私を球場に連れてって!

登録日:2020/11/14 Sat 15:01:35
更新日:2025/04/13 Sun 22:11:31
所要時間:約11分で読めます




今日学校が終わったら何しますか?
もちろん球場行く!



私を球場に連れてって!とはまんがタイムきららMAXで2017年4月号から2021年7月号まで連載されていた4コマ漫画である。
原作担当:スーパーまさら、作画担当:うみのとも のコンビで全4巻。
表紙*1及び作画担当によると略称はおそらく「たまつれ」ただし原作担当は「わた球」派らしい。


◆概要

野球知識ゼロの主人公がクラスメイトに半ば無理やり球場に連れてこられたことを切っ掛けに野球観戦にはまっていくストーリー。
野球そのものではなく「野球を観戦するファン」をネタにするという変わった切り口の作品である。
勝敗に一喜一憂したり、異なるチームのファン同士で煽り合ったりと感情の赴くままに応援するキャラ達が見どころ。
一応ジャンルとしては美少女コメディ物だが、何とも言えない変顔・煽り顔を披露する機会が多く、そういう面ではある意味独特な作品といえる。
主な舞台が埼玉なのもあってご当地ネタも多く、野球観戦+ローカルネタ+地方disとなんともニッチな題材に仕上がっているが、
その濃さが受けたのか一部で高い人気を獲得することに成功している。
最終回においても表紙&巻頭カラーという未アニメ化作品としては極めて異例の待遇であった。

野球を題材にしているだけあってやはり野球関連の小ネタが多い。元ネタを調べるのも楽しみ方の一つ。
また、版権や商標の都合上、チーム名や球場名はアレンジが加えられているが、一方でペナントレースの結果は現実のNPBの物が用いられている。*2
「自身の引退試合で同点ホームランを打って延長突入*3」「8回裏8点差から大逆転*4」といった劇的な試合展開も現実に起きた事であり、野球がいかにドラマチックなものか感じることができるだろう。
なお、さすがに某掲示板ネタは使われていない顔が侮辱行為」とか某リアル野球盤ネタはあったが。

ちなみにシーズン結果を反映していることによって、弱小設定のはずのキャッツが連載開始とともに2020まで4年連続Aクラス入り*5し強豪復活を印象付ける結果に。
にもかかわらず、単行本あらすじではなぜか最終巻まで弱小扱いのままだったりする。
「いつまで弱小球団扱いなんだよ!! 連載始まって割とすぐに設定破綻したわ!」
この為、連載開始と同時期に行われた某コラボと合わせてファンからは勝利の女神扱いされていることも。

リーグ優勝しても2年連続でCSでファルコンズの元ネタのチームに敗北するというおまけつきだが。しかも当時勝った方の監督はキャッツの元ネタのOBでもあるし



◆あらすじ

地味で目立たない普通の女の子・野原タマは、 高校入学初日に熱い野球ファン同士のケンカに巻き込まれる。 埼玉ホワイトキャッツのファン・西武レオナと福岡ファルコンズのファン・大栄春子に 無理矢理球場へ連行された、野球知識0なタマの運命やいかに!?
(まんがタイムきららweb 作品紹介ページより引用)


◆登場人物


  • 野原 玉(のはら たま)
野球知識ゼロの主人公。通称タマ。
黒髪ショートで髪には猫子から貰った肉球ヘアピンを付けている(当初は魚のヘアピン
胸には二つの大きなソフトボール持ち。
性格は基本的には温厚だが、思ったことを率直に言うので結構な毒舌。一緒にいるレオナがアレなせいなのもあるが。

入学初日にレオナとファル子の喧嘩に巻き込まれて否応なしにキャッツドームへと連れ込まれ、なし崩し的に以降も球場観戦に付き合うことになってしまった。
かなりの大食いであり、観戦時の主な楽しみは球場飯。
その食いっぷりたるや、一瞬で5000円を使い果たしたり、球場飯で1チーム作ったりするほど*6
観戦&食事費用が足りてるのかは謎だが、金欠で売り子の臨時バイトをやったこともある。
自身も料理が得意であり、大学の志望は栄養学。第3志望はフードファイター。
散々食べるのでだんだんとデブキャラのイメージが付いてきており、そのことに触れられると普段の温厚さとは別人のような怒りを見せる。
ちなみに40キロ台でサバを読んでいるらしい……一応肉は胸から付いているらしいが。

はじめは何となくレオナに付き合って観戦していたが、気が付けばソロで観戦もするほどの立派なキャッツファンに。
とはいえ初心者ゆえ野球用語についてはまだまだ疎いこともあり、「冬季キャンプ」を勘違いしてキャンプ場に向かったことも。
「冬にキャンプする女子高生なんかどこにいるんですか!」おおっと?

