登録日:2021/09/03 Fri 09:03:10
更新日:2025/04/21 Mon 16:34:59
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《アーボーグの暴食、ヤーグル/Yargle, Glutton of Urborg》は、
マジック:ザ・ギャザリングのカードのひとつである。
性能
アーボーグの暴食、ヤーグル/Yargle, Glutton of Urborg (4)(黒)
伝説のクリーチャー — カエル(Frog) スピリット(Spirit)
9/3
ベルゼンロックの副官ヤー=クールが大き過ぎる野心を抱くようになったので、悪魔王は彼を蛆に変えた。その蛆を食べた蛙はどんどん大きくなり続け、ついに体が爆発して貪欲な魂が抜け出すまで止まらなかった。
初出のエキスパンションはドミナリア。
同エキスパンションでは伝説のカードがフィーチャーされており、数多いアンコモンの伝説のクリーチャーの1体として登場した。
ヤーグルは特別な能力を持たない代わりにパワーの値が9あり、5マナのクリーチャーとしては規格外の力強さがある。
同マナ域の標準的なクリーチャーのパワーは4~5が相場なので、ヤーグルはそれらの2倍ほども打点が高い。
プレイヤーの初期ライフが20である通常の2人対戦では、ヤーグルの攻撃を2回通せば瀕死、3回通せば敗北というパワーの高さを誇る。
一方でタフネス3は5マナのクリーチャーとしてはやや心もとなく、より低マナ域のダメージ呪文で死亡したり、格下のクリーチャーと戦闘で相討ちしたりしてテンポ損を引き起こしうる。
環境での活躍
スタンダード
構築では、タフネス3が複数の火力呪文の射程圏内であったため、目立った活躍はできなかった。
リミテッドでは除去が少ないため生き残りやすく、タフネス強化や先制攻撃の付与によってクリーチャー戦で相討ちを取られないようにすれば大暴れしてくれるだろう。
ヤーグルを統率者戦で使う場合、有力な勝ち筋として感染能力による毒殺がある。
感染を付与し、パワーに+1以上の修整を与えた上でヤーグルの攻撃が通れば、一撃で毒カウンターが10個以上乗り対戦相手を敗北させられる。
これは黒単色でも《汚れた一撃/Tainted Strike》や《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》といったカードと組み合わせて実現可能である。
最低2枚のカードで一撃必殺が狙えるため、ヤーグルを統率者に指定せずとも、黒を含む統率者のデッキでサブプランとして採用することもできる。
背景ストーリーでの活躍
ヤーグルの出自そのものは
フレイバー・テキストや公式ページで紹介されている通り、もともと悪魔王ベルゼンロックの副官であり、彼を首領とする陰謀団において指導者の立場に就いていたところいろいろあってカエル・スピリットになったのだが、そのあたりはドミナリア・エキスパンションの背景ストーリーでは詳しくは語られない。
ストーリーでの初登場は、新生ウェザーライト号のメンバーがベルゼンロックを討つべく陰謀団の要塞へ進入する場面となる。
アーボーグの沼地からその巨躯を現したヤーグルはウェザーライト号を掴んで揺さぶり、甲板に酸をぶちまけ、乗組員の抵抗をものともせずに船ごと食べてしまおうとする怪獣ぶりを見せつける。
しかし、あわやというところで巨大なエレメンタルであるムルドローサが現れ、ヤーグルに掴みかかる。
ヤーグルの注意がムルドローサに向き、解放されたウェザーライト号は上昇し、その場を離脱した。
なお、両者の戦いの結末はその後のストーリーで語られることはなかった。
ウェザーライト号がヤーグルの魔の手を逃れたところで乗組員がそれについて会話するシーンがあるのだが、日本語版では会話文が誤訳されており、これまでの話の筋とつながらない会話になってしまっている。
英語版原文における当該箇所の発言
"I'd feel sorry for Yargle, if it hadn't tried to eat our ship,"
は、「もし船を食べようとしていなかったら、ヤーグルのことを可哀想だと思ったかもしれない」くらいの意味である。
