酩酊街(SCP Foundation)

登録日:2020/02/07 (金) 23:21:25
更新日:2025/02/23 Sun 01:58:00
所要時間:約 3 分で読めます










酩酊街へ、おいでませ。*1




酩酊街とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場する要注意団体の一つである。

【概要】

一年中雪が降る常夜の街「酩酊街」と、そこに住まう住人からなる要注意団体。『忘れられたもの』が行き着くとされる街中にはいつもお酒の匂いが漂っているらしい。

異常存在の破壊研究開発……と、何かしらの目的意識を持つ他団体との軋轢もほとんどなく、財団からは「そもそも我々のことを認識しているかさえ不明」と称されるほど、酩酊街は他との関わりを持とうとしない。


そんな「来るものは拒まず去る者は追わず」な酩酊街の存在理念は


「酩酊」、「忘却」、「停滞」

仕事はしない。
目標も持たない。
毎日ひたすら酒を飲み、騒ぐ。
酔いと安らぎの中で、多くのものを忘れる。
ただひたすらに享楽と酩酊に溺れ、ぼんやりとした幸福に浸り続ける。


それが酩酊街の目的、否、在り方なのである。


【酩酊街の特徴】

案内人

異空間上に存在する酩酊街と現実世界を繋げる「道」という領域を経由すれば誰でも酩酊街を訪れることができる。

だいたいの場合「道」には温厚で友好的な「案内人」と呼ばれる存在(オブジェクトの一部)がいる。
彼らに行きたいという意志を伝えると行き方を教えてもらえるため、その案内に従うといいだろう。
ただ「案内人」の多くはその意思表示をすると「本当に行きたいの?大丈夫?後悔しない?」としつこく意思を確認してくる。そこで強く希望すれば彼らも否定しないので、事前に心の準備だけはしておいたほうがいいかもしれない。
そうすれば、きっと、迷うことはないだろう。


『忘れられたもの』の行き着く街

酩酊街に踏み込むと元いた世界では存在ごと忘れられ、「消滅した」とみなされる。

酩酊街は忘れるための街であり、同時に忘れられたものが行き着く街でもある。
よほど、思い出すことがうまい人でなければ踏み込んだ者自身も酩酊街から「帰り方を忘れる」のか、「帰ってきても気付かれない」のか、帰還は困難を極める。

まあとにかく、一度酩酊街に足を踏み入れてしまうと、それまで築いてきた現世との(えにし)が絶たれてしまうというのは事実。案内人が念を押して確認してくるのも、この特性を把握しているからである。

しかし、現世のしがらみとままならなさに嫌気がさした、あるいは生きることそのものに疲れてしまった人の中にはこの性質を「救い」と捉える人もいる様子。
そう考えた人々が自らこの街に足を踏み入れて戻ってこなくなる例が相次いでおり、その中には財団のDクラスや職員も含まれている。


●「酩酊街より 愛をこめて」

酩酊街系オブジェクトに添えられた手紙。
「読んだらヤバい」系とかではなく、内容は季節のあいさつ或いは軽いメッセージ。親し気な挨拶から始まり、「酩酊街より 愛を込めて」で締めるのが定例。


●【酩酊街と関係のある要注意団体】

人間を「客」としつつも「資材」とする、鬼畜胸糞の要注意団体。
惜別の手紙を送っていることから、袂を分かった酩酊街出身者と思われる。



【酩酊街が関わるオブジェクト】

SCP Foundationのオブジェクトのほとんどは残酷な性質を持つが、酩酊街関連は純粋で無害な癒し系が多く、じわっと恐怖を煽ってくるやつもいるけど叙情的なものが大半を占める。

「酩酊・忘却・停滞」という酩酊街の理念(現実逃避の権化)を『辛い現実からの救い手』として取るか、『大事な思い出さえ忘れさせて無意味にする脅威』として取るかで評価は分かれるところだろう。
とくに後者は比較的中期~現在にかけての新しい記事に見られる傾向で「案内人」にこの傾向が多くみられる。*2


●SCP-823-JP - おつきみ

最初に投稿された酩酊街のオブジェクト。
自我を持つ月見団子(&その台座)で、言葉は話せないがある程度人間との意思疎通ができる。
危険な能力も一切持たず悪意もないガチ癒し系。


