プロヴィデンス級戦艦

登録日:2021/01/20 Wed 00:00:00
更新日:2021/02/01 Mon 21:49:25
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「状況はどうなっておる、艦長!?」
「ジェダイが二人、格納庫に! 追跡中です!!」


プロヴィデンス級戦艦(Providence class)とは、スターウォーズ・シリーズに登場する宇宙船の一種。
分離主義勢力/独立星系連合が保有する、主力大型戦艦である。


なお、艦種についてはキャリアーともデストロイヤーとも、クルーザーともドレッドノートとも言われる。どれだよ。

キャリアーは空母、クルーザーは巡洋艦だが、デストロイヤーは駆逐艦。
しかし当時の主力スターデストロイヤー・ヴェネター級(1,137m)に匹敵するその規模は到底駆逐艦とは思えず、また「スターデストロイヤー」という単語の例から考えて、この場合は「破壊艦」や「戦艦」というべきか?*1
ただ「クローン・ウォーズ」でやはり独立星系連合が有する「マレヴォランス」以下のサブジュゲーター級*2の"heavy cruiser"を「重巡洋艦」と読むと、それより小型なこいつは「駆逐艦」と訳しても間違いじゃないような気がしてしまう。
ドレッドノートは本来、固有の軍艦の名前であって艦種でさえないが、なぜかSW世界では艦種のように使われており、「超大型戦艦」「ド級戦艦」のニュアンスで使われている模様(例えばスーパースターデストロイヤーが「スタードレッドノート」と呼ばれる)。
さらにカノン小説「ターキン」では空母に加えて「戦艦」という表記や、「クルーザーキャリアー」というキメラ的な表記も混ざる。

……正直ややこしいため、本稿では項目名を「戦艦」と名付けている。だって「プロヴィデンス級キャリアー/デストロイヤー/クルーザー/ドレッドノート」とかどう考えても長いし意味不明だし……
なお映画本編では艦種・級名などは一切呼ばれなかった

ちなみに艦名の「プロヴィデンス/Providence」とはキリスト教用語で「神の御業」「神の摂理」ぐらいのニュアンス。




【性能諸元】

製造 自由ダク義勇工兵隊
全長 1,088 m(2,177 mサイズあり)
全幅 198 m
全高 374 m
最大加速度 2,500 G
最高速度(宇宙空間) 70 MGLT
最高速度(大気中) 2,000 km/h
ハイパードライブ能率 クラス1.5
動力機関 ヌービアン・クレヴェルド4型イオン放射ドライブ三式
乗員 900人

武装 四連装 重ターボレーザー砲 14基
   二連装 重レーザー砲 34基
   二連装 迎撃用イオンキャノン砲 12基
   重イオンキャノン砲 2基
   重フラック砲 12基
   プロトン魚雷発射管 102門
   トラクタービーム放射装置 10基

なお各艦につき変更点多し


【開発経緯】

設計を担当したのは、惑星ダク、別名モン・カラの種族の一つ、クオレン(イカ頭の種族)の経営する「自由ダク義勇工兵隊」。
クオレンは独立星系連合に参加した主要勢力の一つで、そのリーダーは連合の評議会メンバーも務めていたため、彼らの設計がそのまま独立星系連合に採用されたのである。
クオレンは母星を同じくする異種族モン・カラマリと対立していたが、文明そのものは影響を与え合っており、丸みを帯びた有機体のようなデザインは後年の「モン・カラマリ・スタークルーザー」へと影響を残していった。


銀河共和国が採用したスターデストロイヤーに対抗、あるいは凌駕する純然たる戦闘艦として設計された。
商船ベースのルクレハルク級母船よりも戦闘力に重点が置かれており、その攻撃能力は当時のスターデストロイヤーに対して十分拮抗できるものだった。


【設計】

◇外観

球体とリングが重なったルクレハルク、二等辺三角形の楔型スターデストロイヤーといった、あまり船らしくない連中に対し、
比較的船然とした、前後に長細く引き締まった船体が特徴。

艦首部には、猛禽類の嘴を連想させる曲線的な強化装甲が施されており、見た目の特徴となっている。
船体の後半部からはふっくらと膨らみ始める。
船尾には檣楼に相当するタワーが細く高く伸びており、その先端(艦橋)には通信システム・センサー類が集中した指揮所があった(EP3冒頭で、ドゥークー伯爵がアナキンたちと戦ったのがここ)。

