登録日:2020/11/14 Sat 11:11:00
更新日:2024/08/01 Thu 23:41:44
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目次
たのみこむ(tanomi.com)とは、ユーザーリクエスト型ショッピングサイトである。
概要
その名の通りユーザーの
欲しいものを
たのみこむことができるサイト。
一定数の賛同が集まれば運営が企業に直談判してくれる。
ここでアニメ・
ゲーム関連(DVD、フィギュア、サントラなど)のリクエストが実現するなど話題となった。
運営会社は4度変更されており、株式会社エンジン → 株式会社ウェッジホールディングス → 株式会社エイムラック → 株式会社CUUSOO SYSTEMを経て、2017年から2024年までは新設された「株式会社たのみこむ」が運営していた。
歴史
1999年12月、当時テレビ番組制作やWebコンテンツ開発を手掛けていた株式会社エンジンによってサービス開始。
当初は以下の4つのコーナーで構成されていた。
企業が商品企画をサイトに掲載し、ユーザーから一定数の仮注文が集まれば個数限定で生産開始・販売するコーナー。
企業がユーザーから新商品のアイデアを募集するコーナー。
ユーザーが欲しい商品をリクエストできるコーナー。
「たのみこむ本店」で取り扱っている商品を個数限定ではなく、通常販売するコーナー。
後に「たのむ!作ってくれ!」は「リクエストボード」と改称し、サイトのメインコンテンツとなる。
以後、実用的なものからどこに需要があるのかわからないものまで様々な商品・サービスが実現した。
しかし年を追うごとに、一部ユーザーによる無意味なリクエストの増加や、多くの賛同が集まったリクエストが実現出来るか不明という理由で商品化を断念するなど、さまざまな問題が発生。
その結果、経営的にも赤字が続き、2011年11月1日に
サービス終了を発表したが、12月27日に一旦撤回。にもかかわらずサイトは停止状態のまま放置されていた。
それから5年後の2015年2月17日、Webサービス「CUUSOO」にて復活プロジェクトが開始。しかしそれは10万票が集まればサイト復活というどう考えても無謀すぎるものであった。
案の定、集まったのはわずか320票。これによりサイトは4月1日に閉鎖され、たのみこむは15年の歴史に幕を閉じた……
かのように思われたが、3ヶ月後にIOSアプリがリリース。ここではTwitterにてハッシュタグ(#たのみこむ)を付けてツイートするとリクエストができた。
そして2017年、満を辞して本丸である「tanomi.com」が復活。「株式会社たのみこむ」が設立され、事業拡大を図るとされたが……
それ以降目立った動きはなく、2021年現在開店休業状態であった。公式Twitterも2018年2月を最後に更新されていない。
しかし2021年2月24日付けで、サイトの背景色が赤から青に変わり、「最近、人気のもの(仮設)」というランキングページも開設。
さらにトップページの一番下には
「Feb 24,2021 - css fixed. planning to add tagging or category functionality sometime in the spring」
(2021 年 2 月 24 日 - CSS を修正しました。 春にタグ付けやカテゴリ機能を追加する予定)
という文面が。
しかしこれ以降、再び更新は途絶えている状況だった…………
そんな中、2023年、イーロン・マスクのTwitter買収によるAPIの仕様変更の影響か、4月28日以降からたのみこむにログイン出来なくなる事態が発生。
さらに2ヶ月後の2023年7月上旬、トップページに「ご意見をいただき、休止いたしました。正式な閉鎖まで少々お待ちください」という文面が。
そして2024年8月1日、たのみこむは完全にサービスを終了。約24年の歴史に幕を下ろすこととなった。
トップページには「サービスは終了いたしました。」の一文だけ。
なんともあっけない幕切れである……
これまでに実現した商品
ここでは一部を紹介する。
江戸時代の時刻(不定時法)と現代の時刻を同時に確認できる時計。
『
北斗の拳』のザコキャラ・
ジャギのヘルメットをグッズ化。限定50個が即完売となった。
12人の女性声優による1200種類の「おにいちゃん」という台詞のみが収録されたCD。後に「妄想ボイスCD」としてシリーズ化され、「おしかりCD」「告白CD」「おねえちゃんCD」などが発売された。
日立のCMでおなじみの巨木(モンキーポッド)を種から育てる栽培キット。
プロレスラー・
蝶野正洋の怒鳴り声で起こしてくれる目覚まし時計。
etc…
余談
- サービス開始当初は、ユーザーのリクエストに他のユーザーが「たのむ」(賛同)と「まった」(反対)ボタンのどちらかを押してコメントを投稿する形式だったが、コメント欄が荒れに荒れまくり、後に「まった」ボタンは廃止された。
- サービス開始から2020年現在までの発案の中でもっとも賛同数が多かったのは『アルフ』のDVD化であるとされる。
「ユーザーのリクエストから商品を作る」という画期的なシステムが注目され、一時期の会員数が23万人を超えるなど、一世を風靡した「たのみこむ」。
一度の閉鎖を経て2017年にサイトは復活を遂げたが、かつてのような盛り上がりはなく、結局また閉鎖の道を辿る事になった。
「たのみこむ」は、ネット史の闇に埋もれていった……
最後に、2015年8月に開催されたミートアップの告知ページに記されていた、ある一節を引用してお別れしたい。
『たのみこむに必要なのは大げさなシステムではないんです。「あれが欲しい!」という熱い思いです。みなさんの「欲しい!」を集め、メーカーの人にとっても見逃せないほどの大きなムーブメントにしていくためのお手伝いがしたいのです。』(原文ママ)
追記・修正をたのみこむ
- 面白い試みではあるけどね,ただ企業側からするとやはり作っても売れるかどうかという懸念はあったみたいね。それと最近はSNSとかで「作って」の声が普通に届きやすくなったのもありそう -- 名無しさん (2020-11-14 14:27:08)
- FFかなんかのコマンドかと思った…ひらがなオンリーとは言え一般名詞だし、「たのみこむ(webサイト)」とかの項目名にしといた方がいいと思う -- 名無しさん (2020-11-14 18:34:30)
- ↑2 今は作る側からの提案になるとはいえクラウドファンディングなんて手段もできてるしな -- 名無しさん (2020-11-14 21:35:43)
- ロマサガミンストレルソングのキャラデザをSFC版に戻せとか響鬼のスタッフを前期に戻せとか趣旨を間違えてる無茶な内容も見られた辺り、廃れるのは必然だったのかなぁとも思う。 -- 名無しさん (2020-11-15 00:46:35)
- 結局、復活してたのか・・・知らなかった この時点で駄目だと思う -- 名無しさん (2020-11-15 01:00:21)
- 復刊リクエストの話題が結構出ていたサイトだけど、実現したのはどのくらいあったんだろう -- 名無しさん (2020-11-15 10:01:30)
- ↑3他にはガンダムSEEDDESTINYをメインスタッフ総取り替えで作り直せなんていう無理難題もあったからね・・・。企業側が実現できるものならともかく、どう頑張っても出来ないことをやれというリクエストが多かったら、企業側も無視したくなるよ・・・。 -- 名無しさん (2020-11-15 16:03:43)
- たまに無謀なこと言うやつが現れて白い目で見られるのはChange.orgに似てる -- 名無しさん (2024-07-06 07:32:41)
最終更新:2024年08月01日 23:41