SCP-1045-JP-J

登録日:2020/03/21 Sat 14:37:27
更新日:2025/05/22 Thu 08:25:19NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



※注意:現在当記事は本家記事(現SCP-1224-JP-J)の大幅加筆修正以前の内容のままです。
内容が現在と大部分異なっているのでお気をつけください。
修正できる方がいらっしゃれば、是非お願いします。












全略
















修復プロトコルを起動。省略されたSCP-1045-JP-Jメイン報告書を復元します。




































うん、まずは落ち着いて聞いてほしい。
上記は「書類容量削減-省略プロトコル」を実施した結果だ。
では、そのプロトコルを行う前の説明はどうだったのか、見ていこう。



I/#: 1k45

O/C: K

SCP: 1k45は10m立方以上の広さのCRに設置したBCからFRPで吊り下げ、SSに接触させないように固定してください。CRのIWとFTにはPSを取り付け、さらに100E-01m以上の厚さのPET板を貼り合わせて覆ってください。その他は基本的にSLC3-Lに従ってください。もしCR内のPSに反応があった場合、CB時と同様のRCPを実行してください。
1k45のA性は各種SRで遮断が可能なため、実験時などオブジェクトと同空間に進入する場合はPVC製のEPSを着用し、CR内に持込むDやPDAなどはPVC製のSCで予め梱包してください。
1k45のCB時には、KCにて透過潜行中の1k45実体の位置を捜索し、nPDNおよびMAIFFGにて地上まで浮上させ、S/L-ISDのVしてからSCIPPERで捕獲してください。

Desc.: 1k45はシャチ(Spec.:O.orca)のF化した骨格です。文章が1k45のER内に入ると、瞬時にAにRPされます。Aは主にMNoCを重視したもので、イニシャリズムに基づくアルファベット表記、または日本語の口語的省略形に短縮されます。1k45のA性は文字媒体以外にも影響を及ぼし、TやプログラムなどのDデータ、同じくTVやPDAのRW上のD (RCVにてOが発覚する)、NのNにもEをOKKされています。KKK1k45はIDND自体をSSIMとHしています。KA性はSRでSSKDT、CRやSSはSR製のCをTRTK、CB時にSK。

1k45は人間の認識にも影響を及ぼすことが確認されています。1k45が影響を及ぼした書類を目視した人間は、その省略語の意味を認識できるようになります。ただし[重要な情報ではないため以下略]



…オーケイ、その振り上げた拳を下ろしてくれないか?
略語ばっかりじゃねえかと思った人がいることだろう。
しかしそれこそが、このオブジェクトの異常性なのである。

改めて紹介しよう。
SCP-1045-JP-Jは、SCP Foundationに登場するオブジェクトのひとつ。
オブジェクトクラスはKeter。
項目名はそのまま「この報告書は省略されました」である。


まずは特別収容プロトコルから。
SCP-1045-JP-Jは10m立方以上の広さの収容室に設置した橋型クレーンから強化プラスチック繊維で吊り下げ、周囲の構造物に接触させないよう固定されている。
収容室の内壁と床面には感圧センサをつけ、それを100mm異常の厚さのポリエチレンテレフタラート板を張り合わせて覆う。
それ以外は基本的には標準大型生物収容プロトコルに従うことになる。
もし、感圧センサに反応があったら、収容違反と同様の再収容プロトコルが行われる。
こいつの異常性は各種合成樹脂で遮断できるため、実験などでオブジェクトと同じ空間に侵入するときは、ポリ塩化ビニル製の防護スーツを着用し、収容室内に持ち込む情報や携帯端末機器などはポリ塩化ビニル製の専用ケースで梱包される。
収容違反した場合、カーデック計数機にて透過潜航中のオブジェクト実体の位置を捜索し、非物質変位無効装置およびメトカーフ非実体反射力場発生装置を使い、地上まで浮上させたところを、シュタイナー・レヴィ非実体化抑制装置の値が飽和してからスーパー・クリティカル・インクレディブル・パーフェクト・プレミアム・エクセレント・リローダーで捕獲することになっている。


