首無し(SEKIRO)

登録日:2019/10/21 Mon 18:16:21
更新日:2025/05/17 Sat 16:28:32
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首が惜しくば、引き返せ


首が無いゆえ、首を落とせぬ


刀も槍も、通じぬぞ





首無しとはSEKIRO:SHADOWS DIE TWICEに登場する敵キャラクターである。


・概要


所謂「隠しボス」に相当する敵。その為倒さずともストーリーを進める事は可能。

物語の舞台である葦名の国の各地に出没する極めて危険な怨霊。
その姿は腐敗ガスでブクブクに膨れ上がった、或いは水をたっぷり吸ってぶよぶよにふやけた首無し死体とでも言うべき醜悪極まりないもので、生前からの得物か刃がボロボロに欠け、血錆にまみれ妖気を纏って悍しく光る野太刀を手にしている。

その正体はかつて葦名の国にて名を馳せた護国の英雄だったという、現在の姿からは到底想像出来ない傑物達だった。
だがある時を境に護国の念に狂い、最終的には何度でも「護国」を果たせるようにと乱を企てた末に捕らえられ、一部を除き斬首に処せられたという。

しかし生前の功績が故に彼らの魂を鎮める為、首塚や墓が作られたもののその祟りを恐れて参る者は居ないに等しく、故に怨霊として自らの埋葬地に近付く者に襲い掛かるようになってしまった。

なお彼らが狂気に陥ったのは、護国の褒美として仙峯寺から配られた「飴」が原因だと言われているが…?


・攻略


SEKIROの、と言うかフロムゲーお馴染みのトラウマボスポジションとして多くのプレイヤーを恐れさせた存在。
まず戦闘BGMからして金切り声のような尺八やストリングスを活用した不協和音ぶり*1であり、首無しも攻撃を仕掛ける際には唸り声とも笑い声とも取れる不気味な声を発するのがそれに拍車を掛ける上、怨霊系の敵の特性として素のままでは攻撃の殆どが通用しない。
勿論対抗手段はあるのだが、それで攻撃を通せるようになっても首無しは黒い瘴気を辺り一面に撒き散らしており、それに触れるとステップなどが使えなくなり、狼の機動力が著しく低下してしまう。(攻撃を当て続けると怯んで一時的に瘴気は払える)
加えて繰り出す攻撃の多くには本作で最も注意を払わねばならない状態異常である「怖気」*2が付与されているので、そっちへの対処も必要。

SEKIROは高難度で知られているが、その一方で「危険攻撃以外は全てガードが可能」「通常難度ではほとんどの攻撃がガードでもノーダメージ」という仕様を理解すれば、かなりガードに頼ってもクリア可能となっている。
ところが首無しは撃破必須ボスではないのをいいことに「通常なら弾いても削りダメージ+怖気」「神ふぶきを使ってもガードだと削りダメージ+怖気」とこの手心を完全に放棄している*3
おまけに「類稀なる強者*4」以外のボスの大多数は上手く立ち回れることで忍殺が可能で、ゲージを1つ減らした状態で戦えるという楽ができるのだが、
この首無しは「背面・頭上を問わず、近づいたら即発見される」ので忍殺はできず、嫌でも正面から戦わないといけない。

首無しは陸上だけでなく水中で戦う事になる個体もおり、水中であるため一部アイテム制限があるというのは難点であるが
神ふぶきなしでも攻撃が通ること*5、体力ゲージが一本しかないこと、そして水中では瘴気による行動阻害の影響が一切ないおかげでヒット&アウェイがやりやすく
加えて水中の狼は「お前は人魚か!」とツッコミを入れたくなるくらい機動力が高いため、水中ならノーダメージで倒せる人も多いだろう。
基本的にはプレイヤーにトラウマ扱いされるのは地上の首無しであり、水中版は癒やしただし源の宮の個体は幻影と併せて2体がかりで襲ってくるけどな!
というわけで厄介な地上の首無しを打倒する方法は以下の主に3つ。

・神ふぶきを使用する
怨霊特攻効果を付与するアイテムである『神ふぶき』を使用して攻撃する。
普通にやるならこれ。
首無しにまともにダメージを与えられるようになるほか、弾きに成功すれば削りと怖気も無効化できる。
『瑠璃の浄火』の纏い斬りでも神ふぶき同様の効果が得られるが、忍具の作成も纏い斬りの習得も手間がかかるうえ効果時間が短く、形代の制限もあるため基本的には神ふぶきが無難。
とは言っても全て弾くのは難しいので怖気対策として『怖気消し』を使用しておこう。
効果時間中にいかに攻撃できるかが肝になるため、攻撃チャンスを作れる『泣き虫』が用意できれば非常に有効。