●SCP-495-JP - 廃ビルの靴磨き

前述した「道」および「案内人」のひとつ。
廃墟の建物に存在する靴の修繕屋で、ひどい疲労の持ち主がここで靴の手入れをしてもらうと、その疲れが取れる。
店舗の奥には扉があり、そこが「道」となっている。


SCP-572-JP - 誘導する警備人形

交通安全啓発のいわゆる旗振り人形の姿をした神出鬼没のオブジェクト。
未来に起こる事故を予測して通行人を阻み、事故を回避してくれる。そんな彼にある日・・・


SCP-824-JP - サンドバッグと無限の称賛

手乗りサイズのサンドバッグ型のオブジェクト。自我があり、病人や怪我人にとりついてストレスや不安を解消してくれる。
明確に宿主を幸せにする為に行動している。


●SCP-838-JP - 都会の波

信号機型のオブジェクト。
通常の信号機に紛れ、タケノコかツクシのように地面から生えてくる。
が、それ以上のことは何もせず、見た人が違和感を抱くと消失する。
オブジェクトとしては無害ないい子だが、この性質の為、どうやっても財団は目撃できない財団泣かせのオブジェクト。
(普通の信号機じゃないのが紛れていると思って目線をやるだけで消えるわけだし)


SCP-1418-JP - サーチライトと応答

黒い武装兵士と装甲ヘリからなる野戦部隊のオブジェクト。
武装のサーチライトの光を浴びせた人間を仲間に変えてしまうため、酩酊街絡みのオブジェクトとしては危険度が高め。
通信でしきりになにかを呼び掛けており、なにか探し物がある様子。


SCP-1922-JP - 忘れ、行き着く、酔い潰れる

妖怪のイラストが目を引く一冊の漫画。
これ自体が酩酊街へと続く「道」であり、冊子の最後のページに触れることで「山田」を名乗る「案内人」の待ちうける空間へと立ち入ることが出来る。
…勘のいい人ならこの漫画と「山田」の正体を察することが出来るかもしれない。


SCP-1955-JP - やさしい子

犬のオブジェクト。
困っている人を察知してその前に現れ、適切な処置をしたり道具を渡したりした後去っていく。
この利他的な行為は完全に善意で行っており、とくに代償などは求めない。はずだったのだが……


SCP-1254-JP - 「あいのみを込めて、と言ったのに」

心の病を軽減してくれる、酩酊街謹製の目覚まし時計。
楽しもうね! 実は偽物というオチである。


SCP-823-JP-J - 永久燃料メイテイ改

SCP財団が酩酊街の調査の為に人工的に作り出した異次元ポータル。
だが人が入れる大きさまで拡大できないという致命的な欠陥があった為調査は断念された。
だがこのポータルからは常に気化したアルコールが流れており、財団はこの性質を利用して枯渇する事のない燃料資源にする事に成功した。
酩酊街由来の流出物を燃やし続けて果たして大丈夫なのだろうか。記事を見る限り異常事態は起きていないようだが……

SCP-8691-JP-J - 酩酊街経済

酩酊街に訪れた異常な好景気と、それに伴う諸々の現象。
バブル期をネタにしたオブジェクトで、LK-クラスシナリオまで引き起こしながら経済を回しまくったが、
バブル経済の末路といえば…?




お元気ですか?こちらは楽しくやっています。
画面越しでは様子は分からないけれど、あなたのことです、きっとうまくやっているのでしょう。
あなたが書いた記事のコメント。wikiアカウントの編集履歴。
増えてゆくのを眺めていたら、なんだか少し寂しくなっちゃいました。

ねえ 今度こちらに遊びに来ませんか。
あなたの元気な顔が見たいのです。よければお土産話も聞かせてください。
おいしいお菓子を用意して、待ってます。

アニヲタwikiより 愛を込めて



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最終更新:2025年02月23日 01:58

*1 画像の出典: rkondo_001による財団関連ロゴ http://scp-jp.wikidot.com/rkondo-001-logo

*2 根強い支持を集めてはいたが、記事数の少なさや想像の余地を広げるような作風から方向性が定まってなかったり、創設者がコンセプトのマンネリ化を危惧していたり、という事情があったことも一因か。