朱雀(幽☆遊☆白書)

登録日:2019/05/05 (日) 10:25:22
更新日:2025/04/16 Wed 07:53:59
所要時間:約 5 分で読めます





…………美しい音色だろう

お前の彼女の葬送曲にと思ったのだが

早かったね
ちょっと予定が狂ってしまった


オレが四聖獣リーダーの朱雀だ

滅多にない機会だ
自分の彼女が殺される様をゆっくり見るがいい


朱雀(すざく)とは、幽☆遊☆白書の登場人物の一人。



人物

妖魔街に立つ迷宮城を根城にしている犯罪組織「四聖獣」のリーダー。
外見は金髪の美男子で、四聖獣の中では最も人間に近い容姿をしている。
赤く染められた髪が垂れているように見えるが、これは触角。彼の発動する強力な奥義をコントロールするためのもので、彼にとっては命そのものでもある。
そのため普段はダイヤよりも固い黒甲冑で覆っており、戦いの間も常にガードしている。


言葉遣いは丁寧で、冷静沈着な性格。
詩的な表現を好んでいるが、かなりの悪趣味でもある。
幽助の大事な人が螢子だと知ると、自らの恐ろしさを思い知らせるために魔回虫で人間を操り螢子を惨殺しようとしていた。
自分の野望の達成のためには手段を選ばず、物事が予定通り進まない事を嫌う。
四聖獣のリーダーだが仲間意識は薄く*1、自分以外の全員がやられると「おろか者どもが…!!」と罵っていた。
鳥型のお喋りな妖怪・ムルグと一緒にいる事が多く、彼女によく情報収集を頼んでいる。


四聖獣について

四聖獣はとても危険な集団であるため、霊界は彼らが魔界から出られないように人間界との境に結界を張り、彼らを魔界へ閉じ込めている。
元々は迷宮城しかなかったが、そこにいつからか逃亡者が次々と集まるようになり、今では誰も入り込めない悪党達の巣窟となっている。
そこの住人は四聖獣の命令には絶対服従で、階級を上げてもらうために様々な犯罪を行っている。

魔界の扉編にて、飛影の「(魔界を)迷宮城のあった場所と同じに考えない方がいい」という発言があったため、
彼らのいた場所は魔界と言ってもきわめて人間界に近い、霊界の管理下にある領域であったと考えられる。


能力

四聖獣のリーダーだけあって他の3人とは一線を画す戦闘能力を持つ。
幽助との戦いでは、走るスピードに一瞬驚きつつも最初は右腕だけを使って相手をし、彼の猛攻を防ぎきっていた。
ただ、本来は近距離で放つショットガンを(全力だったとは言え)遠距離で受けても高確率で致命傷を負う程なので、耐久力はさほどない。
一方で渾身の霊丸ですら妖力を集中することで片手で弾き飛ばせるなど、技量は相当高い。
電撃を自在に操り、雷の力と妖気を合わせた強力な技を使う。無論電撃を手に纏わせたまま利用することも可能なため肉弾戦でもかなり強い。
雷そのもののエネルギーも吸収できるが、放出しすぎるとエネルギーの残量が減るので度々雷を落とさないとあまり多用はできない。
これらの技は前述の触角によってコントロールされており、これが傷つくと精度が落ちてしまう。


  • 暗黒雷迅拳
雷の力と妖気を合わせて妖雷波と呼ばれる闇のエネルギーを作り出し、それを帯びた指剣で攻撃する。
普通の人間なら触れただけで黒炭と化すほどの威力を誇る。
霊的な防御力のある者に対しても、かすっただけでも(幽助曰く)全身に猛毒入りの高圧電流を流されたような激痛を与える。

  • 暗黒妖籠陣
自らを7つに分ける最高妖術。
こういう分身系の技のお約束として「どれか1つが本物」「分かれた事で力が分散する」というのがあるが、
この技で増えた朱雀は全員が本物で、力も朱雀と全く同じである。
しかも全員に一度に致命傷を与えない限り、致命傷を負った者も含む分身を吸収することである程度回復*2・再度使用することができるため、何度でも復活する。
実際(原作のみ)中心の朱雀にだけ服に色が着いているが、この言葉通り、服が白い朱雀がショットガンから生き残って再度使用している。

  • 六獄暗黒雷光波/七獄暗黒雷光波
暗黒妖籠陣で分身した後で一斉に雷を帯びた矢を発射する技。
この矢は妖気でダイヤをも砕けるほどに硬質化しているので、1本でも食らえは死は免れない。
……と、朱雀本人は自負していたが、実際に食らった幽助はかなり大きなダメージを負いはしたものの生存していた(触角にヒビが入っていなければ致命傷だった可能性はあるが)。

