説のボンバーマンと称されるマイティだが実は真のボンバーマンの証である7つ目のボムスターを持っていなかった。
周りに称賛される程にマイティに取ってそれはプレッシャーになっており、焦ったマイティは最後のボムスターを手に入れるために強くなる事だけを考え只管ボムの修行に明け暮れていた。

そんな時にジェッターズとして宇宙にひとつしかないコスモダイヤを護衛するためボンバー星に帰って来たのだが、そこでマイティが見たのは悲しい顔の女の子をたくさんのカラフルな風船で笑顔にしたシロボンの姿だった。
炎も氷も雷も飛び出さない、シロボンが「何の役にも立たない」と言う風船ボム。
しかしシロボンはそんな風船ボムで女の子を笑顔にしてみせたのだ。自分の弟すら笑顔に出来なかった伝説のボンバーマンの目の前で
自分にできないことを当たり前のようにやってのけ、楽しそうにボムを使うシロボンの姿を見てマイティは理解する。
真のボンバーマンになるには優しさが必要で、自分はあんなに優しくなれない。自分はボンバーマンには向いていないのだと。

一転、晴れやかな顔でそう話すマイティにはある決意があった。この仕事が終わったらもうジェッターズをやめてしまおうと。
皆の期待に応えるためにずっと頑張り続けた伝説のボンバーマンは皆が思う通り、他人に優しく強い責任感を持っていた。
ただ、皆が彼を思う程、マイティは自分の事が好きではなかったのだろう。



◆シロボンの兄"マイティ"

もし僕が死んだら、みんな僕のことを覚えててくれるかな……

その実態は完全無欠のヒーローどころか超が付く程のお人好しで抜けた所のある好青年。
度々敵対しているはずのムジョーに対しても気さくに挨拶をしてみたり、ムジョーに対してボムを投げる際も「手荒な真似はしたくない」と言ってみたりとお人好しというかもはやズレまくってる所もあった。
世間知らずな一面もありバーディからすれば目の離せない相棒だったご様子。

ちなみに大のお風呂好き。熱い湯に長湯する習慣があり、浸かってから最低100秒まで数えるのが兄弟風呂のルール。
なお途中でいくつ数えたか忘れた場合は問答無用で最初からである
「ちょっとジジくさかった……」「ジジくさいは無いだろ!」

そしてちょっとケチ。目覚まし時計が壊れた時も買い替えず修理に出すを3回も繰り返したほど。
肝心の目覚まし時計はマイティが早起きするせいで寝足りないシロボンが時計をずらしていたので別に壊れてなかった
またお使いの残りの小銭を子豚の貯金箱に貯めている。ちなみにシロボンが時々貯金箱から小銭をくすねていたのはマイティも知らなかった。何ィ!?

またシロボン曰く近所の駄菓子屋さんのお姉さんのことが好きだったそうで、シロボンをダシにしてよく駄菓子屋に足を運んでいたらしい。
本人は好意を隠せていたつもりらしいがシロボンにはバレバレだった(お姉さんにバレていたかは不明)。
シロボンも協力してマイティにコスモガムを買って来て貰っていたらしいが、そのお金はマイティの貯金箱からくすねたものである。
コスモガムの当たりの包み紙は星型に折ってお手製ボムスターとしてシロボンにあげていた。
……当たりを交換しなかったのは駄菓子屋のお姉さんに格好付けてた訳ではない決して。
「マイティはきっと後でまとめて交換しようと思って!」「ほらやっぱりケチじゃん」


ただシロボン以外に対してはその真面目さと責任感からか甘えたり我儘を言ったりは苦手だったようで、一緒に住んでいたボン婆さんですらワガママを言わないマイティの好き嫌いを知らなかった事を悔やんでいたほど。*6
兄弟であるシロボン以外マイティの事をほとんど知らなかった辺り、プライベートな部分を他人にさらけ出せないタイプだったようだ。
マイティは決して弱音を吐かなかったというより、弱音を吐けなかったが正しいのかもしれない。

