登録日:2012/07/26 (木) 00:11:11
更新日:2023/07/27 Thu 11:55:46
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はるか昔
ジーン・グレイという女と
スコット・サマーズという男がいた
彼らは若く
愛し合っていた
彼らはヒーローだった
ダークフェニックス
サーガ
『ダークフェニックス・サーガ(DARK PHOENIX SAGA)』は米MARVEL社のアメコミ作品『
X-MEN』のエピソード。
80年代の初頭を飾った重要エピソードであり、現在でも半世紀に及ぶ『
X-MEN』の歴史の中でも代表的なエピソード、不朽の名作として知られる。
ライターは、70年代から90年代に掛けて拡大し続ける『
X-MEN』の物語を紡ぎ、業界一位の人気タイトルへと押し上げさせたクリス・クレアモント。
アーティストは、特に70年代〜80年代の業界のトップアーティストとして知られたジョン・バーン。
日本では小学館から刊行されていた「MARVEL X」のNo.10からNo.14に翻訳版が掲載されていた。
2019年5月には映画に合わせて単行本版がヴィレッジブックスより発売。
【概要】
『
X-MEN』の
メインヒロインである
ジーン・グレイの最期(※この時点での)を描いた、衝撃のエピソードであり、全体的には彼女と、当事は主人公(笑)では無く、主人公をしていた
サイクロップスの愛を主軸に、MARVELの銀河3大列強帝国をも巻き込んで展開する壮大なSFストーリーが描かれる。
全体のエピソードが完全に2つに分かれているのが特徴で、前半は
X-MENがメンバーの個別撃破を狙う、宿敵ヘルファイヤークラブの陰謀に挑む息詰まる展開。
後半は、ヘルファイヤークラブの作戦により破壊神として覚醒したダーク
フェニックスを止めようとするサイクロップスと
X-MENの死闘と、最後に待つ苦い結末を描く。
……また、本エピソードは後の『
X-MEN』のメインキャラクターとなるダズラーと
ホワイトクィーンのデビュー作であり、この他にも現在とは大きく性格が違う
ウルヴァリンや、軽く意見されただけでサイクを怒鳴りつける
プロフェッサーXなど、シリアスな展開ながら、時代の影響もあるのか何処か牧歌的な雰囲気も漂っているのも特徴か。
【物語】
凡る原子を操作し、物理法則を操る最凶のミュータント、プロテウスを何とか撃退した
X-MEN……。
地球を離れていた恩師プロフェッサーXも帰還し、漸く穏やかな日々を取り戻したかに見えていた
X-MENに、世界支配を目指す秘密結社ヘルファイヤークラブの陰謀が迫っていた。
セレブロ(ミュータント探索装置)の反応に従い、新たなるミュータントの捜索に向かった
X-MENに遂に攻撃を仕掛けたヘルファイヤークラブは、弱点を突いた攻撃によりメンバーを個別撃破した上に、最強の
フェニックスパワーを内に秘めるジーン・グレイを洗脳し、遂にリーダーのサイクロップスをも捕らえる事に成功するのだった。
……しかし、ジーンの目の前でサイクロップスを“殺した”事が仇となり、自ら洗脳を解いたジーンの助けによりヘルファイヤークラブは壊滅。
……薄氷の勝利を収めた
X-MENだが、安心したのも束の間……暗黒面を目覚めさせたジーンは、自らをダーク
フェニックスと名乗り、絶大なエネルギーと共に宇宙へと飛び立つのであった……。
【主要登場人物】
本名:スコット・サマーズ
X-MENのリーダー。
当時はスットコでは無い。
両眼から破壊光線オプテイックブラストを放つ。
完全に不利な状況の中で一度は“殺され”ながらも不屈の意思でメンバーを救い出して反撃に転じる。
暗黒面に堕ちた恋人を救うべく、チームを率いて命を賭した闘いに挑む。
後に自分もダークフェニックスになるなんて想像もしていなかっただろう。
本名:ジーン・グレイ
当時の最強メンバーで、コズミックビーイングに匹敵する
フェニックスパワーと同化していたが、マスターマインドの計画により暗黒面を引き出された末に破壊神ダーク
フェニックスへと変貌してしまう。
その途上で高度な文明が築かれていた惑星を警告も無く滅ぼして餌にしてしまう等、ギャラクタスもやらないような暴挙に出ている。
フェニックスとしての破壊衝動とジーンとしての理性の狭間でギリギリまで抵抗していたが……。
本名:ローガン
X-MENで最も危険な男。
当時は戦力としてはともかく、
エロ本を立ち読みしたりとオヤジ全開。
……元々は型破りな喧嘩親父キャラで人気が出たらしい。
「あのハゲに俺はガキの使いじゃねぇって言っとけ!」
本名:オロロ・マンロー
X-MENの一人。
天候を操る。
本名:カート・ワグナー
短距離テレポート能力と軽業が武器。
