イレイナ(魔女の旅々)

登録日:2020/12/17 (木) 21:03:56
更新日:2025/03/17 Mon 21:59:43
所要時間:約 7 分で読めます




その可憐な少女は魔女であり、旅人でした。

――そう、私です。


イレイナは、ライトノベル「魔女の旅々」の主人公であり、メインの語り部である。
また、原作者の別作品「リリエールと祈りの国」にも客演している。

CV:本渡楓

概要

一人称は「私」。基本的に地の文も会話も丁寧口調で話す。

「灰の魔女」の二つ名を持つ魔女で、幼少期に読んだ「ニケの冒険譚」に憧れて各地を気ままに旅をする。
故郷、平和国ロベッタで、最年少の14歳で魔女見習いの試験に合格し、15歳で魔女の称号を得た才女。
そして魔女の称号を得た数日後に各地を旅しており、以後数年以上今の生活を続けている。

好物はパン。作中でもしょっちゅうモグモグしている。反対に嫌いな食べ物はきのこ。誕生日は10月17日(15巻に再録されたSSより)。

魔女の称号を与えられている通り、魔法に長けており、オリジナルの魔法を魔女見習いのときに思い付きで開発してしまうほど。
もっとも、その魔法のせいでエライ目に合ってからは、長らくその魔法を封印していた。


容姿

灰の髪のロングヘアと、瑠璃色の瞳をした、自他ともに認める美少女
普段は母親お下がりの黒のローブと三角帽子のコテコテの魔女ルックスだが、私服を持っていないわけではなく、時折着替えてくつろいでいる。

ちなみに、1巻~3巻、4巻~10巻を境に、挿絵のローブが少しだけリニューアルされている。唯一帽子だけは挿絵でも変わらない。
ローブの下は基本はノースリーブのブラウス、冬着はセーターを着こんでいる。

そして貧乳貧乳である。大事なことなので。
挿絵ではもちろんだが、作中でも

  • 貧相な体と罵られ、呪詛を吐きながらぶどう踏みの乙女をやり切る
  • 身体にコンプレックスのある並行世界のイレイナが綿の詰め物をして胸を大きく見せる(本人はその行為を虚しいと思っている)
  • ある人にブラウスを貸してあげたら、「胸がきつい」と言われて、静かにキレている

という描写があるのでほぼ確定的なのだろう。


性格

原作者公認で「 割と性根が腐っている 」といわれるレベルで腹黒
それが顕著になるのは旅の金策で、

  • インチキ占いによる人生相談
  • たまたま遭遇した犬男の相談に乗り、その被害にあったと思われる村で退治を申し出るマッチポンプ
  • カジノで魔法を使ったイカサマで荒稼ぎ
  • デート商法もどき
  • 魔法でカツアゲもどき
  • ただの造花を「幸せの花」として高値で売買
  • やられた悪事を元に脅迫
  • アイドルの握手券もどきなあくどい商売を提案して、マージンを受け取る

……うん、これもうただのガチクズじゃね。
もちろんこんな手段で金をせしめてタダで済むはずがなく、割と頻繁にお役人にしょっ引かれて説教や罰金を食らっている。……まだ素直にペナルティに応じているあたり、マシな方かもしれないが。
しかし、金に汚い一面こそあるが、ケチというわけではく、無計画に散財したり、時には提示された報酬を受け取らず、全額を関わった人物に寄付したり、プレゼントを買ってあげたりするなど、金の使い道はそれなりに心得ているようだ。

旅人としての性なのか、割と現実主義者な思考をしているが、その実、情にもろく、時に関わった人が困っているときは必要以上に手助けしてしまったりするイケメンムーブをかます。
また、出会った事件にどれだけ関わるか関わらないかの基準はかなり曖昧で、主に金だったり好奇心だったり情に絆されてだったりとかなりおおざっぱ。この辺は割と無自覚だったようで、師匠に指摘されて愕然としていた。
そういう世話焼きな性分が原因なのか、結構な確率でモテる。主に女性に。
これだけのコミュ力があるのだからさぞ故郷では友達が多いのではないかと思われるが、なんと彼女は選択ぼっち

反面、媚びるのが苦手と自覚しており、ほぼ誰に対しても対等以上の目線の対応をする。特に接客のバイトには致命的に向いていない。

普段から自信家の側面を見せるが、その自信に見合った才能を持ち合わせており、特に少ない情報から最適解を導き出す洞察力、判断力に優れる。
また、魔法の最適な使い方の助言や、旅の経験則から学んだ人生観を伝える指導力も優秀。

大人びてはいても、年相応のメンタルなようで、憧れた国に入国して感激したり、髪を切られてブチ切れたり、本当にどうしようもない悲劇に出くわしてしまった時には激しく動揺し、無力感に打ちひしがれてぼろ泣きするなどの表情を見せる。


関連人物

サヤ
イレイナの愛人候補その1にして筆頭。
魔法使いの国で魔法の指導をしてあげたことをきっかけに、何かと再会する機会が多い。
サヤの方は再会したときからイレイナにやべー感情丸出しだが、イレイナはそういうのには基本塩対応をするも、それ以外には何かと好意的に接している。
事実、10巻でとある事情で鬱状態のサヤを慰めるために一晩中付き合ってあげるように、面倒見のよい一面を見せている。
なので(面と向かった再会こそないものの)11巻以降は少しは自重するかと思いきや、13巻でサヤらしき人物がある国で「灰色の髪の魔女がいるという噂を聞いて来てみたけど、姿が見えないから帰る」という発言をしていたという証言があり、どうやらそんなことはなかったようだ。

