オジサン(魚類)

「オジサンですか?レレレのレ~」

登録日:2021/09/04 Sat 11:46:17
更新日:2024/08/30 Fri 16:38:38
所要時間:約 5 分で読めます




「なんだチミはってか? え? なんだチミはってか!」
「そうです、私が変なオジサンです」

オジサン(Parupeneus multifasciatus)は、スズキ目ヒメジ科の海水魚である。
最近ではヨウジウオ目とされることもある。





よしオジサンが君の布団で
ヒゲをしごいてあげよう

【オジサンとは】

オジサンはどこにいるの

太平洋やインド洋の暖かい海で泳いでいる。
特に、サンゴ礁の砂底が広がる場所によくいる。
日本では小笠原諸島や八丈島、鹿児島や沖縄などに普通にいる。

オジサンの姿かたち

他の多くの魚と同じように、背びれや胸びれや尾びれがある。
正面からみた輪郭は、上から下に向かって広がる三角形△に近い。
口が前に向かって伸びている。
全体的な印象は、淡水のアクアリウムのお魚だとコリドラスやクラウンローチに似る。
下あごには2本のひげがある。

模様の特徴は、第二背びれ下と尾柄部に黒褐色の斑点がある。
このふたつの斑点の間の部分は色が白っぽい。
また、口から目に向かって伸びる褐色の縦縞の模様がある。

体色は変化が大きい。
たいていは薄紅色なのだが、同一個体であっても時と場合により大胆に色が変わる。
刺激を受けると体色が濃くなるようだ。
釣り上げられたときや、ホンソメワケベラなどにクリーニングされているときなどは紫がかった紅色になる。
水揚げされた(=死んだ)ときも濃い紅色になる。

大きさは最大で全長35cmくらいになる。

オジサンのすきなもの

水中の小動物(甲殻類や多毛類など)を食べる。
下あごのひげを海底の砂などの中に突っ込んで餌を探す。
ひげには味蕾(みらい)があり、触れたものの味を感じることができる。





ナンダ ツリダッタノカ
オジサン イカッチャウゾ

【オジサンを釣る】

オジサンは海に行くと釣れるが、メインのターゲットとして狙うことはあまりない。
オキアミや虫エサなどを使ったエサ釣りでも、ルアー釣りでも釣れる。

ヒメジの仲間はエサを感知すると一気に口の中に吸い込んで食べようとするので、簡単に釣れるほうだと思われる。





「もっとあっさりしたものがほしいんじゃ おかゆとかおじやとか」
「あたしをたべるのはだあれ?」
「オジサンじゃない!おじやぁーーーーー」

【オジサンを食べる】

オジサンは淡白なやわらかい白身をしている。
魚屋さんでもたま~に見かけることがある。
名前が親しみやすいので人気がある…かもしれない。
鱗や骨が特別に硬いお魚ではないので、家庭でもさばきやすい部類に入る。

食べ方は、和食なら刺身や煮付けがよく合う。
刺身は皮を引いてもいいし、湯霜や焼霜*1にしてもいい。
煮付けは醤油で甘辛く煮たり塩味で煮たりするやり方があり、他の白身魚と大きくは変わらない。

洋食ではフライやムニエルなど、白身の食感を活かしながら加熱してうまみを閉じ込める料理法が合う。





V「あっ!」
W「水族館のオジサンだ!」
V「ウオオーッ!」

【オジサンを観る】

オジサンは水族館ではよく見かける。
名前が親しみやすいのでよく特徴や生態をピックアップして解説されている…かもしれない。
水族館で展示されているオジサンはあまり刺激に晒されないので、上述した体色の変化を観察できることは少ない。
暖かい海のダイビングスポットでも見られる。

家庭でも標準的な海水魚飼育の設備で飼育でき、アクアショップで売られていることもある。





説明しよう!

オジサンは同属の名前が
咄嗟に出てこないことが
よくあるがそれは
忘れたからではない

それまでの研究で
分類された類似種が多すぎる
ために正解をすぐ
選び出すことが
できないのだ!

【オジサンの仲間たち】

よく似た近縁種が複数いる。   
とくに類縁関係が近く、外見や生態の似ている種は
  • ホウライヒメジ(P. ciliatus)
  • オキナヒメジ(P. spilurus)
  • コバンヒメジ(P. indicus)
などがある。
いずれも食用になるが、市場ではたいてい厳密には区別されない。

また、類縁関係は少し遠いが、生息域が重なる種として
  • アカヒメジ(Mulloidichthys vanicolensis)
  • モンツキアカヒメジ(M. flavolineatus)
などがある。
こちらは群れを形成して海底から離れた場所を泳いでいることが多く、海底近くにたむろする傾向が高いオジサンとは生態もやや異なる。





「余談書いちゃったねぇ!魚のことね!オジサンの余談本気で書いちゃったねぇ!」

【オジサンよもやま話】

  • 和名のオジサンは下あごのひげにちなんだもので、小笠原地方での呼び名を和名に採用したものであるらしい。
    地方によってはオジサンという名前で呼ばれることもある。

  • メスのオジサンもいる。いやまあ当たり前なんだけど。
    メスのオジサンも下あごにひげがある。
    • ヒメジの仲間では性転換は知られていないので、もともと♂だったオジサンがメス堕ちして卵を産む側に回るということはない。
      メスのオジサンは最初からメスのオジサンである。たぶん。

  • 遊戯王ラッシュデュエルにも、そのまま「オジサン」としてカード化している。
    • レベル5で攻守共に1600。一応ラッシュデュエルの下級モンスターの最大値「1500」は超えてるが、ちょっと超えてるだけというのがらしい。とはいえデッキによるが全く使えないカードではない。イラストは「オジサンのおじさん」、フレーバーテキストも「くたびれたオジサン。このところ、疲れがなかなか抜けません。」と哀愁漂う感じになっている。

  • 某ゲームのアニメ版にはこの魚ととあるキャラを絡めてネタにするシーンがある。






「それは オジサンの こうもく!」
「ゆうこうに ついきしゅうせいして くれ!」

「オジサンの こうもく だからね!」




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最終更新:2024年08月30日 16:38

*1 熱湯をかけたり炙ったりして皮目の部分だけを加熱する技法