・鳳凰の紫紺傘を使用する
怖気を無効化する忍具『鳳凰の紫紺傘』を使用する。
『鳳凰の紫紺傘』で攻撃を弾き、スキル『放ち斬り』で怨霊特攻を込めたカウンターを叩き込む戦法。
こちらの戦法は首無しを強敵たらしめている怖気の状態異常を完全に無効化してくれるし、瘴気による行動阻害を無視出来るので安定して戦えるだろう。
ただし紫紺傘の放ち斬りは神ふぶきのエンチャントを残り時間に関わらず解除してしまうため併用には注意。
傘は主に防御のみに使って神ふぶきの効果が切れたときや残りわずかなときだけ放ち斬りを使うのが無難だが、いっそ神ふぶきを使わず放ち斬りだけで首無しを倒す手もある。
2ゲージの体力と体幹を放ち斬りだけで削り取るには形代の量が若干厳しいため、形代の上限を増やす『形代流し』を併用するとよい。

・ハメる
首無しの後ろに回り込む→攻撃する→首無しの後ろに回り込む→攻撃する→首無しの(ry
というルーチンをひたすら繰り返す。
理論上はアイテムや忍具を一切使わずに通常攻撃だけで倒せるので試してみよう。
1ゲージにつき数百発は攻撃する必要があるけどな!



首無しの各種攻撃

  • 剣擊
    手にした野太刀を使い、薙ぎ払いや振り下ろし、身体の周りをぐるりと回すような回転切り等、重く広い一撃を打ち込んでくる。
    緩やかな攻撃速度に反して体力・体幹へのダメージがかなり高く、何れも上述のように怖気効果が付与されているので、ただ防ぐだけでは怖気ゲージが蓄積していってしまう。
    きっちり見切るか、それとも避けるか、状況に応じて対処しよう。
    片手で振るう攻撃はその場で振るものならばすべて弾くと怯ませることができる、追撃のチャンスだがそこから非常に素早い斬り返しに派生することがあるので用心したい。
    深く踏み込んでくる片手斬りは弾いても相手を怯ませることができない、リーチも非常に長いので距離を取るときには注意しよう。
    逆に考えれば弾いても怯まない為、安定して攻撃を叩き込むチャンスが生まれる。
    最後は両手で振るう場合であり、基本的に弾いても怯まない。
    単独で放ってくる場合はいくつかのパターンの連携攻撃に派生するという特徴があるのでその後の連携をしっかり把握しておこう。
    弾いて怯ませた後にも放ってくる場合があり、こちらは連携に派生しない。
    最後の回転斬りは予備動作がほとんど無く、弾いても止めることができない。
    しかも弾いた際こっちが大きく怯んでしまう為、掴み攻撃への対処が遅れやすくなるので接近戦で一番用心したい攻撃となっている。

  • 手払い
    左手を使って薙ぎ払う。
    予備動作的なものが殆ど無く攻撃スピードも非常に早く、弾きのリズムを崩されかねない。
    実は特定の攻撃を連携した時のみに放ってくる、いわゆる連携攻撃である。
    その為、事前にその連携を覚えておけば容易に対処は可能。
    弾いたときの削りダメージが剣攻撃より少ないので、特殊なアイテムに頼らずに体幹削りで倒す場合はこの攻撃を多用してくれると大変助かる。

  • 髪の毛針
    距離が空いてると、斬り落とされた首元から生えたざんばら髪の一部を針状にして複数放つ。
    弾速は遅めだが追尾性能付きという厄介な点があり、しかも弾速が遅い分追尾精度も高い。
    またこれにも針一本一本に怖気効果があるので、防ぐよりはギリギリまで引き付けてからステップ、または極力近距離戦を保ち放たせないようにしたい。

  • フライングボディプレス
    髪の毛針同様離れていると使用してくる。
    ものすごい高さまで一気に飛ぶ為初見ではびっくりするかも知れないが、回避するのは容易なので早々当たることもないだろう。
    ただ、相手側の隙も少なく、すぐ立ち上がってくるため気を付けること。

  • 斬撃飛ばし
    水中の個体のみ使用する技で、野太刀を大きく振りかぶってから巨大な斬撃を飛ばして来る。
    見た目通りの威力、リーチを兼ね備える上に髪の毛針と同じく追尾能力まで持つ。
    針同様に引き付けてステップ回避か懐に潜り込んでしまうのが良い。


ーーそして備えは、いま一つ


怖気したなら、尻隠せ


  • 尻子玉抜き
    危険攻撃。
    剣擊から繋げて狙ってくる攻撃で、野太刀を高く掲げたと同時に姿を消し、直後に狼の背後に現れ手を差し出しながら近付き間合いに入るとアナルフィスト渾身の力を込めて尻に手を突っ込み、尻子玉を抜き取る。
    首無しの攻撃の中でも最大の威力を誇る大技であり、例え数珠を集めて体力を限界まで成長させていても受けてしまったらゲージの3分の2が消し飛ぶ程。
    勿論数珠縛りプレイ等で体力を伸ばしていない場合には問答無用の即死攻撃と化す。
    因みに狼から引っこ抜いた尻子玉はちゃっかり自分の尻にしまう。
    また水中の個体はワープを使わない代わりに眼前に大渦を発生させて狼を引き寄せてから尻子玉抜きを仕掛けてくる。見た目のインパクトの強さはこっちが上かも。