なお、当初はレオナとファル子の喧嘩でまごまごしていたが、いつの間にか2人が喧嘩していないと落ち着かないようになり
シーズンオフ中に2人が仲良くしていた時は吐きそうなほど気持ち悪がっていた。
順調に歪んできている。


  • 西武 玲央奈(にしたけ れおな)
ポニーテールが特徴的なボーイッシュな口調の女子高生。通称レオナ。名前の由来は…説明するまでもないか
生粋の埼玉県民で小さい頃からのキャッツファン。よく物事を野球で例える癖がある。

観戦チケットをおごったり、落ち込んでる人を慰めたりするなど決して悪い人物ではないのだが、
野球観戦中の態度が「エラーをすると思いっきり野次る」「優勢になると途端に煽りだす」「点を取られたら一転して怯えだす」「下位のチームを思いっきり見下す」と完全に小者かつガラの悪いオッサンそのもの。
まりん曰く「野球ファンの悪い部分を煮詰めたような人間」バチが当たったのかこの漫画が最終回を迎えた2021年に元ネタのチームは最下位となった。
もっとも、あくまでファンとしての「応援」の範囲内であり、マナーに関してはちゃんと守っている。

学校でも野球の事しか考えておらず、言動がバカそのものなことが多いため登場人物のほとんどから下に見られている。
テストの点数に関しても「首位打者の打率程度」しかなく*7、しばしば留年するんじゃないかとネタにされている。

そんな彼女の家はなんと個人病院。そのためか他のキャラと比べて資金力はある模様。
なお、幼少時の夢はスポーツドクターだったが、成績があまりにアレなため父親も医者を継がせることは諦めた。
ちなみに父親も重度のキャッツファンであり、娘がキャッツファンならひとまず良いかとは考えている。


  • 大栄 春子(だいえい はるこ)
金髪美少女のファルコンズファン。通称ファル子。
ファルコンズファンの春子と若干ややこしいため、ごっちゃになって「ファル子」という呼び名が定着した。
苗字の由来はファルコンズの元ネタであるホークスの以前のチーム名から。

高校より埼玉に引っ越してきた元福岡県民で、平時は標準語だが興奮すると博多弁が出る。
ファルコンズ愛は深く、キャッツファンのレオナとは犬猿の仲。基本的にアイツとかアレとか呼びで名前を呼ぶことは少ない。
もっとも同じ重度の野球好きなためか通じ合うところがあるようで、案外息はぴったり。
越してきたばかりで友達がいないこともあり、タマやレオナとは何だかんだで仲が良い。
初期の頃は猫子に対してかなりの好意を抱いておりソッチの気があるかと思われたが、2年時からはそのような描写はあまりなくなった。

野球ファンとしてはレオナと同レベルの観戦態度であるが人前では多少自重しており、また日常生活ではレオナよりはるかにまともなため他者からの受けは良い。
もっとも一人だとキャッツのマスコットキャラのぬいぐるみを踏みつけて遊んだり、キャッツが負けた時のレオナの表情ファイルを作っていたりと闇が深いが……

福岡遠征の費用を溜めるためキャッツドームでビール売り子のバイトをしており、ファルコンズ以外の試合でもよくタマ達と出会っている。
結構顔が覚えられているようで、他球場でファルコンズを応援していた際に周りの客から「キャッツドームの売り子さんだ」と気づかれていた。
ちなみに遠征の際は費用節約のため高速バスを利用している。遠征に付き合ったレオナとタマは0泊2日という強行軍で地獄を見る羽目に……*8
さらに青春への憧れが強く、2年時の夏休みには原付で福岡遠征という正気の沙汰とは思えない計画を実行したが……

最終話の2021年時点では福岡に戻っているようである。それでもタマ達との交友は続いておりキャッツドームまで観戦に来ていた。

  • 丸地 猫子(まるち ねこ)
キャッツファン歴8年の登場時9歳(小学3年生)
名前はおそらく過去ライオンズに所属していた「ドミンゴ・マルティネス」のもじり。*9(その後ジャイアンツに移籍)
キャッツ愛は深く、8年前にあと少しで優勝を逃した際にはこの世のすべてを憎んだらしい。なお当時1歳

