ジェネレーション・キカイダー・デイ(ハワイの記念日)

登録日:2021/08/10 Tue 18:45:00
更新日:2022/09/18 Sun 02:33:05
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ジェネレーション・キカイダー・デイとは、ハワイ州が制定する記念日である。
日付は4月12日。

概要

ご存じ石ノ森ヒーローシリーズの一つである人造人間キカイダー
放送当時は人気を博し後のヒーロー物に与えた影響も大きかったが、国内では偉大過ぎる先達の陰に隠れてしまい若干マイナーな域を出ていない。
しかし遠く離れたハワイでは国民的ヒーローとして人々の心に根付いており、そんなヒーローに感謝の意を表して制定されたのがこの記念日である。

経緯と背景

  • 第一次ブーム~海を渡ったキカイダー~
時を遡ること1970年代、ハワイの放送局は子供人口の増加に対し子供向け娯楽番組に乏しい状況に頭を悩ませていた。
アメリカ本国の番組は使用料が高く、さりとて自前で制作しようにもノウハウがない…
考えあぐねた末に目を付けたのは日本の特撮番組。日本は折しも特撮ブームで、毎年のように新作が作られており作品が豊富。その上使用料もアメリカと比較して安いとうってつけだったのだ。
言語については字幕をつければいいやと幾つか見繕った作品の中で、一際目を引いたのが赤と青のド派手なボディ、半透明の頭蓋に収められた電子頭脳という強烈なインパクトの”人造人間キカイダー”だった。
何これカッコいいと早速買い付け、74年に”KIKAIDA”のタイトルで放映したところ、これまでヒーロー番組に触れる機会が少なかった子供たちの心を鷲掴みにして大ヒット。
正確な記録はないが当時の平均視聴率は26%だったとも言われ、「土曜日の夜8時はテレビの前に座ってKIKAIDAを観る」のが子供達の習慣となった。

続いて続編のキカイダー01も放送され、これまた爆発的に大ヒット。
当時のイベントではエルヴィス・プレスリーやビーチ・ボーイズも公演したイベントホールに1日で1万人が詰めかけ、関連のCDはヒットチャート入り、ディスコでゴーゴー・キカイダーが流れれば皆が踊り出す等その勢いは留まるところを知らなかった。

こうして一大ムーブメントとなったKIKAIDAだが、01の放映終了と共にブームも過ぎ去っていく。
その後はレインボーマン、仮面ライダー、イナズマンも放送されたがキカイダー程の人気を得ることは出来なかった…





ここまでならよくある海外で成功した日本の番組の話だが、まだ話は終わらなかった。


  • 第二次ブーム~ジェネレーション・キカイダー~
時は流れ2001年、かつてKIKAIDAに夢中になった子供達が大人になった頃、当時のファンの声による後押しもあり再放送されたところ人気が再燃。
更には彼らの子供達をも虜にし、世代を超えたブームとなっていった。此方も正確な記録は無いが、再放送の視聴率は70%にも及んだとか。
この現象は後に「GENERATION KIKAIDA(ジェネレーション・キカイダー)」と呼ばれるようになった。
そして2002年、ハワイ州知事は”番組を見て育った少年少女が健全な大人となり、その子供たちもまた再放送を見て健やかに成長している”として、
同年に主演の伴大介氏と故池田駿介氏が表敬訪問した4月12日を「ジェネレーション・キカイダー・デイ」に制定した。

表敬訪問時の歓迎ぶりは凄まじかったそうで、商店の店主からは好きなだけ商品を持って行ってくれとまで言われたらしい。
それ故にお二人が日本に帰ってきた時は落差に少しがっかりしたそうな。

池田氏は生前に帰ってきたウルトラマンで共演した団次郎氏にハワイでは王様になれると自慢していたそうで、周囲には「俺が死んだらハワイの海に(骨を)まいてくれ」と言うほどにハワイが大好きになったとのこと。
その言葉通り、逝去された際にはハワイで散骨が行われている。

伴氏はその後もファンの声に応えて度々ハワイに足を運んで精力的に活動されており、名誉市民の称号を得ている。

2019年には放送45周年を記念したイベントも開催され、これも盛況であったようだ。

余談

  • アメリカでもキカイダーは放送されたが話題にならなかったようで、ここまでカルト的な人気のなったのはハワイのみとのこと。

  • 一次ブームの時には州の議員が番組のスポンサーになっていた。当時のハワイでは珍しくなく、知事選のPR効果を狙ったものだったがその議員の名前はなんとギルさん。どうやら番組内容を知らなかったようで、影響があったのか定かではないが敢え無く落選してしまった模様。

  • 2007年5月19日にはマウイ島市長によって5月19日が「キカイダー・ブラザーズ・デイ」に制定されている。

  • 更に国内では今一つとなってしまったキカイダー REBOOTもハワイではヒットを飛ばし異例のロングラン上映となり、伴氏を招いての鑑賞会も催された。



こうして親子2代、3代と受け継がれていくヒーローとなったキカイダー。
いつかはハワイ発となるキカイダーやヒーローを見てみたいものである。


追記・修正は自分のヒーローを思い浮かべながらお願いします。

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最終更新:2022年09月18日 02:33