轟雷帝ザボルグ

登録日:2014/08/03 Sun 13:21:22
更新日:2025/03/29 Sat 11:02:32
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轟雷帝(ごうらいてい)ザボルグ》とはNEXT CHALLENGERSにて登場した光属性・雷族のモンスターであり、
最上級帝の一枚でもある。

星8/光属性/雷族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを破壊する。
破壊したモンスターが光属性だった場合、その元々のレベルまたはランクの数だけ、お互いはそれぞれ自分のEXデッキからカードを選んで墓地へ送る。
このカードが光属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。
●墓地へ送る相手のカードは自分が選ぶ。


A召喚時にモンスター1体を破壊し、それが光属性モンスターならEXデッキを破壊すると言う一風変わった効果を持つ。
また、リリース元が光属性なら相手の分をこちらが選べるようになる。もちろん相手のEXデッキを全部見られるということでもある。

EXデッキのモンスターはPモンスターを除けば蘇生制限があり、
直接墓地に置かれてしまった場合は蘇生することが出来ないので、一旦回収する手間を挟まなければならない。
墓地融合が可能なテーマならともかく、シンクロ・エクシーズがメインのデッキなら戦略が瓦解する事も起こりうる。

ただし、同時に自分のEXデッキも破壊するので要注意。
被害を減らす為にもEXデッキは0の方が好ましい。
逆に墓地に落ちたモンスターを《貪欲な壺》で戻すという手もある。相手に蘇生されることはないので基本的にはどんなモンスターを落としても問題ない。

更に言えば、EX破壊は「光属性モンスターを破壊した時」のみ発動するので、相手が光属性を使って来ないと意味がない。
リリースの少ない進化前の《雷帝ザボルグ》や《邪帝ガイウス》で充分になってしまう。

最悪自爆と言う手もあり、初期枚数15枚のEXを8枚減らせるのは大きい。
が、その場合は召喚権を失った上ボードアドも取れないので気をつけたい。

《フォトン・サンクチュアリ》を利用してA召喚出来て追加効果も使えるが、
自分にも影響がある上直接アドに繋がりにくい分、使い所が難しいカードである。

また、同パックに登場した《帝王の轟毅》のイラストにも登場している。


追記修正は《青眼の究極竜》を破壊して12枚墓地に送ってからお願いします。
















……さて、本題に入ろう。
実はこのカードは他の最上級帝と違い、かなり応用の効く効果を持っている。

何故ならこのカードは自爆することによって「EXデッキのカードを8枚墓地に送る」。

つまり、EX限定とは言え
「任意のカードを8枚墓地に送る」
と言い換える事が出来る。

遊戯王において墓地は「第2の手札」とも呼ばれ、それを8枚も増やせるのであれば利用しない手はない。
EXデッキのカード限定であるものの、送るカード次第ではかなりのアドバンテージが得られる。


以下、具体例
(もし他にあれば追記・修正お願いします。)

⚫︎HERO
言わずと知れた融合のエキスパート達。
《ミラクル・フュージョン》による墓地融合で《E・HERO ゴッド・ネオス》や各属性融合HERO、《C・HERO カオス》《E・HERO Core》などが出せる。
HEROとネオスはもちろん、ネオスペーシアンだってマリン・ドルフィンやティンクル・モスでまかなえる。
特にカオスは高めの打点に加えてフリーチェーンで相手の魔法・罠も無効に出来るので使い勝手が良く、《Wake Up Your E・HERO》なら攻撃力4900でモンスターに8回攻撃可能に。
HEROには現状でも強力なカードが揃っているが、ジワジワと新顔も出ているのでこれからも様々なコンボが産まれる可能性がある。
捕食植物キメラフレシア》も一緒に落とせれば1ターンのタイムラグがあるとは言え《ミラクル・フュージョン》もサーチ可能。

