幻海(幽☆遊☆白書)

登録日:2017/04/16 (日) 17:22:05
更新日:2022/11/08 Tue 00:09:37
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あんたはあたしを正義といったが
そんなつもりは全くないよ

たまたま嫌いな奴に悪党が多いだけさ


幻海とは、幽☆遊☆白書に登場するメインキャラクターの一人。

CV:京田尚子(若い頃は林原めぐみ)


人物

人間界でも5本の指に入るといわれている有名な霊能力者で、霊光波動拳の使い手。妖怪の間でも一目置かれた存在であり、「霊光波動拳の幻海」と呼ばれている。

主人公・浦飯幽助の師匠に当たる人物でもあり、彼が不真面目な態度をとる度に一喝しているが、師弟の絆は強い。

推定70歳前後。見た目は小柄なおばあさんで、髪の色は薄いピンク。若い頃はもっと色が濃かった。
若い頃はかなりの美人で、その美貌は人間を憎んでいるはずの妖怪達をも見とれさせるほどである。ちなみに独身。

厳格な人物だがかなりの毒舌家で、おまけに態度もデカイ。
職業柄除霊や妖怪退治を行う事もあるため、周囲からは正義の人として見られる事も多いが、彼女自身にはそんな気は全くなく、むしろ「偽善」というものが大嫌い。
だが、厳しい態度をとる中でも他人を思いやる心は、しっかり持っている。

趣味は意外にもテレビゲーム全般。本人曰く「伊達に暇人やってない」(アニメでは「伊達に歳を取ってないよ」)とのこと。
彼女の修行場には、趣味で集めたアーケードゲームの筺体が、まるでゲームセンターのごとくずらりと並べられた部屋がある。
その中には筺体を模した霊能力測定マシンも混じっているが、起動するには100円玉を投入する必要がある。
また、巷で人気の激ムズゲー『ゲームバトラー』をプレイし、一度だけだがたった一人でエンディングを迎えた事もあったりする。
幽助とも修行の合間によくゲームして遊んでたようだが、幽助は彼女に1度も勝てたことがないらしい。

普段は除霊・妖怪退治の他にも霊的な相談に乗る事が多く、彼女の元には全国から多くの人が霊的な悩みを抱えてやってくる。
それが縁で桑原や城戸亜沙斗、海藤優、柳沢光成と知り合う事となった。
なお、桑原の姉である静流とは旧知の仲で、桑原に幻海を紹介したのは静流である。

妖怪からは基本的に恐れられ、命を狙う者もいるが、実はそれ以上に(一部は彼女よりも遥かに強いにも関わらず)彼女を尊敬する妖怪達も多く、終盤では多くの善良な妖怪達が彼女のもとを訪れ、弟子入りしたり、居候になったりしている。*1
暗黒武術会以降は、蔵馬や飛影からも尊敬され、弟子選考会で落ちた桑原も、一応は弟子扱いとなっているらしい。

最終回では、実はかなりの資産家でもあった事が判明。
自宅も兼ねた道場の周りの山林を全て所有していた事が明らかとなった。


過去

今から50年前、戸愚呂兄弟と共に暗黒武術会にゲストとして出場し、優勝を果たす。
その報償として「二度と大会に呼ばれないこと」を願うが、戸愚呂兄弟は仲間の猛反対を押し切りその時の報償で人間から妖怪に転生してしまう。
戸愚呂(弟)を優れた武道家として尊敬していた幻海は、仲間を捨て「時間(老い)との闘い」から逃げた彼を許せず、彼と決別した。
アニメでは更に戸愚呂(弟)とは互いに異性としても惹かれ合っていたようだが、上記の理由で結局は破局。
だが、50年経った今でも互いに想いあっていたようである。


能力

霊波動の有名な使い手だけあって、霊力はかなり高い。
自分よりも身体が何倍も大きい男を、手も触れずに一喝だけで吹っ飛ばした事もある(これでも全盛期と比べかなりなまっているらしい)。
その霊力を最大限まで高める事で細胞を活性化させ、一時的に肉体が最も充実していた時期(幻海の場合は20歳前後)にまで若返る事ができる。なお、若返っていられる時間は長くても数分程度。
作中で幽助に奥義を伝承した影響で霊力はガタ落ちしてしまったうえ、霊波動による若返りも相応に負担が大きいらしく、以後若返りを見せたのは僅か二回だけ*2である。
しかし武術で培われた身体能力や技は老いて尚も人間離れした域にあり、ちょっとした相手ならフルボッコにできる。
霊波動は戦闘の他にも、病気や怪我の治療に利用する事も可能。
戸愚呂(弟)には、「対妖気の技術戦で幻海を倒すのは至難の業」と評されている。
高齢にもかかわらず視力は7.0あり、さらに読唇術も心得ているため、遠目でも唇を読めば相手が何を言っているのかわかる。

