SCP-2014-JP

登録日:2021/09/26 Sun 15:30:00
更新日:2021/10/07 Thu 08:57:03
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SCP-2014-JPは、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
メタタイトルは『ねえ奥さん聞いた〜?あそこの息子さんがね…』。
オブジェクトクラスはSafe改めNeutralized。既に無力化しているため収容は不要だ。

説明

SCP-2014-JPは宮城県██町で不定期に流通する虚偽の情報である。
その殆どが██町民が不利益を被るようなものとなっており、知った人物(以降SCP-2014-JP-1と表記)は積極的にSCP-2014-JPの内容を周囲の人物に伝え、拡散することに努める。
この際SCP-2014-JP-1はSCP-2014-JPの内容について疑いを持たずに事実であると認識するため、SCP-2014-JPが虚偽の情報であるということを理解することは不可能である。
SCP-2014-JPの発信者については調査が進められている…が、当然の様に現在も判明していない。財団の調査に対しては「人から聞いた」と回答しているらしい。

SCP-2014-JPの実例

  • パスタを食べると病気になる⇒大量のパスタの廃棄、不買運動
  • 生肉を食べると国から補助金が出る⇒実際に生肉を食したことによる食中毒患者、市役所への催促の電話の増加
  • 町内に指名手配犯が隠れている⇒町内の捜索、パトロールの強化
  • 1週間以内にこの町に隕石が墜落する⇒パニックによる事故、事件の増加

ちなみに、SCP-2014-JPの内容を知ってから3~9日が経過するとSCP-2014-JPが虚偽の情報であることを理解することが可能になる。
そして、まだ影響下にあるSCP-2014-JP-1に対してSCP-2014-JPが虚偽の情報であるということを伝えようする。この働きかけがあったSCP-2014-JP-1は、より早い段階で認識が正常化するそうだ。

実験記録

は…特筆すべき所も無いので割愛する。結論を言えば、財団はどう頑張ってもSCP-2014-JPに対抗できなかった。いつもの
収容にかかる費用も馬鹿にならないので、必要に応じたカウンセリングを行う事で財団は対応する事になった。

補遺

収容初期において、SCP-2014-JPの内容は危険性が低いものが多かった。しかしその内容が過激化し、危険性を増す傾向にある事が新たに分かった。そのため危険な行為や無謀な行為を試みる住民が増加し、事件や事故に繋がるケースが出てきた。財団はこの状況を危惧していたが…

追記

SCP-2014-JPは1973/12/8を最後に無力化したと考えられている。最後のSCP-2014-JPの内容は「これまでデマを流していたのは町民の豊川氏だった」というものだった。
結局これも虚偽の情報だったと見られている。豊川氏へのインタビューも計画されたが、実行される前に当の本人が死亡してしまった。

一体どういうことだったのだろうか…















安易に〆てしまってはwiki籠りの名折れだ。徹底的に考察をしていこうじゃないか。
もちろんこの考察が合っている保証は無いので、いやそうはならんやろ…と思った方が居れば是非追記修正して頂きたい。

考察

①異常性が無くなった日付
SCP-2014-JPが異常性を喪失したのは1973/12/8。わざわざ明記されているという事は、この日付に何か意味があると考えた方がいいだろう。

②豊川氏の死亡
彼の死には何か意味があるのではないだろうか。豊川…はて、何処かで聞いた覚えが?












wiki籠りの諸兄は聞いたことが無いだろうか?
「自然発生したデマがパニックを引き起こすまでの詳細な過程が解明された珍しい事件」
として有名なある騒動を……そう、

豊川信用金庫事件である

「どんな事件だっけそれ」という方々も多いので簡単に説明すると、

豊川信金に就職内定した女子高生が友人に
「卒業後の進路で信金は(犯罪に狙われそうで)危ない」と冗談でからかわれる。
   ↓
冗談を真に受けた女子高生が「信用金庫は危ないの?」と、親戚に相談。
   ↓
相談を受けた親戚Aが、豊川信金について相談されていると判断。
更に別の親戚Bに「豊川信金は危ないのか?」と相談。
   ↓
相談を受けた親戚Bが「豊川信金は(経営状態が)危ないらしい」と世間話をしたのがきっかけで、周囲の人間に噂が拡散。
いくつかの偶然も作用して噂の内容も「豊川信金は危ない」と断定調になり、信金窓口に預金者が殺到
いわゆる取り付け騒ぎ*1にまで発展。
   ↓
騒ぎが人の目につき始めると、噂話は「潰れる」「明日はもうあそこのシャッターは上がるまい」というレベルにまで内容も誇張される。
事態の収拾のために信金が出した声明や、払い戻し処理の迅速化のための措置も曲解され、パニックに拍車が掛かる。
   ↓
信金側の依頼を受けたマスコミ各社が「デマ」と報道。
事態を受けた日本銀行の考査局長が記者会見を行い、信金の経営について「問題ない」と発言。
店頭に全国信用金庫連合会、全国信用金庫協会連名のビラが張り出され、常務理事による預金者への説得活動も行われる。
これらの対策を積み重ねて、ようやく沈静化
最初の女子高生の冗談話からここまで8日間程度。デマはその後もしばらく燻る。

というもの。
んなバカな、と思う方もいるだろうが、73年は第四次中東戦争によるオイルショックで景気が怪しくなり、10月にはトイレットペーパーの買い占め騒動が起きた頃。
地方の小さな金融機関が潰れる、という話も一笑に伏せない情勢であった。
でもってこの事件の発端である学生のやりとりは、SCP-2014-JPが異常性を喪失したのと同じ1973/12/8
無くなったのは豊川信用金庫と同じ漢字の豊川氏

もちろん名前は偶然の一致かもしれない。
だが、こう考える事は出来ないだろうか?
SCP-2014-JPにはまだ明らかになっていない異常性がある。それは

・財団が把握していない未知の条件、例えば一定期間を経るなどを満たすと、異常性が発生する場所が転移する。
あるいは
・豊川氏の死去、もしくは最後の虚偽情報の流布以後は発生する場所が転移する異常性を獲得した。

つまり、(財団世界における)豊川信用金庫事件はSCP-2014-JPの影響を受けて発生した可能性が高い。
この事件では、短期間で約14億円もの預貯金が引き出された影響で金融機関が倒産危機を起こすまでになった。仮に事件がSCP-2014-JPの影響だったとすれば、明らかに異常性が過激化している。パスタだ生肉だの比ではない。

豊川信用金庫事件は二週間弱で収束した。それに合わせてSCP-2014-JPも転移したかもしれない。恐らくは、より過激で危険なデマを纏って。

次に現れるのは、あなたの街かもしれない。




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最終更新:2021年10月07日 08:57

*1 銀行・信用金庫などの金融機関の預金者が一斉に預貯金を下ろしに来ることで混乱をきたす現象のこと。これが起こると金融機関は手元に動かせるお金が無くなってしまい、最悪の場合経営破綻にまで追い込まれる。