殺戮の天使

登録日:2021/12/05 Sun 20:41:48
更新日:2024/04/13 Sat 17:22:55
所要時間:約5分で読めます





お願いがあるの 私を殺して――

殺戮(さつりく)天使(てんし)とは、ニコニコゲームマガジンにて連載していたフリーゲームである。
作者は星屑KRNKRN(ほしくず)(真田まこと)氏。
全16話構成で、第12話までが2018年7月から9月にかけてAT-X・TOKYO MXほかにて放送された。第13話以降は2018年12月30-31日にAT-Xにて4話連続放送およびAmazonプライム・ビデオほかにて配信された。
当初は「サブスクではAmazonプライム限定配信」だと告知されていたが、2023年現在はdアニメストアでも全話視聴可能となっている。
なおOPのアーティストはまさかの遠藤正明氏である。

ストーリー

ビルの地下の最下層で目を覚ました13歳の少女、レイ。
彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。

ふらふらと地上を目指し、ビルの中をさまよう彼女の前に現れたのは、顔を包帯でおおい、死神のようなカマを持った殺人鬼ザック。


「お願いがあるの お願い、私を殺して」

「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を、殺してやるよ」

二人の奇妙な絆は、そんな"イカれた約束"をキッカケに深まっていく。
果たして、ここはどこなのか。二人は何の目的で閉じこめられたのか。
彼らを待ち受ける運命とは。
密閉されたビルから脱出する決死行がはじまった……!

(配信サイトより引用)

登場人物

CVはアニメ版準拠

  • レイ
……お願いがあるの お願い ――私を、殺して

CV:千菅春香
このゲームの主人公。記憶を失った13歳の少女。
本名はレイチェル・ガードナー。
腰あたりまである長い金髪と、澄んだ青い瞳をしている。
服装はボーダーのインナーに襟なしの白い上着を羽織り、ショートパンツとブーツで活動的。また首にはチョーカーも付いている。
黒いポシェットを肩から斜めに掛けており、主に裁縫道具が中に入っている。
頭がよく冷静沈着な印象だが、どこか奇妙に人間の感情を失っている。
ビルの最下層で目を覚まし、ふらふらと地上を目指してB6Fに着いたときにザックと出会う。

先述の通り記憶を失っているので、自分が何故ビルの最下層(B7F)に居るのか分からないが、自分の名前、「人が殺されるところを目の前で見たから」という理由でダニーの元でカウンセリングを行うため病院に来たことや、父母のことなどは覚えている。*1
ただし、無残な姿になった小鳥を裁縫道具で縫い合わせ、「私の小鳥に"直して"あげる」と言い放つなど、ただの少女ではない、どこかビルの殺人鬼たちと負けず劣らずな異常な一面をもつ。

当初は「ここから出て、お父さんとお母さんに会いたい」と生きてビルから脱出しようとしていたが、B5フロアにてダニーに両親が既に死んでいることを告げられたのを切っ掛けに「死にたい=殺されたい」と願うようになる。
B5Fまで追いかけてきたザックに殺してもらおうとするが、彼からは「人間らしい表情を見せないと、殺す気になれない」と言われて困惑する。
そこでザックに頭のよさを見込まれ、「殺してもらう」ことを条件に行動をともにする。
ちなみに自殺はしない理由は、本人の独特な宗教観によるもの。本人曰く「神様が言ったから自殺はいけない」
ちなみに「レイ」と呼ぶのはザックだけで他のキャラクターは「レイチェル」と呼んでくる。

  • ザック
今から3秒数えてやる。だからさぁ、逃げてみろよ!
そして泣いて叫んで命ごいをしろ! もっと見せろ、絶望の顔を!

CV:岡本信彦
レイがB6Fで出会った殺人鬼。
本名はアイザック・フォスター。
返り血らしきものが付いた黒っぽいパーカーを被り、巨大な鎌を携え、顔と上半身と両手を包帯で覆っている正にテンプレのような殺人鬼らしい格好をした青年。
髪はあるようだが、先述の通り包帯で顔が隠れている為容姿が不明、その隙間からは黒と金色のオッドアイが見える。
二十歳前後ともいわれるが年齢不明。*2
身体能力はビルの殺人鬼の中でトップクラスに高く、多少のダメージはものともしないほど生命力も中々高い。

しかし、レイが密室に逃げ込み、箱の中に隠れても、碌に怪しむ素振りも見せないなど頭は良くない。本人も自分を馬鹿だと認めている。
考えることも得意ではないらしく、理屈で動くレイとは対照的に、基本的に勘で動くタイプ。
幸せそうな人間や嬉しそうな人間を見ると、つい殺したくてたまらなくなる自称"マトモな成人男性"
希望との落差や、恐怖に怯える表情に快楽を覚え、興奮が高まると思わず相手を斬り殺してしまう。明らかにマトモではないが、このビルにはザック以上にマトモじゃない奴揃いである

  • ダニー
どうしたの? レイチェル
ほら、僕だよ? ――ダニー先生だ

CV:櫻井孝宏
B5Fで出会ったレイのカウンセリングの主治医を名乗る青年。
本名はダニエル・ディケンズ。
白衣を身にまとい、眼鏡を掛けたその姿はお医者さんそのもの。両目の色が違うのは片目に義眼を入れているため。*3
柔らかな物腰と優しそうな笑顔で話しかけたり、レイの目が傷つかないように気遣うなどレイに対して紳士的に接するが、鍵を持っているにもかかわらず中々言い出さないなど怪しい行動が目立つ。
また、レイの目に対して強烈な関心を向けている。
その正体はやっぱり B5Fの殺人鬼である。殺人鬼として活動する際は緑と赤の瞳のある義眼に付け替える。