  • 魔回虫の使役
虫笛を吹き魔回虫を自在に操る。
魔回虫に寄生された人間は破壊・暴力・殺害衝動が強力に引き起こされ、気が狂ったように周囲の人間を襲い始める。
寄生された人間を救うにはこの笛を破壊するしかない。
笛を吹く事で、寄生された人間をコントロールし、特定の相手を襲わせる事も可能。
魔回虫はこの虫笛がないと人間界では生きられない。
また、ある程度邪悪な人間にしか寄生できないため、かなりの数の虫が宿主を見つけられずに街をさまよっていた。
また、邪悪さが足りずとも抵抗力が劣る幼児などに無理に寄生して死なせてしまう恐れもあるという。


活躍


・霊界探偵編

長い間迷宮城のある魔界へ閉じ込められていたが、ある日霊界に人間界への移住権を要求する。
魔界と人間界の間には強力な結界が張られていたため、虫笛を渡す事を条件に結界を解くよう要求するも、拒否されたため虫笛を使い人間界に魔回虫を放った。

事件解決のために幽助達が乗り込んでくると、玄武・白虎・青龍が次々と撃破される。
だがムルグの報告で螢子の存在を知ると、彼女が殺害され苦しむ幽助の姿を見たいと思うようになり、虫笛を使って魔回虫に操られた人間達に螢子を殺害させようとした。
幽助との戦いでは、最初は彼の実力を侮り片手だけで相手をする。
幽助の霊丸も片手で弾き飛ばすが、拳に霊気を集中させて作った幽助の防御壁*3で暗黒雷迅拳を防がれてしまい、その直後に彼の反撃を受ける。

幽助の執念に敬意を表すると暗黒妖籠陣で7人になり、六獄暗黒雷光波で一気に勝負をつけようとする。
その攻撃で幽助を倒すと、「雪村螢子の心臓を喰うと誓えば、お前の魂を魔界で浄化し妖怪にしてやってもいい」と持ちかけるが、
彼の反抗的な態度にイラつくと螢子がなぶり殺しにされる様を彼に見せつけようとする。
だが螢子達は機転を利かせてピンチを切り抜け、幽助も幻海とのきつい修行の日々を思い出して最後の力を振り絞り復活。
もう一度雷光波を使い止めを刺そうとするが、エネルギーの残量が少なかったために不発に終わり、幽助のショットガンを食らい大ダメージを受けた。
しかし7人のうちの1人は急所が外れていたので、倒された6人から妖気をかき集め、再び7人となる。

今度は最大パワーの霊光波で幽助を葬ろうとし、死への餞に螢子の断末魔を聞かせようとする。
だがこれが仇となり、幽助は螢子を何としても救うために自身の生命力を燃やし最後の賭けに出る。
かつてない力が向かってくる事に動揺し、焦りながらも七獄暗黒雷光波で倒そうとするも、
1度目の霊丸で触角が傷ついていた事で雷を制御しきれず、彼の渾身のショットガンを受けて今度は全滅し、敗北した。なお、触角の傷に気付いたのは原作では敗れた後だったが、アニメ版では最初の七獄暗黒雷光波で幽助を倒せなかったことに疑問を感じた際に気づいた。

倒された時に虫笛は破壊され、最後には侮っていた「絆の力」に感服し、負けを認めてそのまま倒れた。


その他

ビジュアルの良さとその強敵ぶりもあってか、第一回人気投票では6位につけている。

当時スーパーファミコンで発売されたゲームは暗黒武術会編がメインの内容ながら、暗黒武術会に登場しないキャラの中で朱雀がただ一人登場を果たした。
暗黒妖籠陣の効果中に暗黒雷光破を使うと七獄暗黒雷光破にパワーアップする再現要素もある。
ただ、四聖獣編から一人だけ登場という特殊な立場からストーリーモードでは蔵馬と幽助が暗黒鏡で蔵馬の母を救った直後に稲妻とともに現れ、
過去にコエンマに捕まった恨みから部下の幽助と桑原を襲撃する脱獄囚 という設定改変を受けてしまった。
まあ、この場面は幽助の霊界探偵としての初仕事から左京による暗黒武術会への招待を一日で済ませる都合上、何もかもが少しずつ原作と乖離しているのだが。



「追記のプレリュードに修正の鮮血のワインを開けよう」

「この私の項目を荒らした愚かさを痛感するがいい」

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最終更新:2025年04月16日 07:53

*1 もっとも玄武は敗北後に白虎から「使いっぱしり」呼ばわりされており、その白虎も瀕死に陥った際には命乞いの甲斐無く青龍にあっさり処分されているため、蔵馬も言及していたように仲間意識が希薄なのは彼ら全員の共通事項である。

*2 後述の様に暗黒妖籠陣を使う前から僅かな傷がついていた触角は回復していないので全快するわけではないか、回復不可能な部位がある模様。ただしショットガンがたまたま急所から外れただけでクリーンヒットはしていたにも拘わらず吸収後はピンピンしていたため相当に回復しているとは思われる。

*3 幽助はゴム靴で電撃を防ぐように見せかけて、靴の内側に霊気を溜めていた。