双星神 a-vida(遊戯王OCG)

登録日:2020/02/14 (金) 21:17:07
更新日:2024/12/27 Fri 23:57:59
所要時間:約 10 分で読めます





――星明かりの勇者――

――捧げし剣に光を束ね――

――大いなる闇を討ち祓わん――



双星神、星誕



第10期第9弾となるパック、『RISING RAMPAGE』にて登場した光属性・サイバース族の最上級モンスター。
a-vidaは「アヴィダ」と読む。
名前の段階で嘗ての神々を連想せずにはいられない、衝撃の登場となった第3の星神。
尤も、「星を創り上げる神」ではなく「双つ星の神」であるのが大きな違いではあるが。

以下、そのスペック。



特殊召喚・効果モンスター
星11/光属性/サイバース族/攻3500/守3500
このカードは通常召喚できない。
お互いのフィールド・墓地にリンクモンスターが8種類以上存在する場合のみ特殊召喚できる。
このカードを特殊召喚するターン、自分は他のモンスターを特殊召喚できない。
(1):このカードの特殊召喚は無効化されない。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。
このカード以外の、お互いのフィールド・墓地のモンスター及び除外されているモンスターを全て持ち主のデッキに戻す。
この効果の発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。


相も変わらずの神の名に相応しい高いレベルと基礎ステータス、
そして強力なリセット効果を併せ持っている。

召喚条件は「お互いのフィールド・墓地にリンクモンスターが8種類以上」

相手がリンクモンスターを多用するデッキであれば、相対的に召喚条件も緩むことになる。
前任たちと違って召喚の際に除外したりデッキに戻したりは必要なく、条件さえ満たしていればそのまま手札から呼べる。
まあ結局リセットされるからあまり意味はないのだけど。

ただ、大きな違いは「このカード以外の特殊召喚を同一ターンで行えない」という制限があること。
連続リンク召喚からそのままこのカードまで繋げることができないため、
必然的に1ターンは跨がないといけないことになる。

現在のOCG環境ではたった1ターンでも命取りになる可能性は非常に高いため、
どうにかコイツを呼ぶまでに守りを固める手段も確保しておきたい。

制限があるとはいえ、前任たちと相対的に比較すればまだ召喚条件のハードルは低いかもしれないが、
能動的に素早くコイツを呼び込むなら、やはり専用デッキの構築は必須であろう。
複数種類のリンクモンスターを連続で召喚するデッキ、特に閃刀姫なんかが候補に挙がりやすいか。

また、a-vida自身のサーチ手段として、リンク素材となった際にレベル5以上のサイバース族をサーチできる、
《フォーマッド・スキッパー》なんかも忍ばせておくといいかもしれない。


????「墓地にいるだけでいいなら直接叩き落せば良くね?」


……もしくは召喚条件を満たすだけなら、いつもの如く雷帝様に切腹してもらうのが手っ取り早いかもしれない。


で、召喚にさえ成功すれば待っているのは無効化を封じながらのリセット。
フィールド・墓地・除外ゾーンのモンスターを根こそぎデッキバウンス。
除外アドをメインとしたデッキにすらぶっ刺さる、神の名に恥じない強烈な効果である。
自分諸共他のモンスターを吹っ飛ばした後にやはり待っているのは、
攻撃力3500のコイツによるワンサイドゲーム……


ちょっと待って、手札は?

モンスター以外のカードは?


そう、召喚条件が多少緩和されていることもあってか、コイツが干渉するのは"手札以外のモンスター"のみである。
昨今、手札や墓地から効果を発動できるカードも少なくないため、思わぬところで妨害を受ける可能性も決して低くはない。
前述の特殊召喚制限もある上、召喚時と効果発動時以外には何の耐性も無いため、
相手のライフが3500を上回っている場合、攻めきれないと返しのターンで逆にこっちがジリ貧になってしまうことも。

幸いこちらの手札にも影響はないため、通常召喚可能な追加のモンスターやら、
コイツ自身の強化手段やらを確保した上で、召喚ターンでケリをつけてしまいたいところ。




さて、上述のように名前からして嘗て端末世界に君臨した神々を連想せずにはいられない存在であるコイツ。
現実世界にも人工生命を研究するプログラム――avidaが存在しており、
これは古き生命を淘汰する死神のプログラム――tierraの影響を受けて開発されたもの。
また、スペイン語で命を意味するvida(ヴィダ)という単語も存在しており、やはり破壊を司る第二の創星神との繋がりを感じずにはいられない。