  • エディ
ボクたちが与えられているのは、それぞれの担当フロア内での行動と――
そのあいだ――――人間を殺していい権利だけなんだよ

CV:藤原夏海
レイとザックがB4フロアで出会った少年の殺人鬼。
本名は、エドワード・メイソン。
カボチャのような覆面で頭をすっぽり覆い、ツナギにショベル、赤いマフラーと墓守のような格好をしている。
見た目相応の少年らしい性格だが、好きな人を自分が作った墓に入れたいという異常な感性の持ち主。ザックからは「気色悪い」と引かれている。
レイに対して一目惚れしており、殺して欲しいという彼女の願いを利用して、ザックではなく自分に殺させるために、言葉巧みに囁いてくる。

  • キャシー
――私は断罪人
――あぁ、罪深き悪人ども
――許されるまで痛めつけてあげる
――私はそれが許された人間なのだから!

CV:伊瀬茉莉也
レイとザックがB3フロアで出会った殺人鬼。
本名はキャサリン・ワード。
非常に高飛車で目立ちたがり屋な性格をしており、 事あるごとに高笑いをする。
鞭を片手に自らを「断罪人」と呼ぶサディストの女看守。自分が用意した処刑方法で相手をいたぶって殺す事を好む。そのせいでザックからは「クソサド女」と呼ばれている。
ザックを「理想の罪人」と称して殺したがっており、ダニー、エディとは違ってレイには無関心。

  • グレイ
私は、この教会の――神父だ。グレイという

CV:大塚芳忠
レイがB2フロアの大聖堂の奥で出会った初老の男。
『殺戮の天使 Episode.0』では、エイブラハム・グレイと名乗っている。
ビル全体について知っているかのような言動を行い、その言葉はいつも謎めいていて常人には理解しがたい。
自らを神父と名乗る通り、神父服を身につけ、身体からは甘い香りがただよっている。
彼に近づくと不可思議な出来事が起きるようになる。
ザックを除くビルの殺人鬼たちは彼の事を「神父様」と呼び慕っている。
レイに対して不信感を抱いている一方、ザックを甘やかしている節があり、レイもそれを指摘している。
これまでの殺人鬼とは雰囲気がまるで違う上に、ルール違反とされるビルのフロアの移動をしても何のペナルティもない。


コミカライズ版限定の登場人物

名束くだん氏のコミカライズ版では登場人物の過去に関わるストーリーが展開されており、本編には未登場の主要人物も存在する。
ゲーム版の作者である真田まこと氏公認のサイドストーリーであり、シナリオおよびキャラクターの子細が解説されているため、公式のキャラクターとして当項目にも記載。

  • ルーシー
コミカライズ版で追加されたキャシーの過去編に登場。キャシーの経歴に密接に関わっている、彼女の幼馴染。
一見すると気が弱く大人しそうな風貌だが、自らの信念を冒涜するものに対して非常に攻撃的になる気性が荒い一面がある。
きっかけは不明だが、キャシーに酷く心酔している。彼女のことを「裁きを下す側にふさわしい人間」と賞賛し、なおかつ、(自分を含む)キャシー以外の人間は全てが浅ましいと卑下する狂信者。
(一方、キャシーも彼女と付き合っていた当初から「自分こそが裁く側、自分以外はみな裁かれる側」「罪人は裁かれるのが当然」という、本編時と変わらない独自の倫理観を持っていた)

学生時代、ルーシーはキャシーと同じガールズスクールに通っていたが、その際にキャシーにちょっかいを出すクラスメート達を憎悪しており、クラスメートに対し暴言による対立を繰り返すようになる。
そしてとうとうルーシーは「キャシーにより裁きを下された罪人を罰する」と、クラスメートを事故に見せかけ殺害。改めてキャシーの正義に付き従うと誓いを立て、キャシーもルーシーのことを「自分に代わって罪人に直接手を下す者」として手元に置くようになる。

キャシーが看守職に就いた際には、彼女を追いかけルーシーも看守に就職。キャシーが裁いた罪人たちを直接殺害する代行の役割を担った。
やがて、キャシーがグレイによって引き抜かれた際に、ルーシー自身もキャシーによって断罪され死亡。その際には、ルーシーは キャシーが"初めて"自ら手を下す罪人 となったことを喜び、キャシーの門出を心から祝福していた。

「Episode.0」では、キャシーがルーシーに抱いていた心情が改めて描写された。
キャシー曰く、ルーシーは「特別で大切な、わたくしの可愛い罪人」であったらしく、彼女自身も初めて直接手を下す罪人をルーシーにすることには特別な意味を見出していた模様。双方の心は通じ合っていたようだ。

コミカライズ版にて、ゲーム準拠の立ち絵も公開されている。タッチもゲームの他キャラクターと同様のものを用いられている。

  • シン
「殺戮の天使 公式ファンブック」掲載の「ある殺人鬼たちの記憶」、およびコミカライズ版「Episode.0」に登場。

人間の死体を素材にした家具作りを生き甲斐とする家具職人で、B4フロアの天使。本編時にB4フロア担当だったエディの前任者である。
詳細はシン(殺戮の天使)にて。




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最終更新:2024年04月13日 17:22

*1 失った記憶はビルで目を覚ます前後のみである模様

*2 B4にて発見された履歴書に20歳と表記されている。

*3 右目の黒い方