カーデック計数機は財団の持つ機器で、霊的発光を用いて霊体を検出することができる。
非物質変位無効装置は、SCP-2996でも出てきた、非実体となっている霊体を強制的に実体化させる装置だ。
メトカーフ非実体反射力場発生装置SCP-1233-JPに出てきた、霊体に有効な結界を張る装置。
シュタイナー・レヴィ非実体化抑制装置は、実体化した霊体が再び非実体化することを防ぐ装置だ。
最後のスーパー・クリティカル・インクレディブル・パーフェクト・プレミアム・エクセレント・リローダーというのは…この記事以外で扱っていないのでよくわかっていない。

ともかく特別収容プロトコルは以上である。次はこのオブジェクトの説明に移ろう。


こいつが何なのかというと、シャチの化石化した骨格である。
こいつの影響範囲内に文章を持ち込むと、瞬時に省略語に置換される。
省略語はイニシャリズムに基づくアルファベット、もしくは日本語の口語的省略形に短縮される。
プロトコルから予想しただろうが、この異常性の対象は紙に描かれた文字にとどまらず、テキストデータやプログラムなどのデジタルデータ、さらには電波の情報すら省略させてしまう。
このことから、このオブジェクトは文字ではなく、情報そのものを食べていることが分かる。
ただ、この異常性は合成樹脂で遮断することができるため、周囲を合成樹脂で覆った収容室に収容されている、というわけである。

このオブジェクトは、人間の認識にも影響を及ぼす。具体的には、こいつの影響を受けた書類を目視した人間は、その省略語の意味を認識できるようになる。
ただし、省略前の言葉が何だったかまでは認識できない。
そして省略により失った文章が「どこかに存在する」と誤認することも確認されているため、影響下にある書類及び職員の早急な調査が望まれている。

さらにこいつ、定期的に餌をやらなければならない。
こいつの異常性により、省略された分の情報を食べていると思われるが、その量が足りないと、こいつは物質の透過能力を発現させ、収容違反につながることになる。
この時、時速4キロメートルほどで浮遊して移動する。この状態でも合成樹脂を通ることはできないのだが、破壊して無理やり出る事例が確認されている。
また、この状態の摂食行動は、情報の省略ではなく削除を行い、結果として文章の改ざんやコンピュータプログラムの誤作動を意図的に起こすことができる。
詳しくは後述するインシデントを参照するが、このことから、こいつはある程度高い知性を持っているのではないかと推測されている。

インシデントログ 2019/■■/■■

「管理者の言葉」を見たことはあるだろうか。この財団の理念と使命を書き記した文章なのだが、それが不正アクセスを受けて、こいつの仕業と思われる改変に遭ってしまった。
一応、比較元として、影響を受ける前の文章を置いておこう。

人類はこれまでにおよそ25万年もの歴史を歩んできた。しかしその歴史のうち特筆すべきは僅かこの4000年に過ぎない。

我々は25万年に渡って何をしていたのか? そのほとんどを、理解の埒外にあるものを恐れ、洞窟の中で小さな焚火を囲み身を寄せ合って過ごしていたのだ。それは太陽が昇る理由などではなく、人頭と岩の生えた巨大な鳥の群れに対してこそだった。そして我々はそのような存在を『神』と、あるいは『悪魔』と呼び、許しを乞い、救済の祈りを捧げた。

時は流れ、それらは次第に衰え、我々の数は多くに増えた。恐れるものは数を減らし、世界はより理に適ったものへとなり始めた。しかしそれでも、不可解なるものは決して消え去りはしなかった。まるで世界が不条理と不可能を必要としているかのように。

人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に、逆戻りしてはならない。他に我々を守るものはいない、我々自身が立ち上がらねばならないのだ。
人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、抑え込み、人々の目から遠ざけなければならない。

確保、収容、保護。
— ”管理者”




PS/R(追記・修正) TIA(よろしくお願いします)

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1045-JP-JSCP-1224-JP-J- この報告書は省略されました
by blackey
http://ja.scp-wiki.net/scp-1045-jp-j
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1224-jp-j

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最終更新:2025年05月22日 08:25