SCP-823-JP-J

登録日:2020/02/20 Thu 23:02:28
更新日:2025/02/16 Sun 17:58:35
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-823-JP-Jはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するジョークSCP(SCiP)のひとつである。

収容クラスThaumiel
撹乱クラス1/Dark
リスククラス2/Caution

項目名は「永久燃料メイテイ改」


概要

まずコイツが何なのかというと、とある異次元世界へと繋がる異次元ポータルである。
このポータルからは異空間の大気が常時流入しており、その大気には気化したアルコールが含まれており周囲の人物を酩酊状態にさせるほどの高い濃度を有している

…実はこのポータル、財団がとある要注意団体の調査を目的として人工的に開発した物である。(しかも異常性の無い材料で簡単に作れるらしい。)
…なのだが、このポータルはまた面積が拡大するにつれて接続が不安定になり、半径100mm程度でその存在の維持が不可能なレベルで不安定になるという致命的な欠陥が存在する為、人間が通る事は不可能であり本来想定した使い方は出来なかった。

だが転んでもただでは起きないのが財団。
このポータルは上述の通り向こうの世界から常時気化したアルコールが流出している。
そしてアルコールは可燃性の高い気体である。つまり火をつければずっと燃え続ける。

…財団はなんとこのポータルを永続性をもつ火力燃料としての利用を始めた。

流石財団。SCP-1677-JPの時といいSCP-2128の時といい思わぬ応用方法を見つけ出す。

ただ着火してから幾分か経過するとポータルから焼け焦げた紙片が出現する。殆どは判別不能だがこれまでに

「助けて」
「もうやめて」
「許して」

といった、意味不明な文字の羅列が綴られている。

主な用途

照明

画像出典:http://ja.scp-wiki.net/scp-823-jp-j ,by solvex
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

SCP-823-JP-Jを用いた最初の使用例。原始的なアルコールランプの導入に賛否両論があったものの、最終的に年間数千兆円もの電気代の削減に成功した。これによりSCP-823-JP-JはThaumielに分類された。

早速有益な実績を残している。
財団のメインエネルギーとしての本格的な活用が始まったようだ。

ライター

財団内の購買にて販売しているライターをすべてSCP-823-JP-Jにしたところ、1個あたりの使用期間が劇的に延びたことにより費用削減並びに職員のストレス軽減が確認された。尚、前述の用途不明の紙片にこれまでと異なり

「臭」
「煙」
「無理」

といった相変わらず意味不明な文字の羅列が書かれていた。

火炎放射器


画像出典:http://ja.scp-wiki.net/scp-823-jp-j ,by solvex
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

こちらはSCP-823-JP-Jを用いた火炎放射器である。
やはり武器としての活用も可能なようだ。

SCPの収容への利用


SCP-457*1に対してSCP-823-JP-Jを用いた炎を与えた所「おいしい」「まんぞく」「よっちゃいそう」などの肯定的な意見を表し、それに伴い収容下における態度の著しい改善が認められた。

画像出典:http://ja.scp-wiki.net/scp-823-jp-j ,by solvex
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

こちらはSCP-823-JP-Jによる炎を与えられ喜ぶSCP-060*2の姿である。

何だこの万能すぎるオブジェクト。

発電


画像出典:http://ja.scp-wiki.net/scp-823-jp-j ,by solvex
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

これはポーランドに建造された、SCP-823-JP-Jを大量に敷き詰めることにより高火力を出すことに成功した発電施設である。
"酩酊式火力発電"として全世界に建造されることが決定している。

もはやExplained化一歩手前である。
SCP-823-JP-Jが齎すものはそれ程までに人類にとって有益なのだ。
そりゃ人類にとって夢の半永久エネルギーなんだし当然である。

宇宙船


画像出典:http://ja.scp-wiki.net/scp-823-jp-j ,by solvex
この画像は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。

これは財団によって建造された、SCP-823-JP-Jから齎されるエネルギーを有効活用した全長1kmの宇宙船、その名も"ドランケンネス"*3である。
SCP-823-JP-Jは無限のエネルギー源となるため超長期間にわたって補給を行うことが困難な宇宙船に利用された。
この宇宙船は乗組員5000人を乗せて旅立ち、数百光年離れた惑星への植民を見事に成功させた。更に移住先の惑星もSCP-823-JP-Jによって温められた。
この成功を皮切りに同型艦の建造が次々に計画された。


いや万能すぎんだろ!どんだけ人類の発展に貢献してんだよこのSCP!
そりゃ納得のthaumielである。



さて、ここまでこのSCPの便利さを書き連ねてきたが、今まで様々なSCP記事を見てきたアニヲタ諸君は、

こんだけ便利なSCPなんだから何かデメリットでもあるんじゃないの?

