小西早紀(ペルソナ4)

登録日:2012/04/22 Sun 23:45:02
更新日:2024/10/07 Mon 08:33:34
所要時間:約 6 分で読めます




小西早紀とは、PS2ソフト『ペルソナ4』の登場人物。


八十神高校の三年生で、花村陽介の先輩に当たる。

また、一年生に弟の小西尚紀がいる。

年上であり、姉と言う立場からか、面倒見がよく、争い事は嫌いな様子。

実家は商店街の酒屋だが、大型スーパーのジュネスでバイトをしている。

また、花村陽介の思い人であり、彼女も先輩と言う立場からか、陽介を「花ちゃん」の愛称で読んでいる。

ゲームでは、主人公が転校してきてから3日後に初登場となる。
アルバイト中のエプロン姿で、陽介らと雑談を交わす。この時の彼女の柔和な感じから気に入った人も多いだろう。

時は過ぎて夜、主人公が居間でテレビを見ていると、小西先輩らしき姿が。
どうやら先輩はぶら下がり事件の被害者、山野真由美の第一発見者だったらしく……



以下、ネタバレ












巷で噂のマヨナカテレビを試した主人公、するとそこには先輩らしき人影が。
気になって次の日も試した陽介はそこに映るのが小西先輩と確信する。

しかし


翌日、小西早紀は電柱にぶら下がった状態で、遺体で発見された。
偶然テレビの中に入る事が出来る能力を持っていた主人公達は彼女の死の真相を確かめるため、テレビの中と言う異世界に入り込む。


その世界で出会った謎の生き物クマの助力を得てたどり着いたのは、小西先輩の家「小西酒店」だった。



中に入り、聞こえてきたのは……




「小西酒店の早紀ちゃん、ジュネスでバイトしてるらしいのよ」
「ジュネスが出来てから、商店街は寂れる一方……なに考えているのかしらねぇ」

「くそ、誰なんだよ一体…!」


「何度言ったら分かるんだ早紀ッ!よりによって、あんな店でバイトするなんてッ!金か?それとも、男かッ!?」

「これ…先輩の親父さんの声?」
「ずっと……言えなかった……私、花ちゃんの事…」




「ウザいと思ってた」


小西先輩にとって、陽介は店長の息子だから、都合が良いと思って仲良くしていただけだった。
毎日毎日商店街の人々に陰口を叩かれ、家では怒鳴られ、とても息苦しい日々を送っていたのだ。
それを頻繁に心配してくる陽介も、疲れきった彼女にとっては己を縛りつける存在だったのだろう。


これは後に、陽介のの発現に関わってしまう。
下心がありながらも彼女の死を誰よりも悲しんでいた陽介を「ウザい」と思っていた事を知り、ここで彼女を嫌悪した人もいるだろう。
しかし、それは心労から来るものであり、陽介の事は最初に会った時に言っていた「お節介でウザいけど、イイ奴」と言うのが、彼女の本音だろう。
(実際、影の発言は基本的に歪んでいて、へんな方向に行きやすい。例として完二の影など。また陽介の事をウザいと思う自分を肯定するとペルソナが発現するため、否定して暴走したシャドウに殺されたと思われる)


また、親の都合で田舎に引っ越して、商店街の人々から陰口を叩かれる退屈な毎日を送っていた陽介に「親は親、キミはキミでしょ?」と言っていたり、
ゲーム中のモブキャラの発言からも「誤解されがちだけど、いい人なんだから!」と言われてる辺り、
彼女の人格は温厚で面倒見が良く故に、自らを押し殺してしまう、悩める少女だったのだろう。



「親は親、キミはキミでしょ?」


この言葉は、彼女が最も言って欲しかった言葉だったのかも知れない。








小説『ペルソナ4 ~キリノアムネジア~』では、いつもとは違うテレビから入った陽介達の前に、早紀にそっくりな少女「アムネジア」が登場する。

一切の記憶が無く、陽介に「記憶喪失(アムネジア)」と名付けられ、行動を共にする。
落ち着いた物腰で、皆のお姉さん的立場となり、千枝雪子と一緒に温泉に入ったりする。

千枝と雪子と一緒に温泉に入ったりする。大事な事なので二回言いました。



以下、ネタバレ







「花ちゃんは私が守るから!」





アムネジアの正体、それは小西早紀の影そのものだった。
彼女は、破壊本能だけしか無い影の中では珍しい、争いを好まぬ、本物同様の温厚な人物であった。
だが、テレビの世界の霧が晴れるとき、普段抑圧されているシャドウの破壊本能は解き放たれる。
それはアムネジアも例外ではなく、気付いたら本物の小西早紀を殺していた。
自らを殺してしまった罪悪感から、彼女のシャドウとしての力「忘却」を使い、記憶を消し去ったのだ。
しかし、陽介と関わり、彼の優しさに触れてくうちに、徐々に記憶を取り戻していく。
そして現れた山野真由美の影に襲われた陽介を助けるため、「自らを縛る象徴」である鎖を具現化し、陽介達と共闘する。


最終決戦では、山野真由美の影「イワナガ」の攻撃を弾き返しながら、陽介達と抜群の連携を見せ、忘却の力でイワナガの記憶を消し去る。
が、イワナガの最後の足掻きにより陽介は大穴に引きずり込まれてしまう。


我は影、真なる我― こんなことで、死なせはしない!!


漆黒のロングドレスに、肘まで覆うレースの手袋、氷雪のような肌に、幾重にも重なる鎖―


彼女はシャドウとしての姿を表し、陽介を救い出す。


シャドウである自分を化物と呼び、お礼なんて似合わないと言うアムネジアに、
陽介は「あんたは先輩の中から生まれた、紛れもなく先輩の一部なんだ」と受け入れる。
無事、クマと合流し、現実の世界へ帰っていった陽介達。
アムネジアはクマに、「本体を失ったシャドウは、いつか霧に溶けて消える」と言う悲しい事実を知らせる。
「静かに、力を使わずに過ごせば、長く消えずに済む」と言うクマに「また、花ちゃんに悲しい思いをさせたくない」と自らの消滅と引き換えに、
彼女と過ごした記憶を消し去る。


「その寂しさも。一瞬の後忘れるよ。」

現実の世界に戻ってきた陽介達。なにかを失った。だけど、なにを失ったのか、見当もつかない。もどかしいのか、せつないのか、悲しいのか。
己の感情を理解出来ずに、涙が溢れてしまう陽介。


いつもとは違うテレビを見て、陽介は呟く。


「……気のせい、なんだよな」
そう。気のせいだから――思い出さないで
陽介は、そんな誰かの声を聞いた気がした。






追記、修正は 忘れた何かを思い出してから、お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ペルソナ4
  • 涙腺崩壊
  • 事件の被害者
  • 陽介の想い人
  • 先輩
  • 小説ではヒロイン
  • 救われないヒロイン
  • ヴァイスシュヴァルツでは厨性能
  • 小西早紀
  • アムネジア
  • 悲劇のヒロイン

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年10月07日 08:33