ここで"feel sorry"とされているのはヤーグルのことなのだが、日本語版では発言者が自分自身について申し訳なく思っているかのように訳されている。
また、この発言に対する受け答えである
"I don't feel sorry at all,"
も、本来は「私は(ヤーグルのことを)可哀想だなんてぜんぜん思わない」という意味であるが、日本語版では上記の誤訳に呼応して「あなたが申し訳なく思うことはない」といった意味にされてしまっている。
機械兵団の進軍では再登場。
どうやらムルドローサとの戦いは意気投合で終わったようで、新ファイレクシアとの決戦に際し、ムルドローサの父であるマローの魔術師ムルタニと協力して戦うこととなった。
ムルタニの力でファイレクシアの油への耐性を得たヤーグルは、「こんなにもたくさんの食べ物が、全部食べられたがっている」と歓喜し、ファイレクシア人を食らいつくした。
関連カード
ヤーグルとムルタニ/Yargle and Multani (3)(黒)(黒)(緑)
伝説のクリーチャー — カエル(Frog) スピリット(Spirit) エレメンタル(Elemental)
18/6
機械兵団の進軍において再登場したヤーグル。
「次元の脅威に相容れない2人が手を組んだ」ことを表現するサイクルの1枚であり、通常は元の2枚のカードの特徴を引き継いだものとなる。
……が、これはまさかの「2倍ヤーグル」。誰が呼んだかヤーグルとヤーグル。
歴代最大の基礎パワー18を有しており、パワーと比べ一見低いように見えるタフネスも6とコスト相応。
ここまで大きいと相手がショックランドを使った後ぶん殴れば即勝利であり、圧は元のヤーグルの比ではない。【クラガンウィック・シュート】などのコンボデッキでも使われた。
人気
ヤーグルは海外では
何故か人気を博しているらしく、コレクション用のカードセットである"Secret Lair Drop Series"のテーマに選ばれ、2020年9月3日にヤーグルをテーマにしたカードセットが発売された。
内訳は
の5枚であり、構築環境での実績も高いカードが揃う。
イラストはいずれもヤーグルが描かれた新規のものである。
このうち剣を鍬に、致命的な一押し、神々の憤怒は除去呪文なのだが、剣を鍬にと神々の憤怒のイラストではヤーグルがやられる側なのに対し、致命的な一押しではヤーグルが敵をやっつける側に回っており、芸が細かい。
また、致命的な一押しを除いた4枚はフレイバー・テキストも新調されている。
ヤーグルあれこれ
- P/Tが9/3である初めてのクリーチャーである。
- 《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》に次ぐ、2体目の伝説のカエルである。
- 多相持ちを除き、クリーチャータイプにカエルとスピリットを持つ初めてのクリーチャーである。
- 《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》以来、およそ14年ぶりに登場した伝説のバニラクリーチャーである。
追記・修正は、ムルドローサに勝ってからお願いします。
- こいつの個別記事が立つのか……。現状生死不明なので、DominariaUnitedで再登場したりして……。ベルゼンロック亡きあとの陰謀団で、新しい悪魔として君臨だ! -- 名無しさん (2021-09-03 09:34:29)
- 上記にもあるが、意外と黒単ジェネラルとしては優秀な部類(癖が強い奴らが多いとも言える) -- 名無しさん (2021-09-03 10:10:25)
- 下手すりゃ甲鱗様もペロリなカエルか -- 名無しさん (2021-09-03 10:40:23)
- 蛆になってなおカエルこれだけのエネルギー与えるポテンシャルあったんだから、ベルゼンロック様がヤー=クール喰った方が良かったのでは? -- 名無しさん (2021-09-03 20:12:14)
- アーボックの暴食に何度も見える -- 名無しさん (2021-09-04 23:17:51)
- ムルタニと合体!2倍の強さに -- 名無しさん (2023-04-08 02:47:12)
- ヤーグルの友達みたいなバニラレジェンドが最近増えましたね。 -- 名無しさん (2025-03-17 21:27:58)
最終更新:2025年04月21日 16:34