周りの大人達が色々とアレなためか達観しており、年齢に似合わず基本冷静沈着なツッコミ役。
とはいえ、先述の通り重度のキャッツファンなので冷静に見えて常軌を逸した言動を発することもある。
春子やファルコンズに対しても「キャッツの前身が九州の球団だから」とレオナほど敵愾心は抱いていない。

  • 猫子の母
登場時ギリギリ20代の猫子の母親。
やはり重度のキャッツファンであり、猫子を伴ってよく球場観戦している。
猫子のキャッツ愛が強いのには母親も影響しており、「(キャッツにちなんだ事柄を)10数えるまで風呂につかる」「寝ながら試合の感想を話し合う(若干猫子にウザがられているが)」と英才教育を施している。

一方で生活面はかなりテキトー。
観戦に行っても酒を飲んで記憶を失ってることも多く、反面教師として猫子がしっかりするようになった。
一時期「自分が観に行くとキャッツが負ける」と観戦を渋っていたが、よくよく考えると大抵は猫子と一緒に行っているわけで……?
勝つと気をよくして飲みまくって記憶を無くしていたため負けた記憶しか残っていなかったというのが真相。


  • タマの父
タマと照の父親。結構な野球好きのようでタイタンズのファン。
遊び(球場観戦)に出かけることが増えたタマを見て彼氏ができたと勘違いし、さらに誤解が重なった結果タマとレオナが付き合っていると勘違いを……
結局誤解は解けたが(タマ曰く「レオナさんは恋人じゃなくて変人」)、娘がキャッツファンになったことを知って別の意味でむせび泣くのであった。


  • 野原 照(のはら てる)
タマの妹で猫子のクラスメイト。非常にがさつ男らしい性格から通称「テリー」
周りと同じチームを応援しても面白くないという理由でタイタンズファンになった。以降はたまに父親と試合観戦に行っているらしい。
ただ、オールスター観戦では一人だけSリーグのファンなので肩身の狭い思いを……と思いきや逆に燃えていたが。

よく姉を「デブ」と言っては追い回されているほか、本人のいないところで他人に紹介するときは「めっちゃホームラン打ちそうなデブ」と言っている。
なお、小3にして胸が膨らんできたらしい。野原家の遺伝子つえ~。


  • 番場 くれあ(ばんば くれあ)
猫子のクラスメイトでかわいい物好き。
当初は野球に興味はなかったが、マスコットがかわいいという理由でホルスタインズファンになった。あと「乳牛」って何か「ご利益」がありそうという理由も。
その後、試合を見ているうちに選手もかわいく思えてきたらしい。
特に選手同士の絡みに顔を輝かせるように……うん?
かわいい物が好きなのでアイドルのライブにも良く行っており、その関係で球場へは行き慣れている。


  • 川崎 まりん(かわさき まりん)
タマ達の担任教師で千葉をこよなく愛するアルバトロスファン。
千葉と下位のチームを見下すレオナに目をつけている。いや、単に成績が酷すぎるからという真っ当な理由だが。

アルバトロスのファンになったのは子供の頃その存在を知って親に連れて行ってもらったことが切っ掛け。
なお、その年はプロ野球史上最長の悪夢の18連敗を喫したシーズンである。
「これはヤバい球団だ」と子供心にも感じたらしい。
…どうしてそれでファンになったんだろうな?とは本人もよくわかってない模様。




追記・修正は埼玉~福岡を原付で遠征してからお願いします。

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最終更新:2025年04月13日 22:11

*1 まんがタイムきららMAX9月号

*2 2017年~2018年

*3 2017年9月24日の千葉ロッテVS日本ハム戦

*4 2018年4月18日の西武VS日本ハム戦

*5 うち2018年と2019年はリーグ優勝

*6 PリーグなのでDH入れて10品。しかもまだ余裕があったらしくもう1チーム作ろうとしていた。

*7 つまり3割=30点台

*8 高速バスで埼玉→福岡、試合観戦後すぐに高速バスで帰還。

*9 選手育成ゲームでは「丸地猫主(まるち ねす)」という名前の巨漢選手を作成していた。