師としての指導力もかなりのもので、基本反抗的な幽助に修行をさせて霊波動の基礎を叩き込み、魔界の扉編に至っては蔵馬の食事療法*3と合わせて妖怪までもA~S級相当に鍛え上げてしまうほど。



  • 霊丸(レイガン)
幽助の代名詞的な技だが、幻海も使用可能。
当時の幽助の数倍の破壊力を誇る。
劇中での初使用は、幽助に最後の試練を与える前、幽助に発破をかけるべく、若返った状態で放ったもの。
戸愚呂との決闘では、残された霊力で3発放った。

  • 霊光弾(れいこうだん)
霊力を集中させた拳を、相手の体に至近距離で当てて攻撃する技。
相手の体に当てずにそのまま霊力を放出する事で散弾のように使うショットガンとしても使える。
幽助は実際にショットガンとしても使っており、「霊光弾」と「ショットガン」を別の技として区別しているが、
幻海は区別していない*4

  • 霊光波動拳 修の拳 光浄裁(れいこうはどうけん しゅうのけん こうじょうさい)
技を受けた相手に「自分自身の行いを裁かせる」とされ、心が汚れていれば相手の肉体が滅び、逆に澄んでいれば肉体の悪い部分を浄化するという、五大拳の1つ。
Dr.イチガキ戦で使用し、武道家3人をイチガキが作成した操血瘤の呪縛から救うきっかけを作った。
幻海の心中曰く「20年ぶりでちと不安だった」「霊力をかなり消耗する」とのことなので、後述の霊光鏡反衝に負けず劣らず難易度の高い技なのだろう。

  • 霊光鏡反衝(れいこうきょうはんしょう)
相手の技をあえて受け、自らの肉体を共鳴の道具にする事で、相手の霊気や妖気を吸収し自身の霊気として跳ね返すという難易度の高い技。
恐らくこれも五大拳の一つと思われる。
死々若丸戦で使用し、霊力を消耗することなく一気に倒した。
後に語られたところでは相手と術者の「気の波長」が合っていないと使えず、相手が死々若丸だったから使えた技だったとのこと。

  • 呪霊錠(じゅれいじょう)
霊光波動拳 修の行のひとつ。
術者の血を付けた両手・両足首を霊力の縄で縛る、言うなれば霊力版の大リーグボール養成ギプス
幽助曰く「まるで鉛のバネ」。筋力で伸ばすのではなく霊力を使って伸ばす。
修行前の幽助のフルパワーの霊力で何とか動ける程キツいが、これを着けたまま寝れる程に慣れれば、この時のフルパワーが2割の力で出せるようになる。
解除の呪文は『開(アンテ)』。
付けていれば付けているほど霊力はアップできる。
戸愚呂(弟)もこの技を知っており、若い頃は同じ修行をした可能性は極めて高い。

  • 霊光玉(れいこうぎょく)
霊光波動拳最終試練の為の技。
霊気を極限まで圧縮させた小さな太陽のような塊であり、これを受け入れられなければ肉体は破裂し、受け入れられても、完全にモノにするまで地獄の苦しみを味わう事となる。
渡した方も、著しく体力と霊力を消耗する為、緩やかに死を待つだけとなる。*5

継承前に、幽助に「あたしを殺せねばこの試練は乗り越えられん」と投げかけており、幽助はそれで悩み抜いた末に「俺に婆さんは殺せねぇ」と一度継承を断っている。
しかしそれこそ幻海が求めていた答えであり、幽助が必要だからと言って師を殺す選択を軽々しくするようなヤツであったなら継承はさせないつもりであった。
ただ、幽助の意思には関係なく、継承によって幻海の残りの寿命を大きく削る事になるこれは、「あたしを殺せねば」というのもあながち間違いではないと言える。


