SCP-4357-J

登録日:2021/01/29 Fri 21:12:40
更新日:2024/10/18 Fri 20:06:09
所要時間:約 3 分で読めます




SCP-4357-Jはシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはEuclid。



概要

SCP-4357-Jは赤い肌で、身長3m、質量およそ200kgの人型実体。
とげのあるしっぽを持ち、硬い羽が肩甲骨から発生し、2本のねじれた、尖った角が両目のすぐ上にある……
まあ要は悪魔である。財団世界に、ここまでどストレートな悪魔が登場するとは思わなかった。
(ちなみに財団世界でも悪魔という概念は存在するが、我々の知る形とは異なっている。)

SCP-4357-Jはすっぽんぽんの裸だが外見から性別を特定することはできていない。
そしてこの悪魔は常時摂氏40~50度の熱を発し、キレると95度にまでなる。
財団職員には基本敵対的。
頻繁に職員のことを侮辱や批判し、その活動が自身の収容に不足であることに言及する。

……こんな露骨な危なっかしい悪魔であり、クソトカゲとタメを張れる性格のくせに、Euclid。
ポンコツ並の戦闘力しかないというわけでもなさそうである。
なぜ?

ということで、インタビュー記録を見ていこうじゃないか。

インタビュー

最初のインタビューはこいつの収容直後。
19██年6月6日

エージェント ████████: あなたのここでの目的を述べてください。

SCP-4357-J: この畜生め!俺が分からんのか!俺が何者なのか知らんのか!俺がどんなことができるか知らんのか!畜生め俺をここに縛り付ける方法も知らんのか!貴様のことだぞ素人め?貴様は聖水すら携えていない!俺がその気になったら、どうやってお前は反撃するつもりだ!

エージェント ████████: 分かりました。待っていてください。すぐに他の者が戻りますので。

縛りつける方法も知らんのかと騒いでいる悪魔相手に、あろうことかエージェントはその場を立ち去る。
いくらなんでもそれは危険行為では?

19██年6月7日

敬虔なカソリックのエージェント █████: 私から10フィート以上の距離を保ってください。さもないとこれを吹きかけますよ。

SCP-4357-J: うすのろのクズめ。この羽がただの飾りに見えるのか?貴様が引き金を引く前に飛び上がって喉を引き裂いてやるわ。クズめ、忌々しい召喚サークルはどこへやった?それと護封ヘキサグラムだったか?貴様は全くののうたりんだな。畜生め、チョークを持ってこい、俺が手本を見せてやる!

エージェント █████: それはいい考えですね。

エージェント █████は収容室を去り35分後に白チョークの箱を持って戻りました。SCP-4357-Jに箱を渡すと、対象は即座に使用し15分間で素早く現在の収容に用いられている模様を作成しました。

SCP-4357-J: そして、これが正しい召喚サークルの作り方だ。ルーン文字は全て綺麗に丁寧に書くんだ。さあ、俺がこんな風に中に入ると、出るのが難しくなる!

SCP-4357-Jは円の外へ踏み出そうとして見えない障壁に跳ね返されます。

SCP-4357-J: くそ、やってしまったぞ俺!

財団に敬虔なカソリックの信徒がいたことに驚くが、
なんとこの悪魔は自分で自分の封印サークルを描いてわざわざ入るという暴挙に打って出る。
ラストのセリフ的に、あえて自己顕示のために自分を不利にしたというわけでもなさそう…。

19██年7月13日

SCP-4357-Jは普段と違い3時間収容リングの中心でうずくまって過ごし、時折障壁に近づき鉤爪で触れました。17時34分になると突然真上に跳び上がり、上昇と同時に羽を広げました。6m上の天井に届くと、コンクリートを鉤爪で穿ち掘り進み、収容リングの外側まで到達しました。

SCP-4357-J: ハッ!こいつは15フィートかそこらまでしか届かないのだよ。俺は自由だ。虫けらども!

エージェント ██████と███は部屋に飛び入りそこでスプレーボトルの聖水をSCP-4357-Jが元の収容図形の内側に戻るまで吹きかけまました。

SCP-4357-J: おのれ!今のは痛かったぞ貴様ら!だが物の数ではない、もう一度飛び出してやる。貴様らは俺を囚える籠も用意できないようだな。俺は実はソロモン王の言葉のこもった錬鉄でしか捕まえることはできないが、今すぐそんな不浄な代物を見つけられるかな?フハハハハ!