まぁ、融合召喚・変身召喚においては本家【HERO】には敵わないので、下記のカード群などと組み合わせて使って差別化を狙いたい。


⚫︎シンクロモンスター
こちらも《ミラクルシンクロフュージョン》で《地天の騎士ガイアドレイク》や《ナチュル・エクストリオ》《アルティメット・サイキッカー》などが呼び出せる。
《ミラクルシンクロフュージョン》のサーチも余った枠で《捕食植物キメラフレシア》を落とせばOK。

中でも《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》は、上記のHERO達も素材に出来るので共存可能であり、
《轟雷帝ザボルグ》の効果で他のドラゴン族Sモンスターを墓地送りにすれば効果をコピー出来る。
WW-クリスタル・ベル》も素材とコピー先を一緒に用意出来る。

今後登場するかもしれないシンクロ・シンクロ融合モンスター次第では化ける可能性のあるカード群である。

また、《轟雷帝ザボルグ》と同時に収録された《虹光の宣告者(アーク・デクレアラー)》は
(3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。
と言う効果を持っているので、《轟雷帝ザボルグ》で2〜3枚墓地送りにすれば儀式召喚の準備が整う。
光属性の儀式モンスターなら《フォトン・サンクチュアリ》の制限にかからない上、トークンや余った《轟雷帝ザボルグ》を利用して儀式召喚出来る。
《崇光なる宣告者》や《救世の美神ノースウェムコ》《竜姫サフィラ》《天界王シナト》辺りが使いやすいと思われる。

更に《ドロドロゴン》は融合素材代用効果を持つため、メインデッキのモンスターを要求する融合モンスターの融合召喚も狙える様になる。

他にも適当なSチューナー+《ブラックフェザー・ドラゴン》の組み合わせを落とす事で《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》を出せるため、3体並べて相手がモンスター効果を使う度に2100バーンを飛ばして牽制する事も可能。

地味ではあるが《PSYフレームロード・Ω》を墓地に送り、墓地のカードを戻すのもそれなりに有用。

《轟雷帝ザボルグ》を自爆させる関係でEXを半分以上圧迫してしまう為、メイン戦術にEXへの依存度が低い儀式は相性が良いと思われる。
EXに頼らないなら《轟雷帝ザボルグ》を複数回自爆させて相手のEXデスを狙うのもあり。


⚫︎エクシーズモンスター
互いのEXから同じランクのエクシーズを落とす事によって、《RUM-千死蛮巧》の発動条件を満たす事が可能。

特に使用率の高いランク4を落とせば、
大量のORUを持つ《CNo.104 仮面魔踏士アンブラル》やそこから《CX 冀望皇バリアン》(《No.86 H-C ロンゴミアント》コピー)などが出てくる。

特にバリアンの場合、素材の数を調整すれば

墓地の《No.69 紋章神コート・オブ・アームズ》をコピー

コピーした効果で場のゴーストリックの名前をコピー

《ゴーストリックの駄天使》重ねて特殊勝利

と言ったコンボも狙える。
今後登場するNo.の効果次第では更なる戦術を展開出来るようになる。

ただし、この戦術は相手が同じランクのエクシーズを使ってないと破綻するので、
有る程度は自力で戦えるようにしないと泣きを見るので要注意。

幸いゴーストリックと帝の相性は良く、
《ゴーストリック・デュラハン》と《ゴーストリック・アルカード》は墓地に送られた場合にゴーストリックを回収出来るので上手く活用したい。

また、《No.18 紋章祖プレイン・コート》も墓地に送られた場合にデッキの紋章獣を2枚墓地に送れるので墓地発動する紋章獣を利用出来る。
紋章エクシーズにはNo.が多いのでバリアンでコピーして活用も出来る。


⚫︎機械族モンスター
「ん?」と思われるかもしれないが、
サイドラ系やVWXYZ系などの光属性・機械族を8枚墓地に送ることで、
お手軽に攻撃力4000の《サイバー・エルタニン》を呼び出せるのである。
ここに《リミッター解除》を加える事で攻撃力はなんと8000。
充分に1killが狙えるのである。

《オーバーロード・フュージョン》で使う《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の素材として墓地に送るのもあり。
エラッタになった《未来融合-フューチャー・フュージョン》とは違い、召喚権を失う上、墓地送りにしたターンは出せないものの、かなりの高火力を叩き出せる。

