ホーム・アローン3

登録日:2021/12/19 Sun 20:13:40
更新日:2025/02/09 Sun 13:16:55
所要時間:約 7 分で読めます




『ホーム・アローン3』とは1997年に公開されたアメリカのコメディ映画。ホーム・アローンシリーズの第3作目にあたる。

本作は前々作『ホーム・アローン』、そして前作『ホーム・アローン2』および次作『ホーム・アローン4』とは別の物語となっており、登場人物は勿論のことキャストも一新されている。

登場人物が変わっているとはいえ、本作もこれまでのシリーズに負けず劣らず、トラップも充実しておりそれなりに見ごたえのある作品となっている。
また、本作独自要素として物語前半ではラジコンカーを使ったカーチェイスシーンが繰り広げられており、こちらもかなりの見ごたえがある。

本作における主人公と対峙する犯罪者は2人から4人に増えており、前作までのハリーとマーヴのようなマヌケなコソ泥ではなくFBIがマークしているガチの犯罪者たちである。
そのためか対する主人公サイドも仲間が増えて1人ではなくなっている。ネズミとオウムだけど。
とはいえ恒例の大人の味方キャラがいないという点では、相対的に味方の数が増えた内には入らないかもしれない。


【あらすじ】

ある日の寒い冬のシカゴ、主人公・アレックスは水疱瘡にかかり、両親は共働きで兄姉も学校があるため、一人留守番する事になる。
そんな時、近所のおばさんから雪かきのお代でラジコンカーを貰う。しかしその中にはFBIが最もマークする犯罪組織が隠した国家機密のマイクロチップが入っていた。
チップを盗んだ連中は玩具の中に隠していたものの、空港でのアクシデントが原因でアレックスの元に渡ってしまったのだった。
アレックスはチップを追ってきた犯罪者一味の暗躍を知り警察に通報するも、あと少しのところで逃げられてしまい家族からも警察からもオオカミ少年扱いされてしまう。
アレックスは大好きな家族と家、そして世界を守るため、たった一人で知恵と頭脳を駆使して4人の犯罪者一味との対決に挑む。


【主な登場人物】


少年とお供たち


  • アレックス・プルイット(演:アレックス・D・リンツ)

ケビンに代わる本作の主人公。
ひょんなことから犯罪者が狙っているマイクロチップを手に入れてしまったことから物語は始まる。
最初は何も知らずにラジコンで遊んでいたが、犯罪者一味がラジコンを執拗に狙っていたことから中に入っていたマイクロチップに気づく。
水疱瘡にかかってしまい、犯罪者のことやマイクロチップのことを話しても誰からも信用されないという、ケビン同様不幸な体質の持ち主。
だが、それでも家族や家を守るべく、家中に様々なトラップを仕掛けて、犯罪者たちとの対決を挑んでいく。

今回が初戦で、しかも水疱瘡でありながら、ケビン以上に相手を殺しにかかってるトラップを駆使して4人の犯罪者を圧倒するなど、ケビン以上なチートキャラである。


  • ドリス

アレックスが飼っているネズミ
ネズミながらも中々の行動派で、終盤辺りで犯罪者一味に一泡吹かせるという功績を成し遂げた。


  • オウム

アレックスの兄のスタンが飼っているオウム。名前は不明。
オウムのくせに普通に会話ができ、兄同様アレックスのことをバカにしているが、それでも彼に協力するなど意外と良いヤツ。それでいてかなり知能が高い。
終盤、逮捕された部下を置いて逃げたボープレーの逮捕のきっかけを作るといった大トリを飾った。トリだけに…
オウムらしく、クラッカーが好物。ただし交渉にはクラッカーを2つ要求し、それがボープレーの命運を決定づける事となった。



犯罪者一味


FBIがマークしている4人の犯罪者たち。
国際的トップシークレットの情報が入ったマイクロチップを手に入れ、空港の検閲を素通り出来るラジコンカーに隠していたが、ヘスが荷物を取り間違えてしまったことで失ってしまい、彼女を追うべくシカゴへ向かった。
そしてアレックスがチップを持っていることを突き止め、チップの奪還を目論む。