……そしてこれらの疑惑が浮かぶ少し前、コイツ自身が登場する一つ前のパック、
『DARK NEOSTORM』においてこんなカードが登場していた。


星神器デミウルギア

リンク・効果モンスター
リンク3/闇属性/サイバース族/攻3500
【リンクマーカー:左/右/下】
レベル5以上のモンスター3体
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
このカードはリンク素材にできない。
(1):リンク召喚したこのカードは他のモンスターの効果を受けない。
(2):種族と属性が異なるモンスター3体を素材としてこのカードがリンク召喚されている場合、
自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。
(3):相手がEXデッキからモンスターを特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「星遺物」モンスター1体を特殊召喚する。


a-vidaと同じサイバース族であり、攻撃力も同一。
第10期においてストーリーの中心となっていた星杯、星遺物との関連を匂わせる名称、
それ以上に注目すべきが、かの破壊の力の端末煉獄の悪魔たちと共通したデザイン。

また、グノーシス主義において名前の元ネタとされるデミウルゴスという悪神が登場しているのだが、
その中にはsophiaという名の牛頭の女神も存在しており、これも偶然の一致とは言い難い。

このことから、嘗ての端末世界と星遺物を巡る世界、
そしてsophia、tierra、a-vidaには密接な繋がりが存在しているとの予想がされいたのだが……

以下、マスターガイド6により判明した情報により激しくネタバレ


























第10期のイラストストーリーのメインであった「星遺物」と密接に関わっており、
上述のデミウルギアとも切っても切れない関係にある存在なことには違いないが、
率直に言ってしまうとsophiaのように「世界のリセットを目論んでた」とか、
tierraのように「裏で暗躍しつつ世界を破壊しようとしてた」とか、
そういう物騒な思考は持たない、寧ろ真反対の存在だったりする。


【Monster story】


星遺物を巡る戦乱よりもずっと古代の話、
自らを「鍵」へと変えた天の神、幾重もの地殻の奥底に封印され「大いなる闇」と呼ばれるようになった破壊の力、
その闇に対抗すべく創造の力と、地殻から漏れ出た破壊の力が溶けあったエネルギーから生まれた小さき生命、
そして小さき生命と大いなる闇の戦いを語り継いだ星の勇者の英雄譚。

それから遥か未来、人類が繁栄を極めていた時代、
発掘された鍵より解析された大いなる闇への対抗策を研究するチーム「パラディオン」のメンバーの一人であった女科学者リース、
彼女の「神の力をこの手に掴む」という野望の下引き起こされた明星の機械騎士=ジャックナイツの暴走と大地の荒廃の果て、
パラディオンのメンバーは残りのジャックナイツに未来を託す自分たちの人格データを、
黒幕であるリースは上述の暴走事件によって生み出された7つの星遺物の一つ、星杯に己の魂をそれぞれ移植。

そしてそれから更に未来――クローラーと呼ばれる機械蟲が蔓延り、
ジャックナイツが世界統治の頂点に立つ世界の星振の森に住まう4体の生命。

祭器の継承者、星杯を戴く巫女――イヴ
イヴの幼馴染、星杯に選ばれし者――アウラム
イヴの兄、星杯に誘われし者――ニンギルス
仲良しの子竜、星杯の守護竜――イムドゥーク

彼らが星杯に宿る妖精――嘗てのリースと出会うことで星の勇者の物語は動き出す。


リースはイヴたちに星杯の力を与えた上で、星遺物の回収とジャックナイツとの戦いへと誘導。
アウラムやニンギルス達がジャックナイツとの激闘を繰り広げる最中、
本性を現したリースはイヴの肉体を乗っ取り、イヴリースとして再誕。

「鍵」をコントロールする資格を持ちうる星の勇者の証を持つイヴの肉体を得ることで、
嘗ての野望を達成するべく配下のトロイメアと共に暴走を始めるイヴリース。

ジャックナイツとの共闘、彼らの協力によるアウラムへの鍵の力の継承。
不完全な継承による力の分断、星槍を手にしたことによるイヴリースの猛攻。
イムドゥークの覚醒によるリースへの抵抗、

激変する状況の果てに待っていたのは、リースの支配から僅かに己の意思を取り戻したイヴが、
乗っ取られた肉体諸共「鍵」の一つたる剣によって命を絶つというあまりにも悲劇的な結末……

妹を失った悲しみに暮れ、妹の蘇生のための研究を繰り返しオルフェゴールという配下を生み出すニンギルス、
それに対抗すべく過去の伝承を調べ、各部族の長と共に連合軍「パラディオン」を結成するアウラム、
両軍の激突とイムドゥークの死が呼び寄せる、星遺物の形態変化と守護竜の覚醒……