ただ、司令室はこの艦橋ではなく、艦首の強化装甲の上部に設置されていた(EP3で、グリーヴァスが戦ったのがここ)。
この司令室は、独立星系連合に属するレキュザント級軽戦艦と同じものが採用されている。

船首から船尾にかけて、なだらかな曲線が波打つように描かれており、スターデストロイヤーの飾り気のない二等辺三角形というやや武骨な外見に対して、どちらかというと優美なデザインになっている。
この曲線的なデザインが、種族は対立していても故郷を同じくするモン・カラマリの造船技術との共通項なのだろう。

実はサイズが異なる二種類があるらしい。
一般的なのは全長1088mのものだが、同じデザインなのになぜか全長が2177mと約二倍のタイプも存在する


◇モジュール機能

本級の設計面における最大の特徴は「モジュール機能」の徹底にある。正式には「モジュラー・コンパートメント」というが、
船が区画ごとに切り離しできるように最初から設計されており*3、例えば推進能力を強化したいと思えば、エンジン部分を切り離して新型の推進ブロックを接続すれば、お手軽に強化・改修ができた。
あるいは、設計時点で運用予定になかった武装・部品でも、このモジュール機能を駆使することで、容易に後付けができた。

それほどの柔軟性・拡張性の前には、砲塔の増設だとかは些細な問題である。
設備の換装によって、対艦攻撃から艦隊の指揮管制、惑星の爆撃、戦闘機の空母などなど、あらゆる任務に対応することが可能。
艦種がやたら多いのもそのせいだろうか。

もちろん、修理も容易。破損した船同士をかき集めて、破損していない部品を選別して切り離し、組み立てることで、無傷の軍艦を作ることも出来た。

しかも、このモジュール機能は独立星系連合の各種軍艦にも共通して組み込まれていたため、その気になれば他の艦種の装備さえ接続できた。
戦後の話だが、プロヴィデンス級二隻の残骸を組み合わせ、さらに船腹にルクレハルク級のコアシップを接続、というキメラ的な軍艦が登場したことさえある。


◇戦闘能力

船体表面には各所にレーザー砲塔やイオン砲、プロトン魚雷発射管などが多数搭載されている。
上述したモジュール機能のおかげで、武装を強化しているプロヴィデンス級は結構多く、ばらつきも多い
それらを支えるエネルギー反応炉はもちろん強力なものであり、わけてもその大出力を活かした「重イオン砲」は二基しかない代わりに、敵艦に致命傷を与えられるほどの威力があった。

防御面でも、装甲の厚さと強度は独立星系連合でも指折りであり、敵の攻撃にもよく耐えることができた。
シールドももちろん強力。シールド発生装置は網状に張り巡らされており、全方位からの攻撃に対処できた。

ただ、さすがに集中攻撃を受け続けるとシールドや装甲にも限界をもたらす。
また艦首司令室・艦尾通信センターともに防御力はやや脆弱であった模様。
とはいえ、戦闘指揮所に直撃を受けるとひとたまりもないのはより後年のスーパー・スターデストロイヤーでも同じことだったので、これを以って弱点と言うのは酷だろう。


◇航行能力

通常空間では四基のイオンエンジンで亜光速航行を行い、高性能ハイパードライブによりハイパースペース航行も可能。
例によってモジュール機能により、各艦特有の機能を組み込むこともあった。

実は大気圏突入・重力下での飛行も設計に入っており、シールドを展開したり各種ブースターやエアブレーキなどを駆使して、星への降下や飛行を可能としていた。
大気圏内の速力はルクレハルクの四倍に達し、機動力もそれなりにある模様。
それどころか水上・海上に着水しての活動も可能。というのも、設計者が海中種族のクオレンであったため、海での運用は最初から考慮されていたのである。これはモン・カラマリの軍艦もそうらしい。
また明言されてはいないが、潜水も可能かもしれない*4
強襲揚陸艦としての用途も視野に入っているらしい。また艦種が増える……


EP3では大気圏突入時に崩壊しかけていたが、これは突入前の時点ですでに轟沈寸前なまでにダメージを負っていたため。
まともな状態であればもっとスムーズに降下できるのだろうし、あんな状態での大気圏突入は考慮されていないはずである。


【固有の艦名】

  • インヴィジブルハンド
独立星系連合の軍事総司令官グリーヴァス将軍の旗艦として有名で*5、彼の勇猛な指揮ぶり、および艦長であるラシュロス・ドファインの冷静な補佐が組み合わさることで、共和国軍に対して多くの戦場で猛威を振るった。
なお、元はヌート・ガンレイの旗艦として用意されたが、グリーヴァスが分捕ったらしい。