最初こそシリアスな雰囲気を出していたが、アレックスの仕掛けたトラップにかかってからは、ハリーとマーヴのようなギャグキャラになっていき、最後は4人全員逮捕され、アレックスの水疱瘡が伝染してしまった。
やはりと言うべきか、4人とも普通なら死んでるレベルのトラップを食らっても平然と生きており、最終的には行動不能程度で済むという人間離れした肉体を持っている。

  • ピーター・ボープレー(演:オレク・クルパ)

犯罪者一味のリーダー格。
一味の中で最もマークされており、7年も逃亡を続けてきたらしい。
身体能力や判断力が高く、チップを探してプルイット家の近所をしらみつぶしに探していた際アレックスに望遠鏡で発見され通報されるも、天井に張り付いて警察をやり過ごした。
邪魔者を徹底して始末するためハンドガンやショットガンを携帯するなど冷酷な一面を見せつけるが、ハンドガンは不注意でアレックスの用意したニセモノの拳銃*1を持って行ってしまうなど爪の甘い所も。
アレックスのトラップに翻弄されながらも最後まで食い下がり、終盤にて追い詰めてチップの在処を問いただすもののアレックスのハッタリ*2に騙されて逃走。

だが、最後は警察から隠れていたイグルーに仕掛けられていた大量のロケット花火をオウムに起爆させられそうになり、慌ててクラッカーを餌に制止しようとするが、オウムから2枚要求され、前日に1枚食べてしまっていた為に1枚しか持ち合わせがなく、懐柔に失敗。無慈悲に起爆させられた花火の爆発に巻き込まれた上に、言うまでもなく警察に見つかり、黒焦げになりながら逮捕された。

子供もそうだがオウムに負ける犯罪者一味のリーダーって…


  • アリス・リボンズ(演:リア・キルステッド)

犯罪者一味の紅一点の美女。
新体操のようなアクロバティックなアクションを無駄に披露するなど驚異的な運動神経を持つ。ネズミが大嫌い。
計画をメチャクチャにされたことから相当アレックスに対して根に持っていたのか、中盤ヘスを椅子に縛り上げて倉庫に監禁するなどボープレーに負けず劣らずの冷酷さを見せていた。しかもヘスが寒さに苦しむよう敢えて扉を開けたままにしておくという嫌がらせつーか殺人未遂付きである。
最初こそ余裕を見せていたが、2回も植木鉢攻撃*3をくらったり、泥塗れになったりと悲惨な目に遭った他、ズボンの後部が破れてパンツが丸見えになるという因果応報とはいえ女性として相当屈辱的な事態に陥る。

最後は底の抜けた荷物用エレベーターに乗ったことで、屋根裏から地下室まで転落してしまい、複雑骨折により両手両足がグニャグニャになった状態で連行されていった。普通なら「痛い」の一言で済ませられるレベルの怪我ではない。


  • バートン・ジャーニガン(演:レニー・フォン・ドーレン)

犯罪者一味の1人。
4人の中で最もクールなイケメンで、推理力もずば抜けている。
だが、アレックスが設置した電気椅子に座ってしまったり、草刈り機で髪の毛を刈られてしまったり、梯子で2階に登って運よくアレックスと対峙するもその先の落とし穴にはまって落ちたり、ドリスがズボンに入ったことで、アリスからゴルフクラブでキン〇マをぶん殴られたりと他のメンバーに負けず劣らず悲惨な目に遭っていた。
一応何かしらの武術の心得があるのか劇中で周囲を警戒している時にそれらしき構えを取っていた場面もあるが、結局活かされることは無かった。

最後はアレックスを追うべく、アンガーと共に屋根裏から下にあるトランポリンに飛び降りたが、トランポリンの下にある凍ったプールに転落。凍った状態で連行されていった。


  • アール・アンガー(演:デイヴィッド・ソーントン)

