ウォン・フェイフォン(ゼノギアス)

登録日:2011/07/01(金) 17:59:09
更新日:2023/11/03 Fri 17:43:26
所要時間:約 7 分で読めます




ゲーム、ゼノギアスの登場人物。本作品の主人公。

Wong Fei Fong
年齢:18歳
身長:177cm
体重:67kg
胸囲:97.5cm
胴囲:72.5cm
靴:27cm
洋服:M
搭乗機:ヴェルトール
声優:緑川光




イグニス大陸辺境の村、ラハン村に住む青年。
健康的に焼けた肌とがっしりした体格、触角……もとい前髪が特徴的。
愛称は『フェイ』。

元々は物語の3年前、《仮面の男》によって村に運び込まれた人物。
その際、心身に多大なダメージを受けており、しばらく生死の境を彷徨っていた。

同時期に村に移り住んできた医師、シタン・ウヅキの手によって治療を受けた事で心身共に回復したが、回復以前の記憶を失っている。
要するに記憶喪失。

しかし重圧を感じさせる事もなく、ラハン村では優しい青年として受け入れられている。
また自身を治療したシタンを慕っており、彼の娘であるミドリが心を開く数少ない人物。うらやましい。


特技は絵を描く事と素手格闘の武術。
どちらもいつ修得したか覚えていない。

絵に関して、本人は「下手の横好き」と語っているが、タッチそのものはプロのそれと同じ。
武術に関しては達人レベルで、様々な技を使いこなす。
体力・素早さ・攻撃力が全体的に高いという典型的な主人公型。
おいそこ、盆踊りとか言うな。


物語開始時点では親友であるアルルとティモシーの結婚式を間近に迎えており、自身に想いを寄せているアルルがティモシーと結婚する事に、複雑な心境を抱いている。




以下、ネタバレ注意






結婚式前日、突如として軍事大国キスレブの『ギア』──人型機動兵器が、ラハン村を襲った。
フェイもティモシーらと共に救助活動に従事するが、その最中、一体のギアが降り立つ。

自分でも分からない衝動に突き動かされるまま、ギア《ヴェルトール》にフェイは搭乗。
村を守る為に戦うも、その戦いの影響でティモシーが死んでしまう。

絶望したフェイに呼応するかのようにヴェルトールは暴走し、その力でラハン村は壊滅してしまうのだった……


アルルを含めた人々を殺し、わずかに生き残った村人からも糾弾されたフェイは失意の内に村を出る。
そして黒月の森で、エレハイム・ヴァン・ホーテン(エリィ)という少女と運命の出会いを果たす。


その後、数々の仲間達と出会い、フェイはこの世界を包む陰謀に立ち向かっていく事になる。

そして、この世界を裏から支配する《神聖帝国ソラリス》に乗り込むのだが……




以下、重大なネタバレ








フェイは記憶喪失と前述したが、正確にはその表現は間違っている。
記憶を『失った』のではなく、『最初から無い』のだ。

フェイは、乖離性同一性障害── いわゆる『多重人格者』である。


18年前、フェイは空中都市シェバトの武官ウォン・カーンと、修道女カレンの間に生まれた。
厳しくも頼れる父、優しい母に囲まれたフェイは幸せ……

……な、はずだった。


フェイが4歳の時、母カレンが突如人格変容。
フェイに拷問に近い実験を始める。
父カーンが仕事で留守にしていた事もあり、母に怯える悪夢のような時間が続いた。
父と一緒にいる時のみ以前の優しい母を演じていた為、事が明るみに出る事はなかった。

母に与えられる苦痛に耐えられなくなったフェイは、自分の中に苦痛の体験を肩代わりさせる別人格を作り出す事に成功。
優しい思い出はすべて独り占めして殻に籠る臆病者となった。
(この時点で、フェイは第1人格『臆病者』と第2人格(後に「イド」と呼ばれる存在の2重人格者である)

記憶については後述するが、イドは両親の優しい思い出も何もなく、ただひたすら苦痛だけを溜め込み、
邪悪な母と助けてくれない父を恨み、やがてその精神は憎悪と破壊衝動一色に染まっていった。

その後、ある日生家に謎の男グラーフが襲撃をかけた。パニックを起こしたフェイは力を暴走させ、母カレンはフェイの力の暴発によって死亡。
この事件にさらなる衝撃を受けた第1人格『臆病者』は完全に殻にこもり、
フェイの肉体と行動の主権は第2人格『イド』が握る事になる。
グラーフはイドを迎え入れ、戦闘技術とギア「ヴェルトール・レプリカ」を与えた。
これで憎悪発散の手段を得たイドは、様々な場所でグラーフと共に破壊活動を行っていった。


そして本編の3年前、遅きに失してようやく事態を把握した父カーンがグラーフ&イドコンビと激突。
カーンは捨て身でイドを封じ、『フェイ』の人格を初期化した。まっさらになったフェイは、本編主人公である第3人格を形成。
これ以降、新しく生まれた人格はラハン村での経験を元に人格を形成していく事になる。

これがフェイの記憶喪失の真実。多重人格障害には様々なケースが有るが、フェイのそれは明確な上下関係が存在するケース。
下位人格は上位人格が持つ記憶には(上位の人格が自ら明け渡さない限り)アクセスができない。
技能や基礎的な知識などは有ったが、「思い出」と言えるものは第3人格に最初から無かったのである。
(以後、現在のフェイ(第3人格)をフェイ、第2人格をイド、基礎人格を臆病者と呼称する)。