また伝説のボンバーマンと呼ばれながらも自分にはあまり自信が無かったようで、死ぬ間際には「もし自分が死んだとして、みんなが自分の事を覚えていてくれるだろうか」と自信なさげに呟いていた。
アニメ視聴者も含めてみんな覚えているどころか、誰もが忘れられずに辛い思いをするというのは何とも皮肉な話だが。

伝説のボンバーマンと呼ばれながらもその実態は普通の青年であり、普通のお兄ちゃんだったのだ。



◆余談

  • 42話以降の主題歌「ホップ!スキップ!ジャンプ!」は2番の歌詞がマイティ視点だと言う話は有名。
    しかし第1話から使われている主題歌「僕は崖っぷち」の時点で期待にこたえ、みんなを守り、笑顔でこたえる辺りもマイティっぽい歌詞になっている。
    ……実は誰よりもギリギリで崖っぷちだったのも含めて。
  • ボンバーマンジェッターズのゲーム1作目『ボンバーマンジェッターズ〜伝説のボンバーマン〜』では主人公として登場。
    アニメの第1話の後から行方不明になるまでの間を描いているのだが、つまりマイティは第1話で負傷したままゲーム丸々1本分の戦いを戦い抜いた事になる。伝説のボンバーマンは伊達じゃなかった。
    放送中に発売されたこともあり若干の矛盾がみられるがそこは仕方なし。
  • 本作のマックスは目が赤いが、ジェッターズ以外のマックスは目が青い。
    役回りも違ってジェッターズにおいては宿敵であるマックスだがゲーム版などのマックスはクールな味方ライバルといった所。
    得意技のハイパープラズマボムについては長らくジェッターズのマックスしか使わない技だったが、現在はボンバーガールにて従来のマックスがモチーフと思われるグレイがスキルという形でハイパープラズマボムを使う。
  • ボンバーガールにはマイティをモチーフにしたキャラは登場していない…と思われていたのだがジェッターズのシロボンがモチーフであるシロンが実装された事で状況が一変。
    実はシロンの姉にあたるシロ(初期キャラの一人)にマイティ要素が混ざってる事が判明。プロフィールもよく見ると好きも嫌いもまったく分からない上でチャットボイス含め姉である事もまったく匂わせない徹底ぶりでマイティを知るマスターの胃に穴を空けて回った。
    ついでにシロの好き嫌いも妹がいた事すら知らなかったマスター達をバーディ化させた
    ボンバーガール稼働開始~シロン実装の2年間よくもまあ隠し通した物である。ちなみにシロンはボンバーガールになってお姉ちゃんと一緒にいるのが夢だったという爆弾発言でこれまたジェッターズを知るマスターの涙腺を爆破して回った。
    当のシロは主人公ではあるが「誰かのリーダー」でも「希望」でもなく頑張らなくても良いマイティとか言われている。憧れの人物相手にはしおらしいところも似ている。



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最終更新:2025年02月05日 12:40

*1 だから新リーダーになったシャウトも弱音を吐くな、という叱咤に使われた

*2 シロボン曰くボンバーマンはボムを遊び道具にしてはいけないと教わるので、ボムを風船にするなんてシロボンとそれを見たマイティくらいしかいない

*3 作中で明確に死亡が確認されているのは(合体ボンバーマンの撃破を死亡扱いしないのであれば)、『マイティとマイティの記憶を持ったアンドロイド(MA-0&MA-10)』のみ。つまり、4クール(1年)かけて『マイティの"死"』を演出し続けた事になる。

*4 MA-10(マックス)はMA-0のデータからマイティの記憶や良心などを排除した所謂マイティの負の面がベースであり、冷酷無比なマックスもまたマイティの一部なのである。

*5 映像では直接の死因は「アジトの中核を破壊した際に起きた爆発に巻き込まれた」と推定されるが、"サニティボム"を投げる前の段階で既に視力を失っていたため(生命が終わる時は最初に視神経が停止する、「死の間際に視力を失くす」という他の作品でも使われるほどメジャーな描写である。)、爆発に巻き込まれなかったとしても生きていたかと言われるとかなり怪しい。

*6 マイティはたこ焼きが好きなのだが、それを分かっていたシロボンと違って、結果的には合っていたが確証を持てなかったのがボン婆さん。