活躍


・霊界探偵編

自分の死期が近いと悟り、自らの奥義を伝承するために門下生の選考会を開く。
そこには幻海の奥義と命を狙う妖怪・乱童が紛れていたが、潜入捜査で来ていた幽助に乱童が撃退された事で難を逃れた(幻海ほどの腕なら心配いらなかったかもしれないが)。
この選考会で幽助と桑原の2人と出会い、選考会に勝ち残った幽助を後継者と認めて霊光波動拳の基礎を叩き込むが、しばらくして修行に耐え切れなくなった幽助に逃げられてしまった。
それにより、修業は中途半端になってしまったが、幻海の指導は伊達ではなく、1日1発しか撃てなかった霊丸の弾数制限が増え、ショットガンと霊光弾の使用も可能になる。
ショットガンは修行後の朱雀戦で勝利の鍵となり、臨界行の教えも幽助の息を吹き返すのに役立った。
アニメ版では、朱雀に苦戦中の幽助にテレパシーで語りかけたような描写もある。

ちなみに継承者を選ぶ際には「技の継承ができればいい」とし、乱童や殺し屋の黒田が勝ち残っても霊光波動拳は伝承するつもりでおり、この事には幽助も「とんでもねー婆さん」と唖然としていた*6
もっとも後の描写を見る限り並大抵の資質では継承自体不可能であり、相手を選んでいられないのも事実ではあっただろうが。

・暗黒武術会編

戸愚呂(弟)との実力差に「強くなりたい」という思いを強くした幽助の希望で、武術会開催までの2ヶ月間、彼に以前よりも厳しい修行をつけた(が、教えた内容はやっぱり、霊光波動拳の基礎であった)。
丁度、その頃、自身も戸愚呂(弟)から武術会への招待を受けていたので、霊波動で若返った上で覆面を被り「正体不明の覆面選手」として浦飯チームに加わった。
ちなみに顔を隠していた理由は「自分の首を狙っている妖怪達に姿を見られると面倒だから」…とされるが、戸愚呂(弟)に老いた自分を見られたくなかったのでは?と思わせる描写もある。
裏御伽チームとの対戦の前に幽助に霊光玉を継承し、霊力が落ちたことで大きく弱体化してしまう。
そして戸愚呂チームとの決戦直前に戸愚呂(弟)と対峙。戦いを通じて彼の目を覚まさせようとしたが、力及ばず敗北し、命を落としてしまった。

なお、この幻海の死は余計な混乱を避けたかった幽助の意向により他者には伏せられていた*7が、
そのせいで「チームメイトの補充ができるのは死亡者が出た時のみ」という大会ルールにより、決勝戦で5人揃えられずに不戦敗になりかけたが、
他ならぬ戸愚呂(弟)自身の言葉により事実上不問とされ、試合は執り行われている。


その後は幽助と戸愚呂(弟)が戦っていた時にプーに乗り移り、幽助の真の力を見たがっている戸愚呂に向けて「幽助の仲間を殺せ」ととんでもない助言をして、幽助の力を覚醒させるきっかけを作った。
もっとも、戸愚呂の真意を分かっていたので戸愚呂は殺しまではしないと考えての賭けでもあった。

武術会終了後は、幽助との戦いで命を落とした戸愚呂(弟)と霊界で再会。
幻海は戸愚呂がずっと自分を責め続けていた事を知っており、死んだ後は自分を罰するために地獄の中で最も過酷な冥獄界に行くだろうという事も分かっていた。
冥獄界に続く道の途中で彼を待ち受けて言葉を交わした後、彼に「自分のようにならないよう、幽助を見守ってほしい」と頼まれる。


(最後の最後だってのに… 出る言葉が負かされた対戦相手の心配かい)

たいしたもんだよあんたのバカも 死んでもなおりゃしないんだから


そして「世話ばかりかけちまったな…」と微笑みを浮かべ去って行く彼を見送った。


本当に… バカなんだから 全く


その後は、武術会で優勝した浦飯チームの願いという形で生き返り、会場を後にしようとしていた幽助達と再会を果たした。
この際すんなり復活できたのは、戸愚露(弟)が幽助の願いを見越して幻海の遺体を保存するようコエンマに頼んでいたため。

アニメ版では、雪村螢子たち女性陣の手で形見の帽子が墓標代わりに島に残される描写や戸愚呂との決闘前に螢子に幽助の支えになるように告げるシーンもあり、
後者は幽助と螢子に、かつての戸愚呂と自分を重ねたからであろう。

・魔界の扉編

特殊能力に覚醒した蟲寄市の住人たちから相談を受け、人間界で起きている異変を逸早く察知。
来るべき能力者との戦いに備え、城戸、柳沢、海藤の3人を幽助たちと戦わせた。
曰く、単純な戦闘力だけなら幽助に敵うものは滅多にいないが、やり方次第ではいくらでも幽助を殺せる奴らがいるということを肌で感じて欲しかったとの事。

