恐怖の白ネズミ(トムとジェリー)

登録日:2019/10/29 Tue 18:04:25
更新日:2025/07/10 Thu 09:13:06
所要時間:約 5 分で読めます




「恐怖の白ネズミ(原題:The Missing Mouse)」とは、アニメ『トムとジェリー』のエピソードの1つ。1953年1月10日初公開。

あらすじ

いつものように冷蔵庫を荒らしていたジェリーだが、その様子はトムに見られており、パイ投げやネズミ捕りでお仕置きされてしまう。


巣に逃げようとしたところで、壁に激突して気絶したジェリー。
その衝撃で、棚の上に置かれていた白い靴墨が落下、ジェリーの体の上に垂れてくる……。



一頻りジェリーをからかったところで、満足してリビングでくつろぎ始めたトム。
しかし聞いていたラジオからは、とんでもないニュースが流れ始めた……。


「番組の途中ですが、ラジオをお聴きの皆様に臨時ニュースをお届けします。」
「実験研究所から白ネズミが逃げ出しました。」
ネズミは逃走前に、街中を吹き飛ばす威力のある新型爆弾を食べています!
「この白ネズミを見つけたら、すぐに研究所に電話して下さい!」
「ネズミにはどんな小さな衝撃も禁物です!」
街中を吹き飛ばす大爆発に繋がることを、くれぐれもお忘れなく!」
いいですね!?お願いだから気を付けて下さい!!
(それはもう核兵器の類なのでは……)



トムはこのニュースに慌て、急いで戸締りを始める。
しかし、先ほど白い靴墨を浴びたジェリーもまた、このニュースを聞いていた……。



窓を閉めたトムは、クルミをハンマーで割って食べ始める。
しかし、次のクルミを手に取った時、明らかな違和感が……
クルミとは思えぬ柔らかさ、大きさ…
見てみると、そこには白いネズミが……!



大慌てで電話をかけようとするトムだが、そこへ口笛が聞こえてくる。
何と、先ほどの白ネズミがテーブルから落ちようとしていたのだ!
またまた慌てて、ネズミをクッションで受け止めるトム。


その後もネズミは、あの手この手で「自分に衝撃が加わる場面」をトムに見せてからかう。
  • ピアノの蓋を、わざと自分に落ちる位置で蹴飛ばす。
  • 棚の上のナイフから飛び降り、トムに吹き上げられたところで、そこにあったアイロンを落とす。
  • ハンマーで自分を殴るフリをする。


トムが自分に手出しできないのをいいことに、ハンマーでトムを小突いてビスケットを食べ始める白ネズミ。
ハンマーはその隙にトムに取り上げられてしまうものの、今度はわざと尻餅をついてトムを慌てさせる。

そして、ネズミはキッチンの方へ跳ねていき、水槽へと落ちる……


……水槽から上がったネズミは、体色が白ではなく茶色になっていた。
そう、今までの白ネズミ騒動は、白い靴墨を浴びたのをいいことに、ジェリーがトムをからかっていただけだったのである。しってた


ジェリーは自分から靴墨が落ちたことに気づかず、相変わらず尻餅をついたり、ハンマーで頭を小突いたりしてみせるが、もはやトムにそんなものは通用しなかった。
トムはジェリーを鏡の前へ連れて行き、「もう自分が白い体ではない」ことを思い知らせる。
そして、ジェリーを玄関から蹴飛ばし、外へ追い出すのだった…







が、……その隙に、もう一匹の白いネズミ*1が家の中に入ったことにも気づかずに……。



ジェリーを家から追い出し再びくつろぐトム。
そこへハンマーの音が聞こえたためテーブルの方を見ると、白いネズミがクルミを割って食べていた。
「またもジェリーが白い靴墨を使って、自分をからかっている」と判断したトムは、ネズミを金魚鉢の水で洗う。

…しかし、ネズミの色は白いままだった。
今度は洗濯板にこすりつけて洗うが、これも効果なし。めちゃくちゃ刺激与えてるけど…


不審に思ったトムの耳に口笛が聞こえてくる。
窓の方を見ると、ジェリーが「僕はここにいる」とばかりに手を振っていた。
……それでは、今自分が捕まえているネズミは……?


トムは恐怖のあまり白髪でヨボヨボの老猫になりながらも研究所へ電話をかけようとする。

しかし、そこへまたも臨時ニュースが聞こえてきた。


「ラジオをお聞きの皆様!」
「たった今、研究所から入った情報によりますと、白ネズミの体の中にある爆弾はもう何の危険もないそうです!」
白ネズミが爆発することはないので、安心してください!」


このニュースを聞いたトムは、今までの恐怖が嘘のように強気になり、白ネズミを捕まえて窓から蹴飛ばそうとする。









そしてトムが白ネズミを蹴り上げたその瞬間…





ドガァァァァァァァァァァァッ!!!






……全壊した街中で、なぜかラジオは動き続けていた。
「繰り返します。白ネズミが爆発することはないので、安心してください!」と、相変わらず無責任なニュースを垂れ流しながら。

瓦礫の山から顔だけ出したトムはDon't you believe it!!!!!(この、大ウソつきめが…!)とぼやくのだった……*2

登場人物

「高性能爆薬を読み込んだ白ネズミが実験研究所より脱走した」旨をラジオニュースで知り戸締りを厳重にするが、白ネズミになりすましたジェリーに振り回されてしまう。後に本物の白ネズミと遭遇し酷く狼狽えるが「白ネズミは爆発しない」旨をラジオニュースで知り白ネズミを蹴った結果、街一帯が吹き飛んでしまい、「大ウソつき!」と叫んだ。

  • ジェリー
    日本語吹替:藤田淑子(TBS版)/無し*3(ワーナー版)
爆薬入り白ネズミが脱走した旨を知ると、自ら靴墨で白ネズミに変装してトムを散々脅かす。だが流し台に落ちたことで正体がばれ、自身はトムに追い出されてしまう。白ネズミ爆発後の安否は不明*4

  • ラジオニュース
    日本語吹替:荘司美代子(TBS版)/星野充昭(ワーナー版)
散々「高性能爆薬を飲み込んだ白ネズミが脱走した」と報道したにも関わらず、何の理由か「白ネズミが爆発することはない」と掌を返し、白ネズミが爆発した後も同じ旨の無責任な報道を繰り返した。

  • 白ネズミ
高性能爆薬を飲み込んで実験研究所より脱走し、ジェリーと入れ替わりにトムの家へ迷い込む。体色以外はジェリーによく似ている。ラジオで当初「白ネズミが爆発する危険がある」と報じられ、後に「爆発の心配なし」と続報が入ったが、実際はトムに蹴られた際に大爆発し、家を街ごと吹き飛ばした。その後の安否は不明*5

  • ナレーション
    日本語吹替:谷幹一(TBS版)


追記、修正は白ネズミを見つけた方がお願いします。

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最終更新:2025年07月10日 09:13

*1 見た目の違いだと、靴墨がけジェリーが全身白いのに対し、本物の白ネズミは口回りや耳の中がピンク色になっている。

*2 TBS版では「どーなってんだろーなぁ…」、メディアコムサプライ版では「はい…。大爆発…。」と言っている。

*3 本来、ワーナー版では堀絢子が担当しているが、この回では文章を読むシーンや台詞を発するシーンが無かったため。

*4 ジェリーは『ネズミ取り必勝法』では大爆発の中心地にいたにもかかわらず無傷だったのでもしかしたら無傷かも知れない。

*5 白ネズミは自身そのものが爆弾と考えると自爆ということになり消滅したとも考えられる。