犯罪者一味の1人。
ロングヘアーが特徴で、普段は結んでいるがプルイット家潜入時にはほどいていた。
大柄で強面な外見通り粗暴で頭が悪く、キッチンの食べ物を盗み食いしたり、覗き見をしたりするような意地汚い様子を見せるなど、4人の中ではハリーとマーヴに最も近いキャラとなっている。
その性格ゆえに、アレックスのトラップに誰よりも引っかかっており、一番悲惨な目に遭っていた。
特筆すべき一例として、手を置いた先に仕掛けられたネズミ捕りに引っ掛かったばかりか、そのはずみで銃を思わず天井に発砲してしまい、汚水が流れているパイプに銃弾が当たったことで頭から黒い汚水を大量に被るという、当初のアレックスの思惑を遥かに凌駕する悲劇に見舞われた場面も。

最後はアレックスを追うべく、ジャーニガンと共に屋根裏から下にあるトランポリンに飛び降りたが、トランポリンの下にある凍ったプールに転落。凍った状態で連行されていった。



プルイット家


  • カレン・プルイット(演:ハヴィランド・モリス)

アレックスの母親。
やや厳しめな性格だが、家族想いの優しい母親。
当初はアレックスの言うことをあまり信用していなかったが、スタッキーから事件のことを知らされて逸早く自宅に戻り、アレックスと再会。そして、彼に深く謝った。


  • ジャック・プルイット(演:ケヴィン・キルナー)

アレックスの父親。
ズボンを履き忘れたまま家を出ようとするなど時折ドジな一面を見せるも、カレン同様家族想いの優しい父親。
序盤辺りで出張してしまうため、終盤まで出番はない。


  • スタン・プルイット(演:セス・スミス)

アレックスの兄。
前作までのバズやジェフ同様、常日頃からアレックスのことをイジメているが、根は弟想い。
終盤、事件を知ったことでアレックスのことを見直した。


  • モリー・プルイット(演:スカーレット・ヨハンソン)

アレックスの姉。
前作までのリニー同様、アレックスのことをイジメているが、スタン同様根は弟想いで、終盤には事件のことを黙秘するスタッキーに対して力ずくでも吐かせようとするなど、それを印象付ける一面も。
現在でこそMCUなど様々な映画で活躍する大女優となったスカヨハだが、この時はまだ出番も少ない一子役である。


その他


  • ミセス・ヘス(演:マリア・セルデス)

アレックスの近所に住んでいるおばさん。
ケチで口うるさい性格で、アレックスのことを悪ガキと思い込んで厳しく当たるためアレックスも快く思っていない。
サンフランシスコでパンを購入したつもりが、間違ってマイクロチップの入ったラジコンカーの袋を持って行ってしまったため、雪かき代としてそれをアレックスにあげた。

ほとんどの人が仕事や学校に行って不在のご近所さんの中で唯一自宅にいたため、終盤は通報されないようアリスによって倉庫に監禁されてしまうが、アレックスによって救出されたことでお互い和解した。
事件後、プルイット家のパーティーに招かれて自身もハーバート・フーヴァーが大統領の頃に水疱瘡に感染したことをアレックスに話した。

前二作でも登場した「怖いけど実はいい人」ポジではあるが、犯罪者との戦いには貢献してないこと、最初から優しい人ではなく助けられたことで考えを改めたなど微妙に異なるキャラとなっている。


  • スタッキー(演:クリストファー・カリー)

FBI捜査官。
犯罪者一味が盗んだマイクロチップを取り戻すべくシカゴへ来た。
カレン達に事件のことを伝えたが、民間人に話すわけにはいかないと、核心に関しては黙秘しようとしていた。
しかし、モリーから詰められたことで、仕方なく説明した。