既に霊力が落ちているので前線に出る事は少なかったが、神谷戦ではそれしか方法が無かったとは言え、
苦渋の決断で「殺人」という行為に手を染める覚悟で神谷の暴走を止めた幽助に対し、
「お前がこんな奴の命を背負う必要は無い」と神谷を蘇生させ、幽助に殺人の咎を背負わせないで済むよう纏めている。
他にも天沼戦では洞窟内に同行し、シューティングゲームをノーミスでクリアして一勝するなど、要所で活躍していた。
この時ドヤ顔でVサインしてたのがちょっとかわいいと評判。
アニメ版では天沼とのシューティングゲーム対決が詳細に描かれ、天沼や海藤さえも知らなかった裏技を披露。
彼から「すごいやおばーちゃん!!」と一気に尊敬されていた。
敵同士でなければ、いいゲーム友達になれただろう。
仙水との戦いで幽助の霊気が消えたことから、彼の死を感じ取り、膝をついている。

・魔界統一編

冒頭で魔族になった事で迷いができた幽助の相談を受けて、初代霊界探偵であった佐藤黒呼を紹介する。
この際、幽助に「何もかも壊したくなったらまずあたしのところに来い。真っ先にあたしの命をくれてやる」と諭している。
幽助が魔界に旅立つことにした際には、ほとんどのメンバーが幻海の寺に集まり、霊界防隊の手で界峡トンネルが展開された。
アニメ版では、幽助の旅立ちに納得いかない桑原に対し、「幽助は決着を付けないと気が済まない奴」
「今のあたしたちに出来ることは、幽助の中の魔族の血が悪い方向に行かないことを祈るしかない」と論する姿も見せた。

蔵馬の頼みで、かつて武術会に出場していた戦士6人(鈴駒凍矢、死々若丸、美しい魔闘家鈴木)を新たな弟子に迎え、厳しい修行をつけて彼ら全員を妖力値10万以上のS級妖怪にまで育て上げる。
彼女曰く「幽助より教えがいがあった」らしい。
戸愚呂(弟)がB級であることを考えると、そこまで育てられるのかと思わずにはいられないが、気にしたら負け。戸愚呂(弟)はわざとB級のままでいたのかもしれないし。

魔界が統一された後は、結界が解けた影響で新しく能力に覚醒した人々や、善良な妖怪達が多く彼女を訪ねており、道場は前よりも賑やかになったようだが、霊界で審判の門占拠事件が発生し、それが解決を迎える頃に安らかに逝去した。
死去する前に遺言状を残しており、そこには「自分が住んでいた寺の周りの土地を幽助達に区分けして配るが、出来れば妖怪達のために自然のままで残しておいてくれ」と記されていた。
ちなみに、アニメ版では*8最終回の時点でも健在で、彼女自ら遺産相続の件を皆に話していた。

この遺言を受けた幽助達は、彼女の遺志を尊重し、彼女が残した土地をそのままにしておく事を決めていた。

なお、他界する直前には、霊界テロで究極の選択を迫られている幽助の元へ、プーに乗り移って最後のアドバイスを送っており、「もしもの時はお前と一緒に犠牲者に謝り倒してやる」と笑う彼女の言葉を受けて幽助は決断を下した。


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最終更新:2022年11月08日 00:09

*1 後に判明するが、魔界の妖怪は殆どが力は強大でも心は善良な妖怪ばかりであり、悪事を働く妖怪はほんのひと握りであった。

*2 vs.死々若丸戦とvs.戸愚呂戦

*3 修行をした6人曰く「ドクのような草」

*4 厳密には、ショットガンとして使った時は「覆面戦士」だった事もあってか技名を口にしていない。

*5 霊光波動拳が基本一子相伝なのも、この為である

*6 幻海は、乱童のことを「幽助の霊丸を一度見ただけで再現できる程のセンスの持ち主」と評しながらも、乱童が縮小の術に失敗した際には「他人の技を盗むばかりで、技の本質を見抜けなかった」と酷評もした。この為、乱童が霊光波動拳を伝承できたかは怪しいところである。

*7 霊界関係者であるぼたん・コエンマは分かっており、飛影と蔵馬も察していたため、桑原以外のチームメイトにはバレていたが

*8 時期列上は霊界テロが起こる少し前である為