クローン大戦最後の大規模作戦「コルサント奇襲作戦」においては、作戦部隊の総旗艦として出撃。
グリーヴァスやラシュロスに加えて独立星系連合の国家元首たるドゥークー伯爵自らも乗り込んで、シーヴ・パルパティーン最高議長を捕縛・監禁する。

しかし議長奪還のため、 アナキン・スカイウォーカーオビ=ワン・ケノービオビ=ワンは機体を撃墜されながら 突入。
ドロイドを破壊したりドロイディカに追われたりエレベーターに苦戦したりしつつ、艦尾の通信タワーに侵入し、パルパティーン最高議長とドゥークー伯爵に再会。
オビ=ワンが気絶するほどの激闘の末にアナキンがドゥークーを撃破するも、パルパティーンことダース・シディアスの唆しの影響もあって彼を殺害することになり、より暗黒面に迫る結果となる。

その後、アナキンたちはインヴィジブルハンドからの脱出を図るも、またもエレベーターに苦戦する間に光線シールドによって捕えられ、艦首司令室にてグリーヴァス将軍と対面。ここでも戦闘になるが、マグナガードは撃破しつつもグリーヴァスには逃げられる。
その後、インヴィジブルハンドは共和国艦隊の集中砲撃で大破、そのままコルサントの重力に捕えられてしまい、大気圏突入を開始
万全ならともかく半壊状態の突入はプロヴィデンス級の性能をもってしても無謀極まりないもので、途中で艦尾が外れて吹っ飛ぶほどに損傷、パルパティーンもろともコルサントの塵になるかと思われたが、グリーヴァス「勝ったッ!新三部完!」???「ほお、それで誰がこのシスのかわりをつとめるのかね」
操舵を司ったアナキンとオビ=ワンの奮闘によって間一髪、艦首部だけはコルサントに不時着した。

一方、グリーヴァスは脱出に成功するが、ラシュロス艦長は脱出艇に乗り込み射出することまではうまく行ったものの、流れ弾が脱出艇を直撃してしまいあえない最期を迎えてしまった。

  • コリコイドスウォーム
「インヴィジブルハンド」の姉妹艦。外観・性能ともにほぼ同じで、ただ艦首に描かれた縞模様の色だけが異なる。
見た目と性能が「インヴィジブルハンド」とほぼ同じであったため、敵にとってはこれら姉妹艦のどちらかを見ただけで「敵将はグリーヴァス」と誤認したという。
なお、艦名の「コリコイド」とはドロイディカトライ型ドロイドスターファイターなど高性能機種を開発した昆虫種族コリコイドのこと。「スウォーム」は「群れ」を意味する単語であり、直訳すると「コリコイドの大群」となるか。

  • ルーシッドヴォイス
「インヴィジブルハンド」「コリコイドスウォーム」の姉妹艦。
外観・性能ともに姉妹艦とほぼ同じ。グリーヴァス襲来と誤認させる要素も変わりがない。
艦名の「ルーシッドヴォイス」とは「明快な声」「轟く声」といった意味合いで、「インヴィジブルハンド」が「見えざる手」であるのとは対照的な名前である。
姉妹艦二隻とともにコルサント奇襲作戦に参加するが、姉妹艦ともども敗北し、大破した。

なお「ルーシッドヴォイス」は戦後鹵獲のうえ解体されたが、部品の一部は闇市に流れ、さらに反帝政反乱組織がかき集め、ルクレハルク級の部品などと接続して運用している。

  • インヴィンシブル
独立星系連合の名将、トレンチ提督の旗艦。
艦橋司令室は通常型と異なり、独立星系連合の別艦種、ミュニフィセント級フリゲートのものを接続・流用している。
モジュール機能を駆使した武装強化タイプで、通常の各種レーザー砲に加えて、磁気信号を追跡するタイプの新型宇宙魚雷が増設されている。
また、強化型の偏向シールドと熱シールドを装備しており、防御力はより堅牢になっていた。
ただし、これら増設シールドはインヴィンシブル自身の追跡魚雷との相性が悪かった。この魚雷は敵艦の磁気信号を追うため、発射する際にはシールドを落とす必要があった。

司令官のトレンチ提督は蜘蛛そのものの上半身を持った種族のため、目が三対(六つ)ある。
トレンチは自らの船に、この目を模したマークを刻む趣味があり、インヴィンシブルにも艦首部に大小三対の目玉模様が描かれている。
また船の側面にもトレンチ提督の紋章が描かれている。これらの紋章から、かつて彼に半殺しの目に遭ったウルフ・ユラーレン提督はトラウマを呼び起こされた。