悪魔くん、どうやら封印サークルにある程度の高度制限があることに気づくも、
財団職員にあっさり撃退される。
しかし悪魔くんの言う通り、こいつを囚えるには高度制限のあるサークルは非常に厳しい。
ソロモン王の言葉のこもった錬鉄なんてそうそう手に入らないだろうし……うーん。

19██年7月14日

財団の金属工たちが錬鉄の籠をラビ・███████の監督と祝福のもとで設置しました。

SCP-4357-J: ちくしょう!

手に入りました。
いろいろな作品に登場するが、ソロモン王はもとを正せば旧約聖書の登場人物。つまりおそらく「ソロモン王の言葉」とは旧約聖書(の一部または全部)のこと。
…というわけで、ラビ(≒ユダヤ教の聖職者)の監督と祝福により「ソロモン王の言葉のこもった錬鉄」でできた籠はめでたく出来上がったのだった。

19██年10月01日

ラビ・███████: 悪魔よ、今日はいつもよりはおとなしいですね?

SCP-4357-J: おう、俺は気分が良いぞ、豚の吐息め。貴様は1つ問題を抱えているぞ。血と硫黄だ。 貴様のような虫けらでは檻を正しく作ることすらできなかった!試してみたが、俺が揺すれば引き裂かれ貴様らまぬけ共が三度忌々しい聖水を持って駆けつけるまでに逃げ出してくれるわ!

ラビ・███████: しかしソロモン王の言葉はどうするんですか?それはあなたを留まらせるよう制御していますよ。

SCP-4357-J: は、くそ坊主め。まったく、貴様らは皆ソロモンの封印とはヘキサグラムのことだと知っておくべきだ。星じゃおれを捕まえられんから俺はきさまのようなぐずがもどってくるより早くひと暴れできるのさ。

ラビ・███████: チョークはたくさんあります、悪魔よ。私は逃げ出すより先に封印を描けるのに賭けますね。

SCP-4357-J: ラビ、ラビ、ラビ。 俺は貴様のバカさ加減に心底うんざりさせられたぞ。貴様は本当に封印にはチョークで十分だと思っているのか?塩と銀を使えば闇夜の怪物を押しとどめると虫けらどもが話しているのが分からないか?

ラビ・███████: 悪魔よ、ありがたい。きみは常々ためになるよ。

SCP-4357-J: ちくしょう!違う、待て俺の言ったことは忘れろ!あれはアー、嘘だ!そう!俺たち悪魔はいつも嘘をひり出すだろう!俺の言うことを真に受けるんじゃない!

悪魔くん、見事な誘導尋問に引っかかった。
にしてもひとつ思うことがあるんだけどさ……。

19██年12月19日

敬虔な仏教徒のエージェント ██: こんにちは、SCP-4357。今日はきみに質問がある。

SCP-4357-J: クソ食らえだ。俺は貴様のような愚者にこれ以上なにも吹き込むつもりはないぞ。お前はさらに俺をもっと厳しく押しとどめつづけるんだ。

エージェント ██: この質問はきみをちっとも煩わせない実に簡単なものだ。どうして我々が何もかも用意する前に逃げ出さなかったんだい?

エージェント ██はこれまでの収容措置を手振りで示しました。SCP-4357-Jは打ちのめされたように見え、30秒ほど口が開いたままでした。

SCP-4357-J: お、俺は、そん、な―、つもりは―、ああっ何ということだ神よ!

SCP-4357-Jは90時間にわたってより激しく障壁に自らの身体を打ち付け始め、17分間絶え間なく延々と罵り文句を叫び続けました。

悪魔がオーマイゴッド言ってんじゃないよ。
にしても実際何故か財団にいた敬虔な仏教徒のエージェントの言う通り、
彼の収容はすべて彼が教えてくれたものだが、指摘する前に逃げればただそれで良かった話なのだ。
悪魔くんの煽り癖が結果として彼を閉じ込めているのである。

財団は今後の彼の供述を元に、悪魔くんの収容をしていくとしている。

結論:言わぬが花。


余談

ジョークに何を言っても仕方ないのだが、財団は当のオブジェクト自身の供述をすべて鵜呑みにするという結構やばいことをしている。
SCP-1293などでは実際それで痛い目に合っていたりするわけだが。
そしてそれはまさに悪魔くんにまで言及されている。

……いやでも悪魔くん、君は少なくとも嘘つくのヘタだろ?なんたって君は――



SCP-4357-J - Cooperative Demon(協力的な悪魔)



なんだからさ。





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最終更新:2024年10月18日 20:06