レレレのおじさん

登録日:2020/02/06 Thu 10:00:53
更新日:2025/04/03 Thu 09:56:48
所要時間:約 3 分で読めます





『天才バカボン』「わしの生まれた はじめなのだ」より
(赤塚不二夫、竹書房文庫刊)


おでかけですか?レレレのレー

レレレのおじさんは、赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』に登場する人物である。
声:槐柳二(アニメ第1・2作)、千葉繁(アニメ第3・4作、おそ松くん第2作)、石田彰(アニメ第5作)、上島竜兵天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~
演:松平健(レオパレス21のCM)、小日向文世(スペシャルドラマ)

【概要でーす】

小説家の京極夏彦は、赤塚作品を題材とした短編『巷説ギャグ物語』において、その容姿を次のように表現している。

平らな頭頂部に疎らに毛が生えている。
眼は黒目しかなく、大きく開けた口には前歯が離れて二本、下の歯が一本。鼻はなく、髭らしきものが確認できる。耳は左右に長く伸び、長い腕の関節は三つか四つ、和装で竹箒を手にしている――って。
(京極夏彦『南極(人)』集英社刊)

*1

そしてバカボンのパパを始めとする通行人に「お出かけですか?レレレのレー」と声をかけて、テキトーにあしらわれるのがお約束となっている。

原作では「おでかけのおじさん」と呼ばれており、「ことしもきたのだお正月」では年賀状に「お出かけですか?のおじさん」と記名していた。

【人柄でーす】

温厚でいつもニコニコしているが、清潔感のない人間には怒って容赦ない制裁を加えることもある。

アニメ版では「クリーンクリーン」と歌いながら掃除をすることがあり、これは初代声優・槐柳二のアドリブとのこと。

意外にも博識な面があり、「たいくつはひとごろしなのだ」ではバカボンのパパに「退屈」について説明したり、大塚製薬株式会社発行の「ヘルシー文庫」ではダイエット本を出したりしていた。

大塚製薬株式会社刊『OTSUKAまんがヘルシー文庫4 知ってる?自分の体 健康診断は成長チェックの巻』より

実は元々は電気屋さんの社長さんであり、かなりのお金持ちである。まぁ、ある程度金銭に恵まれてなきゃ25人も子ども育てられないわな
電気屋は後述の息子たちに引き継がせて、現在は寂しいながらも悠々自適の暮らしをしているようだが、
「20年後のお話なのだ」では「レレレ商会」なる会社を立ち上げて再び社長となり、UFO型のお掃除ロボットを販売している。
その頃には少なく見積っても90歳前後なのに、すごいバイタリティの人である。

そしてアニメ第5作では自らがルンバにされた

【モデルでーす】

赤塚が愛読していた杉浦茂の漫画の登場人物がモデル。
顔つきや親指、人差し指、小指を立てるポーズなどに共通点が見られる。

【メディアミックスでーす】

アニメ版の『おそ松くん(第2作)』に本官さんとともに客演している。
また、イヤミとチビ太もアニメ版『天才バカボン(第3・4作)』に客演した。

前述の『巷説ギャグ物語』では椎塚有美子と祝田に南極夏彦が『レッツラゴン』のイラ公に惨殺されたと説明した。

第1・2作で声を担当した槐柳二氏は『決定!これが日本のベスト』及び『大胆MAP』などの声優の企画でレレレのおじさんが紹介された際は着物と箒姿でおじさんのコスプレをして登場したこともあった。

第3作では千葉繁氏歌唱によるテーマソング『おそうじ行進曲』が製作。曲の完成度の高さから、第19話ではイメージアニメーションとして挿入されている。

実写版では小日向文世氏が担当。
2009年に放送されたレオパレス21のCMでは、暴れん坊将軍で有名な松平健氏がレレレのおじさんに扮しアニメ版と一線を画するロートーンボイスを披露した。
上記の「実は元社長のご隠居さん」の設定を考えると、結構納得がいくキャスティングかもしれない。

バイオハザードシリーズとの公式コラボ作品『バカハザ ~少年バカボン×バイオハザード~』ではゲーム冒頭の死体役(原作で言えば多分ケビン・ドゥーリーのポジション)として登場。
ただしバカボンたちは死体があった事に驚いただけのため「見た目がそっくりな別人」の可能性も無きにしも非ず。

【余談でーす】

FPS用語の「レレレ撃ち」は、アニメ版のレレレのおじさんが左右に細かく動きながら掃除をしている事に由来する。

炎神戦隊ゴーオンジャー』ではキレイズキーという敵キャラが登場し、「お出かけでありますか?ルルルのル」とレレレのおじさんのセリフのパロディを披露した。























【過去でーす】

今日も今日とて掃除に精を出していたレレレのおじさん。
だが、やってきたバカボンのパパは
お前は掃除しか能がないのか!!
とせっかくかき集めた枯れ葉を散らかしてしまう。
レレレのおじさんは当然大激怒、箒でパパを痛めつけた。
おじさんはパパを座らせ、話を始めた。
なぜおじさんがいつも掃除をしているのか。
話は50年前に遡る―――――――――――



1人の女性と結婚して25人もの子どもたち(五つ子が5組)に恵まれたレレレのおじさんは、てんでんばらばらにはしゃぎ回る子どもたちにいつも手を焼いていた。
全員が食事を食べ終えるまで7時間もかかったという。
登校の時もしかり、最後の1人を送り出す頃にはもう下校時間になっていた。
おじさんは悩んだ末、奥さんから箒を借りて子どもたちをかき集める事にした。そしてその作戦は見事に成功。

だが、子どもたちは成長し、もう箒で掃けなくなってしまった。そして皆社会人としておじさんの元から独立していった。
やがて奥さんにも先立たれてしまい、完全に1人ぼっちとなったおじさんは、すっかり広くなってしまった誰もいない部屋を虚しく掃く日々が続いた……
バカボンのパパの前にレレレのおじさんが現れるようになったのはその頃からであった。

今でも落ち葉を子どもだと思ってかわいがっているというおじさん。
おじさんは落ち葉をかき集めて火を付けると、イモを放り込んだ

おじさん「ケッケッケッ もうすぐイモが焼けるから食べていきなさいよ
パパ「なんだかわかったようなわからないような話なのだ……

この話はトリビアの泉でも紹介された。

追記・修正ですか?レレレのレー。


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最終更新:2025年04月03日 09:56

*1 なおこの作品はメタフィクショナルな「ギャグ小説」のため、次の行で本人から「そんな風に書かれると、私はまるで人間ではないみたいですね」とツッコミが入った