    対処法としては上述の唄の通り、首無しが背後に現れたら振り向く(=尻を隠す)事。
    すると首無しは悔しそうに身体を震わせながら少しの間動きを止めるので隙が出来る。

・対処

怨霊系の敵である為、それに特効効果を持つ道具や忍具を可能な限り揃えておくのが理想。

  • 神ふぶき
    前述の通り、真っ先に用意したい道具。効果中はあらゆる攻撃が通るようになる。
    加えて弾き成功時に首無しの斬撃が持つ削りダメージと怖気の蓄積を無効化。
    怨霊特効以前に攻撃力上昇の効果もあるため、神ふぶき不要の水中個体相手にも有効。
    水の中では使えないが、あらかじめ陸地で使えばよい。特に2体同時に戦う源の宮での戦いが楽になる。
    ただし割と貴重品で、店売りされるようになるのは終盤であるうえ1つ300銭と使っても負けると無駄になるのはつらい金額。
    葦名城の剣客がドロップするのでマラソンして集めるのもよいだろう。

  • 怖気消し
  • まだら紫の曲がり瓢箪
    上述のように怖気付きの攻撃ばかりなので、神ふぶきと並んで多く持っておきたい道具。
    特に瓢箪は数少ない水中でも使用可能な道具なので、水中の個体と対峙する時は是非。

  • 鳳凰の紫紺傘
  • 瑠璃の浄火
  • 泣き虫
    何れも怨霊特効効果を持つ忍具。
    中でも鳳凰の紫紺傘は怖気効果も完全に防ぐだけでなく、スキル「派生攻撃・放ち斬り」を会得しておくとカウンター発動時に一時的だが神ふぶき使用時と同じく、首無しにダメージを通す事が可能。
    瑠璃の浄火は怨霊に大ダメージの火炎放射を行い「奥義・纏い斬り」で神ふぶきと同様のエンチャントもできるが、作成難度と効果時間に難がある。
    泣き虫は使用すると6秒程身動きを封じる事が出来るが、3回までしか効かないのでその間に神ふぶきと合わせて可能な限り攻撃を叩き込むべし。



見事打ち勝つと首無しそれぞれから「御霊降ろし」という道具が入手出来る。
道具の一種である阿攻吽護剛幹月隠夜叉戮に対応した御霊降ろし(例:阿攻の御霊降ろし)があり、形代を消費して飴と同じ効果を得られるという代物。
形代さえあれば何度でも使用可能なのが利点。特に阿攻と吽護以外の飴は無限販売されないのでマラソンで集める必要がないのは大きなメリット。
ただし形代は義手忍具や一部流派技でも使用するため、形代を温存したい場合は飴の方を使う利点もある。*6


・余談

人間のボス敵以外では数少ないバックストーリー持ちであり、それぞれの御霊降ろしのテキストからどの様な末路を辿ったかを伺うことが出来る。

阿攻→形代等の代償を用意せず、御霊降ろしの使い過ぎで発狂。そのせいで一部の狼からはドジっ子扱い
吽護→護国に狂うあまり何度も戦争を繰り返さんと企み、斬首された後に葦名城の堀に捨てられる。恐らくは上述の企みの首謀者では?と推測がなされたりしている。
剛幹→長く首塚に参った者はいないとだけ記されているが、彼の首塚は他の首無しの塚と比べ非常に規模が大きい上に、その場所への道程も忍びの者、それも相当な手練れの者でも無ければ到底辿り着けぬと思わせる程の僻地であり、裏を返せば極力人里から遠ざけ、しかもそれだけの物を用意して封じなければならない程に生前はその所業により畏怖されていたから参る者がいない、という可能性がある。*7
月隠→自分が狂ってしまった事を悟り、災いの種になるのを防ぐべく森の奥で自害。狂気に染まった英雄達の中で唯一まともなまま死んだ人物。尤も、死んだ後は他と変わらぬ怨霊と成り果ててしまったが。
夜叉戮→源の宮に単身で攻め込むも数に圧倒され、それを恨んだ。本来は双子だったが片方しか生まれることができず、「二人いれば宮の貴族に敗けなかった」という思いからか自分にそっくりの幻影を生み出している。



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最終更新:2025年05月17日 16:28

*1 七面武者や水生のお凛といった怨霊系ボス戦共通のBGM

*2 フロムの別シリーズで言う「呪死」「発狂」「死」に相当するもので、ゲージが溜まり切ると即死、回生による復活も無効化

*3 怨霊属性という特性の一つ。エンチャント無しではダメージを殆ど受けないのもこれによるもの。なお不死斬りを用いた攻撃にもガード削りの点のみだが付与されている

*4 鬼形部葦名弦一郎など、進行上撃破必須の大ボス

*5 葦名には仙郷から源の水が流れ込んでいるため、水中には神の力が満ちていると思われる。

*6 初期は効果時間が飴の半分だったが、アプデで効果時間は同等になり形代消費も低下したため使いやすくなった

*7 首塚は鎮魂以外にも、祀ったものが祟りを為さないようにする為の「封印」という側面もある