フェイを村に運んだのは、グラーフに乗っ取られた父カーン。カーンは戦闘の末、イドを封じはしたがグラーフに肉体を乗っ取られた。だが相当に抵抗したらしく、グラーフもかなりの不自由をこうむっている。

本編主人公のフェイは突発的事態や情動反応に異常に弱く激しく動揺するが、それもこの事情のゆえ。
情操教育の期間が、穏やかなラハン村での3年間しか実質的に無かったのである。


本編でプレイヤー(フェイ第3人格)が操るヴェルトールは、元々グラーフの乗るO.R.(オリジナル)ヴェルトールを元に、イド専用の機体として開発されたレプリカ。
劇中で度々現れる紅いヴェルトールは、現在の『フェイ』ではなく、イドの人格が発露した際に解放される全能力解放形態である。

イドはフェイの支配力が弱まった時──つまりフェイが無力感に苛まれた際に発露し、ヴェルトールの力を解放していた。


ソラリスにてイドを発露したフェイは、その危険性からシェバトにてカーボナイト凍結という処置を受ける事になる……





以下、最終ネタバレ







フェイは普通の人間ではない。
事象変移機関《ゾハル》に宿る高次存在、《波動存在》の力の一部を宿す《接触者》である。


1万年以上前の星間戦争時代、軍はゾハルを動力源とした星間戦略兵器《デウス》を建造。
しかしデウスはゾハルとの連結実験中に暴走し、軍は多大な犠牲を払ってデウスを凍結。その力を危険視し、封印を決議した。

しかし移送中にデウスは恒星間航行艦エルドリッジをハッキングして禁忌の惑星ロスト・エルサレムへと艦を転移させようとした。
事態を重くみたシゲヨシ艦長の手によりエルドリッジは破棄され、物語の舞台となる惑星に不時着した。


デウスが暴走した原因は不明。連結実験中にデウスは何故か無限のエネルギーをゾハルに求めて、ゾハルは高次の波である波動存在を降ろし、連結実験の場に『偶然』いた少年『アベル』によって波動存在は定義付けられた。

その際、波動存在はゾハルという物質の檻に囚われ、アベルは波動存在の力を分化した者となった。

波動存在は高次元への回帰を望んでおり、その為の手段として『接触者の手によってゾハルを破壊する』という目的を持っている。

その為、アベルは例え死んだとしても、『デウス(神)に牙剥く者』として転生する運命にある。

また、エレハイムはアベルの中にある母性への憧れを波動存在が定着させた者、接触者に対する《対存在》である。
故にエレハイムも転生を繰り返し、常に接触者を支える立場にいた。

尚、接触者は転生の際に記憶をイントロン(塩基配列にある記憶転写の生体素子)下に保存している為、覚醒した後はすべての記憶を有している。


各時代の接触者は、

  • 1万年前……アベル。
波動存在と接触した少年。当時現人神として君臨していたカインに反発するが、カインによって狙われ、それを庇ってエレハイムが死亡。以後消息不明。

  • 4000年前……キム。
科学文明を極めたゼボイム文明期の医師。科学者でもあり、ナノマシン郡体による新たな生命体(エメラダ)を創造したが、軍によって狙われ、それを庇う形でエレハイムが死亡。以後消息不明。

  • 500年前……ラカン。
ソラリスと地上の戦いでは戦友・カレルレンらと共に戦ったが、戦いによりエレハイムが特攻で死亡。
失意のままゾハルと不完全な接触を果たし、グラーフとなった。ロニに敗れて以後消息不明、だが死後も思念は憑依能力で生き続けた。

……といった感じ。

グラーフが戦闘技術とヴェルトールを与えたのは、新たな接触者であるフェイの肉体が必要だった為。
フェイの肉体を乗っ取った後に戦えるように鍛え上げた。

フェイは全ての事実を知り、イドや臆病者と理解し合い、人格統合して覚醒。ヴェルトールを《ゼノギアス》に進化させる。

そしてデウスを破り、高次世界におけるカレルレンとの戦いでエレハイムを取り戻し、仲間達の元に帰ったのだった。



……全くの余談だが。
作中でエレハイムとのベッドシーンが存在する。
まあドット絵だから出来たんだろう。サーガとかブレイド並みのグラなら多分無理。
リア充爆発しろ。


尚このゲーム、最初はもっとファンタジーな内容だった。
その為フェイも合わせたデザインとなったのだが、実際にはゲーム内容はドロッドロである。
しかしデザインを直す暇もなく、ディレクターとしては最もリファインしたいキャラクターとなってしまった。
田中君ゴメン、とはディレクターの言。

……その割にゼノサーガではデザイン流用されてるが。何故だ。

ついでに、設定資料集では『フェイ・フォン』だったり『フェイフォン』だったりする。
どっちだよ。
フルネームの由来はおそらく、19世紀末~20世紀初めの中国で武術家・医師・自警団として名を馳せた黄飛鴻。伝記や映画が多数ある英雄的人物である。





不完全な項目でも構わない。
いや、不完全だからこそ、お互い欠けている何かを補い追記・修正していく……それがwiki篭りだ……
それがアニヲタwikiという事なんだ!
俺はそんなwiki篭りである事に喜びを感じている!




貴様がエリィを……………許さんぞ!

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最終更新:2023年11月03日 17:43