物理エネルギーを吸収してしまうセバスチャン・ショウに対してボール芸の様な業で立ち向かう。
本名:ピーター・ラスプーチン
肉体を生体金属に変える事で怪力を発揮する。
宇宙ではグラディエーターと壮絶な殴り合いを展開するも一歩及ばずに敗れることに。
童貞(多分)の癖に13歳(当時)の少女に一目惚れられる。
本名:ウォーレン・ワージントンⅢ世
初代
X-MENの一人。
飛行能力を持つ。
スコットとジーンとは青春を共にした仲間。
この頃は引退していたが、ジーンの危機に立ち上がる。
本名:ヘンリー・マッコイ
初代
X-MENの一人。
当時はアベンジャーズに所属していた。
ダーク
フェニックスの誕生を知りアベンジャーズを離脱。
X-MENの救出に駆けつける。
本名:チャールズ・エグゼビア
「だまれ!(逆ギレ)」
……ダーク
フェニックスとの戦いでは落ち着いてました。
【ヘルファイヤークラブ】
本名:セバスチャン・ショウ
現在のクラブのリーダー格で
X-MENの代表的な宿敵の一人。
物理エネルギーを吸収する。
本名:エマ・フロスト
クラブの一員で最強レベルのテレパス。
エロババアで、悪役時代は今より20は老けて見える。
クラブの幹部でサイボーグ。
後に打倒
X-MENを目指すサイボーグ部隊を組織する事に。
クラブの幹部で、質量を操る能力を持つデブ。
奇襲に焦り上から来るウルヴァリンの質量を増してしまった為に……。
本名:ジェイソン・ウィンガード
幻影を操る。
ジーンの強力なテレパシー能力を逆利用し、彼女の前世の恋人と思わせサイクからNTR(キス止まり)して、悪女ブラッククィーンへと変貌させる。
……も、幻影の中で恋人サイクを“殺した”事により覚醒したジーン(ダーク
フェニックス)の報復を受け廃人にされる。
イケメン紳士を装うが素顔はブサメン。
元々は、
セコい悪役時代のマグニートーの部下だった。
【銀河3大列強種族】
翻訳版では「シャイア帝国」と訳されている。
『
X-MEN』シリーズで特に言及される事が多い。
シ・アー人は鳥類から進化した人類である。
好戦的な銀河帝国で、民族共通の特徴として変身能力を持つ。
地球にも良く攻め込んでくる迷惑なヤツら。
『
FF』等で良く言及され、FF全員分のパワーを誇る
スーパースクラルも『MVC3』で名を知られるようになった
変身能力を活かして徐々に地球のヒーローと入れ替わっていくというホラー紛いの侵略を実行していたことも。
徹底的な軍事態勢を敷く好戦的な種族。
スクラル人とは犬猿の仲で、何かあると互いに相手の所為だと思い込む習性がある。
キャプテン・マーベルは元々はこのクリー人が送り込んだ工作員であった。
キャプテン・マーベルに留まらずスーパーパワーや人為的な強化を施した工作員を度々地球に送り込んでいる。
シ・アー帝国の若き女帝。
X-MENの友人であり、プロフェッサーXの恋人でもある(今も)。
かつて、
X-MENと
フェニックスに帝国の危機を救われた経験から、個人的には彼らに同情しているものの、女帝として辛い決断をする事になる。
【インペリアルガード】
シ・アー帝国精鋭により構成された皇帝近衛隊。
リーダーはMARVELの
スーパーマン(のパロディキャラ)グラディエーター。
今回の戦いでは
X-MENをほぼ完封してしまったが、後の戦いではリベンジされている。
【余談】
ラストについて、当初はジーンにロボトミー手術を施し“ただの人間”とする事で帳消しにする案もあったと云う。
……しかし、一つの惑星を滅ぼした彼女に何の罪も負わせないのは卑怯と考えた編集部により、ジーンは「最初の死」を迎える事になったと云う。
……この当時は、アメコミでもキャラの生死は今より簡単で無かった事の証明である。
ジーン……君は、自ら追記修正の道を選んだんだな……ああ、ジーン…ジーン……
- 普及× 不朽○ -- 名無しさん (2019-05-22 05:22:17)
- 2019年の映画原作。翻訳本も新しく出ました -- 名無しさん (2019-07-15 14:11:50)
- 映画の出来は……ナオキです -- 名無しさん (2019-12-16 23:09:42)
- アメコミの重要エピソードってそれまでの積み重ねがあってこそだから映画として切り取ると薄っぺらくなるんだよなぁ。映画は再スタート後は教授とマグ様の実質的な二枚看板だったんだし、アステロイドMかアバロンでのマグニートーとの最終決戦にすべきだったと思う。 -- 名無しさん (2020-07-23 04:29:31)
- エロ本(笑) -- 名無しさん (2023-01-13 21:19:23)
- 当時はスットコでは無い←そんな扱いから最近はヤベー奴になっていることに時代を感じる -- 名無しさん (2023-01-13 21:25:08)
最終更新:2023年07月27日 11:55