SCP-1485

登録日:2019/09/25 (木曜日) 18:51:28
更新日:2024/01/09 Tue 00:18:57
所要時間:約 3 分で読めます



SCP-1485は怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはEuclid


概要

SCP-1485は9.71m×10.54mの大きさで、財団宇宙(ベース・ライン)とSCP-1485-Aとされる平行世界を繋ぐポータルである。


嫌な予感がする?
そうだよね。SCP-800-JPSCP-2935とかヤバいのだらけだもんね。

だが心配は不要。このSCPの繋ぐ平行世界には異常性が一切存在しない。
もう一度言おう


異常性が一切存在しない。


不死身のクソトカゲシャイすぎてヤベー奴お肉大好きなアイツもない。
現実改変者もいなければ異常存在もない。それらを扱う要注意団体も財団もない。

ポータルの向こうにあるのは、ごく普通の世界でしかない。

とはいえ平行世界を繋ぐポータル自体は財団にとって異常存在である。
なので収容プロトコルでは封じ込めのサイト68が建造されている。

異常存在がなければ財団ももちろん存在しない。そのためアメリカ合衆国と交渉し、SCP-1485の共同研究を行っていた。
しかし、現在は凍結中。理由はSCP-1485-Aへの財団職員の脱走率の高さ
なんせ、担当エージェントと財団連絡員チーム全員合計12名が脱走したのである。
またレベル3クリアランス情報によると、SCP-1485-Aでの米国との関係も悪化してるらしい。


19██/01の脱走事件唯一の捕獲者のインタビューがあるので抜粋しよう。
インタビューを受けたエージェント████は財団歴9年のベテランだったそうだ。

エージェント████:うーん。ポータル内の移動手段を確立するのは簡単だったわ。神さまは、それかこのクソッタレ世界にあれを作った誰かさんは、軽い気持ちで飛び込めるくらいにはポータルを大きく作ってくれるナイスガイだったのね。
むこうの世界に到着したとき、私たちはリラックスした気分だったわ。あそこは……違ってたの。違うっていうのは、単に元の世界とは別の世界にいるって意味じゃなくてね。空に飛行船サイズの何かが飛んでたとか、車が道路の反対側を走ってるとか、そういうのでもなく。あそこはただ…
[数秒の沈黙]
調査主任スミザース:エージェント?
エージェント████:なにか、肩の重荷を下ろしたような気分だったわ。

そりゃそうだ。向こうの世界にK-クラスシナリオなんて存在しない。暗闇の中で戦う必要もない。9年のベテランならKeterクラスのオブジェクトにも多数触れて実感してるだろう。
この世界は危ういと。

調査主任スミザース:なぜ我々を裏切ったりしたのですか?あなたは財団で10年近く働いてきて、我々はあなたの働きに適切に報いてきた。あなたにこれら全てを捨てさせたのはいったい何だったんですか?
エージェント████:あなたはむこうの世界に行ったことないわよね?もしあったなら、そんな質問はしないでしょうから。
調査主任スミザース:SCP-1485-Aはけしてユートピアではありませんよ、████。彼らも私たちと同じく戦争するし、同じように苦しむし、同じように死ぬんです。

だからといってSCP-1485-Aだってなにもないわけじゃない。紛争、テロ、殺人事件…命が紙一重なのは同じだ。

エージェント████:ええ、そうね、もちろんよ。でもね、ストリートを歩いてるときに、あなたはあなたの目を信じることができるの。目に見えるものはちゃんとそこに存在してる。あなたのそばに潜む何かはいないし、影の中に何かが潜り込んでることもない。なにもかもが…まとも。なにもかもが正常。自分の感覚を信じることができる。認識災害なんて起こらないから。科学を信じることができる。それに反するものは存在しないから。あの世界は、ただ……
[数秒の沈黙]
調査主任スミザース:……エージェント?


エージェント████:あの世界は、ただ道理が通るのよ。


異常がない、異常な世界。まさしくそこは、


SCP-1485 - Normality(通常次元)


財団の守るべき世界が、守らなくても存在する。


余談

公式二次創作であるTales-JPには、あの悪名高きSCP-682がSCP-1485世界に殴り込むというエピソードが存在する。
財団の抵抗をものともせずポータルに飛び込み、その先にいた兵士をいつものように殺戮しようとするクソトカゲだったが、正体不明の力によって遥か上空に打ち上げられる。
打ち上げられてから海に落下する間に彼は自分に何が起きたのか分析を始める。そしてすぐにこの世界の異常性を理解した。
一切の異常性が無く、一切の異常性を許容しない。それこそがこのSCP-1485世界の異常性であることに。
しかし気付いた時には遅かった。彼の存在を許容しないこの世界は彼から全てを奪い、世界からの処刑に抵抗もできず海に沈んでいく彼は「――俺はあの世界(基底世界)に愛されていた。」ということを今更ながら理解したのだった。

怪物の生は海中で間違いなく終わった。けれども、物語にはまだちょっとした続きが存在する。
怪物の死体はそのまま波に流され、とある海岸へと打ち上げられた。
怪物の死体を発見した人々は口々に何の死体なのか話し合った。真に辿り着く者もいたが、当然、本人も含めて真だとは思わない。
ただ、奇妙な死体として撮影された写真はすぐにインターネットを駆け巡り、一部で話題になった。
もちろん、日々増えていく情報の1つにしか過ぎないが故に、数日後には新しい話題の下に埋もれていった。

そんなある日、とある人物がその写真を見つけた。

彼は怪物の死体を物語に組み込むことにした。文字をキーボードで打ち込み、試行錯誤の末、完成した作品に名前を与えた。

SCP-682 - Hard-to-Destroy Reptile(不死身の爬虫類)

怪物は再び生き返る。


サメ殴りセンターも同様のポータルを別の場所で発見し、並行世界内部の調査を行った。
そして分かったのは、むこうの世界のサメは臆病で人間を積極的に襲わず、その結果サメを殴る文化自体が生まれなかったという道理も何もない狂った世界だという事実だった。
狂っているのはセンターの方だ

むこうの世界の調査をしたスティーブン上級殴打エージェントは、サメ殴りの素晴らしさを伝える事も、サメ殴りと同じくらい重要だと考え、
自分たちの世界の真実を『サメ映画』というフィクションとしてむこうの世界の人達へ伝えることを提案した。

こうしてスティーブン上級殴打エージェント…もといスティーブン・スピルバーグが作ったのが映画『JAWS』であり、
この映画の大ヒットの影響でむこうの世界でもサメは人類の敵と認識されるようになり、積極的なサメの駆除が行われ、多数の種類のサメを絶滅危惧種に追い込む事に成功した。
なんてことをしてくれたんだ

センターにとっては「並行世界の人類へのサメ殴り啓蒙活動は並行世界の人類に対する救済」だという、典型的な狂信者の考えで行っているので余計にたちが悪い。


追記修正は、我々の世界でお願いします。

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1485 - Normality
by ObserverSeptember
http://www.scp-wiki.net/scp-1485
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1485

SPC-1485
by WagnasCousin
http://scp-jp.wikidot.com/spc-1485-jp

SCP-682は死に、生き返る
by Zenigata
http://scp-jp.wikidot.com/scp682deadandreborn

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最終更新:2024年01月09日 00:18