アムネシア
イレイナの愛人候補その2にして対抗馬。
詳細は省くが、一時期に二人旅をしていたときもある。
眠ると記憶を失う呪いにかけられていたときも、呪いを考慮して、アムネシアが不安にならないように早起きをする、眠るのを確認してから寝るなど、隠れた努力をしていたりする。
そして故郷で、命の危機に陥るような最大のピンチを救ってあげるなど、そりゃあもう好感度振りきれんじゃね、ってレベルの貢献をしている。
ドラマCDのIf展開では、アムネシアとアヴィリアで三人旅をしている設定だが、イレイナをあの手この手で強引にデートに誘おうとする一面を見せる。かわいい

ほうき
イレイナの愛人候補その3。
「物に命を吹き込む魔法」で擬人化されたイレイナのほうき。
イレイナがピンチに陥ったときには真っ先に頼りにされるなど、イレイナからの信頼度は相当に高い。
ほうきからも敬愛されているが、その中にちょこちょこ怪しいものが交じっている。

フラン
イレイナの師匠。
イレイナが唯一「先生」と呼んで尊敬する人物であり、同時に少女期のフランに魔法を指導した最初の師匠
こういう複雑な関係なので、フランもイレイナとの二人旅の時は、終始テンションが高かったりとただの師弟関係にしては異様に親しげ。

ヴィクトリカ
イレイナの母親。にしてイレイナの愛読書「ニケの冒険譚」の著者。
イレイナが旅に出ることを後押ししつつ、

  • 危なくなったら逃げろ
  • 自分が特別な人間と思うな。普通の人間と思え
  • 必ず帰ってくること

の3つの訓示を授ける。
この3つの訓示はすべて自身の体験談に基づいてのものであることが、15巻4章で判明する。

リリエール
別作品「リリエールと祈りの国」で、叶ってしまった願いを解除する「戒祈屋リリエール」の女主人。
この作品の舞台、領域都市クラウスレインでは、国民の祈りを叶える大聖堂の力で魔法が使えない
それを知らず、魔法使い入国禁止のこの国に不法入国してきたイレイナは魔法が使えなくなった挙句、出国するための船のチケットが使えるのが一年後であったため、しばらく彼女の店で働くことになる。

マクミリア
同じく「リリエールと祈りの国」のメインの語り部。イレイナと同じく「戒祈屋リリエール」で働く同僚。
イレイナの入国動機を聞いて「魔法使い最高位の魔女なのに俗っぽい」「ゲスい」「クズ」と散々な評価をしている。
ただ、「ニケの冒険譚」の愛読者同士ではあったようで、ある事情で国では入荷していない4~5巻をあっさりと見せてあげている。

アルテとリナリア
7巻で登場したラトリタ王立学園の生徒。
アルテは元気系の劣等生、リナリアはクールを装った歴史ヲタ。
とある事件で百合ップル友達になり、9巻で長期休暇を利用して歴史探訪の旅に出る。
奇しくもその旅路は、恩師の旅の足跡を辿ったものとなっており、それは「ニケの冒険譚」に憧れ、その旅の後を追いかけていたイレイナとよく似ている。
では、二人の恩師とはいったい何者なのか。それは、この記事に投稿している時点で言わずもがな。

名言


本当に本気で何かを成し遂げるとき、人はいつだって孤独です。一人じゃなければ駄目なんですよ。馴れ合ったら終わりなんです
1巻1章「魔法使いの国」より。
孤独に押しつぶされそうになり、愚行を犯してしまったサヤへのガチ説教。

嘘つきというものは、いつだって平然とした顔をしているものですよ
1巻4章「資金調達」より。
言ってることはごもっともである。が、イレイナはこのセリフを吐いた国で、直前までインチキ占いでがっぽり儲けている。

私にあなたを助けさせて下さい
2巻6章「雪がとけるまでに」より。
えぐい悲劇に見舞われて正気を失った少女に向けて。

剣が真実だというのならば、嘘は鞘です。無闇やたらに振り回して人を傷つけないために、嘘で真実を包んでいるのです。
そういう嘘の扱い方だって、存在しているのです。
2巻8章「正直者の国」より。
普段から嘘つきまくっているイレイナならではの金言とみなすか、おまいうとみなすか。
あと「鞘」というワードに、その場にいたサヤが反応してツッコまれた。

もう一度会いたいと思える人との距離感は、逢いたくても逢えないくらいが丁度いいんですよ
8巻5章「猫耳喫茶へようこそ」より。
イレイナ個人の人同士の距離感に対する価値観。ツンデレか。


余談

  • 作中では何人かの語り部がいるが、17巻現在、家族構成が不明瞭なサヤ姉妹を除けば、イレイナはその中でもトップクラスに家庭環境に恵まれていることが明らかになっている(というか、師匠以前の世代の家庭事情が悲惨すぎるというのもあるが)。







追記修正は、「ニケの冒険譚」全5巻を読破してからお願いします。

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最終更新:2025年03月17日 21:59