その後、プルイット家に向かい犯罪者一味を逮捕。事件の解決に貢献したアレックスに感謝の意を述べた。


【アレックスの仕掛けたトラップ】


  • 座ると感電する電気椅子
  • 玄関の前にイタズラのような形で毛糸に偽装した電線を仕掛ける。もちろん切ろうとすると本当に感電する
  • 電線を飛び越えた先に、下に大量のビーズを撒いたカーペットを敷いて、勢いのあまり滑りながらドアに激突
  • 影武者となるぬいぐるみを地下の上に置き、それを引っ張ると芝刈り機が頭上から落ちてくる
  • 玄関の扉から糸が張られて屋根のバーベルへ繋がっており、気付かず開けるとバーベルが降ってくる
    • …と言うのはフェイクで、糸を切ると本がしこたま詰まったトランクが降ってくる二段構え。バーベルも飾りではなく手動で落下して追撃を与える。
  • 梯子で3階から侵入するも、底が落とし穴になっており地下のトイレまで落下する
  • 泥塗れの裏道にワイヤーをしかけ、そこを通ると屋根から植木鉢が降ってくる
  • 窓を開けるや否や漆喰攻撃
  • 今度こそ入ると、足元に接着剤が入ったローラーかごに入ってしまい、ローラースケートのごとく部屋中滑り続ける
  • 罠を警戒しドアの覗き穴から覗いて来るのを予測し、挨拶した上で黒色のスプレーを顔面に吹き付けてパンダ状態にする
  • 裏口のドアの床は体重で落ちるようになっており、そのまま地下まで落下
  • 下にトランポリンがあるため、屋根裏から飛び降りれると思いきや、乗ればすぐ破れる構造になっている。しかもトランポリンの下には凍ったプールがあるという、こちらも二段構え
  • 荷物用エレベーターの底を抜いた状態にし、乗り込もうとすると尻から下に落下する


…など、ケビンの仕掛けたトラップと比べて完全に殺しにかかってる
まぁ相手が上記通り銃で武装した国際的犯罪者だからギリギリ正当防衛にはなるかな…?
とにかく全部ヒットすることを想定してトラップを仕掛けているケビンに対し、アレックスはあえて見破られることを前提にした二段構えのトラップも目立つ。
なお、後述の事情で手が回らなかったのか、2階のトラップは少なめで、どちらかと言うと直接出向いての攻防がメインになっている。ドリスの活躍もこの辺。
メタ的には悪者の人数が増えた分尺が足りなくなったものと思われる。



【余談】

ちなみに前々作のケビンと違い、今回家族が出かけたのは対決当日だったため、アレックスは家族が寝静まった夜と家族が出かけた後の2回に分けてトラップを仕込んでいる。
そのためトラップの第一陣はまだ家族が家にいる時に仕掛けられた形になっており、実際トラップが仕掛けられたクローゼットに行こうとした家族をアレックスが回避させる一幕がある。

また、前作前々作ではケビンは泥棒の撃退に貢献した事は一部の人間を除けば家族にも知られていないが、
今作ではマイクロチップを見付けた際にしっかりと徴兵センターに連絡を行い*4、警官隊がアレックス一家と一緒に救出に来た為はっきりと世間に逮捕に貢献した事が表ざたになっており
10万ドル以上(1000万円以上)の謝礼金が支払われる事も判明している。
家の修理代で消えそうとは言わない

アレックスの吹き替えを演じたのはソフト版・テレビ版ともに、前作と前々作でテレビ版のケビンの吹き替えを務めた矢島晶子である。
しかし、2019年に金曜ロードショーで放送された際には子役でお馴染みの寺田心が演じており、そちらでは矢島はオウムの吹き替えを演じた。

実は本作で登場しているラジコンカーは実際に販売されており、『UNO』や『バービー人形』、『ホットウィール』で日本でもお馴染みのアメリカのおもちゃメーカー“マテル”社の傘下に付いていたラジコン・スロットカーメーカーの“TYCO(タイコ )”社製の「Mutator」で、 アメリカ本国ではCMも放送されている。
CMでは青となっているが、これは通常版で、本作に出てきた赤色の物も 限定版として販売されている。 欲しい人はeBuyとかの海外のオークションサイトとかを探してみよう。

追記・修正は水疱瘡にかかった人にお願いします。

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最終更新:2025年02月09日 13:16

*1 玩具の鉄砲をペイントスプレーで黒く塗り潰した物

*2 『ハンドガンがいつの間にかアレックスの手に渡っておりそれを向けられる』というもの。だが実はアレックスがピーターに向けたハンドガンも銃口からシャボン玉が出る玩具の拳銃であり、本物のハンドガンはアレックスによって蓋付きのゴミ箱に捨てられた

*3 1回目は頭に、2回目は顔面に喰らった

*4 マイクロチップに空軍と書いてあったので軍の徴兵センターに連絡をした