また、《サイバネティック・フュージョン・サポート》が必要になるが、
「ロイド」と名のつく機械族を墓地に送って《戦機王 ヴァルバロイド》の融合召喚を狙う事も可能。


⚫︎ドラゴン族
《龍の鏡》で《F・G・D》の素材にしたり、逆に《F・G・D》を墓地に送って鎧黒竜や鎧獄竜甲虫装機 エクサビートルなどに装備させるのも出来る。
特に《シューティング・クェーサー・ドラゴン》は攻撃力も高く、装備状態で破壊されても効果が発動するので後続も呼び出せる。
上記の《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》と共存させても面白い。
更に《深淵竜アルバ・レナトゥス》は《捕食植物キメラフレシア》と同じ融合・フュージョンサーチ効果を持っている上に、《ドロドロゴン》+ドラゴン族複数で墓地融合して出せるため素材としてもアタッカーとしても使える。

また、融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラムのドラゴン族を《捕食植物キメラフレシア》とまとめて落として《覇王龍ズァーク》を召喚するという【ズァーク帝】というデッキもある。
《轟雷帝ザボルグ》の自爆なら3枠余る為、ここに2枚目の《捕食植物キメラフレシア》+素材モンスター2体を落としたりも可能。
更に《轟雷帝ザボルグ》の自爆が《アストログラフ・マジシャン》or《クロノグラフ・マジシャン》を出すトリガーにもなるので、手札に彼らが居れば「ペンデュラム・ドラゴン」・「エクシーズ・ドラゴン」・「シンクロ・ドラゴン」・「フュージョン・ドラゴン」を落とせばそのターン中にズァークが降臨する。

青眼の究極竜》2体で《偉大なるダブルキャスター》を融合召喚すれば攻撃力9000のダイレクトアタッカーが降臨するため、不意打ち気味にワンショットキルを狙う事が可能。
《偉大なるダブルキャスター》は光属性なので《フォトン・サンクチュアリ》の制約に引っ掛からず、《円融魔術》を素引き出来ているなら《轟雷帝ザボルグ》の自爆から即座に降臨してそのままフィニッシュなんて事も。

更に《No.107 銀河眼の時空竜》は《時空の七皇》で公開する事により《轟雷帝ザボルグ》のサーチが可能となる。
《無限竜シュヴァルツシルト》を使えば召喚権を使わず《神影金龍ドラッグルクシオン》をX召喚して《銀河眼の時源竜》をサーチし、特殊召喚した《銀河眼の時源竜》で《時空の七皇》をサーチと繋がるため、先攻1ターン目から《轟雷帝ザボルグ》を自爆させられる様になっている。
《神影金龍ドラッグルクシオン》も《銀河眼の時源竜》も光属性なので、どちらかをA召喚のリリースに使えば相手の破壊するEXをこちらで選べる様になるのもありがたい。


⚫︎化石融合モンスター
融合素材を墓地に用意出来るだけでなく、
墓地から除外する事でキーカードの《化石融合ーフォッシル・フュージョン》をサーチ出来る《新生代化石竜 スカルガー》や、
《タイム・ストリーム》をサーチする《新世代化石騎士 スカルポーン》、
モンスター1体を破壊出来る《中世代化石騎士 スカルナイト》
と融合素材を兼用しつつ墓地で発動する効果を持つ融合モンスターが複数存在するので一石二鳥。
《捕食植物キメラフレシア》や《深淵竜アルバ・レナトゥス》と違いタイムラグなく融合出来る上、
相手のEXから落とすカードを選ぶ事によって化石融合の対象を相手の墓地に用意する事も可能。
ただし、属性が合わないので《フォトン・サンクチュアリ》からのA召喚とはミスマッチな点には要注意。


⚫︎旧神ヌトス
墓地に送られた時にフィールド上のカードを破壊できる。
この手のカードにありがちな1ターンに1度の制限が無く、3枚同時に墓地に送っても発動するのが魅力。