クローン大戦前半では惑星クリストフシスの制圧任務に就き、星の衛星軌道上に展開して、惑星クリストフシス奪還を狙う共和国軍を迎撃。
トレンチ提督の指揮ぶりで共和国艦隊に痛撃を与え続けたが、試作型のステレスシップを駆使したアナキン・スカイウォーカーの猛攻により、インヴィンシブル自身が放った魚雷を指令室に誘導され、轟沈する。

これで終わったかともいきや、戦後にはインヴィンシブルの残骸が闇市に流れ、さらにその一部を反帝政の反乱組織が入手。
同じく入手していた、上記インヴィジブルハンドの姉妹艦「ルーシッドヴォイス」やルクレハルク級らの残骸と接続され、キメラ的な軍艦となって銀河帝国へのテロ活動に従事した。

  • レベルワン
反乱同盟軍の艦隊で運用されていたプロヴィデンス級。
艦名は「Level One」ではなく「Rebel One」と表記し、「反乱者一号」という意味。
すなわち、この船もまた「反乱者たち」なのだ。

元は独立星系連合の所属艦としてクローン大戦を戦い抜いた、基礎設計から二十年もの年月を経た老朽艦であったが、例のモジュール機能の恩恵によって最先端技術による近代化改修に成功、かつての同型艦よりも大幅に強化されていた
  • 艦首部の強化装甲が胴体部分の装甲と完全に融合している点
  • 艦首先端にセンサーが増設されている点
  • 艦尾エンジンブロックに強化装甲やウイングが増設されている点
など、見た目もクローン大戦中とは異なる。
かつての独立星系連合の主力艦が、モン・カラマリの巡洋艦と肩を並べて銀河帝国に戦いを挑む雄姿は熱い。




これらのほか、クローン大戦を描いたスピンオフでは独立星系連合の大型主力艦として様々なエピソードに登場。
旗艦、もしくは主力艦として共和国のヴェネター級スターデストロイヤーと互角、あるいは圧倒する働きを見せる。
しかし主人公に対する敵勢力というメタ事情もあってか撃沈シーンも非常に多かった。

2Dアニメ「クローン大戦」ではコルサント奇襲作戦も描かれ、本級も多数登場。
スターデストロイヤーと激突したり、はたまた海賊張りの斬り込み戦術を仕掛けたサシー・ティンクローントルーパー隊に乗っ取られたりと、それなりに目立っていた。

CGアニメ「クローンウォーズ」でも全編を通して活躍が多く、特にトレンチ提督の「インヴィンシブル」は強敵だった。
一方、アナキンたちの活躍譚が多かったために「これほんとに大丈夫か?」というぐらいに沈んでいくのもご愛敬。

上記の通り、戦後も強力な軍艦として通用しており、独立星系連合の残党のほか、一部は「レベルワン」のように反乱同盟軍などの反帝政勢力でも運用された


【余談】

企画初期のデザインでは、船首の強化装甲がなく、かつ側面に大きな円盤状の部位が備わっているものもあった。
こちらのデザインはのちに「クローン・ウォーズ」に登場する戦艦「マレヴォランス」に流用される。


EP3における「インヴィジブルハンド」のクルーの様子が映画版と小説版でだいぶ異なる。
特に大きな違いが、艦長ラシュロス・ドファインがいないということ。
ラシュロス艦長はニモーディアンの名家・ドファイン家出身で、ニモーディアンには珍しい、修羅場でも冷静沈着かつ豪胆な人物。劇中では共和国艦隊の砲撃で船が傾こうとも脇のパネルが火花を吹き出そうとも(さすがに反射でのけぞりはしたが)よどみなく対策を指示する姿が描かれる。
グリーヴァスとはジオノーシスの戦いで知己を得ており*6、グリーヴァスと意見が対立しても、一切臆することなく自分の意見を述べ、かつ理路整然としていたため、グリーヴァスの側もラシュロス艦長を尊敬・尊重したという。

しかし小説版では彼のような人物がおらず、全てのニモーディアンクルーがこぞって臆病かつ無能な人物となる。脇で火花が吹き出せば悲鳴を上げて泣きわめくなど、ラシュロスのような豪胆さを持つ者はいなかった。
グリーヴァスも危険人物というところが強調されており、臆病で泣きわめくニモーディアンの頭を握りつぶす場面がみられる。ラシュロス艦長に抱いたような敬意はまったくない。





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最終更新:2021年02月01日 21:49