7つの星遺物と星の勇者を巡っての戦いの中、
世界の地殻の奥深くでは「神の力の器」の目覚めが間近に迫っていた……


結論『リチュアやクリフォートもビックリのリースさんの傍迷惑っぷり』

以下、更なるネタバレ




















数々の実験の果て、作り上げた機械人形の器に生と死の力を注ぎこみ、
遂にイヴの復活を成し遂げたかに見えたニンギルス、

…だが、機械人形が見せたその笑顔はイヴのものではなく、
イヴと同化したまま共に蘇ったリースのものであった。

潰えていなかった野望の再動ために、リースは器の機械人形に宿っていたイヴの魂を消去、
後に5体の守護竜すらも飲み込み、イドリースという更なる存在と化した上で、神の力と同化するための神経系たる
機怪神エクスクローラーをも産み出し、野望の達成は目前かに思われた。

しかし、消去されたと思われたイヴの魂の正体は、ニンギルスの長きに渡る実験の中で、
器独自の意思として目覚めていたガラテアの魂であり、
ガラテアの手引きでイヴの魂は守護竜の1体、ユスティアに転送さていた。
そして間一髪駆けつけたユスティア=イヴは、イドリースから己の肉体を取り戻すことに成功する。


……だが、喜びも束の間、エクスクローラーによって破壊された大地の奥深くから、
神の力の器たる星神器デミウルギアが遂に復活。
力の全てを奪われ崩壊する最中、リースは尚も神の力を求め続ける執念を見せつけ、
狂乱のままエクスクローラーと共に暴走する己の魂をデミウルギアに組み込む。


その邪悪な魂により制御を失ったデミウルギアは暴走。
星を、天をも滅ぼさんとする神の器の破壊の力を前に立ち上がったのは、
鍵の力を完全に継承し、星遺物の統合に成功したアウラム――双穹の騎士アストラム

神の残滓たる鍵の継承者となったアストラムが取った方法……
それは、鍵の力を完全に解放することで神の器たるデミウルギアを取り込み、
自らが新たなる神としてその力を制御するというもの。


――星の勇者の強い意志の元――


――新たな神である双星神a-vidaが遂に誕生――


新たな神となったa-vida=アウラムの望み……、
それは嘗て人間だった頃の家族、仲間、戦友、
そしてこの星戦によって失われた命を取り戻したいというもの。

神としてはあまりにもかけ離れた、人間的でありふれた願い……
それは超常の存在たる神としては単純な破壊以上に天意に背くものだったかもしれないが、
それでも迷うことなくアウラムはその願いを果たすことを選択。


――神となった星の勇者の願いの下――


――崩壊した星そのものを器として取り込み――


――全ての生命を再生するためのプログラムが起動――




全てを包んだ光の先、最後の星遺物たる一本の星鍵を残し神として消滅したアウラム、
再生した世界の、数多の星が瞬く空の下、蘇ったイヴと機械の体を得て復活したニンギルス(そして小さな妖精へと転生したガラテア)は、
「嘗ての悲劇を二度と繰り返してはならない」という強い決意を胸に進み続ける。


――星遺物の導くその先へ。





◆余談

第10期のストーリーの中心人物たるアウラムが神の器と融合して生まれた神、
それがa-vidaの正体ということになるのだが、
マスターガイド内においても、嘗ての端末世界と創星神たちとの直接的な繋がりは明言されずに終わっている。

とはいえ上述のように神の器たるデミウルギアは、創星神tierraやクリフォート、インフェルノイドとデザインが酷似しており、
黒幕たるリースは科学者だった頃から、その神の力を手にするという野望を抱き続けていた。

リース含めたパラディオンのメンバーたちが解析・研究を進めていた遥か古代の世界……
鍵へと姿を変えた天の神が存在し、破壊と再生の力によるサイクルが行使されていた世界、
これこそが嘗ての端末世界のことを指していたということなのだろうか。





追記・修正は8種類のリンクモンスターを揃えてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCG
  • 星11
  • 光属性
  • サイバース族
  • 特殊召喚モンスター
  • デウス・エクス・マキナ
  • 星遺物
  • 攻撃力と守備力の数値が同じ
  • RISING RAMPAGE
  • 全体除去
  • 墓地メタ
  • 除外メタ
  • デッキバウンス
  • チェーン不可
  • 創星神シリーズ(遊戯王OCG)
最終更新:2024年12月27日 23:57