上記に挙げた以外にもホープ系列を落として《運命の扉》のコストにしたり、《究極時械神セフィロン》の召喚条件満たす為などにも使用出来る。

また、《轟雷帝ザボルグ》の基本的な使い方は自爆であるが、相手の場に高レベルのの光属性が立っている場合はそちらを破壊してもいい。
その方が《轟雷帝ザボルグ》を場に残せるので戦線維持に役立つ。
壊獣なら厄介な相手モンスターを処理しつつ《轟雷帝ザボルグ》の的になるので非常に優秀。
《雷撃壊獣サンダー・ザ・キング》かは9枚、《壊星壊獣ジズキエル》なら10枚墓地送りとなるのでデッキや戦術と相談して採用を決めたい。


また儀式軸なら取り敢えず《虹光の宣告者》を落とせれば良いので、レベルorランク3〜4辺りを破壊しても充分である。
場に残った《轟雷帝ザボルグ》はリリース要因としても扱える。



さて、ここまで《轟雷帝ザボルグ》の活用法を述べてきたが、このカードにも勿論弱点が存在する。

◆除外関連
折角墓地に送ったところでこちらが使う前にそれらを除外されたり、自爆前に《マクロコスモス》を張られたりすると一気に悲惨な状況になる。
特に出張要因として色んなデッキに出張る《M・HERO ダーク・ロウ》なんかは天敵なので対策必須である。

加えて、融合軸ならば《王宮の鉄壁》などの除外メタにも弱い。
墓地融合は大抵の場合、除外しなければならないのでそれを封じられては全く話にならない。

しかし、敢えて除外する事によって《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》や《ネクロフェイス》の攻撃力を爆発的に増加させる事が出来るので、逆に除外戦術をメインにすることも可能。


シャドール
《エルシャドール・ネフィリム》は《轟雷帝ザボルグ》の破壊対象として利用出来るものの、
シャドールの融合体が墓地に送られた場合、「シャドール」魔法・罠をサルベージする効果を持っている為、
EXから直接墓地に送ったところで相手もアドバンテージが増える。

先攻《轟雷帝ザボルグ》自爆を決めた所で、ほぼ必ず積まれている《貪欲な壺》で回収+2ドローさせる隙を与えてしまう。
逆にこちらが《エルシャドール・ミドラーシュ》を初めとした特殊召喚メタに引っかかって上手く回らず、どうしようもなくなる。

相手が《貪欲な壺》を引けず、そのうちにEXデスを決めれば多少勝機が見えてくるが…


◆手札事故
《轟雷帝ザボルグ》を使う場合、とにかく素早く場に出して自爆ないし相手の光属性を破壊するのが第一目標であり、
EXを使う場合は2回目・3回目の効果発動はなるべく狙わない、のが基本方針である。

《轟雷帝ザボルグ》はサーチ手段に乏しいので早く引く為には複数積みが基本となり、
《フォトン・サンクチュアリ》などのリリース要因も多めに用意しなければ心許ない。

更に、その他のサーチ・リクルートなどを駆使してデッキ圧縮し、《轟雷帝ザボルグ》を引く確率を少しでも上げる工夫も必要となる。
しかし、そうなると今度は手札でダブつく可能性が出てくるので、それをどうにかして処理しなければならない。

儀式軸なら儀式召喚のリリース要因や2回目以降のEX破壊などの使い道があるが、
それ以外だと《トレード・イン》や《打ち出の小槌》などを利用して処理したり、貪欲で自分のEXを増やしてから再度効果発動など、少し手間がかかる。




以上の事を纏めると、このカードはまだまだ安定した強さを発揮できないものの、
現時点でもかなりの可能性を秘めており、今後のカード展開次第では更なる広がりを見せると思われる。

他の最上級帝の様に自らの道を切り開くのではなく、後続の為にその身を投げ出す《轟雷帝ザボルグ》の生き様は、
上に立つ者・「帝」としては正しくないかもしれないが、「漢」と呼べる代物であると言える。



追記・修正は《轟雷帝ザボルグ》を自爆させずに8枚送りしてからお願いします。


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最終更新:2025年03月29日 11:02