と思ったかもしれない。だがこのSCPには…






そういった類のデメリットは一切存在しない。

「は?」


確かにこういった便利なSCPには何かしらのデメリットが付き物だが、こいつにはそういったものが一切無い。
「は?」

現代の火力発電のように燃料の枯渇の心配も、原子力発電のような放射能の心配も無い。

人間を材料にしてる訳でも、倫理的に問題がある訳でも、とある科学者が命と引き換えに生み出した訳でも、基底世界の何処かで被害が出る訳でも無い。
「あ、悪魔たん…」
「あんな奴らを生かしておいたら、酩酊街は破壊し尽くされてしまう!」
本当に気軽に使いたい放題の無制限エネルギーなのである。
そりゃ積極的に利用推奨されるわ。
「悪魔!鬼!人でなし!デブ!サディスト!」

補遺

ある日、全てのポータルから大量の紙が出現。それらの紙は若干の耐火性があり、従来と異なり書かれた文が読み取れる程度には燃え残った。内容は以下の通り。

お元気ですか? わたしはへとへとです。
こっちは夜でも明るくなり、雪はすっかり解けてしまいました。
そっちにお手紙を送るのも難しくなっちゃいました。
また前みたいにお話をしましょうね。
わたしも今そのために頑張ってます。
酩酊街より 愛を込めないで 抑えきれない怒りが 我慢は大事
愛を込めて


…相変わらずの意味不明な文章である。
だが今回の事件で今後も同様の状況になりポータルが詰まってが機能不全になる可能性が出た為、避けるために火力をさらに高めて完全に焼却できるように改良することが予定されている。
「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ! なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分達の利益だけのために利用する事だ…財団ががなにも知らぬ『俺達』を!! てめーらだけの都合でッ! 」

ともかく、この超便利エネルギーはこれからも人類の発展を促進していくだろう。


財団の未来は火の光によって明るく照らされていた。
「ふざけるなァァァ!!!!!!」

【補足】
この報告書は、日本のSNSのSCP界隈の一部で流行していた、「酩酊街を燃やす」というネタに由来している

ディスカッションでも「ジョークとはいえ内輪ネタが過ぎる」という意見も出ているなど、賛否が分かれている記事である。
しかし「酩酊街のアルコールを燃やして発電する」というぶっ飛んだ内容が人気を博したのか、
2021年8月30日時点で+165もの評価点が付いている。
「あァァァんまりだァァアァ」


あれぇ~っ?財団の皆さんって全然酔ってないんですねぇ~っ?イマドキ子どもだって楽しくなってるのに恥ずかしくないんですかぁ~この雑魚肝臓っ

「自分を知れ…そんなオイシイ話が……あると思うのか?お前の様な財団に」

何じゃこりゃ? と問われると、このオブジェクトに関連するTalesのタイトルである。
内容は本作の後日談に当たる。やりたい放題やられていた酩酊街が反撃に転じ、一転してKクラスシナリオ寸前まで追い込まれた財団の悲惨な姿が描かれている。

夢の半永久エネルギーも、ひとたび制御を奪われれば……

「てめーの敗因は…たったひとつだぜ…財団…たったひとつの単純な答えだ…「てめーはおれたちを怒らせた」」


追記・修正はSCP-823-JP-Jを使って火星全土を温めてからお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-823-JP-J - 永久燃料メイテイ改
by solvex
http://ja.scp-wiki.net/scp-823-jp-j

あれぇ~っ?財団の皆さんって全然酔ってないんですねぇ~っ?イマドキ子どもだって楽しくなってるのに恥ずかしくないんですかぁ~この雑魚肝臓っ
by ShicolorkiNaN
http://scp-jp.wikidot.com/cant-drunk-foundation

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最終更新:2025年02月16日 17:58

*1 本来は透明だが燃料を掛けて燃やすと人型の炎のような姿を取るSCP。燃料を与えられると次第に成長してゆき、さらに手当たり次第色々な物を燃やそうとする。

*2 アメリカのミネソタ州にあるとある農村の周辺に生える17本の白樫の木。燃やすと炎を纏った骸骨が現れて周囲の人間に加害しようとする。

*3 drunkenness、「酩酊」の意。