登録日:2021/12/25(土) 01:28:04
更新日:2024/09/09 Mon 20:15:05
所要時間:約 5 分で読めます
『マーディスト ―死刑囚・風見多鶴―』とは、e-Storyアプリ「peep」で配信されているチャット小説作品。
原作:半田畔
イラスト:灰染せんり
†概要†
チャット小説を提供するe-Storyアプリ「peep」で2020年より配信された作品。
現在は各電子書籍アプリでも配信されている。
2021年12月より、
ライトノベルとして再編集された文庫版が順次出版。上下合わせて全2巻。
2021〜22年、ゆととによるコミカライズ版が月刊コミックジーンで連載。全3巻。
スピンオフ作品として、風見多鶴が世界から姿を消してから10年後を描いた咲村まひるによる作品『マーディスト ―ターミナス―』、とある看守との出会いを描いた嶋戸奈都美による作品『マーディスト ―ガード・マン―』が配信されている。
†ストーリー†
わずか数年の間に89人を殺害した死刑囚・風見多鶴。
その美しさから、彼女の殺人は芸術として評価され、アーティスト(芸術家)とマーダー(殺人鬼)を掛け合わせた『マーディスト』という呼び名がつく。
近年、そんな彼女の模倣犯が急増し、社会問題となっていた。
刑務所にいる風見多鶴は、ある人物と話をすることを条件に、模倣犯の情報を引き渡すという。
風見多鶴が選んだのは、どこにでもいる大学生の青年だった——。
†登場人物†
CVは漫画版特別PV、演者はシネマノベル版のもの。
- 風見多鶴(かざみ たづる) CV:小松未可子 演:鶴嶋乃愛
主人公その1。
かつて89人もの大量殺人を犯した死刑囚。
まるで死体で芸術作品を創るかの如く殺人を繰り返したことから、「
芸術家」と「
殺人鬼」を合わせて「マーディスト」の異名で知られている。
その芸術的な殺人が社会に与えた影響は非常に大きく、逮捕され死刑が決まった現在も「
模倣犯」や「カタリスト」など、彼女を神格化し信奉する者が多く存在する。
2年前に突如として自首したが、年齢も出身地も不明で、免許証も健康保険証も国籍すらもなく、国が彼女の死刑を適用すべく急遽国籍を発行したという経緯がある。
黒髪ショートカットに長い睫毛が特徴の若い女性で、およそ大量殺人を犯した死刑囚とは思えない印象を受ける。
肩や美脚が露出した非常にけしからん白い囚人服を着用しており、手と脚は鎖で繋がれ
首輪を付けられている。
下着ははいてないしつけてない。
模倣犯についての情報を話す代わりに夕木音人との面会を要求し、さらにただ情報を話すだけでは面白くないと、「ゲーム」を持ちかける。
音人に対しては妙な執着を見せており、彼との面会が出来ないなら情報を話さないとまで言い出すほど。また会ったこともないはずの音人の住所や妹の年齢、姉の失踪についても何故か知っている。
彼女との「
ゲーム」で事件の答えを探し出すことが本作の目標となる。
主人公その2。
どこにでもいるような平凡な男子大学生。
風見多鶴のことはニュースで知っていた程度だが、どういうわけか多鶴の面会相手として指名され、
模倣犯の情報を引き出すべく彼女との
御伽噺に巻き込まれていく。
妹を溺愛しており、「世界一の女」とまで評するほどの重度の
シスコン。デート直前に面会に呼ばれた際は全力で駄々をこねた。これでも一応シスコンの自覚はある。
ただしこのシスコンっぷりは、かつて姉が失踪したことによる「もう家族を失いたくない」という
トラウマに起因している。
音人の妹。15歳の高校生。
兄のシスコンは若干鬱陶しいとは思っているものの、なんだかんだ兄妹仲は良好であり、休日は一緒に出掛けたり、様々な出来事で疲弊する兄を気遣ったりする。
音人の姉。
7年前に家を出ていったきり消息不明となっている。
多鶴とは何らかの繋がりがあるらしく、多鶴との接触を繰り返して姉の情報を探るのが音人の目標となる。
東京地検刑事部特殊対策班所属の男性。
風見多鶴関連の事件を担当しており、多鶴から
模倣犯の情報を引き出し事件の解決に奔走する。
多鶴については「ただの悪人」「犯罪者が英雄視されることなど決してあってはならない」と強い正義感をもって対応している。
職務には忠実だが決して堅物
というわけでもなく、音人を信頼して事件の機密資料を見せたり疲弊する音人を気遣ったりと柔軟な対応も見せる。
他人には自分を下の名前で呼ぶように言っている。
自衛隊3尉。
風見多鶴が残した殺人装置を兵器利用することを目論んでおり、時に強引な手段を使ってでも捜査に介入してくる。
「殺人犯が残したものを兵器利用するわけにはいかない」とする朝顔とは相容れない関係であり、事件を巡って対立する相手である。
フリーのジャーナリスト。
音人が多鶴と面会を繰り返していることを嗅ぎ付け、スクープを狙おうと躍起になっている。
妙に馴れ馴れしく胡散臭い上にしつこく付きまとってくるため音人からは露骨に嫌われていたが……
風見多鶴と協力関係にあったとされる人物。
「人を細胞レベルで作り変える」ほどの非常に優れた技術を持っており、多鶴の依頼で死体の加工を行っていたという。
その技術をもって自身の容姿も変えているらしく、警察も現在の行方を掴めずにいる。
†用語†
出題者と回答者に分かれて、回答者が「YES」か「NO」で答えられる質問を出題者に出していき、正解を探っていく
ゲーム。「
ウミガメのスープ」が有名。
「YES」「NO」で答えられない質問には「ノーコメント」と返ってくる。でもヒントはくれることもある。
ただ情報を話すだけでは面白くないと多鶴が提案した
ゲームであり、音人、そして読者はこの
ゲームで答えを導きだしていく。
風見多鶴に影響されて、同様の犯罪行為に手を染める人たちの総称。
多鶴の芸術に感化され、いずれもが異常なまでに多鶴を信奉している。
「誰しもが“私”になる可能性がある」と作中ではされており、模倣犯は既に隣にいるかもしれない……
風見多鶴を信奉する過激派武装集団。
多鶴を奪還するべくテロを画策している。
資産家が支援しているともされており、その武装規模はもはや国家レベルともいわれている。
追記・修正は模倣犯の方がお願いいたします。
- イズとビンゴがおるやん。漫画の方しか知らんかったわ。 -- 名無しさん (2021-12-25 14:16:09)
最終更新:2024年09月09日 20:15